【鬼一口(おにひとくち)】

耳まで裂けたような大きな口で、人間をひと飲みにして食べてしまうというたち。一般の鬼よりも倍以上の体格をしている。人間を獲物として常に狙っており、またたく間に食べてしまうのは他の鬼に人間の精血(盆血)を横から奪われないようにするためである。

猪牙(カタクリ)の花を身に着けていると、鬼にひと飲みに食べられる事は無いとも言い伝えられている。

『伊勢物語』の「芥川」の段では、美しき男*1が女をつれて逃げ隠れていたが、気がつくと無惨に喰い殺されていたという話があり、これも「鬼一口」にやられたと表現されている。

最終更新:2021年06月11日 13:31

*1 在原業平であると想定され享受されている