80 ウェルニッケ野とブローカ野

科目 聴覚生理学
資料
説明
脳の特定の部位の損傷と失語症に強い関係があることから,そのような部位を言語機能の中枢である言語野とみなせる。
そのうち,後ろにある方をウェルニッケ野(感覚性言語野),前にある方をブローカ野(運動性言語野)という。

ウェルニッケ野は一次聴覚野のそばにあり,言語理解に関わっている。この部位が損傷するとウェルニッケ失語(感覚性失語)を引き起こす。
すなわち,単語の発話や書字はできる(自然な発音や比較的普通の文法)ものの意味をなさず,言語の理解も困難になる。

ブローカ野はノド,唇,舌などの運動に関わっており,この部位が損傷するとブローカ失語(運動性失語)を引き起こす。
すなわち,言語理解はできるものの発話や書字ができなくなる(文法的に複雑な文章は作れず電文体と表現されるような内容語のみで構成されたものとなる)。

例として、ブローカ失語症患者が歯医者から病院までどうやって来たのかを説明しているときの会話を示す。:

"Yes... ah... Monday... er... Dad and Peter H... (his own name), and Dad.... er... hospital... and ah... Wednesday... Wednesday, nine o'clock... and oh... Thursday... ten o'clock, ah doctors... two... an' doctors... and er... teeth... yah."

(意訳)

"はい・・あの・・・月曜日・・・えっと・・・パパとピーター(彼自身の名前)・・・とパパと・・・えっと・・・病院・・・あと、えー・・・水曜日・・・水曜日9時・・・あと・・・木曜日・・・10時・・・あー先生・・・・あと・・・歯・・・はい。"




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最終更新:2011年11月14日 23:12
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