【屋島の禿狸(やしまのはげだぬき)】

屋島に住む化け狸。屋島寺の本尊である千手観音に仕えているとされる。(香川県)
「屋島の禿」という通称で四国各地の狸からも尊敬を集めている。(徳島県)

源平の両軍が争った「屋島の合戦」を実見しており、その様子をつぶさに再現する事が可能だと言う。ただし、それを見聞きしている際には決して声を発してはいけない、と禿狸は注意していたという。また、旅の途中の鑑真や空海の道中を手助けしたとも語られる。

毎年大寒の入りに全国各地の狸たちを集めて来て、「屋島の合戦」を見せてたともいう。*1


太三郎狸・蓑山大明神

太三郎(たさぶろう)という名を持っているとされるほか、蓑山大明神という神号も授与されている。

最終更新:2023年02月10日 21:10

*1 石上堅「口承文芸の妖怪発想軸」(『東横国文学』5)1972年