【智羅永寿(ちらようじゅ)】

西土における最大の妖術を誇っていた天狗である。

『今昔物語集』には、日本の僧を吹き飛ばして滅ぼそうと海外から天狗がやって来たものの、比叡山の僧の法力によって追い返されたという話に、この智羅永寿の名が用いられている。

智羅星の天狗たち

「チラ」という語は、飯綱権現の真言にある「オンチラチラヤソワカ」とも深く関係があると考えられている。飯綱法の天狗たちは太陰(月)をはじめとした星に親しむとされる。いっぽう、太郎坊や三尺坊などの勝軍地蔵に属する天狗には「ヒラヒラヤソワカ」という「日羅」に由来すると考えられる真言が見られ、飯綱権現に属する天狗たちの系統が異なる事がうかがえる。

最終更新:2024年04月19日 21:52