おはようセックス@小説まとめ
第1話-はじめまして?-
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ohayousex
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#-1 ~はじめまして?~
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「・・・っ!ね・・・ぇ・・・いた・・・?」
眩暈がする。ぐにゃぐにゃと脳が揺さぶられているようだ。
そうだ。私は眠って・・・それで・・・・・・?
困った。何も思い出せない。
そうだ。私は眠って・・・それで・・・・・・?
困った。何も思い出せない。
「ねーえー?・・・ちゃんだい・・・ょーぶー?」
この少女の声にも聞き覚えがある。・・・が、まったく思い出せない。
「あ・・・ああ、わたし・・・私は、大丈夫、だ。」
ふらつく身体に鞭を打って立ち上がると、足元に妙な浮遊感を覚えた。これも、なんだか覚えがあるのだが、思い出せない。
「・・・ちゃん!・・・私のこと、分かる?」
少女は明るく笑顔を絶やさずに言った。
「・・・すまない、とても懐かしい感じがするのだが、思い出せない。」
おまけに、夜盲症にでもかかったのか、辺りが真っ暗だ。
その中に、少女は一人、浮いて見えた。
その中に、少女は一人、浮いて見えた。
「やっぱりー?んー・・・じゃあ、名前は?」
名前、と言われた瞬間、頭に電流が走ったような痛みが走る。
やっぱり、というのも引っかかったが、何よりも痛みでそれどころではない。
激痛に頭を抱えながらも、私は答えようと試みる。
やっぱり、というのも引っかかったが、何よりも痛みでそれどころではない。
激痛に頭を抱えながらも、私は答えようと試みる。
「私は・・・つる・・・」
「つる?」
「・・・・・・橡 麹塵(つるばみ きくじん)・・・という。」
言い終わった瞬間、頭の中で焼けるような音がした。
その音が終わると、痛みはすっかり引いていた。
その音が終わると、痛みはすっかり引いていた。
「よくできましたー!でも呼びにくいから、ツルちゃんでいーいー?」
・・・ツルちゃん、と言われたときも、なんだかとても懐かしい感じがした。何故だろうか。
「ああ、構わないよ。」
「これから末永くお願いしまーすっ!」
過剰なまでに腰を折り曲げてお辞儀しながら、彼女はいたずらっぽく言った。
末永く、とは、どういう意味なのだろうか。いや、今それはいい。
末永く、とは、どういう意味なのだろうか。いや、今それはいい。
「・・・ところで、質問、いいかな?」
「いーいよー?」
記憶がないことも、ここがどこなのかも、君が何者なのかも、全てが疑問であるのだが。
今私中にある最大の疑問を、できるだけ大雑把で分かりやすい答えを期待して、とりあえずぶつけてみようと思い立った。
今私中にある最大の疑問を、できるだけ大雑把で分かりやすい答えを期待して、とりあえずぶつけてみようと思い立った。
「・・・私は一体全体、どうなってしまったのだろうか。」
「ん!よくぞ聞いてくれました!」
私の質問を聞くや否や、彼女は待ってましたと言わんばかりに笑顔を輝かせると、これまた明るい笑顔で言い放った。
「ここは死後の世界でーっす!!」
瞬間、暗転。・・・いや正確には、あまりの眩しさに目が眩んだのだが。
真っ暗だと思っていた辺りの景色が、彼女の言葉と同時にふわっと開けた。
しばらく唖然としていたが、やがて目が慣れると、周りが空で、つまりは私は空の上に立っているらしいことが分かると、再び仰天した。
死後とか空とか幽霊とか生前とか記憶とか様々な語句が頭を飛び交う。やめろ、整理できないじゃないか。
自分で自分に意味の分からないツッコミを入れていると、目の前の少女は嬉しそうに小踊りしながら言った。
真っ暗だと思っていた辺りの景色が、彼女の言葉と同時にふわっと開けた。
しばらく唖然としていたが、やがて目が慣れると、周りが空で、つまりは私は空の上に立っているらしいことが分かると、再び仰天した。
死後とか空とか幽霊とか生前とか記憶とか様々な語句が頭を飛び交う。やめろ、整理できないじゃないか。
自分で自分に意味の分からないツッコミを入れていると、目の前の少女は嬉しそうに小踊りしながら言った。
「ねえねえ、びっくりしたー?ドッキリ大成功?あっはははははははははははは!!」
未だに現状が掴めないでいる私の元に、さらに一人近付く人影がある。
「あ、せーいじー!お仕事ご苦労様です!びしっ。」
「・・・ご丁寧に効果音までつけて喋ってると、子供っぽいよ。」
「えーいいじゃないこれくらいでー。ていうか、そこは「うむ、無礼講である」とか言ってノってきてよー!」
「・・・なんかまた間違った使い方をしている気がするよ、それ。」
混乱している私を他所に、少女はゆっくりとこちらに向かってきた少し暗い感じの少年と仲良さげに話し始めた。
「お仕事」とか聞いた時にも、身体がすこしぴりぴりとしたが、しかしそんなことは問題ではないのだ。
落ち着け。彼女たちがぺらぺら話している間に・・・あー、少年の話す速さがゆっくりだから、微妙にペラペラとは違うか・・・ってそんなことはどうでもいい。
とにかく、話しているうちに整理しよう。整理して、きれいに整頓するのだ。
「お仕事」とか聞いた時にも、身体がすこしぴりぴりとしたが、しかしそんなことは問題ではないのだ。
落ち着け。彼女たちがぺらぺら話している間に・・・あー、少年の話す速さがゆっくりだから、微妙にペラペラとは違うか・・・ってそんなことはどうでもいい。
とにかく、話しているうちに整理しよう。整理して、きれいに整頓するのだ。
まず、どうにも私は・・・死んでしまった、らしい。
おまけにエピソード記憶が消失している。死んでしまったからか?
そしてこの少女に起こされた。浮いているところを見るに、彼女も死んでしまったのだろうか。その傍らの少年も。
・・・どうやら、この少女に色々聞いてみる必要がありそうだ。
おまけにエピソード記憶が消失している。死んでしまったからか?
そしてこの少女に起こされた。浮いているところを見るに、彼女も死んでしまったのだろうか。その傍らの少年も。
・・・どうやら、この少女に色々聞いてみる必要がありそうだ。
「君!ちょっといいかな。」
少年といつの間にやら口論になっていた少女を宥めつつ、私は問いかけた。
「君じゃないよ!私は鶸!ちゃんと言ったでしょ?」
「生憎と、聞いた覚えが無いのだが。」
「あー・・・そうだね、記憶はないんだよね。」
まったく理解が追いつかないが、彼女はまた言葉を紡ぎだしたので、それに耳を傾けることにした。
「私の名前は青丹 鶸(あおに ひわ)!死んじゃってるから、いわゆる幽霊、かなー?」
「・・・私も、死んでしまっているのだろうか。」
「ざんねんながら、そうなっちゃいます。」
・・・・・・私は、死後の世界などあるとは思っていなかった気がするのだが。
まあ、今ここにある以上は、やはりそれは存在した、と考えるほかない。
まあ、今ここにある以上は、やはりそれは存在した、と考えるほかない。
「んっと・・・何から話そうか・・・な・・・」
彼女は目を閉じてうーん、とわざとらしく唸り、どうも考えているようだ。
それをじれったく思ったのか、隣にいた少年が語り始めた。
それをじれったく思ったのか、隣にいた少年が語り始めた。
「・・・ここは、死後の世界。と言っても、大して普通と変わりはない。
変わったことと言えば、生きている人にボクたちの姿は見えない。こっちからはモノに触れることさえできない。
あとは、重力なんかに、捉われなくなる。・・・少しくらいなら、ポルターガイストみたいなこともできる。
・・・ボクたちは、生前の記憶を探している。正直言って、ボクたち以外に幽霊を見たことがないから、よくわからないけれど・・・。」
変わったことと言えば、生きている人にボクたちの姿は見えない。こっちからはモノに触れることさえできない。
あとは、重力なんかに、捉われなくなる。・・・少しくらいなら、ポルターガイストみたいなこともできる。
・・・ボクたちは、生前の記憶を探している。正直言って、ボクたち以外に幽霊を見たことがないから、よくわからないけれど・・・。」
「わかりやすい説明、感謝するよ。・・・ということは、君達も記憶がないのかい?」
「はいはい!そうですキオクないです!」
先ほどまで頭から煙を出しそうなほどに考え込んでいた少女・・・鶸は、少年に出番を奪われたことに気が付いてか、我先にと叫んだ。
記憶ないです、というのもなんだか可笑しいが、笑ってみるのも彼女の機嫌を損ねそうなので、これはしまっておく。
記憶ないです、というのもなんだか可笑しいが、笑ってみるのも彼女の機嫌を損ねそうなので、これはしまっておく。
「ツルちゃんも、思い出せない・・・よね?」
同意を求められたので、私は頷く。
「それじゃあ、私達と一緒に行きましょ!」
そう言うと、彼女は手を差し伸べた。
その光景に、これまでにないほど強い既視感を覚えた。
しかし、頭にはノイズが混じったようで、まったく既視感の原因は掴めなかった。
私がしばらく黙っていたからか、少年も俯きがちな顔を上げて言った。
その光景に、これまでにないほど強い既視感を覚えた。
しかし、頭にはノイズが混じったようで、まったく既視感の原因は掴めなかった。
私がしばらく黙っていたからか、少年も俯きがちな顔を上げて言った。
「・・・ボクからも、お願いします。」
私には、選択肢など与えられていない気がしたが、答える。
「ああ、こちらこそ、お願いするよ。」
ぱあっ、と花が咲いたような笑顔を見せた少女と、また気恥ずかしさからか俯いた少年と。
私の奇妙な旅が、幕を開けた。
私の奇妙な旅が、幕を開けた。
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