【瞻波龍王(せんばりゅうおう)】
海や湖を鎮護する龍王たちは、古くは月氏国の竺法の『仏説海龍王経』に「海龍王」という名称で用いられている。『瞻波龍王本生経』という経典も存在する。センバ(瞻波)とは、アンガ国のチャンパーのことである。玄奘の『大唐西域記』に記載されている名称である。
『仏説海龍王経』は雨乞いの儀式の際にも広く用いられて来た。
特に水中に暮らしている龍たちは、
ツバメを好んで食するとされる。龍たちの捕食からツバメを守護しているのが金翅鳥たちでもあり、金翅鳥は龍を喰い殺す。
【海龍王】
海龍王としての龍の信仰は、航海や交易の発達と共に確立され広まった。大海原を行く際には水晶の数珠を海中に投じて捧げることや、嵐の際には財貨を海龍王に対して献納することが行なわれて来た。
【二大龍王・四大龍王・八大龍王】
『如来興顕経』では、以下の二体の龍王が見られる。共に雨をつかさどるとされている。
『仏説海龍王経』では、以下の四体が龍王として挙げられている。
『摩訶僧祇律』では、以下の四体が龍王として挙げられている。
『毘布底曼陀羅儀軌』では以下の八体を挙げている。
- 種性龍王 藍色
- 力因龍王 緑色
- 螺護龍王 藕色
- 大蓮龍王 金色
- 増財龍王 緑色
- 安立龍王 紅色
- 中蓮龍王 白色
- 無辺龍王 藍色
最終更新:2022年07月20日 00:56