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恋文日和 その①

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orisuta

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 カラン コロン カラーン


エミリ
「こんにちはー遅れちゃってごめんなさーい」


六郎
「おうエミリちゃんいらっしゃい。
 もうちょっと待っててな、あと15分くらいで終わるから」

 チョキチョキ


エミリ
「あれ?
 予約した時間は1時間半前だったと思うんですけど」


六郎
「エミリちゃんなら少なくとも1時間は遅れてくるだろ?
 その間にカットだけなら1人くらいブッキングしても大丈夫だ」


エミリ
「あはは、さすがですね藤島さん」


六郎
「まーな、逆に時間通りきてもらうほうが困るくらいだ」









  ~ 15分後 ~  




 カラン コロン カラーン


六郎
「ありがとうございましたー

 ……さぁおまたせエミリちゃん」


エミリ
「はーい♪」


六郎
「それで、今日はどんな感じに?」


エミリ
「えーとねー、
 前髪はさざ波のようにシレシレさせてー、
 モミアゲは旧甲子園のようにツルツルと!

 んで後ろはマカロンのよーにモルモルさせてください!」


六郎
「はい、つまりいつも通りね」


エミリ
「はいはーい♪」


六郎
「最近どう? エミリちゃん」

 チョキチョキ


エミリ
「あのですね、私今気になってる人がいるんですよ」


六郎
「うん知ってる」

 シュッシュッ


エミリ
「そーでしたっけ?」


六郎
「ここで毎回話すじゃんか」

 チョキチョキ


エミリ
「あらら。

 ……それでですね、想いをつたえるためにどーすればいいかなって思っててですね」


六郎
「うんうん」

 チョキチョキ


エミリ
「私って、こーいう性格だから、

 そのお……面と向かって直接言ってみても、
 冗談にしか受け止めてもらえないんじゃないかなって」


六郎
「あー、そうかもねえ」

 カチャカチャ


エミリ
「ひ、否定しないんですか!

 えと、それで、
 私が本気だっていうのを理解してもらうためにですね、
 なにかいい方法はないのかなーって考えてるんですよ」


六郎
「ほー…………」

 シュッシュッ


エミリ
「スタンド能力を使おうかとも考えたんですけど、
 私にできることだとインパクトに欠ける気がするんです」


NFG
「悪カッタナ」


六郎
「おお『ニュー・ファウンド・グローリー』、元気だったか?」


NFG
「毎日コイツに振リマワサレテバッカダゼ」


エミリ
「ちょっと、勝手にでてこないでよ!」


六郎
「うーむ……」


NFG
「手ェ止マッテルゾ美容師」


エミリ
「あ、なにかいい方法があるんですか?」


六郎
「……そうだな、うん」


エミリ
「ほんとですか!」


六郎
「今日、予約はエミリちゃんで最後なんだ。
 今日はこれで店を閉めるから、そのあと付き合ってもらえるか?」


エミリ
「は、はい!
 お願いします!!」









六郎
「そんなわけでエミリちゃんは
 いい男の俺に誘われるまま
 ホイホイとこの丘の上の公園に
 ついて来ちゃったわけなのだが」


エミリ
「はい!」


六郎
「もうちょっと男を疑って行動したらどうだ?」


エミリ
「え?
 藤島さんが私にひどいことするわけないじゃないですか」


六郎
「まあそれはそうなんだけどよ」


エミリ
「それで、いい方法というのは!?」


六郎
「『スタンド能力』、『インパクト』でピーンときたんだ」


エミリ
「ほうほう!」


六郎
「俺の『クレセント・ロック』はロケットを生み出す能力だ。
 ある程度操作して、好きなときに爆発させることができる」


エミリ
「なるほど、

 そのロケットの爆発から彼を私が身を呈して守って、彼が私にキュンとくるわけですね!!」


六郎
「違う、違うわ、死んでしまうわ」


エミリ
「なんだ……」

 ションボリ


六郎
「いいか、エミリはその彼の家は知ってるのか?」


エミリ
「はい!
 この近くです。

 あ、彼の家にロケットつっこませて火事にさせて、私がバケツの水をかぶって燃えさかる家の中に……」


六郎
「違う、違うわ、死んでしまうわ。
 家族もろとも死んでしまうわ」


エミリ
「なんだ……」

 ションボリ


六郎
(なんでそんなハードなのを望むんだ……)


六郎
「でな、彼の家の上空で爆発させるんだよ。
 もちろん小規模な爆発をな。

 音と光で彼が窓の外を見るだろ?」


エミリ
「うんうん!」


六郎
「そうすると……爆発のおきた場所から手紙がパラシュートで降りてくる」


エミリ
「お、おお~~!」


六郎
「彼が手紙をキャッチして、中を開くと、
 エミリのアツい気持ちが込められた文章がそこにあるわけだ!

 名づけて『ロケット花火でドッキリ☆パラシュートレター大作戦』だ!!」


エミリ
「おお~~~!
 藤島さん昭和ロマンチック~~!!」


六郎
「昭和はよけいだ、昭和は」


エミリ
「いや、さすが!
 よっ、戦場のナルシスト!」


六郎
「…………。

 エミリちゃん、手紙はすぐ用意できるか?」


エミリ
「あ、はい!
 こんなこともあろうかと手紙はいつも持っています!

 ふつうのと、ギャル文字のと、暗号で書いたのと3つありますが」


六郎
「ふつうのでいい、ギャル文字のはしまえ、暗号のは、俺がもらう」


エミリ
「ええ~~~ヤですよ恥ずかしいぃ……」


六郎
「うん、興味そっちじゃないから。

 ……まいいや。
 それで、ロケットはもちろん俺が作って操作するんだが、
 パラシュートと手紙を入れる頑丈な箱はエミリちゃんが作れるな?」


エミリ
「はい、まかせてください!」


六郎
「よし、ロケットはすぐに用意できるぜ」









  ~ 15分後 ~  




六郎
「……よし、
 彼の家の位置は確認したし、ロケットのエネルギーもじゅうぶんだ」


エミリ
「途中で箱がロケットから剥がれ落ちて、
 誰とも知らぬ人のところに落ちたりしないですよね?」


六郎
「大丈夫だ、ちゃんとボルトで留めてある。
 ところで、爆発の衝撃で箱が彼の家から遠くへふっとぶことはないよな?」


エミリ
「心配いりません!
 爆発の衝撃で箱は分解するように接合部分はあえて弱くしてあります!
 ちゃんと爆発した場所でパラシュートが開きますよ!」


六郎
「よし、なにも抜かりはねえな!

 それじゃ行くぞ!」


エミリ
「よーし、カウントダウンだ!」


六郎
「3!」


エミリ
「2!」


六郎
「1!」


エミリ
「ゼロ!」


六郎
「ファイヤー!!」




ズドドドドドドドドドドドドドドドドド




エミリ
「あがった!」


六郎
「…………」


エミリ
「…………あれ?」


六郎
「…………」


エミリ
「なんか、それてません?

 沈むのも早い……」


六郎
「……操作の感触もなんかおかしいな。

 なんか重い…………ハッ!」


エミリ
「え、どうしたんですか!?」


六郎
「は、箱とパラシュートの重みのことを計算に入れてなかった」


エミリ
「え、ええ~~~~!?」


六郎
「まずい!
 落ちる前にロケットを爆発させないと!!」


エミリ
「ダメ! ダメですよ!

 あの中には私の名前も書いたラブレターが……!」


六郎
「そ、そんなこと言ったって、このままじゃ大惨事になるぞ!」


エミリ
「ぜったいダメえ~~~~~!!」




ボボーーーーン




エミリ
「…………あ」


六郎
「はあ……はあ……」


エミリ
「落ち……ちゃった?」


六郎
「落ちた……落ちた、

 が、なんとか人のいない林の中に落とすことができた。
 夜中だし、大丈夫だとは思うが……」


エミリ
「……えーと」


六郎
「とりあえず…………」


「「  逃げよう!!  」」









  ~ 1週間後 ~  




 カラン コロン カラーン


六郎
「いらっしゃいませ……げ、エミリちゃん」


エミリ
「こんにちはー……あのあと、大丈夫でした?」


六郎
「まあ……案の定、ケガ人はいなかったみたいだ。
 火事もボヤ程度ですんだみたいだし」


エミリ
「ほっ、そうですか……」


六郎
「俺がむしろ心配してたのは警察とかのほうなんだが

 ……エミリちゃんのところには、来た?」


エミリ
「いいえ、来てませんよ?

 六郎さんは?」


六郎
「ああ、まあ来てないが

 ……まあ、スタンドのロケットだし、
 証拠とかないとは思ってはいたんだけどさすがに心配でな」


エミリ
「そうですか……安心したあー」


六郎
「それで今日は?
 こないだ髪切ったばっかだけど」


エミリ
「そのことですけどね……

 また『ロケット花火でドッキリ☆パラシュートレター大作戦』を……」


六郎
「断るッ!!」










 そのころ、市内警察署取調室では……  




アンテナさん
「誤認逮捕でござるwww
 小生江ノ島には行ってないのでww

 コポォwww」


若い刑事
「しらばっくれるな!
 近所に住むお前の家のパソコンから、ロケットなんかの軍事兵器の情報がわんさか出てきてるんだ!
 無関係のはずがないだろうが!!」


アンテナさん
「無実でござるwwwww
 無実でござるwwwww」


若い刑事
「しかも中には軍事機密のものまであるじゃねえか!!
 シラをきるのもいいかげんにしろ!」


アンテナさん
「それは軍ヲタである同志の飽くなき探究心の賜物でありますぞwwww
 暴かれるほうが悪いのでござるwwwww

 ブフォwww」


SEX-メン氏
「プギャーwww
 俺にあるのはただ知識欲だけだしwwww
 ロケットなんぞwww
 持てるはずがないだろjkwwwww」


若い刑事
「証拠はあがってるんだ!
 認めるまではただですむと思うんじゃねーぞ!!」


アンテナさん
「ドゥフwww

 冤罪でござるwww
 冤罪でござるwwww」


SEX-メン氏
「リメンバー足利事件wwww
 リメンバー菅家氏wwww」


老いた刑事
「……カツ丼食うか?」


アンテナさん
「食べます」


SEX-メン氏
「えっ」





つづく


出演トーナメントキャラ


No.4971
【スタンド名】 ニュー・ファウンド・グローリー
【本体】 エミリアナ・セブロ・メサ
【能力】 スタンドが描いたものを具現化する

No.4082
【スタンド名】 クレセント・ロック
【本体】 藤島 六郎(フジシマ ロクロウ)
【能力】 殴った場所からロケットを生やす




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