2時間後 都内 某都市銀行本社ビル
任務の後、『組織』のアジトに戻った丈二、琢磨、ヒナの三人は、
そのままチームの作戦室でレポートを作成し、本日の業務を終えようとしていた。
キーボードを打ち込みながら、レポートの文面とは別に、丈二は思考をめぐらせる。
カタカタカタ・・・
丈二(アジトの場所は同じ・・・だが、このビルは『グリーン・ドルフィン銀行』のビル・・・。
違う銀行のビルだ・・・。どういうことだ?)
カタカタカタ・・・
ヒナ「二人とも、コーヒー飲む?」
琢磨「もらうよ。砂糖は入れないでくれ」
ヒナ「おっけー。丈二は?」
丈二「(こいつも誰だかわかんねーし・・・)ああ、俺は・・・」
そのとき、突然作戦室のドアが勢いよく開いた。
バーン!
???「くらあああああ! 丈二イイイイイ!!
なにちんたらやってんだテメェ! もう任務の時間だろうが!」
ドアの向こうから、ビル全体に響き渡るほどの怒号を発しながら、一人の男が入ってきた。
オールバックで、紺色のジャケットを羽織ったその強面は、見るからにカタギの人間ではなかった。
丈二(うおおおおー!? またなんか知らないやつ出てきた!)
???「まったく、テメェはいつもいつも時間にルーズで、人を待たせてばっかりじゃねえか!
いい加減ぶっ殺すぞコラァァ!」
丈二(しかもヤクザ・・・)
ヒナ「吉田うるさい」
琢磨「いつもいつも君は滾りすぎだろ。脳の血管はち切れて死ぬぞ」
???「うるせーバカヤロウ! てめーらはパソコンぽちぽちやってろコノヤロウ」
丈二(しかも仲間かよ!)
これが、丈二と、同じチームのメンバー『吉田 忍(よしだ しのぶ)』との、
“二度目の”初めての出会いであった。
―A Part 2027―
2年前――
丈二「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
柏(こんなガキに―――――!)
A・M:H『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ』
2025年の1月、冷たい北風が身を切る真冬の日。あの日、俺はとある給水塔のてっぺんで、ある男を殺害した。
名を『柏 龍太郎(かしわ りゅうたろう)』と言った。ヤツは俺の親父の知人で、仇だった。
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
柏(・・・・・・・・)
グシャグシャグシャグシャアァ
柏はきわめて危険な思想と、権力の持ち主だった。柏は「人類淘汰」を成し遂げるため、ある強大なグループを結成した。
『組織』。政界や経済界に太いパイプを持ち、実質的に政府を裏から支配していた、闇の政府。
日本政府の腐敗は、俺が柏 龍太郎を殺害し、『組織』を壊滅させたのと同時に、絶大な痛みを伴って浄化された。
経済が大きく傾いたその年は、のちに“暗黒の一年”と呼ばれるようになった。
俺は『組織』を潰したあと、二年ほど世界中を旅して回った。
自分という人間の中身がどんなものなのか、自分という人間の居場所はどこにあるのかを探る旅だ。
結局、世界の何処を探しても、満足いく答えは見付からなかった。旅の果てに待っていたのは、“本当の自分”ではなく、
くたびれた怠惰な生活だった。
*
女「おはよう、ジョジョ」
丈二「・・・やめろ、それ。ジョジョって」
2027年2月。世界中を旅して回った丈二は、帰国後都内のとあるアパートで女性と同棲生活をスタートさせた。
『三島 由佳里(みしま ゆかり)』という女性で、彼女は社会人だった。
眠りから覚めた丈二が、寝室を出てキッチンへ向かうと、先に起きていた由佳里がコーヒーを淹れていた。
由佳里「ジョジョ、仕事は?」
丈二「・・・やめた。俺には合わん」
由佳里「・・・・・・また、なの?
アリゾナ砂漠から帰ってきてから、ずっとそうね」
テレビのリモコンを手にとって、リビングのソファーに横になった丈二は、
漂うコーヒーの香りを嗅ぎながら、画面に映る朝の天気予報を読み上げた。
丈二「午後から雨が降るらしい、傘を忘れるな」
由佳里「ここんところ、ずっとね」
丈二「だな」
由佳里「コーヒー、淹れといたから。もういくね。会議なの」
丈二「なあ・・・待って」
由佳里「?」
丈二「俺だって、ずっとこうしてようなんて思ってないぜ。君の負担になってるのはわかってる。
明日、コンサート会場でバイトするんだ。警備の仕事だ。仕事、探してないわけじゃないから」
由佳里「・・・わかってるよ。それに、負担とか思ってないから。仕事、がんばって」
丈二「・・・ありがとう」
由佳里「じゃあね」
バタン
丈二「・・・・・・」
仕事に出た由佳里を見送って、丈二は一人、静かなリビングでゆっくりと眼を閉じた。
―B Part 2024―
◇都内 都立○○病院 AM01:20
忍「着いたぜェー」
深夜1時。丈二と忍の二人は、『ナイフ』回収のため都内の病院に訪れていた。
この病院に入院してる患者の一人が『ナイフ』を所持していて、それを奪うのが仕事だと、行きの車中丈二は聞かされた。
二人は任務時に着用を強制される黒のコートに身を包んで、闇に溶けこむように病院の裏手に回った。
丈二(ここは以前、“あいつ”と一緒に来た・・・気がするな)
丈二「なんでこんな深夜にやるんだ? 犯罪者らしいといえばらしいけど」
忍「日中だと外来とかめんどくせーだろ。なるだけ一般人は巻き込みたくねーからな。
別に朝早くやってもいいが、起きらんねえからよ」
ふうと息をついて、忍は傍らに自らの“スタンド”を出現させた。
爬虫人類のような姿をした人型で、そのスタンドは大きな拳を振り上げ、病院裏手側の壁を殴った。
忍「『ナイン・インチ・ネイルズ』!」
NIN『キシャアアア』ドゴォ
丈二「!」
どろどろどろどろ
忍「壁を半液状化させた・・・。『ナイン・インチ・ネイルズ』の能力でな。これで中に入れるぜ」
人が通れる大きさに、一部がどろどろになった壁を見て、丈二は「ウィダーインゼリーみたい」とふと思った。
スタンドとともに、ゼリー状のそこを通り抜けた忍にあとに続いて、丈二も一歩そこへ踏み込んだ。
忍「ちゃっちゃと入れよ。モタモタしてっと壁ん中で固まっちまうぜ」
―A Part 2027―
◇都内 某武道館 PM16:40
丈二「『花瀬 美加(はなせ みか)』ね・・・」
午後五時前。都内の某大型武道館のスタッフルームで、警備のシャツに着替えた丈二は、こうぼそりと呟いた。
この武道館は武道だけのみならず、多数の有名アーティストたちがライブ会場として利用することでも知られる場所で、
丈二は今日、そこでツアーファイナル公演を行う国民的アイドル、『花瀬 美加』の楽屋入りまでを警護する仕事を
与えられていた。通常ならこんな大役はただのヒモ野郎になど回ってこないが、古い知り合いのコネがきいたのだった。
丈二「いきますか!」
警備の仲間同士で連絡を取り合えるよう、無線機の電源をいれて、イヤホンを片耳に装着した丈二は、
スタッフルームをあとにして、花瀬 美加が歩く、楽屋までの通りに出た。
ワーワーワーワー!
キャー!
ワー!
オスナバカヤロー!
ミカチャーン!ハヤクキテー!
楽屋前の道は、どっから嗅ぎつけたのかわからない熱烈なファンたちの姿で既にいっぱいだった。
仕切りと警備の猛烈な仕事ぶりでなんとか抑えてはいるが、ライブ前の興奮でテンションは最高潮、臨界点ぎりぎりといった様相であった
。
ワーワーワーワー!
ワー!
丈二「すっげ。本人きたらどうなんだよこれ・・・」
無線《すっげ。じゃねえよ! 柵が破られちまいそうだ、補修用のテープ持ってきてくれ!》
そのとき、通りにこの混乱の種である、花瀬 美加本人が到着した。
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
ミカチャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!
目と鼻の先にいる本人を前にして、ファンたちの興奮はついに爆発した。
美加はニコニコ微笑み仕切りの向こうにいるファンたちに手を振りながら、楽屋までの道をゆったりと歩いていく。
そして、暴動が起きた。
無線《まずい柵が破れた! 急いで部屋まで連れて行け!》
イヤホンから響いた怒鳴り声が、丈二の耳を劈いたのと、丈二の両目に、ファンの皮を被った無数の暴徒が、柵を押し破って
津波のごとく美加に襲い掛かる光景が焼き付いたのは、ほぼ同時だった。
発狂に近い悲鳴をちらしながら、国民的アイドルに迫る暴徒たちを前にして、丈二は冷静に、物事を対処しようとした。
警備仲間から美加の細い腕を預かると、それを引っ張って肩を支え、楽屋までともに走った。
後方では警備の連中が集まって即席の壁となり、丈二と美加の二人が逃げ切れるまでの時間を稼いでいた。
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
タタタタ・・・
美加「ううう、ううう・・・」プルプル
丈二「大丈夫、心配しないで! 走ってください!」
そのとき、前方から一人の男が突然、ぬっと飛び出て二人の行く手を塞いだ。
オールバックで、紺色のジャケットを羽織ったその強面は、見るからにカタギの人間ではなかった。
男はクスリかなにかを切らしたかのように呼吸が荒く、肩を小刻みに震わしていた。
男はゾンビのようにふらふらと、ゆっくり美加に迫った。
男「ミ、ミカチャン・・・サ、サインヲ・・・」よろよろ
美加「ひぃっ!」
丈二「下がってください!」
丈二は怯える美加を自分の背中に隠して、走り出したヤクザ風の男と対峙した。
男がなにかを持った右腕を振り上げたとこで、丈二はその腕を払い、男の膝を勢いよく踏みつけた。
「うお」とよろめいた男の腹に右脚をぶち込んで、丈二はその図体を蹴り飛ばした。
男は仰向けに転がり、ぴくぴくとそのまま気絶して動かなくなった。
警備「よくやった! あとは預かる、お前はそいつを連行しろ!」タタタ・・・
駆けつけた警備の仲間に美加を預け、丈二は倒れた男のそばに寄った。
男の右手には、サインペンが握られていた。
丈二(刃物かと思ったが・・・悪いことしたな)
気絶した男の体を肩に担ぎ、持ち上げると、男のジャケットから、革の財布が落ちた。
丈二はそれを拾って、中の運転免許証を確認する。
丈二(『吉田 忍(よしだ しのぶ)』か・・・ご愁傷様)
―B Part 2024―
広い病院内に裏口から侵入した丈二と忍の二人は、夜勤の見回りに遭遇しないよう、慎重に歩みを進めた。
忍「俺は一階を見て回る。仲間がどっかに待機してるはずだからな。
お前は『ナイフ』を回収してこい。208号室だ」ヒソヒソ
丈二「了解」ヒソヒソ
忍と別れ、二階に続く階段を上る。その途中で、丈二はふと、何故自分がこんなことをしなくてはならないのかと
疑問を感じた。
丈二(なんでこんなことまたしなきゃいけない、ふざけんなよ・・・)
以前は『組織』を潰すという明確な目標があった。それを原動力にできたから、やりたくないこともこなしてこれた。
今はどうだ?こんなことをして回る意味は、もう自分にはない。
丈二(そうだ、流れで来ちまったが、俺にはもう関係ない話だ。
なんだかわかんねーが、とにかく元いたところに戻らないと・・・)
踵を返して引き返そうとしたが、そこは既に目的の208号室の前だった。
なんだか煮え切らない思いを抱えながら、やむなしに病室に引き戸を引くと、薄暗い病室の中に、
三人の男の姿を確認できた。
ベッドに横たわる男と、それを囲むように立つ二人の男。そのうちの一人がこちらに気付き、
扉付近の丈二に声を掛けた。
???「『組織』か? 遅かったな、もう俺たちが回収した」
よくみると、ベッドは真っ赤に染まっていた。
ぽたぽたと滴る血液が、そこで何が起きたのかを、無言で語った。
丈二「あー、・・・ああ、そう。まあ・・・一応回収しとくわ、それ」
???「なんだ一応って。ヘンなヤツだな。おい、俺は先に帰るから、あれは始末しといてくれ」
男は、そばに立つ赤い帽子を被った男に声を掛けて、病室の小窓を開けた。
そこに身を乗り出した男の背中に、
丈二「待てよ、行かせると思うか?」
と声を掛けると、男はふっと笑い、
???「君、名前はなんていうんだ?」
と言った。
丈二「・・・『城嶋』だ」
???「覚えておくよ。俺は『須藤』だ」
須藤「君がそこの赤い帽子の男を倒せたら、今度相手になってやってもいいぜ。じゃあな」
そう言って、須藤は窓から飛び降りた。
丈二「おい待てッ!」グググッ
丈二「!?」
飛び降りた須藤を追いかけようとしたが、両脚が動かなかった。
まるで強力な接着剤で床と足裏がくっつけられたかのように、がっちりと固定され動けなくなっていたのだった。
がちーん
丈二(なんだこれ、脚が“くっ付いて”・・・はなれないッ!)
その様子を見て、一人残された赤帽子の男が、突然口を開いた。
赤帽子「それは私の“スタンド能力”だ・・・。ワナを張らせて頂いた。
どうだ、動けないだろう?」
赤帽子の男はスタンドを出現させていった。雪のように白く、下半身のない、上半身のみの一つ目のスタンド。
病室内の薄い暗闇は、その不気味な白色を妖しく際立たせていた。
赤帽子「『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』・・・君を始末する」
GSTQ『クァァァァァァ』
丈二「動けなくしたくらいでいい気になんなよ、両腕が使えれば十分だっての。
そっから小石でも投げるか?」
赤帽子「そんなことはしない。しないが・・・」
赤帽子の男は開いた小窓を閉めて、隙間を『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』で固定した。
丈二「なにしてんだ、お前」
赤帽子の男はそのまま表情を崩さず、ポケットから閃光手榴弾を取り出して、
ピンを引き抜いてそれを丈二の手前に投げた。
丈二「うおッ!」
強烈な閃光に視界を奪われ、怯んだ丈二をあっさりと横切って、赤帽子の男は入口の引き戸を引き、廊下へ出た。
「サングラスは必須だ」という男の呟きを聞き、後ろ振り返った丈二は、赤帽子の男がなにか金属製の筒のようなものを
持っていることに気が付いた。
赤帽子「“動けなくするだけ”・・・だけなんだが、人を殺すのにはこれだけで十分なんだ」
そういって、赤帽子の男は金属製の筒を、208号室内に投げ込んだ。
赤帽子「“VX神経ガス”だ・・・。さよなら、城嶋くん」
赤帽子の男が引き戸を閉じたのと同時に、金属筒がプシュと小気味良い音を立てて、起動した。
筒から、蒸気のように悪いガスが噴出した。
丈二「ま、待てッ!」ガシッ!
がちーん
丈二「!!」
引き戸は『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』によって固定され、開かなかった。
完全な密室の中で、取り残された人間がいるのもお構いなしに、金属の筒は致死の毒ガスを部屋中に充満させはじめた。
プシューーーーー!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
◇都内 都立○○病院1F 同時刻
???「おいアンタ」
忍「?」
丈二が同病院内2Fで、“神経ガスが充満した密室に閉じ込められている”と同時刻、
吉田 忍は1Fの外来用待合室で、ふいに誰からか呼び止められた。
忍は、病院内に対立組織の工作員がいないかどうか、照明の落ちた薄暗い1Fを歩き回っていた最中だった。
忍「誰だ?」キョロキョロ
???「ここだよ」
男の声だった。
辺りを見回すと待合室の、忍から最も遠い位置に設置されたソファーに、誰か腰掛けていた。
顔は見えなかった。声の主と思われる人物だった。
男「『ナイフ』を取りに来たんだろ? 違うなら帰れ。そうならそこのソファーに座れ」
忍「座らないが、そうだ。“スタンド使い”だなテメー? かかってこいやオラ」
男「まあ待ってくれ。実はだな、俺は――――」
バンッ!
突然鳴り響いた銃声に、男の先の言葉は掻き消された。
忍「ごちゃごちゃうっせェんだバカヤロー」
忍の右手に握られた拳銃の先から、硝煙が立ち昇る。
発砲したのは忍だった。
しかしながら、放たれた弾丸は男には命中せず、男の座るソファーに穴を空けた。
銃口は、しっかりと男に向けていたはずだった。
忍「あん?」
男「アンタが下手くそなワケじゃないから安心しろ。俺には――――」
バンッ! バンッ! バンッ!
続く台詞は聞かず、続けて2発3発と引き金を引く忍。
しかしまたしても、弾丸が男の体に着弾することはなかった。
弾は綺麗に男を避け、待合室のソファー、蛍光灯、観葉植物の植木鉢に命中した。
忍「・・・なんで当たんねえ?」
男「だから人の話は最後まで聞けよ。アンタの言うとおり、俺は“スタンド使い”。
アンタの弾が当たらないのは俺のスタンド能力のせいだ」
そう言うと男は、自分の背後に“炎”を連想させるような姿の人型スタンドを出現させた。
「『スルー・ザ・ファイア』と呼んでる。だが、俺は今風邪引きで体調がすんげえ悪い。
病人なんだよ。闘いたくないんだ。だから、アンタが大人しくここから立ち去ってくれるな――」
バンッ! バンッ! バンッ!
忍「チッ、弾切れだぜ」カチカチッ
男「・・・よし。殺す」
◇都内 都立○○病院2F・208号室 同時刻
プシュー!
モクモクモクモク・・・
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
丈二(“VX神経ガス”・・・! 吸わずとも、長くいるだけで危険だッ!)
丈二「『アークティック・モンキーズ』ッ!」
ガスが立ち込める病室内、口元を右手で覆いながら、丈二が自身のスタンドの名を叫ぶ。
丈二(久しぶりだぜ・・・こいつを使うのは)
A・モンキーズ『ムヒーーーーッ!!』
丈二の眼前に、身の丈ほどもあるギターケースを背負った、小柄な猿のスタンドが出現した。
丈二の精神の写し身、『アークティック・モンキーズ』である。
床とがっちりくっ付いて離れない靴は脱ぎ捨てて、須藤が飛び降り去った窓際に向かった丈二は、
そこの固定されて開かない窓を、『アークティック・モンキーズ』で破壊しようとしたのだった。
A・モンキーズ『ムヒーッ!』
丈二(だが・・・窓ガラスを破ったら、神経ガスが外に流出する!
この病院にいる患者たちはどうなる・・・!?)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
丈二(・・・ダメだ! ガスはここに閉じ込めておかないといけない!
『アークティック・モンキーズ』の能力で脱出するしかない!)
『アークティック・モンキーズ』は、“赤色”の中に自由に出入りする能力を持つスタンドである。
丈二は須藤と赤帽子の男が囲んでいたベッドに近寄った。ベッドに寝る男は既に永遠の眠りについた様子だ。
男の血で真っ赤に染まったシーツを引っ張って、それを床に広げると、
丈二「行くぜ!」タンッ!
その赤い布にジャンプした。
丈二の体はシーツに触れることなく、赤色の中に消えていった。
◇都内 都立○○病院2F・階段 同時刻
赤帽子「!!」
丈二を208号室に閉じ込めて、赤帽子の男が、1Fの敵を始末しようと階段を降りていたときだった。
突如、男が被っている“赤”の帽子から、黒いコートの右腕が生えた。
“ダガーナイフ”を握った腕だった。
赤帽子「なにイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」
その腕は、握ったナイフを赤帽子の男のノドに突き刺した。
ザクゥ!
赤帽子「ガハアッ!!」
ナイフが突き刺さった赤帽子の男のノドから、大量の鮮血がピューピューと噴き出す。
周囲は血の海となり、足場を踏み外した赤帽子の男は、ドタバタと勢いよく階段を転げ落ちていった。
ドタバタドタバタドタバタ・・・
赤帽子「うぐあ・・・!」ドサァッ!
丈二「・・・・・・」
血の海から、黒いコートを着込んだ丈二がぷくぅと浮かび上がる。
彼は突き刺し引き抜いたナイフを持ち直して、ゆっくりと階段下の赤帽子の男へと近寄った。
丈二「こんなことしたくないが・・・先にやってきたのはアンタだ。悪く思うな」
倒れこむ赤帽子の男の肩に手をかけ、右手のナイフを振り上げたときだった。
突然重い衝撃が丈二のアゴを打ち据えて、脳みそをガンガンと揺らしながら彼の体を後方に吹っ飛ばした。
赤帽子の男が、『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』のアッパーを繰り出したのだった。
赤帽子「・・・ヒュー、ヒュー・・・。調子に・・・乗るな・・・!」ドクドクドク
血まみれの首元を押さえながら、赤帽子の男は息苦しそうに、声を搾り出して言った。
丈二「うぐ・・・! “くっつける”能力で、傷を塞いだか・・・!」
赤帽子「舐められて・・・たまるか! こんな・・・こんなガキ・・・に!」
GSTQ『クァァァァァァ』ゴォォォォ!
『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』が余力を振り絞り、右の拳を丈二に打ち出す。
丈二「ちくしょう! 抵抗すんじゃねえよ!」
と叫んで、『アークティック・モンキーズ』を一面の血の海へと潜らせた。
そしてそれと同時に、赤帽子の男の首元に、小さな猿の両手が咲いた。
A・モンキーズ『ムヒイイイイイイイイイイ』グググググ・・・
赤帽子「な、なん・・・」
『アークティック・モンキーズ』は、赤帽子の男の首の傷に両手を刺しこむと、
塞いだ傷を再び押し広げ、ブチブチと首の肉を引き裂きはじめた。
赤帽子「うぐおおおおおおおおおおおおおおおおおお」ブチブチブチブチブチブチ
丈二「抵抗なんか・・・」
A・モンキーズ『ムキャアアアアアアアアアアアアア』ブチブチブチブチブチブチ
赤帽子「うあア ≪ブチッ≫
肉と肉が完全に離別した音と共に、赤帽子の男の断末魔の叫びが止んだ。
そのあとは、首の骨が折れる音がして、外れた頭が床に落下する音が響き、終了だった。
丈二「抵抗なんか・・・するから・・・」
壁にもたれ掛かり、肩で息をしながら、丈二がそう呟いた。
◇都内 都立○○病院1F・待合室 同時刻
忍「オラァ!」
NIN『キシャアアア!!』バシュッ!
男「・・・・・・」スカッ
忍「・・・! クソッ! あたらねえ!」
男「どうした? 俺は一歩も動いてないぞ。『スルー・ザ・ファイア』!」
TTF『ハッ!』ギュイーン
爬虫人類のような容貌の忍のスタンド、『ナイン・インチ・ネイルズ』が凶暴な拳を『スルー・ザ・ファイア』に打ち出す。
だが拳は、男が“なにもせずとも”、対象から自然に逸れて、命中しない。
出し抜けに、男の『スルー・ザ・ファイア』の右手指が鋭く伸び、忍の左肩を貫いた。
忍「ぐああ」ブシュウ!
男「なんだなんだ、拍子抜けだな『組織』。さっきから情けないぞ」
TTF『・・・・・・』グリグリグリ
忍「うおおおおお」グシュグシュグシュ
『スルー・ザ・ファイア』の伸びた指でぐりぐりと忍の肩を捩りながら、男が口を開く。
男「かわいそうだから教えてやるよ。俺の『スルー・ザ・ファイア』は
“害意を持って行われた敵の攻撃を受け付けない”・・・。そういう能力を持つスタンドだ」
TTF『・・・・・・』グリグリグリ
忍「ぐあっ! このクソったれな指を引き抜け、『ナイン・インチ・ネイルズ』!」
NIN『キシャア!』ガシッ
ズボッ
男「そう、今みたいに・・・“俺への攻撃でなければ”、俺のスタンドに触れることは可能だ。
だが俺を殺したいと思ってる内は・・・俺を殺すことは不可能だ」
男「金槌を投げても、銃で撃っても・・・俺には絶対にあたらないんだからな」
忍「“テメエを殺そうと思わずに、殺せ”ってか? ムチャ言いやがるぜ」
男「ククク・・・俺はアンタを殺すぜェ、一方的になあ」
忍「場所がわりいな、移動すっか」
男「おっと! 逃がすかよ!」
踵を返して走り出した忍と、それを追う『スルー・ザ・ファイア』の男。
二人は待合室から飛び出して、院内の診察室に場所を移した。
◇都内 都立○○病院1F・診察室 同時刻
男「この部屋に入ったな、どこに隠れた?」
男が足を踏み入れると、足元でビチャ、という水を踏んだ音がした。
男(水・・・? なんでこんなところに・・・)
足元を見ると、それは血液だった。
薄暗くてよくわからなかったが、目を凝らしてみると、血は診察室の床一面に広がっているようだった。
男「血だと? なんの血だこりゃあ?」
更によく見ると、開封済みの“輸血用血液パック”が、いたるところに転がっていた。
物陰からすっと姿をあらわした忍が、口を開いた。
忍「誰の血かは知らねえが・・・その血はある男のスタンド能力に必要なんでなあ」
男「やっと出てきやがったか。観念したらどうだ? 楽に殺ってやる」
忍「おおそうかい。んじゃあお言葉に甘えて・・・」ドシッ
そう言って、忍はその場にあぐらをかきはじめた。
男「!?」
忍「“死ぬわ”。どうせテメエは殺せねーみたいだしな」
忍「『ナイン・インチ・ネイルズ』!」
NIN『キシャアアアアアアア』ドゴォ!
『ナイン・インチ・ネイルズ』が忍の前方に出現し、床を勢いよく殴りつけた。
スタンド能力が発動し、床が半液状化し、あぐらをかいた忍がずぷずぷと沈んでいく。
男「なにッ!?」
忍「グッバイ」ずぷずぷずぷ・・・
男「ば、バカな! “自殺”だと!?」
血の沼と化した床に沈んでいく忍をみて、男が叫ぶ。
男の足元も液状化し、沈んでいくのがわかった。男は、完全に血の沼の中へ忍の全身が沈んだのを確認すると、
いまいち納得できない感情を抑えつつ、自分も沈んでしまう前に診察室を出ようと入口へ向きかえった。
そのとき。
ガシッ!
男「!」
忍「どこいくんだあああああ おらああああッ!」ズイッ!
男の両足首を忍の両手が掴み、沼の中へ引きずり込んだ。
男「うおおおお!」ズボオオッ!
床の下は、まさに沼だった。思うように身動きが取れないまま、男は忍に強く体を抱きしめられ、
ずぷずぷと深く深く沈んでいった。
男(クソッ! 息が! 息ができん! 離れろ、このやろう!)
忍(無駄だ・・・てめえのスタンドは、俺のスタンドががっしり押さえてる。パワーはこっちの方が上だ。
死ぬんだよお前も、俺と一緒にな・・・)
NIN『・・・・・・・』ガッシリ
TFT『・・・!』グググ・・・
男(チクショウ、“心中”だッ! “心中”なら、“攻撃”じゃないッ! 殺られる! 殺られるッ!)
男(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
忍(あと7秒で固まるぜ・・・この沼はな)
男(うわあああああああああああああああああああああ)
忍(グッバイ・・・)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
―――――――――――
ガシッ
そのとき、“赤色”から飛び出した腕が忍の体を掴み、彼の体を“赤色”の中へ引きずり込んだ。
“赤色”は床の血液と繋がっていて、忍は、沼からその腕によって引き上げられた。
忍が脱出したのと同時に、血の沼は元の硬い床へと戻った。
忍「ぶはァ!!!」
丈二「はぁ、はぁ・・・全く、何してんだお前は・・・!」
忍を引き上げたのは、丈二だった。
忍「はぁ、はぁ・・・助かったぜ丈二・・・やっぱわかってくれたか」
丈二「最初から俺に引き上げてもらう気だったんだろ? こんなに血がぶちまけられてたら、誰だって気付くぜ」
忍「保険くらいにしか思ってなかったがな。それよりおい、『ナイフ』はどうした」
丈二「持ってかれたよ。須藤とかいう男だ、とっくに逃げられた」
忍「須藤・・・しらねえな。まあいい、戻ったら調べてみっか」
丈二「・・・・・・」
忍「帰んぞ。一杯やってくぞバカヤロウ」
丈二(・・・俺は・・・)
右手のひらを握り締めて、丈二は胸中に言葉をつむぐ。
丈二(また、人を殺した・・・)
丈二(なんでだ・・・! なんでこうなる・・・!)
―A Part 2027―
◇都内 某アパート3階 PM11:05
丈二「はぁー 疲れた」
ライブ会場での仕事を終え、クタクタのまま由佳里のアパートに帰宅した丈二は、
外から見て、部屋の灯りがついていないことに違和感を感じた。
いつもなら、この時間はまだ彼女は起きている。今日はもう寝てしまったのだろうか?
だがドアノブに手を掛けると、鍵はかかっていなかった。
ガチャリ
丈二「ただいまー・・・寝てるのかー?」
ドアを開けて、真っ暗な部屋の中に進入する。玄関付近のスイッチに手を触れて、
部屋を蛍光灯の光で満たす。丈二の問いかけに、由佳里の反応はなかった。
とりあえず肩にかけたカバンを下ろし、キッチンの冷蔵庫に向かった丈二は、冷蔵庫を開け、
冷えた缶ビールを一本取り出した。
缶のプルタブを引き、プシュと小気味いい音を立てたそのとき、丈二はリビングの方から
なにかひゅーひゅーといった擦れた風の音を聴いた。それはとても小さい、微かな音だった。
丈二「・・・?」コトッ
カチッ
開けた缶ビールをテーブルの上に置き、暗いリビングの電気を付けた。
すると、
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
丈二「!!!」
由佳里「・・・・・・ヒュー ヒュー・・・」ドクドクドク・・・
丈二「由佳里!」
血まみれでソファーに横たわる、三島 由佳里の姿が目に飛び込んだ。
由佳里「・・・丈二・・・」
丈二「なにがあった!? しっかりしろッ!」
由佳里「・・・・・・う・・・」ドクドクドク
丈二「タオルを持ってくる、待ってろ!」
由佳里の胸は、何度も凶器で突き刺されたらしく、無数の刺し傷が胸の肉をぐちゃぐちゃにしていた。
いくらタオルで傷を塞いでも、死の赤は湧き水のようにどくどく溢れ出た。
ソファーの傍には、凶器とおもわれるナイフが一本、由佳里の血をべっとり付けてころがっていた。
丈二「クソ、血が止まらないッ! いま救急車を呼ぶッ!」
赤く染まった指でケータイのキーを押す丈二を、
由佳里「・・・・・・だ、ダメ・・・やめて・・・」
と、由佳里が同じく赤い右手で制す。
「なぜだ」と問うよりもはやく、由佳里は今にも消え入りそうな声で丈二に語りかけた。
由佳里「・・・・・・テ、テント・・・」
丈二「!? なんだって?」
由佳里「“テント”よ・・・。“あいつ”が狙ってる・・・お願い・・・“テント”を・・・
あいつより・・・早く・・・」
丈二「“テント”!? なんのことだ!」
由佳里「時間が・・・ないの・・・! 私の・・・ケータイを・・・持って行って・・・!
絶対に守って・・・! あいつには・・・“テント”は渡せない・・・!」
丈二「あいつって誰だ、由佳里! しっかりしろ!」
由佳里「絶対・・・に・・・・・・」
丈二「由佳里! ゆかっ・・・」
由佳里「・・・・・・」
丈二「・・・・・・ゆ、由佳里・・・」
丈二「・・・・・・・・」
自分の腕の中で、絶え絶えの灯火が今消えた。
由佳里の肉から、“由佳里が由佳里たり得るなにか”が抜けたその感覚が、丈二の思考を麻痺させたのは、十秒にも満たないわずかな時間だった。
理解できない感覚に停止した丈二の思考は、けたたましく鳴り響くパトカーのサイレンに、強制的に再起動させられたのだった。
ファンファンファンファンファン
丈二「・・・ハッ! て、“テント”・・・“テント”・・・」
意味も知らない聞きたての単語を空虚な声で繰り返しつつ、丈二は動きの鈍い脳みそを必死で揺り動かし、
体に指示を与えた。
丈二「由佳里の携帯・・・バッグの中だ、由佳里のバッグ・・・!」
由佳里のバッグを探し、テーブルの下からそれを見つけた丈二は、バッグを開き、
中の携帯電話と手帳を取り出すと、それをポケットにつっこんで、急いで部屋を飛び出した。
バタンッ!
丈二「・・・しまった、車の鍵・・・っ 鍵を忘れた・・・!」
部屋の中に鍵を忘れたことを思い出し、由佳里の部屋に戻ろうとしたそのときだった。
「うわああああああああ」と叫ぶ男の声が、彼の右耳を焼いた。
振り向くと、隣の部屋に住む青年が、丈二の右手を見て恐怖に顔を引きつらせていた。
丈二は、凶器となったナイフを、うっかり持ってきてしまっていたのだ。
丈二「お、おい・・・待て、違う」
青年「うわあああ! や、やめてくれ! く、来るなっ!」
丈二「だから、聞けっ――」
「君! ナイフを捨てなさいッ!」
丈二が青年に歩み寄ったそのとき、丈二の背後から、野太い男の声が響いた。
振り返ると、そこには拳銃を構え、じりじりと歩み寄る警察官二名の姿があった。
丈二「待ってくれ・・・俺はなにも・・・!」
警官「ナイフを捨てろオオオオ!」
青年「ひ、ひいいいいいッ!」
怒声と、悲鳴と、サイレンと、血と、呼吸と、バイトと、喧騒と、夜風と、
そして、それと・・・それから。
丈二の頭は真っ白になって、そして。
バッ!
警官「!!」
丈二「来るんじゃねええええええええええええええ」
青年「ひッ・・・・」
丈二「こいつをぶっ殺すぞオオオオ!」
新しい思考の回路が形成された。
警官「やめろ、彼は関係ないだろう! 解放しろ!」
警官の提案は、もはや新しい思考回路を持つ丈二には、判断材料にすらならなかった。
丈二は青年の体を右腕でがっしりと固定し、首筋に血まみれのナイフの刃をあてながら、
丈二「お前! 車は裏か!?」
と耳元で青年に聞いた。
青年「え・・・!?」
丈二「アパートの駐車場に停まってるかって聞いてんだよ!」
青年「そ、そうだ! 裏に停まってるッ!」
丈二「鍵はあるなッ!」
青年「ある、あるッ!」
丈二「追ってくんじゃねえぞ! こいつを殺すからな!」
確認をとった丈二はそう言って、青年を抱えたまま後ずさりを始めた。
やがてアパートの階段にさしかかるとそれを青年とともに駆け下り、裏の駐車場目掛けて走り出した。
青年の車にたどり着いた二人は、ドアのロックを外して車に乗り込み、キーを差し込んでエンジンをかけた。
丈二「お前が運転しろ! ヘンな動きをしたら殺す!」
青年「わ、わかった! わかったから! どこまで乗せればいいんだ!?」
丈二「逃げ切れるまでだッ!」
駐車場を後にした車を見、警官たちは急いでパトカーに戻り、
警察無線に二人の動向を吹き込んだ。
警官「こちら安藤。被疑者は人質を取り、車に乗って△△方面に逃亡した。
車はシルバーのティーダ。ナンバーは○○××。至急応援を頼む」
警官「逃げられると思うな・・・!」
二人を乗せた車が夜の街を駆ける。
後部座席に座る丈二は、運転席の青年の首にナイフを当てながら、ポケットから携帯電話を取り出した。
丈二(“テント”・・・なんのことなんだ)
丈二(「守れ」って・・・誰からだ!)
携帯のディスプレイに反射した自分の顔に由佳里の血がべっとりと、しがみつくかのように、付いていた。
◆キャラクター紹介 その1
◇『組織』~城嶋 丈二とチームメイト
城嶋 丈二(アークティック・モンキーズ)
―A Part 2027―
『組織』打倒後、世界中を放浪して回り、日本に帰国。恋人の女性、由佳里のヒモとなって堕落した日々を過ごしていたが、
ある日恋人が殺害され、全国指名手配となったことから、隣に越してきた男、真崎 航平とともに逃亡生活を送ることに。
ある日恋人が殺害され、全国指名手配となったことから、隣に越してきた男、真崎 航平とともに逃亡生活を送ることに。
―B Part 2024―
AとBで、唯一別々の人間となっていないキャラ(Aの世界の丈二が、なんらかの理由でそのままBの世界へ)。
変化した状況に戸惑いながらも、新しい仲間たちとともに『組織』の任務をこなしていく。
Aの世界にいたころの記憶は曖昧で、どうやってこっち側に来たのか、覚えていない。
変化した状況に戸惑いながらも、新しい仲間たちとともに『組織』の任務をこなしていく。
Aの世界にいたころの記憶は曖昧で、どうやってこっち側に来たのか、覚えていない。
桐本 琢磨(シックス・フィート・アンダー)
―A Part 2027―
死亡済み。(2024年に丈二に殺害されている)
―B Part 2024―
『組織』の工作員。丈二と同じチームに所属するスタンド使い。
丈二を強く信頼している。
丈二を強く信頼している。
吉田 忍(ナイン・インチ・ネイルズ)
―A Part 2027―
ちんぴらの青年。国民的アイドル『花瀬 美加(はなせ みか)』の熱狂的おっかけ。
美加のコンサート会場で、執拗にサインをねだり、会場警備のバイトをしていた丈二に組み倒される。
美加のコンサート会場で、執拗にサインをねだり、会場警備のバイトをしていた丈二に組み倒される。
―B Part 2024―
『組織』の工作員。丈二と同じチームに所属するスタンド使い。
柄の悪い男。言動は乱暴で粗雑だが、根はいいヤツ。だと思われる。
柄の悪い男。言動は乱暴で粗雑だが、根はいいヤツ。だと思われる。
◇敵対組織のスタンド使い
赤帽子の男(God save the queen(ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン))
―A Part 2027―
死亡済み。(2024年に那由多に殺害されている)
―B Part 2024―
敵対組織のスタンド使い。
病院で丈二と対決、アークティック・モンキーズに首を引き千切られて死亡。
病院で丈二と対決、アークティック・モンキーズに首を引き千切られて死亡。
不明(男)(スルー・ザ・ファイア)
―B Part 2024―
敵対組織のスタンド使い。ポジション的にはAパートの白髪女。
忍と対決し、NINの能力で床の中に生き埋めにされて死亡。
忍と対決し、NINの能力で床の中に生き埋めにされて死亡。
※ ―A Part 2027― (2027年。前作のその後の世界)
※ ―B Part 2024― (2024年。前作と異なる世界)
※ ―B Part 2024― (2024年。前作と異なる世界)
第2話 テント(Tent o) おわり
使用させていただいたスタンド
No.113 | |
【スタンド名】 | アークティック・モンキーズ |
【本体】 | 城嶋 丈二 |
【能力】 | 赤い色のものに出入りできる |
No.1340 | |
【スタンド名】 | ナイン・インチ・ネイルズ |
【本体】 | 吉田 忍 |
【能力】 | 殴ったものをドロドロにする |
No.137 | |
【スタンド名】 | God save the queen(ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン) |
【本体】 | 赤帽子 |
【能力】 | スタンドまたは本体が触った物に粘性を持たせる |
No.56 | |
【スタンド名】 | スルー・ザ・ファイア |
【本体】 | 男/警官 |
【能力】 | 害意を持って行われた敵の攻撃を受け付けない |
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