【宗源(そうげん)】

太一から生じる、一切万物あらゆる物の素となるもの。「たかつみなもと」ともよまれる。「宗源」は「五鎮」から構成されているとされる*1。「宗源」は「陰陽」の働きの原動力となる不生不滅の神気で、そこから「むすび」「うぶすな」の働きかけが生じて天地万物が生じる。

五鎮(いしづまり)

神・心・理・気・境の五つで宗源は構成されている。「神」は無尽霊物、「心」は無窮識物、「理」は法極断物、「気」は満動万物、「境」は成現形物であると説かれる。それぞれの鎮(しづまり)はまた五つの動き(五品)をうみだす。このうち、「理」だけは他の四つと違う働きがあるのだという。

  • 神  五神(魂・神・霊・魄・精)をつくりだす。感の五品(感・活・霊・験・妙)
  • 心  五心(仁・義・礼・智・信)をつくりだす。恵の五品(恵・覚・克・敬・真)
  • 理  五理(生・易・極・縁・定)をつくりだす。起の五品(起・化・政・因・常)
  • 気  五気(終・小・老・少・大)をつくりだす。生の五品(生・暖・晞・冱・濡)
  • 境  五境(目・耳・鼻・口・陰)をつくりだす。見の五品(見・聞・嗅・味・染)*2

最終更新:2024年06月08日 17:08

*1 足立栗園『近世神仏習合弁』、警醒社、1901年

*2 「嗅」は原典では鼻編に頁の字。