【七里けっぱい(しちりけっぱい)】
「七里結界」という言葉が転じたものである。密教などではこれは七里四方を守護する力のあるとされる結界である。
内の結界、外の結界
七里けっぱいは、内の結界と外の結界の二重になっているとされる。大規模な聖地や神社などには「内外八重の結界」というものが施され、禍や妖怪の侵入を防ぐとされる。
内とは人間を中心点として施される結界であり、外とは敷地や建造物を中心点とした結界である。
民俗的な七里けっぱい
山の中で、不意に恐ろしい何かを感じた際には地面に四角く線を引き、その中に腰を落ち着けると良いという伝承は、民衆の間に伝え残された七里けっぱいであり、禍や不安を斥ける。
【日本七高山】
これらの高山を中心に八重の結界が施されているともいわれる。また、役優婆塞(役行者)が各地で拓いたとされる霊山や、富士山も同様の役割を持っているとも考えられている。
- 高野山(和歌山県)
- 熊野山(和歌山県)
- 金峰山(奈良県)
- 神峰山(大阪府)
- 比良山(滋賀県)
- 愛宕山(京都府)
- 比叡山(滋賀県)
このうちの熊野、金峰、神峰の三山は特に上品(じょうぼん)の結界であるとも言われていた。熊野・金峰は、
伯耆大山の伝説では、兜率天から落ちて来た大磐が、熊野・金峰・大山になったとする内容が語られてもおり、その霊力の高さを知る事が出来る。
【七山大権現】
堅磐である山たちを称したもので、七高山大権現とも呼ばれる。後には四十八山大権現というものも編み出されている。
- 富士山大権現(静岡県)
- 立山大権現(富山県)
- 石鎚山大権現(愛媛県)
- 大峰山大権現(奈良県)
- 白山大権現(石川県)
- 羽黒山大権現(山形県)
- 勝山大権現(山形県)
【天数(てんすう)】
大きな結界を張ることの出来るような霊山や霊地などでも、天数の動きの結果による災禍には勝つことが出来ないと言われている。強大な神社や寺院が自然災害に遭って崩れ去ったり、灰燼に帰したりする事態は、避ける事の出来ない天数の動きによって起こる。
【桃都山(とうとざん)】
海の果てにあるとされる山で、ここには数千里もの高さに聳える桃の大樹があると言い伝えられており、太陽はここを出発点として夜明けを告げる。
最終更新:2022年09月16日 17:28