おはようセックス@小説まとめ
超_嘔_吐_運_命
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ス ー パ ー 嘔吐 デ ス テ ィ ニ ー
巨大なミミズのような不格好に、非常にテカテカ感。
包茎手術に大失敗したかのようなペニスに酷似した、その化物。
そう、英語で書くともれなくMONSTERなソレは、おおよそ全長10mはあった。
ソイツの先端には巨大な口があり、歯が蠢いていた。
恐怖の権化のような格好の、そう、それはまるでペニス。
もう誰も住んでいない廃墟の路地裏で、体をうねらせる。
そんな怪物の前に二人の少年少女。
ペニスの化け物に対峙した少年は明らかに瀕死、少女は優位に立つ者の笑みを浮かべていた。
そんな異様な光景。
◆超日常◆
我が名は嘉山是郎(かやま しろう)。なかなか、威厳のある名前だろう。
だが、今俺はベッドの中にいた。何故なら眠いからだ。朝日が憎ったらしい。
朝日よ、滅べ。そう心中唱えた瞬間だった。
だが、今俺はベッドの中にいた。何故なら眠いからだ。朝日が憎ったらしい。
朝日よ、滅べ。そう心中唱えた瞬間だった。
「あに。あに。あさごはんができたよ。おきないとうつみ、おはようのキッスをかますよ」
───今年5歳になる俺の妹、虚美(うつみ)は非常に賢い子だった。
「それではまるでロリコンではないかッッ!!」
「おはようございます」
「……うむ。待っていろ、5秒で着替える……」
「おはようございます」
「……うむ。待っていろ、5秒で着替える……」
やれやれ、虚美には敵わんな!そう思い、俺はパジャマを脱いで服を着るためタンスを開ける。開けィ!と言いながら開ける。
「あに。それはふだんぎ」
「何ィ?………あぁ、そうか」
「何ィ?………あぁ、そうか」
そうだ。俺は今日から───中学生ッッ!!!
俺のマイルームには、ピカピカの学ランが掛けられていた。
俺のマイルームには、ピカピカの学ランが掛けられていた。
なんだか感慨深いものがあった。俺ももう中学生───これからは心を入れ替えて……新生是郎として生きていかねばなるまい。
「かんがいにひたるのはいいけど…はやくしてね」
難しい言葉を使うのだな…と俺は思ったが、妹は俺よりも既に賢いため、納得した。虚美の言葉にも「Yes」と了解する。
俺は嘉山家直伝の着替え術で、宣言通り5秒で着替えを完了する。
それを見た妹は頷くと、踵を返しキッチンへ向かう。その小さな背中は、ついて来いって言っているようだった。
それにしても、毎朝のことながら小さなエプロンを装備したこの妹には、まるで小さな猫や犬に服を着せたような無理やり感があった。
我が妹ながら──なんと儚く、可愛らしいのだ。守ってやりたい……!!あああ!これではまるでロリコンではないか。
それを見た妹は頷くと、踵を返しキッチンへ向かう。その小さな背中は、ついて来いって言っているようだった。
それにしても、毎朝のことながら小さなエプロンを装備したこの妹には、まるで小さな猫や犬に服を着せたような無理やり感があった。
我が妹ながら──なんと儚く、可愛らしいのだ。守ってやりたい……!!あああ!これではまるでロリコンではないか。
思いつつ、ご飯を冷めないうちにいただくため、俺は妹についていく。
「是郎ッッッエロスとはなんだ!!!!!!!」
俺がキッチンへ来ると、そこにはアマゾネスがいた。
「意味がわからないよママン」
もとい、母親である。某モンハンのような格好をしている。そう、母さんはハンターなのだ!
その逞しい脂肪率は漏れ無く0%の丸太のような腕。素手で熊の頭をかち割った逸話もあるというのだから驚きだ。
その逞しい脂肪率は漏れ無く0%の丸太のような腕。素手で熊の頭をかち割った逸話もあるというのだから驚きだ。
「見よこの健気な妹を!!!!私を起こしてくれたと思ったら、この通り御飯まで用意してくれているではないか!!!!!!!」
「声がでかいよママン!!!!!!!」
「貴様もうるさいではないかッッ!!!!!!!!」
「ママンだってッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」」
「声がでかいよママン!!!!!!!」
「貴様もうるさいではないかッッ!!!!!!!!」
「ママンだってッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」」
「ふたりともうるさいではないか」
見ると、妹が俺たちを睨んでいた。はよ、あさめしにせんかい!と言いたげだ。やれやれ、妹には敵わんな!
「ガッハッハッハゥ!!虚美に言われてしまったらしようがないなッッッッ!!!!では飯としようか!!!!!精をつけるのだぞ!!!!!」
だというのにちっとも声を小さくしようともしやがらないアマゾネス。
これが、いつもの我が家の一日の始まり。俺はやれやれとため息をついて、朝飯を前にがっつく。
これが、いつもの我が家の一日の始まり。俺はやれやれとため息をついて、朝飯を前にがっつく。
「ふたりとも……いただきますは?」
「「いただきますッッ!!!!!!!!」」
「……まじでうるさいな……」
平和……幸福ッ!
母は今日もその重装備で巨大生物が多発するという裏山へ狩りに行く。巨大猪や巨大熊……とても人間には手に負えないそれを余裕で狩ってくるのだから母は人間ではないのだろう。
妹は今日も自力で夢幻幼稚園へ行く。五歳という年齢で全てに於いて完璧超人。生まれた時から失敗した事がない彼女は、保育士よりもしっかりしているらしい。兄の尊厳は今日も危うい。
そして俺は、今日も学校へ行くのだ。まさしく今日が、我が人生の分岐点かも知れない。ついに『厨房』と謂われる年齢に達した俺は、いつもより足取りが自然と緊張で重くなったが、緊張は即
妹は今日も自力で夢幻幼稚園へ行く。五歳という年齢で全てに於いて完璧超人。生まれた時から失敗した事がない彼女は、保育士よりもしっかりしているらしい。兄の尊厳は今日も危うい。
そして俺は、今日も学校へ行くのだ。まさしく今日が、我が人生の分岐点かも知れない。ついに『厨房』と謂われる年齢に達した俺は、いつもより足取りが自然と緊張で重くなったが、緊張は即
忘れ、すぐに軽くなった。
「ィィヤッホォォォウ!」
声高に叫びながら俺は廃墟の路地裏を抜ける。夢幻街は広い。ついでに夢幻学園は遠い。されど、嘉山の血は強靭だった。
幼い頃既に(ママンまでとはいかないが)強靭な肉体を手に入れ、喧嘩だって負けたことはない。廃墟の群れを忍者のように駆け抜ける。
そこには、やはり夢幻街。人影がないようなところにも人影あり。今日は少女の影を見た。あんなところで何をしているのだろう。
幼い頃既に(ママンまでとはいかないが)強靭な肉体を手に入れ、喧嘩だって負けたことはない。廃墟の群れを忍者のように駆け抜ける。
そこには、やはり夢幻街。人影がないようなところにも人影あり。今日は少女の影を見た。あんなところで何をしているのだろう。
俺は、ロマンを感じていた。
俺は、この群れなす廃墟の光景が好きだった。夢幻街とは基本、謎だらけだが、ここほど放置された謎だらけなものはない。
なんでも噂によれば最近ここらを化け物がうろつくらしいが、余裕だ。俺はあの獰猛な母と同居している。故に体は必然と鍛えられる。
例え巨大熊や、音速で走るチーターが現れても、俺は容易く逃げられるだろう………。
なんでも噂によれば最近ここらを化け物がうろつくらしいが、余裕だ。俺はあの獰猛な母と同居している。故に体は必然と鍛えられる。
例え巨大熊や、音速で走るチーターが現れても、俺は容易く逃げられるだろう………。
──そう、常軌を逸する……それこそモンハンに出てくるような怪物中の怪物とさえ出くわさなければな。
このままニンジャ・ステップしていけば、後ほんの5分で夢幻街に続く路地に到着する。そんな時だったかなァ……
「!?」
真下に巨大な蠢く何が見えたのは……。
「い…今のは……」
まず最初に感じたのは「恐怖」。次に感じたのは………「好奇心」。
思えば最近この廃墟群では、余り人影を見ない気がした。
そうか!つまり!
思えば最近この廃墟群では、余り人影を見ない気がした。
そうか!つまり!
「あれは人食いミミズ!つまりあれを倒せば俺はこの廃墟で最強となる!即ち!
廃墟で暮らすモンスターに怯える未知の人々は、俺を慕う → 廃墟村の村長の一人娘と結婚する → 将来が 安 泰 」
廃墟で暮らすモンスターに怯える未知の人々は、俺を慕う → 廃墟村の村長の一人娘と結婚する → 将来が 安 泰 」
今日は中学生デビューの日だが、ハンターデビューの日でもあったか!
ちなみに、廃墟村は妄想の産物だが一人娘と考えてまず、あの少女の影が思い浮かぶ。顔はよく見えなかったが、きっと可愛らしいに決まっている。
俺が巨大ミミズをぶち殺した暁には、きっと廃墟の住民である少女は俺を……フフフフ!
俺は胸が高なった!そう考えたあとの、俺の行動は早かった。多分チーターよりも速かった。変な自信が、俺を纏っていたのだ
大丈夫、勝てなさそうでも逃げりゃいいさ、とも考えていた。
ちなみに、廃墟村は妄想の産物だが一人娘と考えてまず、あの少女の影が思い浮かぶ。顔はよく見えなかったが、きっと可愛らしいに決まっている。
俺が巨大ミミズをぶち殺した暁には、きっと廃墟の住民である少女は俺を……フフフフ!
俺は胸が高なった!そう考えたあとの、俺の行動は早かった。多分チーターよりも速かった。変な自信が、俺を纏っていたのだ
大丈夫、勝てなさそうでも逃げりゃいいさ、とも考えていた。
そして───
◆さすらいの魔性少女◆
「へっっくし!!!」
寒いのう、めちゃんこ寒い。
廃墟暮し歴三日。私の名前はゼロコ・デイドルジェロモルス。魔性少女であった。
魔性少女としての『義務』の改訂。即ち、力を自由に行使することの許可の後から、自らを力を悪用する魔性少女が非常に増えたと感じる。
『奴らが悪を行うのなら私は自らの正義を行う!!』と、豪語を打って出た私。
そんなわけで、私は今日も正義の為、怪しい噂……この廃墟で謎の化け物が暴れているという知らせを聞いて駆けつけた。
廃墟は噂通り怪しい雰囲気を纏っていた。そしてそのモンスターを全身全霊で探すこと早二日。
廃墟暮し歴三日。私の名前はゼロコ・デイドルジェロモルス。魔性少女であった。
魔性少女としての『義務』の改訂。即ち、力を自由に行使することの許可の後から、自らを力を悪用する魔性少女が非常に増えたと感じる。
『奴らが悪を行うのなら私は自らの正義を行う!!』と、豪語を打って出た私。
そんなわけで、私は今日も正義の為、怪しい噂……この廃墟で謎の化け物が暴れているという知らせを聞いて駆けつけた。
廃墟は噂通り怪しい雰囲気を纏っていた。そしてそのモンスターを全身全霊で探すこと早二日。
私は────迷った。
「どこなのだ。最早どこなのだここは。もう帰りたい。家に帰りたいが───」
私には────家がない。
ここ二日の動向はこうだった。
モンスターを探索するのに魔性力を消費し、結局見つからなかったため私は飢えを凌ぐ為魔性力を養分に変換。
やりくりしながら体勢を立て直すため、この廃墟群を出ようとしたが───迷う。まるで迷路のようなところだ。空を飛ぼうにも力がない。
そう、最早、魔性力はほぼ尽きていた。ついでにいうと飯もない。空腹だった。先ほど、空飛ぶ少年の影を幻視したほどだ。
魔性少女の、魔性力の供給法は魔性少女によって全く違ってくることをご存知だろうか。
魔性少女の性格や人格、これまでの行い、魔性少女化時点での思考などによってそれらは全く変わってくるのだ。
いずれにしても、本人にとって全く苦ではない方法になることは確かだ。
モンスターを探索するのに魔性力を消費し、結局見つからなかったため私は飢えを凌ぐ為魔性力を養分に変換。
やりくりしながら体勢を立て直すため、この廃墟群を出ようとしたが───迷う。まるで迷路のようなところだ。空を飛ぼうにも力がない。
そう、最早、魔性力はほぼ尽きていた。ついでにいうと飯もない。空腹だった。先ほど、空飛ぶ少年の影を幻視したほどだ。
魔性少女の、魔性力の供給法は魔性少女によって全く違ってくることをご存知だろうか。
魔性少女の性格や人格、これまでの行い、魔性少女化時点での思考などによってそれらは全く変わってくるのだ。
いずれにしても、本人にとって全く苦ではない方法になることは確かだ。
それが────実用的かどうかはさておき。
私の魔性力供給法は特殊だった。故に、供給できず。
ここで最早餓死or助けを待つのみ。打ち上げられたヒトデのような心境だった。
「今モンスターに出くわしたら、為す術もなく、喰われるなぁ」
我ながら、悔しさと諦観に満ち溢れた声だった。
そんな時だった。
ここで最早餓死or助けを待つのみ。打ち上げられたヒトデのような心境だった。
「今モンスターに出くわしたら、為す術もなく、喰われるなぁ」
我ながら、悔しさと諦観に満ち溢れた声だった。
そんな時だった。
『ぬわー!!!!』
声がしたのだ!
悲鳴と言ってもいい。そう…これは、まさしくチャンスだった!!
私は即座に立ち上がると、最早限りなくゼロに近い魔性力を使い、全身全霊の本気中の本気で悲鳴の方向へと向かった。
悲鳴と言ってもいい。そう…これは、まさしくチャンスだった!!
私は即座に立ち上がると、最早限りなくゼロに近い魔性力を使い、全身全霊の本気中の本気で悲鳴の方向へと向かった。
◆◆◆
「はぁ……はぁっ!!無理だ……はぁっ!なんてことだ、逃げなければ!!」
俺は────気が狂いそうになっていた。
「ウボボボボッ!ウボボボボッ!!!!!!!!!!!」
背後で奇怪な声を上げる巨大な異形のミミズは、這いずっているとは思えぬほどのスピードで迫っていた!
そう、まさしくチーターよりも圧倒的な速度で、巨大プーさんよりもよっぽど力強く周囲の廃墟を弾き飛ばすように破壊しながら!俺を追ってくるのである!
空中で、廃墟から廃墟へ飛び移り逃げゆく俺。あともう三分もあれば夢幻学園へ出るはずだ!しかし、振り返ると見える……
そう、まさしくチーターよりも圧倒的な速度で、巨大プーさんよりもよっぽど力強く周囲の廃墟を弾き飛ばすように破壊しながら!俺を追ってくるのである!
空中で、廃墟から廃墟へ飛び移り逃げゆく俺。あともう三分もあれば夢幻学園へ出るはずだ!しかし、振り返ると見える……
「ウボボボボァー!ウボァーボボボァーウウウウボッウボッボァ!!!!!!!!!!!!!!!!」
その姿はまさしく、この世のあらゆる悪意を一つのまとめたような悪魔的!
俺は一生懸命に廃墟中を必死に逃げ回ったが、遂に躓く!!!
焦り過ぎたのだ……と反省する間もなく超巨大ミミズは廃墟と廃墟の間に落下する俺を問答無用で廃墟ごと粉砕するッッッ!!!!
焦り過ぎたのだ……と反省する間もなく超巨大ミミズは廃墟と廃墟の間に落下する俺を問答無用で廃墟ごと粉砕するッッッ!!!!
「ぬわああああああ!!!!!!!!……!?」
だが見える!
急に、空間がスローになった気がした!
そうだ、俺はあのアマゾネスの息子だ!
空中廃墟と共に散らばった俺は瞬時に覚醒した!
それは一瞬の出来事だった。
今も落下する、廃墟の残骸──粉々に割れた岩壁と岩壁との間を駆け巡り、俺は遂に、俺を轢き殺してやったわ!とドヤ顔の巨大ミミズの前に出た。
「死ねィ!!!」
その瞬間、俺は全身全霊の蹴りを巨大ミミズの首元(?)に叩きこむ。どうだ!
「ウボァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
──────あれ!?
全く効果がない、寧ろ怒っていらっしゃった。
俺は最早無理──と振り出しに戻った、寧ろ状況が悪化したのを感じつつミミズをもう一度蹴って、その反動で外へ逃げようと考えた。
俺は最早無理──と振り出しに戻った、寧ろ状況が悪化したのを感じつつミミズをもう一度蹴って、その反動で外へ逃げようと考えた。
「ふ、ふはは!さらばだミミz……」
グルンッと視界が回転する。あれ……空ってこんなに赤かったっけ。
俺がなんだか意識が飛びそうな具合になっていると、丁度巨大ミミズがものすごい勢いで横へ吹っ飛んだので、俺の意識は回復した。現金な意識だった。
俺がなんだか意識が飛びそうな具合になっていると、丁度巨大ミミズがものすごい勢いで横へ吹っ飛んだので、俺の意識は回復した。現金な意識だった。
◆邂逅◆
「おどりゃくたばらんかァアアアアアアアアアア!!!!!!」
魔性力全開の殴打が、間に合った。
目の前の巨大ペニスは殴られた風船のように分かり易く吹っ飛ぶ。そして直後に地面にクレーターまで作って血まみれで倒れる少年を発見。
手遅れだった……!生きているモノでなければ、『それ』は効果がない…!ゼロコ、圧倒的失意!!
目の前の巨大ペニスは殴られた風船のように分かり易く吹っ飛ぶ。そして直後に地面にクレーターまで作って血まみれで倒れる少年を発見。
手遅れだった……!生きているモノでなければ、『それ』は効果がない…!ゼロコ、圧倒的失意!!
「ぐ……がふっ!」
「!!?!?意識があるのか!?」
「あ…ああ……伊達にママンの元で修行を積んでいないからな……!!」
「!!?!?意識があるのか!?」
「あ…ああ……伊達にママンの元で修行を積んでいないからな……!!」
どんなママンだ!と突っ込みをいれたい気持ちを抑え、少年に近づき…………。
その傷の深さ故に、私は目を逸らしそうになった。が、別にそんなことはないと心の中で強がってみせる。
その傷の深さ故に、私は目を逸らしそうになった。が、別にそんなことはないと心の中で強がってみせる。
「どうなっている?………俺は………助かりそうか?」
「このままでは死ぬな、間違いなくだ。足が無いからな」
「何ィ……足がないだと」
「このままでは死ぬな、間違いなくだ。足が無いからな」
「何ィ……足がないだと」
少年は自分の足が太腿の途中で消え去っているのに気づいた。初めは悔しさやら恐怖やらパニックになりそうな顔をしていた少年だったが、別にそんなことはなかった。
「ふっ……」
何がおかしいのだろうか、笑い始めたのだ!
「構わん、少女よ…俺を置いて逃げろ。多分、というかもうコレ無理だから。ミミズはまだ……恐らく生きてる……俺は精一杯囮になるので……逃げるがよい」
「ほう」
「ほう」
私は感心した。しかし暇はない。あの巨大ペニスはこれしきでは倒れぬだろう。
「良かったよ。非常にな。私はお前のような男の 吐 瀉 物 なら、高級和牛の何倍も価値があると思っている!」
少年は何を言っとるんだこのキチガイは、という顔をしたが、迷っている暇はなかった。
背後でトンデモない音がする。巨大ペニスだった。
背後でトンデモない音がする。巨大ペニスだった。
◆始まりの嘔吐◆
はっきり言って、俺は瀕死だった。不思議と痛みは無かったが、意識が浮遊しているような、わけのわからぬ感覚だった。
中学生デビューの日にハンターもデビューして、ついには仏デビューか。
今日は高級デビュー三連続のデビュー記念日だな、とわけのわからぬことを考えながら、俺は少女に言った。「俺を置いて逃げろ」と。
この少女がお迎えだったら、恐らくこれは高得点だ。間違いなく俺は天国へ導かれることだろう。そうでもなくても、俺は今、最高にかっこよかった。
中学生デビューの日にハンターもデビューして、ついには仏デビューか。
今日は高級デビュー三連続のデビュー記念日だな、とわけのわからぬことを考えながら、俺は少女に言った。「俺を置いて逃げろ」と。
この少女がお迎えだったら、恐らくこれは高得点だ。間違いなく俺は天国へ導かれることだろう。そうでもなくても、俺は今、最高にかっこよかった。
しかし天使にも見えた美少女はわけのわからぬことを言い始めた。吐瀉物がなんとか言ってた。
「良いか!私はお前の吐瀉物を食すことによって私は力を得れるのだ!どうする!?迷っている時間はない!ミミズが来るぞ!」
まだ何か言っている。聞き間違えたのかも知れない。もう一度聞いてみよう!そう思った瞬間だったかなぁ。
「すまん、死ぬなよ!」とか言いながら、美少女が、俺の口の中に手刀を突っ込んだのは。
「もがぐがっごおご……オボロロロ露露!……!!?!?!?!?」
俺は今まさに生死を境をさまよっているのだろうなぁと感じたが、最早迷いはなかった。
イイぜ、お前がその気なら俺は吐いてやる。
死ぬ前に、一度やってみたかったんだ───── ゲ ロ プ レ イ !!!!!!!
俺は、生死の境まで思春期真っ盛りだった。精子の境だったのかもしれない。
そして俺は吐いた。壮大に吐いた。
それはさしづめ、間欠泉のようだったのかも知れない!!
そして少女は色気の欠片もなく大きく口を開き、上へ上へと突き進むゲロの巨塔を飲み込んだ。
何してんだ、コイツ!
その上、飲み込みながら……彼女は俺の口を遂にその口で塞いできた!ゲロまみれのファーストキッスだと!
しかし、そんなことよりも、何してんだ、コイツ!と心底思ったが、意識が今度こそ飛びそうだったので、最早どうでもよかった。
何してんだ、コイツ!
その上、飲み込みながら……彼女は俺の口を遂にその口で塞いできた!ゲロまみれのファーストキッスだと!
しかし、そんなことよりも、何してんだ、コイツ!と心底思ったが、意識が今度こそ飛びそうだったので、最早どうでもよかった。
◆超嘔吐運命◆
────さぁ、ショウタイムだ!
「ウボボボボッウボボボボッウボボボボッ!ボボボボウッ!!!!!!!!」
喚くペニスを前に、私は呟いた。口から吐瀉物を垂らしながら。
「美味だ……美味だぞぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
否、呟いたのではない、叫んだのだ!
「魔性少女、へんしーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「瞬くような反吐リズム!食道震える酸っぱさ!手を突っ込んだ、その瞬間!内容物をロックオンッッ!!!!!!」
次いで、私は変身の呪文を叫んだ!
私の魔性少女の衣装は、まさしく魔性少女といった感じではなかった。
どちらかと言えばウルトラマンかも知れない。両手に宝石がついていた。我ながら見慣れた代物だが、それは差し詰め、今先程口にした吐瀉物の色だった。
どちらかと言えばウルトラマンかも知れない。両手に宝石がついていた。我ながら見慣れた代物だが、それは差し詰め、今先程口にした吐瀉物の色だった。
「ウボボボボッ!!ウボボボボッ」
目の前で喚きながら突進してくるペニス。私は依然余裕だった。
「とても美味だ………この感じ……中々美味な朝飯を食べてきたと思われる………
しかしそれ以上に………あの少年の吐瀉物だからか!!!!!!!!!」
しかしそれ以上に………あの少年の吐瀉物だからか!!!!!!!!!」
宝石が輝く。激しく酸っぱい異臭を流しながら!
「ああ……私は数々の吐瀉物を食してきたが…………」
宝石がさらに輝く。ペニスは危険を察知したのか、突進しながらも避けようとするが……無意味であるッッ
「これほどまでに!!!!これほどまでに美味いゲロはなかったぞおおおおおおお!!!!!!!!」
ビームの速度は超音速だった。
ギュイン!!!!と音がしたと思えば、ペニスを貫く。
両手から発射され、途中で統合したレーザービーム。
それは巨大なペニスに突き刺さり、周囲の廃墟を甘美な吐瀉物色の輝きに染めた。
「甘美な嘔吐に、酔いしれよ……」
優しい口調で言うと、巨大ペニスはモゴモゴし始めた。吐瀉物色の発光が終わる。決着がついたのだ。
「ウ……ウ……………ウッボルバ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
かくしてペニスは、廃墟と共に爆砕したのであった。
◆一段落◆
長い間、寝ていた気がする───そろそろ起きなければ、と目を開ける。
「……ここは……」
「廃墟だ」
「廃墟だ」
俺は聞こえてきた声の方を向く。漸く少女の顔が静かに拝めた、と感じた。やはり同い年に見える。
「お前は三分もの間、気絶していたのだ」
少女が言うと、俺はだんだんと意識がはっきりしてくる。同時に、先程起きたことも思いだしてくる。
たったの三分かよ、とか色々聞きたいことはあったが、ひっくるめて、まず自己紹介をすることにした。
たったの三分かよ、とか色々聞きたいことはあったが、ひっくるめて、まず自己紹介をすることにした。
「ふっ……我が名は嘉山是郎」
「ふっ……私の名前は、ゼロコ・デイドルジェロモルス」
「ふっ……私の名前は、ゼロコ・デイドルジェロモルス」
俺は座りながら、無言で少女と握手をした。なんだか気が合いそうな気がした。
「聞きたいことは色々あるが、一つ良いか」
「うむ、なんだ?…うっぷ!」
「何故お前は俺の太腿周辺に汚物を吐いている?」
「うむ、なんだ?…うっぷ!」
「何故お前は俺の太腿周辺に汚物を吐いている?」
異様だった。思えば彼女は、俺の吐瀉物を飲んでいたな。
「汚物とは失敬だな。私の吐瀉物には癒しの力があるんだよ!」
頭がおかしいんとちゃうか?と言いそうになったが、実際彼女が俺の吐瀉物を飲んだらミミズが爆発したため、それなりの説得力があった。
実際、足の血も止まった。
実際、足の血も止まった。
しばらく変な空間が展開された。彼女が嘔吐する音と、俺が彼女のその苦しそうな姿を見るだけの空間。酸っぱい臭いがした。
「見ていろ」
少女は俺の千切れた足を持ち上げ言った。千切れた足の断面にもゲロが塗りたくってあった。用意周到だな!
「くっつくから」
「!?」
俺は驚愕した。足がぴったりとくっついたのだ。まるで接着剤のようだな、と率直な感想を述べた。
「私の吐瀉物で、断絶された神経・筋肉とか諸々を繋いだ。立ち上がってみろ」
「マジか……」
「マジか……」
さらに驚愕した。俺は、先程まで足が吹っ飛び、死をも覚悟していたというのに……それらが全て夢だったと言わんばかりに、普通に立ち上がれたのだ。
まるで魔法のようだ。これが奇跡と言わずなんという!?
まるで魔法のようだ。これが奇跡と言わずなんという!?
「お前は何者なんだ!?一体どんな魔法を使った!?」
「魔法、か……」
「魔法、か……」
少女は遠い目をした。
「魔法のようなものだ、これは。我々思春期の子供の強い欲望や意思などの感情を力に変える魔性のシステムさ」
「ほう」
「ほう」
何の話だ。
「人は我々を、魔性少女と呼ぶ!」
少女は誇らしげな顔で言った。胸まで張っていた。
「そうか……」
俺はなんだか可哀想なものを見る目で言った。実際、彼女の衣装は非常にアレだった……
俺の目に気づいたのか、彼女は早口で続けた!
俺の目に気づいたのか、彼女は早口で続けた!
「そう!そうとも。魔性少女は全員、力を得る方法が違うのをご存知だろうか!?そう、例えば、私は嘔吐物を食すことで力を得れる」
「……………………真面目な話か!?」
「真面目な話だ!」
「……………………真面目な話か!?」
「真面目な話だ!」
だからあのような奇行に及んだのかと、合点がいく。納得はしたくないが。
「しかし、それは辛くないか?他人の嘔吐物だぞ……二日酔いのおっさんの嘔吐物でも飲むのか?」
「飲むな。飲むしかないからな。間接的に未成年の飲酒になるが」
「飲むな。飲むしかないからな。間接的に未成年の飲酒になるが」
問題はそこじゃねぇだろ!と思わず突っ込みかけた時、彼女は呟いた。
「だが……もう味をしめてしまった」
「…何か言ったか?」
「別に…」
「…何か言ったか?」
「別に…」
少女は何か物欲しげな顔でこちらを見ている。
突っ込みたいことは山ほどあったが、質問攻めにするのも怠い。というか何か大事な事を忘れている気がした。
突っ込みたいことは山ほどあったが、質問攻めにするのも怠い。というか何か大事な事を忘れている気がした。
「そうだ、俺は学校があるのだった!!!!よりにもよって入学式がッ!!もう間に合わんか」
「なんだと!?それは大変だ!」
「なんだと!?それは大変だ!」
少女は自分のことのように深刻な顔をすると、いざ参らん!と背中を広げた。
「おんぶしてやるから乗れ!」
「何をしているんだお前は!背負えるわけがないだろう、小柄な小娘が!この俺の筋肉を見ろ!体重だって…」
「うるさい黙れ!魔性少女を舐めるな!」
「何をしているんだお前は!背負えるわけがないだろう、小柄な小娘が!この俺の筋肉を見ろ!体重だって…」
「うるさい黙れ!魔性少女を舐めるな!」
少女は俺の手を引っ張ると、そのまま空へ浮く。不思議な感覚だった。
「というか、なんか酸っぱい臭いがするぞ!!!」
「仕様だ。それより夢幻学園はどの方向だ?」
「仕様だ。それより夢幻学園はどの方向だ?」
あっちだ、と俺はその方角に指をさした。
少女は了解!と叫ぶと、空中で俺を引き摺るように学園へ飛んでいく。
心のなしか、単に酸っぱいというより、この臭いは甘酸っぱさに似ている気がした。
少女は了解!と叫ぶと、空中で俺を引き摺るように学園へ飛んでいく。
心のなしか、単に酸っぱいというより、この臭いは甘酸っぱさに似ている気がした。
俺は漠然と、この少女と、長い付き合いになる気がしていた。
◆止めどなく思春期◆
止めどなく END