【猫、化け猫、怪猫】
人間たちを化かす存在として猫は広く語られている。
猫たちは狸とも関係が深く、特に寺院に関係する点で両者は密接な関係がある。
火車をはじめ、寺院で猫が古くから飼育されていた事が由来していると考えられている。
猫はモシリシンナイサムという妖怪の毛が燃え尽きて出来た灰から生じた生き物だと言われている。猫が温かい灰を好んで暖をとるのも、灰から生じた生き物であるからだと語られている。(北海道)
猫たちは魔物であるとされ、死体に近寄せるのが各地で忌まれていた。死体の上や近くに猫がつくと、その死体が立ち上がってしまうとされた。猫によって立ち上がった死体は、びくともせず再び寝かせることが出来ない。葬式の際に死体の上に短刀あるいは鎌を添えておくのは、これを防ぐための処置である。猫たちは刃物の光を嫌うのである。立ち上がってしまった死体は、箒で叩くと寝かせることが出来るとも言う。
【猫又】
猫は長年をへると尾が二又に分かれて「ネコマタ」になって化けると語られている。
猫又は命を七つ所持しており、たとえ打ち殺されても六度まではたちどころによみがえる事が可能でもある。
あんどん
化け猫は、子供や老婆の姿に化けて人家に入り込み、あんどんの灯明皿に入れられている油をぺろぺろなめると言われていた。
最終更新:2022年08月22日 01:43