杜王町のどこか、ディザスターのアジトの館。
円卓を囲んで、ディエゴ・ディエス、キル・シプチル、棟耶輝彦、ヴァン・エンドの4人がいる。
ディエス「準備のほうはどうだ、棟耶。」
棟耶「は、弾薬、爆薬は十分すぎるほど。仮に長期戦になったとしても十分な兵糧も蓄えてあります。」
ディエス「……むこうの本拠地の捜索のほうは?」
ヴァン「今のところ報告はございません。……ですが、あまり期待はできないかと。」
キル「場所さえ突き止めれば、おまえの能力で本拠地ごと『隔離』し、徹底的な集中砲火によって殲滅することができる。
これが最善だが、まあ、地域は絞れているんだ。時間の問題だろう。」
ディエス「そういうことだ。仮に突き止められない場合、俺とヴァンのみ本拠地に残り、5人のスタンド使いで周囲を囲う。
食料が尽きれば、向こうから勝手に出てきてくれる。」
ヴァン「……承知いたしました。」
キル「私達以外の3人のスタンド使い、『スイップ・ホック』、『シーチゥ』、『アリーナ・シュゲット』は
作戦決行の前日……明日は、杜王町内に潜ませます。明日のうちに連中に出て行かれたら面倒ですから。」
ディエス「では、そうしろ。……今日はこれで終わろう。」
会議を終え、部屋からキル、棟耶、ヴァンの三人が部屋から出る。
ヴァン「……しかし、ボスはもうすこし綿密な計画を立てたほうがいいと思うのだが。」
棟耶「ハハ、相変わらず恐れ多いことをいう。しかしだな、敵側にも司令がいるのだ。シンプルな戦略のほうが、
こちらが臨機応変に対応できるというものだ。力量は圧倒的にこちらが上回っているのだからな。」
ヴァン「ふん……きっと、本拠地を割り出すのは無理だろうよ。エリック・キャトルズは私の部下だが、あいつは出来の悪い部下だ。」
キル「…………ディエス様を信用しろ。ディザスターの『頭』として、10年以上もやってきたお方だ。間違いはないだろうよ。」
そういったところで、キルは足を止めた。
キル「……そういえばディエス様への用事をひとつ忘れていた。ちょっと、行ってくる。」
キルは振り返って、再びディエスの部屋へ向かった。
ヴァン「……つくづく気持ちの悪い男だ。まるで女のようにボスに付き従っている。」
棟耶「おまえは信用していないのか?ボスを。」
ヴァン「そんなはずはない。だが、キルの場合あまりにも異常だと言ったのだ。」
棟耶「ま、ディザスター内には常にボスの座を狙っているようなヤツもいる。
その中では珍しいだろうな、あれほど忠誠心のある者は………。」
バタン!
キルがディエスの部屋に入り、扉を閉める。
キル「ディエス様。」
ディエス「……なんだ、キル。俺が呼ばぬ限りは、たとえおまえでもここへは入るなと言っていただろう?」
キル「失礼いたしました。……ですが、早急にディエス様にお話せねばならないことがあるのです。」
ディエス「ふん、言いつけを破ってまでも話したいことか。いいだろう、言え。」
キル「では………」
バッ!!
瞬間、キルがディエスとの距離をつめた。
ディエス「!!」
キル「ディエス様には、首領の座を私に与えていただきたいのです。……ご自身の血によって。」
ディエスの胸には、ナイフが突き立てられていた。
【スタンド名】
ミレニアム・チョーク(millennium choke-千年の窒息-)
【本体】
ディエゴ・ディエス
【タイプ】
近距離パワー型
【特徴】
フルフェイスメットのような頭、体は紅と黒の網目
【能力】
本体、または殴った相手の血液の成分を操作する。
主な使い方としては、血液中に主に含まれる赤血球、白血球、血小板の比率を変える。
本体に対しては、赤血球の比率を一時的にあげて体内の酸素の巡りを強化させたり、血小板を増やして傷口の止血を早めたりする。
殴った相手に対してはこれの逆をするほかに白血球の比率を上げて白血病の症状を起こさせたりする。
また本体への輸血にも有用であり、他者の血液の血液型を自分のそれに変えたり、血液の血漿中の抗体を自分のそれと同じものにし、全血輸血を可能にする。
主な使い方としては、血液中に主に含まれる赤血球、白血球、血小板の比率を変える。
本体に対しては、赤血球の比率を一時的にあげて体内の酸素の巡りを強化させたり、血小板を増やして傷口の止血を早めたりする。
殴った相手に対してはこれの逆をするほかに白血球の比率を上げて白血病の症状を起こさせたりする。
また本体への輸血にも有用であり、他者の血液の血液型を自分のそれに変えたり、血液の血漿中の抗体を自分のそれと同じものにし、全血輸血を可能にする。
破壊力-A
スピード-A
射程距離-E
持続力-E
精密動作性-?
成長性-?
【スタンド名】
ラクリマ・クリスティー
【本体】
キル・シプチル(弓と矢の男)
【タイプ】
近距離型、チート系
【特徴】
凹凸の無いスリムな機械人型 無駄な装飾が全く無く翼が生えている
メイド・イン・ヘブンみたいな顔 白い
メイド・イン・ヘブンみたいな顔 白い
【能力】
この世の全ての「拘束」から解放される能力
所謂全ての「法則」や「ルール」を無視することが出来る能力
たとえば重力にも拘束されず空中を自由に動き回れる
壁などの障害物も無視してすり抜けて歩ける
相手スタンドの「拘束」「妨害」「時間停止」等の能力すら無視して行動できる
「生」や「死」からすらも開放され絶対に死ぬことがない
など様々な「拘束」から開放される
所謂全ての「法則」や「ルール」を無視することが出来る能力
たとえば重力にも拘束されず空中を自由に動き回れる
壁などの障害物も無視してすり抜けて歩ける
相手スタンドの「拘束」「妨害」「時間停止」等の能力すら無視して行動できる
「生」や「死」からすらも開放され絶対に死ぬことがない
など様々な「拘束」から開放される
破壊力-A
スピード-A
()
()
射程距離-D
(能力射程-本体のみ)
(能力射程-本体のみ)
持続力-E
精密動作性-A
成長性-完成
ディエスの胸にナイフを突き刺したキルは、すぐさまディエスと距離をとる。
ディエス「どういうつもりだ、キル?」
ディエスは表情ひとつ変えずに胸に刺さったナイフを引き抜く。
傷口から血はまったく流れず、傷も徐々にふさがっていった。
『ミレニアム・チョーク』の能力により傷口付近の血小板を増やし、外傷の治癒能力を高めたのだ。
キル「まあ、この程度であなたを殺せるとは思っていないさ。」
ディエス「…………」
ディエスは両手をだらりと下げ、自然体で立ったままでいる。
キル「そろそろ潮時かと思ってね、あなたの下で仕えるのは。……あなたはディザスターの頭として十分な能力を持っていた。
代々のディザスターの『頭』の中でも、あなたはずば抜けた素質を持っており、それにみあうだけの実績をあげてきた。」
ディエス「……ディザスターは俺が立ち上げた組織ではない。利害が一致し、俺ははじめはただの構成員のひとりとして入団したが、
たしかにそのときの『頭』はボスの器ではなかった。……だから、力ずくで奪った。
そして、俺の理想をかかげ、それに基づいてここまで進んできた。
ただのいちマフィアにすぎなかったディザスターを大きくしたのはまぎれもなく俺の力だ。その自負はあるよ。」
キル「あなたの言うとおりさ。ディザスターが世界的な権力を握ることができるまで成長できたのはあなたの力だ。だが……」
キルの傍らに不気味なほど真っ白なスタンド……『ラクリマ・クリスティー』が姿を現す。
キル「世界を支配する者にもっとも必要なのは……シンプルな『暴力』。強大な暴力なくして支配は成し得ない。」
ディエス「俺に成りかわるつもりか、かつて俺がしたように、『頭』を狩り取って!」
キル「あなたの『力』は私の『力』に大きく劣る。それを今からご覧にいれましょう!『ラクリマ・クリスティー』ッ!!」
キルが目にも留まらぬスピードでディエスに詰め寄り、高速の手刀を放つ!
ズァッ!!
ディエス「…………」
ディエスはキルの攻撃を紙一重でかわすが、高速で放たれた手刀は、体に当たらずともディエスの体を『斬った』。
ズブズブズブ……
しかし、『ミレニアム・チョーク』の能力により、傷はすぐにカサブタとなり、ポロポロと剥がれ落ちる。
キル「やはり、表面を傷つけた程度ではすぐに回復してしまうか。」
バッ!!
キルはディエスの背後に回り、右手を後ろに引く。
キル「だが……体に穴でも開ければどうでしょうか?肉を『裂く』のではなく、『くり抜け』ば……!?」
ディエス「……『ミレニアム・チョーク』。」
ディエスの背後に『ミレニアム・チョーク』が現れる。
グオオオオッ!!
ミレニアム・チョークの腕はキルの顔面を貫いた。
……しかし、貫きはしたものの、それは『ラクリマ・クリスティー』の能力によって『幻影』となったキルの体だった。
キルはディエスに攻撃せずにミレニアム・チョークの腕から離れ、ディエスと距離をとる。
キル「いかがです、ディエゴ・ディエス。あなたがどんなに傷を早く治すことが出来る治癒能力を備えていたとしても、
私には傷どころか、指一本触れることさえ出来ない。これが、私とあなたの実力の差でなくてなんですか?」
しかしディエスは焦らなかった。
ディエス「……確かに、そのとおりだな。おまえの能力は、何人たりとも指一本触れられぬ無敵の能力。すばらしい能力だ。」
ディエス「それならば、なぜ先ほど俺のミレニアム・チョークが顔面を貫いたとき、おまえは攻撃しなかった?」
ドドドドドドドドド……
キル「…………!!」
確かにキルはディエスから離れる前に、引いていた右手をそのまま前に突き出し、攻撃すれば当たっていただろう。
しかし、キルはそれをせずに離れた。……否、できなかったのだ。
キル(ボスは私の能力を漠然としか知らないはず。……それなのに、なぜ私の能力の盲点を理解しているのだ?)
そして、ディエスの発言はキルをさらに驚かせた。
ディエス「しかし……俺は大人気なかったな。勝ち目のない反逆に、本気で立ち向かおうとするなんて。」
キル「勝ち目のない……だと!?」
ディエス「キル……これから俺はおまえに一切攻撃をしない。存分にかかってくるがいい。拳を振りかぶって、思い切り殴りぬけろ。
防御のことを考えなくていい、距離もとらなくていい、本気で……殺しにかかってこい。」
キル「な……!!」
ディエス「さあ、来るがいい哀れな糞野郎。ディザスターの『頭』になりたいのではなかったのか?」
キル「…………っそッ!!」
バッ!
キルの『ラクリマ・クリスティー』は再び目にも留まらぬ速さで攻撃を繰り出した。
急速に近づき、右足のロー、ミドル、ハイの連打。ディエスとのゼロ距離からさらにキルは踏み込み、
『ラクリマ・クリスティー』の能力によってディエスの体をすり抜け、
背後から左回し蹴り、脳天への手刀……
しかし、そこまでのキルの攻撃はすべてディエスに当たらなかった。ディエスはキルの繰り出す攻撃がすべて読めているかのように動き、
キルのすべての攻撃をかわしているのだった。
武術の達人は、筋肉の動きを目で見ることによって、次にどこから攻撃が来るのか、手に取るようにわかるという。
しかしキルの攻撃の場合、それだけでは説明がつかない。
キルは『ラクリマ・クリスティー』の能力でディエスの背後に立ち、攻撃を繰り出したときディエスはその動きを見ているはずがなかった。
しかし、ディエスはするりとキルの攻撃を避ける。まるで、どう攻撃するか、あらかじめわかっているかのように……。
ディエス「どうした、キル。私はこの場から動いてすらいないぞ?」
キル「くっ、くそおおおおおおおおお!!!『ラクリマ・クリスティー』ーーーーーーッ!!」
ズババババババババババ!!!
ラクリマ・クリスティーがディエスに向かってラッシュを放つ。
ディエス「…………」
しかし、ディエスはそのラッシュのひとつひとつを確実にかわしていく。
常人ならぬスピードのラッシュをかわすディエスの身体能力は、『ミレニアム・チョーク』の赤血球増加により、細胞を活性化ことで強化されていた。
そして、ディエスはやはり『ラクリマ・クリスティー』の一打一打がどうくるかわかっているかのようにすべてかわしつづける。
キル(なんという男だ、ディエゴ・ディエス……ここまでとは思わなかった。
……だが、攻撃しないにしても、かわすことだけで精一杯のはずだ。もう、布石は打ってあるんだよ!
このまま、攻撃を続けたまま『ラクリマ・クリスティー』の能力を発動させ、ディエスの背後に移動するッ!
ラッシュを避けることで精一杯のディエスは、背後からの攻撃には一歩、遅れる!
もし、それをかわされたとしても、また同じことをすれば、終わりは来るッ!!)
ズババババババババババ!!!
ラクリマ・クリスティーのラッシュはまだ続いていた。
それをディエスは紙一重のところでよけている。時々かすり傷を負うことがあるのが、ディエスのスピードでは避けるだけで精一杯であることを証明していた。
そして、ラッシュを続けながら、キルは『ラクリマ・クリスティー』の能力を発動した。
ババババババババババババッ!!
この世の理から解放され、キルとラクリマ・クリスティーの体は幻影となる。
そのタイミングは、外見からでは判断がつかない。筋肉の動きなどには現れない。
……そのはずだった。
しかし、『ラクリマ・クリスティー』が能力を発動した瞬間、攻撃をよけ続けていたディエゴ・ディエスは、
自分からラクリマ・クリスティーのほうへ踏み込んだ。
ラッシュを続けていた『幻影』のラクリマ・クリスティーの腕をすり抜け、キルの体もすり抜け、ディエスはキルの背後に立った。
キル「………なっ!!」
『ラクリマ・クリスティー』の盲点、それは能力によってキルがこの世から『解放』されたとき、自分の体には誰にも触ることが出来ないのだが、
それはキルにとっても同じだということだ。能力を発動している限り、自分も何者にも触れられない。
キルは驚き、攻撃をすることも、背後に立ったディエスのほうを振り返ることもせず、ただ立ち尽くしていた。
ディエス「どうした?自身の能力に慢心し、たかが後ろを取られたくらいでもう攻撃をやめるのか?
俺からはいっさい攻撃をしない。そういったはずだ。」
ラクリマ・クリスティーのその特性が、「弱点」ではなく「盲点」だといったのは、それはキルにとっては弱みになりうるものではないからだ。
能力を発動しているうちは、キルは絶対に負けることはないのだ。誰に対しても、そう、ディエスに対しても。
しかし、キルは理解した。
自分の能力をもってすれば、ディエゴ・ディエスには決して負けることはないだろう。だが『決して勝つことも出来ない』。
なぜかはわからないが、ディエスはキルの攻撃をすべて読んでいた。……終わりはやってこないのだ。
ディエス「もう……『終わり』か、キル・シプチル。」
キル「…………くッ」
しかも、その勝負に終わりがないのは、キルの体力が続く限りだった。
もしキルの体力が尽き、能力を発動できなくなったら、勝負は見えている。
キルは、体力が続く限りディエスに打ち込んだとしても、一発さえ攻撃を当てられるイメージをもてなかった。
キル・シプチルは生まれて初めて敗北したのだ。
キルは絶望で体の力が抜け、地に膝を着いた。
ディエス「さてキル、どうカタをつけてくれようか………。」
キル「……………。」
絶望を覚えたキルは、もはやスタンドを出す気力さえわかなかった。
『ミレニアム・チョーク』の一突きで、キルは簡単に命を落とすだろう。
ディエスがキルにゆっくり近づく。
キルは恐怖で顔をあげることができなかった。
ディエスの右手が、キルにゆっくりと近づいてゆく……。
ディエス「顔を上げろ、キル。」
ディエスはキルの頭に手を乗せて言った。
ディエス「すばらしい精神力だ、キル・シプチル。首領の座を狙おうとするその執念深さ、信念の強さはとても大きな力を持っている。」
キル「…………!!」
ディエス「そのような精神の強さを持っているからこそ、俺はおまえを側に置いているのだ。何も咎めるつもりはない。
これからも、俺の、ディザスターの力になってくれ。」
ディエスはなにもかも見透かしていた。
キルが首領の座を狙っているのがわかっていながら自分の側においていたのだ。
ディエスには、帝王の素質があった。世界を支配する帝王の素質が……。
キルはこのとき、それを理解して、これからはディエスのために働こうと忠誠を誓ったのである。
キルはディエスの部屋の扉の前で立ち止まり、かつて自分がディエスに反逆したときのことを思い出していた。
そう、これはディエスが杜王町に先遣部隊として乗り込むずっと前のことだった。
これがきっかけでキルはディエスに絶対的な信頼を置く部下となり、先遣部隊に任命されたのだ。
コンコン
キル「ディエス様、私です。」
ディエス「キルか、入れ。」
キルはディエスの部屋の扉を開け、中に入った。
バタン!
―――アジト内において、ディザスターの構成員がディエスに造反することはありえない。
なぜならば、ディエスの最強の臣下……キル・シプチルがついているからだ。
模たちにとって、決戦の当日がやってきた。
零は模たちに作戦のすべてを伝え、準備を整えた。
日が傾き、空が暗くなり始めた頃、エリック・キャトルズ含めた8人が屋敷の外に姿を現した。
アッコ「絶好調ッ!!モシ一晩中戦イ続ケルことになってモ、私はイケルよ!」
五代「この日のために戦い続けてきたんだ。不足はねえぜ。」
模「絶対に、あいつらを倒そう!それができなければ、今日までのことがムダになるんだ!」
屋敷の庭の門から、模、五代、アッコ、エリックの4人が出る。
零「リスク分散のために、まずはあなたたち3人がアジトに入ります。
『建物を隠す』ヴァン・エンドを戦闘不能にするか、アジトを破壊したらアッコは連絡をしてください。
そのあと、私達4人も向かいます。」
エリック「『ピープル・イン・ザ・ボックス』を発動できるのは『建物』だけだ。建物の形を失ったら、能力は発動できねえってコトよ。」
零「エリック、わかっていますね?」
エリック「ああ、わかってるよ。はじめにアジトに入るのは俺ってことだろ?……まあ、それだけやったら、俺はトンズラこかせてもらうけどよ。」
紅葉「……やっぱり、全員で行ったほうがよくない?」
零「いいえ、きのうは安全だったけど、今日は杜王町内にスタンド使いが潜んでいないかはわからない。」
九堂「そーそー、臨機応変に、リスクは最小限に!全員アジトに閉じ込められちゃ『井の中の蛙』ってことになりかねないからな!」
陸「『袋のネズミ』だ、バカ。」
九堂「るっせ、俺は理系なんだよ………。」
零「……アジトが現れる時間が近づいています。作戦を開始しましょう。」
紅葉「……気をつけてね。」
模「どうせ、すぐに会うことになるよ。大丈夫!」
九堂「しっかりやれよ、模、五代、アッコ!!」
五代「……てめえもしっかりやってくれなきゃ困るぜ。」
アッコ「行ってくるヨ!」
陸「……あんま無理すんなよ!!」
4人が屋敷を離れ、アジトのある別荘地帯へ向かって出発した。
これより、最後の戦いが始まる。
アジトへ向かう3人は勇気を携えて走り出し、屋敷で待機する4人は3人を信頼して送り出す。
突入組も、待機組も、これが最後の別れにならないことを祈って。
空の黄昏が表すのは希望の光か、それとも、風前の灯か……。
第六章 -いばらの世界- END
to be continued...
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