【八体竜】
金峯山の阿古の谷にいるという竜。『古今著聞集』(「金峯山神変の事」)によると、一頭八身であるとされる。
【阿古】
元興寺にいた阿古という童子が、谷に身を投げ、その魂が人面の竜に変じたと語られる。阿古は非常に聡明な童子だったが、試験に及第できなかったことに恨忿して谷に身を投げて竜になった。竜の姿で元興寺の師匠たちを驚かしたが、金剛蔵王菩薩によって岩に封じられた。
仏法を修める人間が、忿怒や驕慢から竜蛇・天狗などに堕落してしまう事は、しばしば記録されており、八体竜もそのような過程を経て一頭八身の蛇体に変貌した阿古という元興寺の童子である。
最終更新:2025年07月24日 14:50