必府高校校門前
ド ド ド ド ド
ミキ「……マジにやれやれって感じね。これは…………。」
校門の前に立ち尽くしているミキの目の前には、ゴキブリの大群。
彼女の「ニガテなもの」は、意外にも(というか案の定というか……)この『ゴキブリ』だった。
彼女の「ニガテなもの」は、意外にも(というか案の定というか……)この『ゴキブリ』だった。
ミキ(あれは忘れもしない――1年前……。)
今現在、ミキは安いマンションに住んでいる。
安いとはいえ、マンションを借りているので非常に生活には苦労している。
しかし、それでも彼女がマンションを借りるのには理由があった。
安いとはいえ、マンションを借りているので非常に生活には苦労している。
しかし、それでも彼女がマンションを借りるのには理由があった。
1年前――彼女は安いアパートの二階に住んでいた。
汚いアパートだったが、上京してきた彼女にとってはこれが精一杯の物件だった。
ときたま『ゴキブリ』も出てきたが、それでもまだ我慢できるレベルだった。
汚いアパートだったが、上京してきた彼女にとってはこれが精一杯の物件だった。
ときたま『ゴキブリ』も出てきたが、それでもまだ我慢できるレベルだった。
事件はその日に起きた。
ミキ「たっだいまあ~~……。」
誰もいない家の扉を開け、部屋に入る。
そのとき、小さな物音が聞こえたが、ミキは気にしないことにした。
そのとき、小さな物音が聞こえたが、ミキは気にしないことにした。
ミキ「って言っても、誰も返事してくんないんだけどね……。せめてペットOKだったらなあ……。
まあ、そんなこと言っても私、ペット飼えるような経済力ないんだけどね……。」
まあ、そんなこと言っても私、ペット飼えるような経済力ないんだけどね……。」
自嘲にも似た独り言をつぶやきつつ、手に持ったビニール袋を下ろす。
今晩の食事の材料だ。健康第一をモットーとするミキは、経済的に苦しい状況でも
なんとか経費をやりくりして手作りの料理をバランスよく作るようにしていた。
今晩の食事の材料だ。健康第一をモットーとするミキは、経済的に苦しい状況でも
なんとか経費をやりくりして手作りの料理をバランスよく作るようにしていた。
ミキ「さて、今晩のご飯はちょっとフンパツしてまーぼどーふ~♪」
鼻歌を歌いながらネギ(一本まるまるではなく、すでに切られているもの)を取り出そうとして、ミキは固まった。
ウゾ・ ・ ・
ド ド ド ド
袋の下で何かが蠢いた。
もう少しよく見ると、それは、黒い『モノ』だった。
はじかれた様にビニール袋を置いた床の周辺を見ると
『ゴキブリ』が群れを成していた。
キャアアアアアアアアアアアア――――ッ!!!
……その後まもなくして、彼女がマンションに引っ越したのは言うまでもない。
ゾワゾワ……
ミキの腕に鳥肌が立つ。6月に近づき、暖かくなったはずなのに、寒気を感じる。
ミキ「間違いない……。この気持ち悪さ……一年前のものと同じ……!」
ミキ「『スタンド攻撃』!だってこんな場所でゴキブリに出くわすわけないもん!」
ミキの傍らに『タイロン・パワー』が現れる。
……が、一向に『タイロン・パワー』はゴキブリを攻撃しない。
……が、一向に『タイロン・パワー』はゴキブリを攻撃しない。
ミキ「……す、……『スリッパ』ッ!もしくは『新聞紙』でもいいッ!「素手」で潰すのだけはイヤッ!」
オーソン必府店前
グニャ……グニャ……
店員「おい、アリスちゃん、君にぶつかったあれだが、君ソックリになってる気がするんだが?」
アリス「……ウソ、あの『夢』の……」
アリス「……ウソ、あの『夢』の……」
店員「『夢』だと?」
??『………………………………。』
出来上がった人影は、アリスそっくりの姿だったが、ただひとつ目つきが別人のように鋭い点だけはアリスと違っていた。
アリス「はい。私、スタンドに目覚めて間もないころは自分の『エターナル・ナイトメア』を制御できていなかったんです。」
店員「……そうか、そんなこともあるのか…………。」
店員「……そうか、そんなこともあるのか…………。」
アリス「そのときに見た『夢』ですね。私が見た『夢』っていうのは、単純で、
「もうひとり」の私が現れて、私を延々罵倒し続ける夢だったんですが……。」
「もうひとり」の私が現れて、私を延々罵倒し続ける夢だったんですが……。」
E・N『……やれやれ、アタシはこんなところ に現れるような役じゃあないんだがね。』ボリボリ
店員「……そんな様子まったくないな……。」
アリス「おかしいですね?」
アリス「おかしいですね?」
E・N『なぁに馬鹿なこと言ってんだい。何もおかしなこたぁないよ。アタシはアンタのスタンドなんだからね。』
ニタリ、といやらしい(本人に自覚はないようだ)笑みを浮かべ、アリスの姿をした『エターナル・ナイトメア』はそう言った。
必府町郊外
必府町の郊外には、双葉山という山がある。
なんでも、昔この山を切り崩して団地にしようという話があったらしいが、
『謎の事故』が相次いで工事は中止になってしまったという逸話がある。
なんでも、昔この山を切り崩して団地にしようという話があったらしいが、
『謎の事故』が相次いで工事は中止になってしまったという逸話がある。
リオ「……らしいですが、私はその原因を知っています……!」
アイ「何なの?その「原因」って……?」
アイ「何なの?その「原因」って……?」
リオ「『音魔』……という存在を耳にしたことは?」
アイ「ないわ。」
アイ「ないわ。」
リオ「でしょうね……。この世界では、「スタンド」と呼ばれているらしいです。
人に支配され、使役された『音魔』がスタンドだと思ってくれれば分かりやすいでしょう。」
アイ「へえ、面白いわね。」
人に支配され、使役された『音魔』がスタンドだと思ってくれれば分かりやすいでしょう。」
アイ「へえ、面白いわね。」
リオ「そこは今問題ではありません。重要なのは、この山は『音魔』が発生しやすい環境だということです……!」
アイ「どういうこと?」
アイ「どういうこと?」
リオ「『音魔』は人の「恐怖心」をパワーにします……。戦時中、この山には空襲を逃れて逃げ込んだ人たちがたくさんいました。」
リオ「そのときの「恐怖」……!中には自殺した人もいたそうです。そんな狂気ともいえる「恐怖心」が……!
今もこの山に残っているのです!その上『謎の事故』によって、その「恐怖心」はさらに増大しました……!」
今もこの山に残っているのです!その上『謎の事故』によって、その「恐怖心」はさらに増大しました……!」
アイ「なるほどね……。だから、今私たちは囲まれてるわけ、か……。」
ド ド ド ド
そういって見渡すアイの周りを囲むように、鬼のような姿をした生物がうろちょろしていた。
アイ「にしても、この化け物ども……。前にどこかで見た事があるような……。なんだっけ……?」
靴屋「ブレッド」前
仗助『どらあ――っ!どこだぁーっ!どこ行きやがったァ―ッ!雷鳥ゥゥ――!』
仗助は目の前に雷鳥がいるのにもかかわらずあたりをキョロキョロ見回しながら建物を破壊している。
ド ド ド ド
D・F『……見エテイナイノカ?怒リデ。』
雷鳥「どうしたの!今のうちよ!早く逃げて!」
カズハ「いきなりそんなこと言われても混乱するだけ!もうすぐ父が来るのに何故逃げなくてはならない!?」
カズハ「いきなりそんなこと言われても混乱するだけ!もうすぐ父が来るのに何故逃げなくてはならない!?」
雷鳥「『全滅』するからよ!このままだと!」
アクター「全滅!?お前も、『ディープ・フォレスト』もいるのにか!?」
亜希「た、確かにスゴイ迫力ではあるけど……」
亜希「た、確かにスゴイ迫力ではあるけど……」
JOJO「どういうことだ!あの……ハンバーグみてえな髪型の奴の能力は何なんだ!?」
雷鳥「あっ馬鹿……!」
雷鳥「あっ馬鹿……!」
プッツゥゥ~~ン
何かがキレる音がした。
JOJO「……?」
仗助『てめぇえええ~~~~~そこらへんにいるガキぃ、今なんつったコラ!』
JOJO「ハッ!」
JOJO「ハッ!」
グルィ
仗助は地面を素手で抉る。
仗助『ドッラアアアアア―――ッ!』
そしてそれを素手で投擲した。
JOJO「うおっ!『ヒートウェイヴ』!」
ドガアアアッ!
JOJO「ぐおっ!?『ヒートウェイヴ』のガードがこじあけられたッ!?」
雷鳥「気をつけて!多分今の仗助先輩は私の「トラウマ」で実際の怒った仗助先輩よりも数段強く、凶暴になってるから!」
雷鳥「気をつけて!多分今の仗助先輩は私の「トラウマ」で実際の怒った仗助先輩よりも数段強く、凶暴になってるから!」
D・F『オオ……。オソロシイナ東方仗助……。アンナ髪型シテオイテ、ホトンド逆ぎれノヨウナモノジャナイカ……。』
仗助『あ゛?』
D・F『イヤナンデモナイ。』
仗助『あ゛?』
D・F『イヤナンデモナイ。』
雷鳥(ど、どうしよう……!このままだと遅かれ早かれ全員『地雷』を踏んでしまう!そうなる前に私が……
私がトラウマを克服しないと……!ニガテを克服しないといけないんだけど…………。)
私がトラウマを克服しないと……!ニガテを克服しないといけないんだけど…………。)
仗助『………………。』オォォォォォ
雷鳥(私だって怖いもののひとつやふたつくらいあるわよ――ッ!どうしたらいいっていうのよ!
しかも私の場合、気の持ちようでどうにかできるレベルじゃない!どう考えてもひねり潰されるのがオチ!)
しかも私の場合、気の持ちようでどうにかできるレベルじゃない!どう考えてもひねり潰されるのがオチ!)
カズハ「雷鳥さん!あの人、雷鳥さんを狙ってるはず!(私のときも亜希のときもそうだった)
私たちが食い止めるから、雷鳥さんはとりあえず本体を探して叩いて!」
私たちが食い止めるから、雷鳥さんはとりあえず本体を探して叩いて!」
ハッ
雷鳥(――――!!私は何を甘えていたんだ……!カズハちゃんだってちゃんとトラウマを克服していたじゃない!
それを後押しした私が、ニガテから逃げて…………どうするッ!!)
それを後押しした私が、ニガテから逃げて…………どうするッ!!)
雷鳥「いや、それには及ばないわ、カズハちゃん。ありがとう。頭が冷えたわ。」
雷鳥「おかげで決まったわ。仗助先輩に立ち向かう覚悟が!」
仗助『ああ~~~~っ?』
仗助『ああ~~~~っ?』
雷鳥「先輩!」
ド ド ド ド
仗助『なんだァ?雷鳥……!』
雷鳥「スミマセンでしたッ!」
ペコォー
一同「!!」
仗助『な……。』
雷鳥「悪気はなかったとはいえ、先輩の命の恩人をけなすような真似をしてスミマセンでした!」
雷鳥「悪気はなかったとはいえ、先輩の命の恩人をけなすような真似をしてスミマセンでした!」
ド ド ド ド ド
JOJO(馬鹿な……!相手は見境なくブン殴って回るような奴だぞ!?そんな隙を見せたら……!)
仗助『てめぇぇぇ~~~雷鳥~~~~~…………!』ゴゴゴゴゴ
雷鳥「…………!」
雷鳥「…………!」
コツン
仗助『ま、分かりゃあいいんだよ……。分かりゃあよ……。俺もさすがに謝ってる奴に対してブン殴るほど馬鹿じゃあねーしよ。』
D・F『仗助ノ怒リガ冷メタカ……。サスガハ雷鳥、頭ガ回ル…………。』
仗助『ン、どうやら「ニガテなもの」としての俺を克服できたみたいッスね。』
サワァアアアァァァ
仗助の体がだんだんと透けていく。
仗助『こいつはひとつご褒美として送っておくッスよォ。『クレイジー・ダイヤモンド』ッ!』
雷鳥「へっ」
雷鳥「へっ」
仗助がその手を雷鳥に向かって突き出す。
雷鳥は誰も触っていないのに自分の腹に何かが触れている感触を覚えた。
雷鳥は誰も触っていないのに自分の腹に何かが触れている感触を覚えた。
ピタアァァァァァァ
雷鳥「お、おなかの傷が完治している……。」
仗助『あばよ。』
仗助『あばよ。』
スゥウウウウウウ……
ド ド ド ド
アクター「すげえな!雷鳥!あの化け物を退治する方法を見つけるなんてよォ!」
萌「まさに『押して駄目なら引いてみろ』ってやつね。」
萌「まさに『押して駄目なら引いてみろ』ってやつね。」
雷鳥「いや、私は別に彼を退治するつもりで謝ったわけじゃあないわよ。
単純に常識で考えただけ。『悪いことしたら謝る』!それだけよ!」
JOJO「なるほど……。計算し尽くしたような児童向け番組的オチだぜ……。」
単純に常識で考えただけ。『悪いことしたら謝る』!それだけよ!」
JOJO「なるほど……。計算し尽くしたような児童向け番組的オチだぜ……。」
萌「でも、あの軍艦頭を倒しても何の進展にもならないわ。
お姉さまを攻撃しやがったこのスタンドのクサレ本体をブチ殺さなきゃあ事件は解決しない!」
亜希「いや、流石に殺しはね……。」
お姉さまを攻撃しやがったこのスタンドのクサレ本体をブチ殺さなきゃあ事件は解決しない!」
亜希「いや、流石に殺しはね……。」
JOJO「それに、本体がどこにいるか分からないからな……。殺す以前に倒すこともできねーぜ。」
雷鳥「フッフッフッ、そのことだけど、私を甘くみてもらっちゃあ困るわね。」
雷鳥「フッフッフッ、そのことだけど、私を甘くみてもらっちゃあ困るわね。」
JOJO「どういうことだ?」
雷鳥「空を見てみなさい。」
雷鳥「空を見てみなさい。」
JOJOたちはそう言われて上を見上げる。
そこにはまさに「怪鳥」とでも呼ぶべき巨大な鳥が飛行していた。
そこにはまさに「怪鳥」とでも呼ぶべき巨大な鳥が飛行していた。
JOJO「あれは……!?」
雷鳥「さっき、「ビー玉」をかわそうと上を見上げたときに見つけたのよ。あいつ。
おそらく、私達がちゃんと「トラウマ」に倒されたか確認する為に監視していたのね。
そして、見つかった以上あいつが次に取る行動は既に『予知』済み……。
おそらく、私達がちゃんと「トラウマ」に倒されたか確認する為に監視していたのね。
そして、見つかった以上あいつが次に取る行動は既に『予知』済み……。
JOJO、ちょっと失礼するわよ。」ヒョイ
雷鳥はそう言うとJOJOを抱える。
JOJO「あッ?おい!何するつもり……」
TOM『オラアアアッ!』ブンッ
TOM『オラアアアッ!』ブンッ
ATM『うおッ!?』
JOJO「なるほど雷鳥……。こういうことか……。」
JOJO「なるほど雷鳥……。こういうことか……。」
グヮシ!
ATM『うおォォォォ!』
必府町某所
少年「ヤベェッスよ!亜美さん!つかまっちまいました!」
亜美「そうねえ……。ちょっとヤバイかもね。もしかしたら拷問されちゃうかも……。」
亜美「そうねえ……。ちょっとヤバイかもね。もしかしたら拷問されちゃうかも……。」
少年「ひェェェェ!」
亜美「安心しなって。痛いことされそうになったらさっさと本当のこと言っちゃっていいからさ。」
亜美「安心しなって。痛いことされそうになったらさっさと本当のこと言っちゃっていいからさ。」
少年「い、いいんスかァァァ?やつら、きっと物凄い怒ってますぜェェェ……!」
亜美「大丈夫大丈夫、なんとかなるってえ。」
亜美「大丈夫大丈夫、なんとかなるってえ。」
必府町 「ブレッド」前
雷鳥「本体はどこ?吐かないと永遠に頭と体がオサラバだけど。」
ATM『いッ痛い痛い痛いィィ!分かったッ分かったッスよォォォ!言うから首絞めるのやめてッ!ねッ!?』
ATM『いッ痛い痛い痛いィィ!分かったッ分かったッスよォォォ!言うから首絞めるのやめてッ!ねッ!?』
ギリギリ……
ATM『なっ……ゆ……。』
JOJO「雷鳥、どうやらそいつしゃべりたくてもしゃべれないようだぜ。」
JOJO「雷鳥、どうやらそいつしゃべりたくてもしゃべれないようだぜ。」
雷鳥「あらホント。ちょっとだけ手を緩めてあげようかしら。」
ATM『カハッ!カハッ!必府プリンスホテルだッ!必府プリンスホテルの屋上にいる!だから許してッ!ねッ!?』
萌「『必府プリンスホテル』……灯台下暗し、ってやつね。」
萌「『必府プリンスホテル』……灯台下暗し、ってやつね。」
アクター「よォしさっさといくぞッ!」
JOJO「いや、ちょっと待て。」
JOJO「いや、ちょっと待て。」
アクター「なんだァ?」
亜希「……そういうことか。耀壱がいつ来るか分からない状況で、この場を空けることはできない。
だから、二手に別れよう、そういうことだね、JOJO?」
亜希「……そういうことか。耀壱がいつ来るか分からない状況で、この場を空けることはできない。
だから、二手に別れよう、そういうことだね、JOJO?」
JOJO「察しの通りだ。」
カズハ「じゃあ、私はこの場に残る。父のことは私が片付けるべき問題。」
雷鳥「私もカズハちゃんと一緒に残るわ。」
雷鳥「私もカズハちゃんと一緒に残るわ。」
JOJO「じゃあ、俺はプリンスホテルに行こう。」
アクター「俺はJOJOについていくぜ!」
亜希「じゃあ私も『必府プリンスホテル』に行くね。」
アクター「俺はJOJOについていくぜ!」
亜希「じゃあ私も『必府プリンスホテル』に行くね。」
萌「私もお姉さまと一緒に!……と言いたいところだけど、それじゃあメンツのバランスが悪いからね。
仕方がないからここに残ってやるわ。ありがたく思いなさい。」
カズハ「…………。」ペコッ
仕方がないからここに残ってやるわ。ありがたく思いなさい。」
カズハ「…………。」ペコッ
JOJO「それじゃあ行くぜッ!」
一同「おうッ!」
一同「おうッ!」
To Be Continued...
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