カラン コロン カラーン

エミリ
「こんにちはー遅れちゃってごめんなさーい」
「こんにちはー遅れちゃってごめんなさーい」

六郎
「おうエミリちゃんいらっしゃい。
もうちょっと待っててな、あと15分くらいで終わるから」
「おうエミリちゃんいらっしゃい。
もうちょっと待っててな、あと15分くらいで終わるから」
チョキチョキ

エミリ
「あれ?
予約した時間は1時間半前だったと思うんですけど」
「あれ?
予約した時間は1時間半前だったと思うんですけど」

六郎
「エミリちゃんなら少なくとも1時間は遅れてくるだろ?
その間にカットだけなら1人くらいブッキングしても大丈夫だ」
「エミリちゃんなら少なくとも1時間は遅れてくるだろ?
その間にカットだけなら1人くらいブッキングしても大丈夫だ」

エミリ
「あはは、さすがですね藤島さん」
「あはは、さすがですね藤島さん」

六郎
「まーな、逆に時間通りきてもらうほうが困るくらいだ」
「まーな、逆に時間通りきてもらうほうが困るくらいだ」
~ 15分後 ~
カラン コロン カラーン

六郎
「ありがとうございましたー
「ありがとうございましたー
……さぁおまたせエミリちゃん」

エミリ
「はーい♪」
「はーい♪」

六郎
「それで、今日はどんな感じに?」
「それで、今日はどんな感じに?」

エミリ
「えーとねー、
前髪はさざ波のようにシレシレさせてー、
モミアゲは旧甲子園のようにツルツルと!
「えーとねー、
前髪はさざ波のようにシレシレさせてー、
モミアゲは旧甲子園のようにツルツルと!
んで後ろはマカロンのよーにモルモルさせてください!」

六郎
「はい、つまりいつも通りね」
「はい、つまりいつも通りね」

エミリ
「はいはーい♪」
「はいはーい♪」

六郎
「最近どう? エミリちゃん」
「最近どう? エミリちゃん」
チョキチョキ

エミリ
「あのですね、私今気になってる人がいるんですよ」
「あのですね、私今気になってる人がいるんですよ」

六郎
「うん知ってる」
「うん知ってる」
シュッシュッ

エミリ
「そーでしたっけ?」
「そーでしたっけ?」

六郎
「ここで毎回話すじゃんか」
「ここで毎回話すじゃんか」
チョキチョキ

エミリ
「あらら。
「あらら。
……それでですね、想いをつたえるためにどーすればいいかなって思っててですね」

六郎
「うんうん」
「うんうん」
チョキチョキ

エミリ
「私って、こーいう性格だから、
「私って、こーいう性格だから、
そのお……面と向かって直接言ってみても、
冗談にしか受け止めてもらえないんじゃないかなって」
冗談にしか受け止めてもらえないんじゃないかなって」

六郎
「あー、そうかもねえ」
「あー、そうかもねえ」
カチャカチャ

エミリ
「ひ、否定しないんですか!
「ひ、否定しないんですか!
えと、それで、
私が本気だっていうのを理解してもらうためにですね、
なにかいい方法はないのかなーって考えてるんですよ」
私が本気だっていうのを理解してもらうためにですね、
なにかいい方法はないのかなーって考えてるんですよ」

六郎
「ほー…………」
「ほー…………」
シュッシュッ

エミリ
「スタンド能力を使おうかとも考えたんですけど、
私にできることだとインパクトに欠ける気がするんです」
「スタンド能力を使おうかとも考えたんですけど、
私にできることだとインパクトに欠ける気がするんです」

NFG
「悪カッタナ」
「悪カッタナ」

六郎
「おお『ニュー・ファウンド・グローリー』、元気だったか?」
「おお『ニュー・ファウンド・グローリー』、元気だったか?」

NFG
「毎日コイツに振リマワサレテバッカダゼ」
「毎日コイツに振リマワサレテバッカダゼ」

エミリ
「ちょっと、勝手にでてこないでよ!」
「ちょっと、勝手にでてこないでよ!」

六郎
「うーむ……」
「うーむ……」

NFG
「手ェ止マッテルゾ美容師」
「手ェ止マッテルゾ美容師」

エミリ
「あ、なにかいい方法があるんですか?」
「あ、なにかいい方法があるんですか?」

六郎
「……そうだな、うん」
「……そうだな、うん」

エミリ
「ほんとですか!」
「ほんとですか!」

六郎
「今日、予約はエミリちゃんで最後なんだ。
今日はこれで店を閉めるから、そのあと付き合ってもらえるか?」
「今日、予約はエミリちゃんで最後なんだ。
今日はこれで店を閉めるから、そのあと付き合ってもらえるか?」

エミリ
「は、はい!
お願いします!!」
「は、はい!
お願いします!!」

六郎
「そんなわけでエミリちゃんは
いい男の俺に誘われるまま
ホイホイとこの丘の上の公園に
ついて来ちゃったわけなのだが」
「そんなわけでエミリちゃんは
いい男の俺に誘われるまま
ホイホイとこの丘の上の公園に
ついて来ちゃったわけなのだが」

エミリ
「はい!」
「はい!」

六郎
「もうちょっと男を疑って行動したらどうだ?」
「もうちょっと男を疑って行動したらどうだ?」

エミリ
「え?
藤島さんが私にひどいことするわけないじゃないですか」
「え?
藤島さんが私にひどいことするわけないじゃないですか」

六郎
「まあそれはそうなんだけどよ」
「まあそれはそうなんだけどよ」

エミリ
「それで、いい方法というのは!?」
「それで、いい方法というのは!?」

六郎
「『スタンド能力』、『インパクト』でピーンときたんだ」
「『スタンド能力』、『インパクト』でピーンときたんだ」

エミリ
「ほうほう!」
「ほうほう!」

六郎
「俺の『クレセント・ロック』はロケットを生み出す能力だ。
ある程度操作して、好きなときに爆発させることができる」
「俺の『クレセント・ロック』はロケットを生み出す能力だ。
ある程度操作して、好きなときに爆発させることができる」

エミリ
「なるほど、
「なるほど、
そのロケットの爆発から彼を私が身を呈して守って、彼が私にキュンとくるわけですね!!」

六郎
「違う、違うわ、死んでしまうわ」
「違う、違うわ、死んでしまうわ」

エミリ
「なんだ……」
「なんだ……」
ションボリ

六郎
「いいか、エミリはその彼の家は知ってるのか?」
「いいか、エミリはその彼の家は知ってるのか?」

エミリ
「はい!
この近くです。
「はい!
この近くです。
あ、彼の家にロケットつっこませて火事にさせて、私がバケツの水をかぶって燃えさかる家の中に……」

六郎
「違う、違うわ、死んでしまうわ。
家族もろとも死んでしまうわ」
「違う、違うわ、死んでしまうわ。
家族もろとも死んでしまうわ」

エミリ
「なんだ……」
「なんだ……」
ションボリ

六郎
(なんでそんなハードなのを望むんだ……)
(なんでそんなハードなのを望むんだ……)

六郎
「でな、彼の家の上空で爆発させるんだよ。
もちろん小規模な爆発をな。
「でな、彼の家の上空で爆発させるんだよ。
もちろん小規模な爆発をな。
音と光で彼が窓の外を見るだろ?」

エミリ
「うんうん!」
「うんうん!」

六郎
「そうすると……爆発のおきた場所から手紙がパラシュートで降りてくる」
「そうすると……爆発のおきた場所から手紙がパラシュートで降りてくる」

エミリ
「お、おお~~!」
「お、おお~~!」

六郎
「彼が手紙をキャッチして、中を開くと、
エミリのアツい気持ちが込められた文章がそこにあるわけだ!
「彼が手紙をキャッチして、中を開くと、
エミリのアツい気持ちが込められた文章がそこにあるわけだ!
名づけて『ロケット花火でドッキリ☆パラシュートレター大作戦』だ!!」

エミリ
「おお~~~!
藤島さん昭和ロマンチック~~!!」
「おお~~~!
藤島さん昭和ロマンチック~~!!」

六郎
「昭和はよけいだ、昭和は」
「昭和はよけいだ、昭和は」

エミリ
「いや、さすが!
よっ、戦場のナルシスト!」
「いや、さすが!
よっ、戦場のナルシスト!」

六郎
「…………。
「…………。
エミリちゃん、手紙はすぐ用意できるか?」

エミリ
「あ、はい!
こんなこともあろうかと手紙はいつも持っています!
「あ、はい!
こんなこともあろうかと手紙はいつも持っています!
ふつうのと、ギャル文字のと、暗号で書いたのと3つありますが」

六郎
「ふつうのでいい、ギャル文字のはしまえ、暗号のは、俺がもらう」
「ふつうのでいい、ギャル文字のはしまえ、暗号のは、俺がもらう」

エミリ
「ええ~~~ヤですよ恥ずかしいぃ……」
「ええ~~~ヤですよ恥ずかしいぃ……」

六郎
「うん、興味そっちじゃないから。
「うん、興味そっちじゃないから。
……まいいや。
それで、ロケットはもちろん俺が作って操作するんだが、
パラシュートと手紙を入れる頑丈な箱はエミリちゃんが作れるな?」
それで、ロケットはもちろん俺が作って操作するんだが、
パラシュートと手紙を入れる頑丈な箱はエミリちゃんが作れるな?」

エミリ
「はい、まかせてください!」
「はい、まかせてください!」

六郎
「よし、ロケットはすぐに用意できるぜ」
「よし、ロケットはすぐに用意できるぜ」
~ 15分後 ~

六郎
「……よし、
彼の家の位置は確認したし、ロケットのエネルギーもじゅうぶんだ」
「……よし、
彼の家の位置は確認したし、ロケットのエネルギーもじゅうぶんだ」

エミリ
「途中で箱がロケットから剥がれ落ちて、
誰とも知らぬ人のところに落ちたりしないですよね?」
「途中で箱がロケットから剥がれ落ちて、
誰とも知らぬ人のところに落ちたりしないですよね?」

六郎
「大丈夫だ、ちゃんとボルトで留めてある。
ところで、爆発の衝撃で箱が彼の家から遠くへふっとぶことはないよな?」
「大丈夫だ、ちゃんとボルトで留めてある。
ところで、爆発の衝撃で箱が彼の家から遠くへふっとぶことはないよな?」

エミリ
「心配いりません!
爆発の衝撃で箱は分解するように接合部分はあえて弱くしてあります!
ちゃんと爆発した場所でパラシュートが開きますよ!」
「心配いりません!
爆発の衝撃で箱は分解するように接合部分はあえて弱くしてあります!
ちゃんと爆発した場所でパラシュートが開きますよ!」

六郎
「よし、なにも抜かりはねえな!
「よし、なにも抜かりはねえな!
それじゃ行くぞ!」

エミリ
「よーし、カウントダウンだ!」
「よーし、カウントダウンだ!」

六郎
「3!」
「3!」

エミリ
「2!」
「2!」

六郎
「1!」
「1!」

エミリ
「ゼロ!」
「ゼロ!」

六郎
「ファイヤー!!」
「ファイヤー!!」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドド

エミリ
「あがった!」
「あがった!」

六郎
「…………」
「…………」

エミリ
「…………あれ?」
「…………あれ?」

六郎
「…………」
「…………」

エミリ
「なんか、それてません?
「なんか、それてません?
沈むのも早い……」

六郎
「……操作の感触もなんかおかしいな。
「……操作の感触もなんかおかしいな。
なんか重い…………ハッ!」

エミリ
「え、どうしたんですか!?」
「え、どうしたんですか!?」

六郎
「は、箱とパラシュートの重みのことを計算に入れてなかった」
「は、箱とパラシュートの重みのことを計算に入れてなかった」

エミリ
「え、ええ~~~~!?」
「え、ええ~~~~!?」

六郎
「まずい!
落ちる前にロケットを爆発させないと!!」
「まずい!
落ちる前にロケットを爆発させないと!!」

エミリ
「ダメ! ダメですよ!
「ダメ! ダメですよ!
あの中には私の名前も書いたラブレターが……!」

六郎
「そ、そんなこと言ったって、このままじゃ大惨事になるぞ!」
「そ、そんなこと言ったって、このままじゃ大惨事になるぞ!」

エミリ
「ぜったいダメえ~~~~~!!」
「ぜったいダメえ~~~~~!!」
ボボーーーーン

エミリ
「…………あ」
「…………あ」

六郎
「はあ……はあ……」
「はあ……はあ……」

エミリ
「落ち……ちゃった?」
「落ち……ちゃった?」

六郎
「落ちた……落ちた、
「落ちた……落ちた、
が、なんとか人のいない林の中に落とすことができた。
夜中だし、大丈夫だとは思うが……」
夜中だし、大丈夫だとは思うが……」

エミリ
「……えーと」
「……えーと」

六郎
「とりあえず…………」
「とりあえず…………」

「「 逃げよう!! 」」
~ 1週間後 ~
カラン コロン カラーン

六郎
「いらっしゃいませ……げ、エミリちゃん」
「いらっしゃいませ……げ、エミリちゃん」

エミリ
「こんにちはー……あのあと、大丈夫でした?」
「こんにちはー……あのあと、大丈夫でした?」

六郎
「まあ……案の定、ケガ人はいなかったみたいだ。
火事もボヤ程度ですんだみたいだし」
「まあ……案の定、ケガ人はいなかったみたいだ。
火事もボヤ程度ですんだみたいだし」

エミリ
「ほっ、そうですか……」
「ほっ、そうですか……」

六郎
「俺がむしろ心配してたのは警察とかのほうなんだが
「俺がむしろ心配してたのは警察とかのほうなんだが
……エミリちゃんのところには、来た?」

エミリ
「いいえ、来てませんよ?
「いいえ、来てませんよ?
六郎さんは?」

六郎
「ああ、まあ来てないが
「ああ、まあ来てないが
……まあ、スタンドのロケットだし、
証拠とかないとは思ってはいたんだけどさすがに心配でな」
証拠とかないとは思ってはいたんだけどさすがに心配でな」

エミリ
「そうですか……安心したあー」
「そうですか……安心したあー」

六郎
「それで今日は?
こないだ髪切ったばっかだけど」
「それで今日は?
こないだ髪切ったばっかだけど」

エミリ
「そのことですけどね……
「そのことですけどね……
また『ロケット花火でドッキリ☆パラシュートレター大作戦』を……」

六郎
「断るッ!!」
「断るッ!!」
そのころ、市内警察署取調室では……

アンテナさん
「誤認逮捕でござるwww
小生江ノ島には行ってないのでww
「誤認逮捕でござるwww
小生江ノ島には行ってないのでww
コポォwww」

若い刑事
「しらばっくれるな!
近所に住むお前の家のパソコンから、ロケットなんかの軍事兵器の情報がわんさか出てきてるんだ!
無関係のはずがないだろうが!!」
「しらばっくれるな!
近所に住むお前の家のパソコンから、ロケットなんかの軍事兵器の情報がわんさか出てきてるんだ!
無関係のはずがないだろうが!!」

アンテナさん
「無実でござるwwwww
無実でござるwwwww」
「無実でござるwwwww
無実でござるwwwww」

若い刑事
「しかも中には軍事機密のものまであるじゃねえか!!
シラをきるのもいいかげんにしろ!」
「しかも中には軍事機密のものまであるじゃねえか!!
シラをきるのもいいかげんにしろ!」

アンテナさん
「それは軍ヲタである同志の飽くなき探究心の賜物でありますぞwwww
暴かれるほうが悪いのでござるwwwww
「それは軍ヲタである同志の飽くなき探究心の賜物でありますぞwwww
暴かれるほうが悪いのでござるwwwww
ブフォwww」

SEX-メン氏
「プギャーwww
俺にあるのはただ知識欲だけだしwwww
ロケットなんぞwww
持てるはずがないだろjkwwwww」
「プギャーwww
俺にあるのはただ知識欲だけだしwwww
ロケットなんぞwww
持てるはずがないだろjkwwwww」

若い刑事
「証拠はあがってるんだ!
認めるまではただですむと思うんじゃねーぞ!!」
「証拠はあがってるんだ!
認めるまではただですむと思うんじゃねーぞ!!」

アンテナさん
「ドゥフwww
「ドゥフwww
冤罪でござるwww
冤罪でござるwwww」
冤罪でござるwwww」

SEX-メン氏
「リメンバー足利事件wwww
リメンバー菅家氏wwww」
「リメンバー足利事件wwww
リメンバー菅家氏wwww」

老いた刑事
「……カツ丼食うか?」
「……カツ丼食うか?」

アンテナさん
「食べます」
「食べます」

SEX-メン氏
「えっ」
「えっ」
つづく
出演トーナメントキャラ
No.4971 | |
【スタンド名】 | ニュー・ファウンド・グローリー |
【本体】 | エミリアナ・セブロ・メサ |
【能力】 | スタンドが描いたものを具現化する |
No.4082 | |
【スタンド名】 | クレセント・ロック |
【本体】 | 藤島 六郎(フジシマ ロクロウ) |
【能力】 | 殴った場所からロケットを生やす |
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