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殺害計画サキガケ
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ohayousex
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俺の名前は葛巻正司(くずまき しょうじ)!
唐突だが、下準備はバッチシだ。
機関銃。残弾は充分。こいつだけで百人は殺せる。
ユメにも見た、大量殺人決行の日。
俺は今日の為に生きてきたと言っても過言ではない。
さあ行くぞ!!
唐突だが、下準備はバッチシだ。
機関銃。残弾は充分。こいつだけで百人は殺せる。
ユメにも見た、大量殺人決行の日。
俺は今日の為に生きてきたと言っても過言ではない。
さあ行くぞ!!
ピンポーン
なんだこんな時に!宅配便は頼んだ覚えはないぞ!
まあいい……こいつが最初の犠牲者に…いや、ここでぶっ放すのはまだ早い!
チッ……
まあいい……こいつが最初の犠牲者に…いや、ここでぶっ放すのはまだ早い!
チッ……
「はい、葛巻ですけど」
「あ、やっぱり葛巻くんだ!」
「え…その声は…」
「そう!!私!!」
「あ、やっぱり葛巻くんだ!」
「え…その声は…」
「そう!!私!!」
なんでだ…こんな時に限って……
なんで……
なんで……
「魁次代(さきがけ つぎよ)でーす!」
なんで俺の初恋の子なんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!
「いやー、懐かしいね。こんなところに住んでるんだ。あれ?君、ミリタリー趣味なんかあったのね」
「なんで今さら…あ、触らないで!」
「はいはーい」
「なんで今さら…あ、触らないで!」
「はいはーい」
危ねえ……それモノホン…つーか……
「何で俺の住んでるところわかったの…」
中学生の頃から見事になんも変わってないのは良いとして…
「そりゃ、散歩してたらたまたま君のオーラをドア越しに見たからね」
「オーラってなんだよ」
「気にしないでー、大したことじゃないからー」
「オーラってなんだよ」
「気にしないでー、大したことじゃないからー」
いや気になるわ!!つーか良いか、もうどうでも……
「あのさ…こんなこと、次代ぐらいにしか言えないから…言うんだけど」
「うん、言ってみ」
「俺、これから人殺しに行くところなんだよね」
「ふーん。あ、このマシンガン本物か」
「驚かねーのかよ!!!」
「驚いてるよ」
「うん、言ってみ」
「俺、これから人殺しに行くところなんだよね」
「ふーん。あ、このマシンガン本物か」
「驚かねーのかよ!!!」
「驚いてるよ」
急に真顔になる次代氏。これだ。この真顔が、怖い。
そして、…好きだった。
そして、…好きだった。
「でもなんとなくわかってた。君、これから沢山殺せるだろうね。その装備なら」
「うん、まあ」
「だけど、テレビを前に君が人をたくさん殺したことを知った人間までは殺せないね」
「………」
「うん、まあ」
「だけど、テレビを前に君が人をたくさん殺したことを知った人間までは殺せないね」
「………」
そんなやつらはハナから他人というものだ。まあ今から殺しにいくのも全員他人なのだが、それとこれとは話が違う。
殺された他人は俺と偶々、縁があった人間。殺されなかった他人は俺と偶々、縁がなかった人間。
殺された他人は俺と偶々、縁があった人間。殺されなかった他人は俺と偶々、縁がなかった人間。
「それがどうした?」
「十数人殺せたら運がいいぐらいだね。それじゃあ君の望む所じゃないだろう。でも私なら殺せるよ」
「は?」
「百人だろうが千人だろうが一万人だろうが、人を殺せる。私には力がある」
「十数人殺せたら運がいいぐらいだね。それじゃあ君の望む所じゃないだろう。でも私なら殺せるよ」
「は?」
「百人だろうが千人だろうが一万人だろうが、人を殺せる。私には力がある」
説得力があった。
彼女は実際、学生時代…人を殺したからである。
俺をイジメていた人間の首謀者を、彼女が代わりに殺した。俺の代わりに殺したのだ。
彼女は実際、学生時代…人を殺したからである。
俺をイジメていた人間の首謀者を、彼女が代わりに殺した。俺の代わりに殺したのだ。
―――「これは二人だけの…秘密(じじつ)だからね」
しかもそれを隠し通した。俺達以外の人間全員に、事件が風化するまで、隠し通した。
そして、ばれないで今まで、のうのうと過ごしてきたのだった。
そんな経験があったから、だけじゃない。彼女は昔からどこかスゴい全能感を持っている。
そして、ばれないで今まで、のうのうと過ごしてきたのだった。
そんな経験があったから、だけじゃない。彼女は昔からどこかスゴい全能感を持っている。
「私たちの一族はみんな力を持っている。普通の人とは違う力………私もご多分に漏れず、中々におかしいやつでね」
ピンポーン
なんだ…こんなときに!
まさか近所の…って…次代……?
まさか近所の…って…次代……?
「良いね。この際だ、君に教えてあげるよ。君は今まで私が殺した人間の数をたったの一人だと思っているだろうし。
この際はっきりさせよう。これは、君だけにしか言わない、私の家族ですら知らないことだから……秘密にしてね」
「……え?」
この際はっきりさせよう。これは、君だけにしか言わない、私の家族ですら知らないことだから……秘密にしてね」
「……え?」
彼女は立ち上がり、玄関へ向かう。
「はーい」
「さっきからあんたらの話し声がうるせぇーんだよぉー」
「待った!!!」
「さっきからあんたらの話し声がうるせぇーんだよぉー」
「待った!!!」
俺は次代の腕を反射的に掴む。その手には、俺の使う予定だった拳銃が掴まれていた。
「待ってくれ…わかった……わかったから」
脂汗が出る。所詮は、その程度の、覚悟だったのだ。俺は。
……次代は異常だ。
……次代は異常だ。
「待つよ♪」
彼女はいつの間にか、いつもの笑顔に戻っていた。
俺は近所のおっさんに謝ると、場所を変えようと、彼女に提案した。
俺は近所のおっさんに謝ると、場所を変えようと、彼女に提案した。
ファミレス。
「私がおごるよ」
「いや、俺がおごる男として」
「じゃあそうして」
「あ…うん」
「いや、俺がおごる男として」
「じゃあそうして」
「あ…うん」
意外と粘ってこなかったな…と俺は思った。
「ミートスパゲティのお客様」
「はいはーい」
「…カレーのお客様」
「ん」
「はいはーい」
「…カレーのお客様」
「ん」
そして彼女は切り出した。
「私が思うに、この世の中は、神が監視している」
余りに突飛だったが。
「…は?」
「だが、私は神を欺く力を持っているのだ。要するにこういうことだよん」
「だが、私は神を欺く力を持っているのだ。要するにこういうことだよん」
次代は、そういうと俺にコップの中に入ったドリンクバーのコーラを、俺にたたきつけてきた
「ナニスッ!!!!」
変な悲鳴が出た。
「あははは!!何してるの?何もかかってないよ」
「………あれ?」
「………あれ?」
しかし、俺にかかっていたコーラは消滅していた。気のせい…?否…否、否である。
確かに、今、さっき……。
確かに、今、さっき……。
「あれ?」
「君自身も、そろそろ記憶が怪しくなってきただろうから、言うね。確かに私は今君に、コーラをぶっかけました。ごめんね」
そう言われればそうな気がする。
……どういうことだ?
……どういうことだ?
「どういうことだ?」
「言ったじゃん。私は神を欺ける。それは要するに、事実を自由に選んで消してしまえるということ。それは、例えここでマシンガンをぶっ放して、客達をみんな穴だらけの蜂の巣にしまくったとしても…
私は言い逃れができるのね。そんな事実はなかったと。もちろんその人達を殺した事実だけは、残しておいてね」
「言ったじゃん。私は神を欺ける。それは要するに、事実を自由に選んで消してしまえるということ。それは、例えここでマシンガンをぶっ放して、客達をみんな穴だらけの蜂の巣にしまくったとしても…
私は言い逃れができるのね。そんな事実はなかったと。もちろんその人達を殺した事実だけは、残しておいてね」
悪魔だ。悪魔的だ。彼女はなんなんだ?
「悪魔かも知れないね」
さっきから心を読んできやがるっ!
「でも君は、私にできないことができるよ」
「え?」
「事実を消さないまま、自分の思うがままに人を殺すのは、私には基本的にはできない。コワイからね」
「え?」
「事実を消さないまま、自分の思うがままに人を殺すのは、私には基本的にはできない。コワイからね」
その瞳は子供のようにキラキラしていた。不気味である。しかし、その不気味さに、学生時代は惹かれたものだ。
「でも、君とならできる。いや、できた…か」
「……」
「もう、する気はないんでしょ。人殺し」
「ああ…どうしてわかるんだ?」
「どうして?怖気づいた?」
「……ああ」
「……」
「もう、する気はないんでしょ。人殺し」
「ああ…どうしてわかるんだ?」
「どうして?怖気づいた?」
「……ああ」
怖気づいた。俺は怖気づいた。人を殺すというのはどういうことなのか、学生時代目の当たりにしておきながら、俺はよくわかっていなかったんだ。
「そっか……それが普通だと思うよ」
彼女の目からは、もう既にキラキラは失われていた。
「でも、それでも私は君が好き」
だから、その言葉は、行動は、予想外だった。
俺の唇に触れる彼女の唇は、予想外にも程があった。
俺の唇に触れる彼女の唇は、予想外にも程があった。
「次代……?」
「ありがとーぅ。でも、ごめんねぇ、私なんかにキスされても、嬉しくないのにね」
「い、いや…そんなこと…」
「ありがとーぅ。でも、ごめんねぇ、私なんかにキスされても、嬉しくないのにね」
「い、いや…そんなこと…」
そんなことないですぞおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!今俺は最上級の興奮状態にあ―――――る?
「バイバイ」
いや待て…………次代は、…いや、次代は何をしたんだ?今、俺に?
「な、なあ。今なにかしたか?そんでもってなんか言ったか?」
「なにも?それよか、今日はもう帰るから。理由は…用事を思い出したとかでいいかな?…懐かしかったよ」
「お、おう」
「なにも?それよか、今日はもう帰るから。理由は…用事を思い出したとかでいいかな?…懐かしかったよ」
「お、おう」
彼女はそんな適当なことを言って、唐突に去っていった。
……記憶が抜けた。なにか消された。
なにか大事なものが消された……。彼女に。
ファミレスに来て、それから無駄話を少しして、コーラをかけられたと思ったらかけられてなくて…。
ああ、考えるだけ無駄だ。彼女にも説明されたじゃないか。………俺も帰るか………。
……記憶が抜けた。なにか消された。
なにか大事なものが消された……。彼女に。
ファミレスに来て、それから無駄話を少しして、コーラをかけられたと思ったらかけられてなくて…。
ああ、考えるだけ無駄だ。彼女にも説明されたじゃないか。………俺も帰るか………。
「お客様、お連れの方がもうお支払いされましたよ?」
「な、何だとゥ……俺の男気が………」
「な、何だとゥ……俺の男気が………」
クソ、調子狂わされっぱなしだ……などと思っていたら、彼女が、次代が戻ってきて、何か言いだした。
「やっぱり、これは君に言っておく。ありがとうね。私と君の秘密(じじつ)を、私の力で消させないでくれて。
ずっとずーっと、私と共有してくれて。……本当に心から嬉しいよ。しょ、正司くん…」
ずっとずーっと、私と共有してくれて。……本当に心から嬉しいよ。しょ、正司くん…」
そう言って彼女は微笑んだ。その笑顔は微笑だったが眩しくて、一瞬で俺の脳を■■■■。
「私の中の…絶対に消えない…………………葛巻くん」
「―――何か言った?」
「なにも♪」
「―――何か言った?」
「なにも♪」
次代が去っていく。俺の憧れの次代が……。
………俺も帰るか………。
あれ、デジャブ?
………俺も帰るか………。
あれ、デジャブ?