あなたと私は友達じゃないけど

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あなたと私は友達じゃないけど ◆Z9iNYeY9a2


アヴァロンから立ち去る前の夜神月。
キュゥべえの言葉の裏を取るために、敢えて遊園地近辺へと戻ろうとした彼は、同様にポケモン城のあからさまな警備も罠である可能性をあげていた。
おそらくは、待っているのはポケモンだけではないかもしれないということ。
いや、それだけならまだしも例えば戻ると同時に侵入者を殲滅するような罠が新たに仕掛けられている、などという可能性も無きにしもあらずだ。

「そういうことだから、気をつけた方がいい」
「ああ、分かった。十分に用心するよ。到着するまでに方針も組んでおく」

無論、だからといってN自身の目的がぶれることはなかった。
だからこそ別行動という道を選んだのが月とNだった。

4人の参加者が残された艦内。
そこにはモンスターボールから出されたポケモン達が並んでいた。

ピカチュウ。
リザードン。
グレッグル。
ゾロアーク。
ポッチャマ。
そして、織莉子が残したバッグに入っていたドサイドン。

今は各ポケモン達のコンディションを整えるのと同時に、彼らと話をして城に入って以降のことを説明していた。

あそこは既に禁止エリアとなっていて、自分たちはこの艦の中から出ることはできない。故にポケモン達に自分で判断して動いてもらうことになる。

まずは部隊のまとめ役、司令塔となるものを決める必要がある。
通信機器としてカメラ機材を持ってもらうことで映像から何をすればいいかの軽い指示くらいは出せるだろう。
しかしそれにも限度はある。
その司令塔的な役割に、Nはピカチュウを指名した。
強弱の問題ではなく、モンスターボールの外で、最もトレーナーのバトルを見てきたピカチュウなればこそとの判断だ。
リザードン、グレッグル、ポッチャマは賛同した。ゾロアークもまた、Nの言う事ならばと渋々ながらも従ってくれた。
問題はドサイドンだった。

そもそも今の彼には、自分たちと共に行動し言うことを聞く理由がない。
元々のトレーナーがロケット団のボスというクセだらけの経歴だったこともあり、他の一堂と比べてかなりの扱い辛さがあった。
そんな見ず知らずのポケモンの言うことを聞く気はないと。自分は自分で勝手にするから好きにしろと。
どうしてもというのなら命令すればいい、とNが最もやりたくないことまで自分から提言してくる。

それでも粘り強く言葉を重ねて。
最終的には、サカキが命を落とす遠因となった者への敵討ちという形で落ち着かせた。


ゾロアークといい、ドサイドンといい。
その力を利用するために説き伏せているかのような自分に少し自嘲する。
かつての自分であれば、このような言動を行っただろうか。
いや、おそらくは言い方や思想は多少変わっていたかもしれないが行っただろう。ポケモン城に囚われているポケモン達の開放という目的があるのだから。
だがこの矛盾には目を向けることはなかったかもしれない。

正直なところ、この目的にはポケモンだけでなく他の参加者も巻き込んでいる。
枢木スザクや夜神月が別行動を取ったのも、その意識、方針の差が亀裂とならないために気を使わせたものだ。

「何考えてるのかは何となく分かるニャが、今は目の前のことに集中するニャ」

そんな思考が顔に出ていたのか、ニャースがそう言葉を投げかけていた。
思考から戻り、周囲を見渡す。

ニャースはポケモンではあるが参加者である故に、こちらに残るメンバーとなっている。
現状はできることがあるわけではない。後々に合わせて臨機応変に動いてもらうことになる。

「それで私達はどうすればいいのかしら」

ニャースと同じようにやるべきことが見えないアリス。
ポケモン周りのあれこれは完全に門外漢であるためにすべきことが分からない。
最もポケモンの開放自体がN個人の望みであり、ポケモンも含めた他の皆にはそれに協力してもらっている立場である以上それにどうこう言うことはできないのだが。

「ポケモン達には、もし城に入った後でポケモン以外の驚異と遭遇したら、外に出てくるように指示している。
 そこから君に迎撃してもらいたいんだ。
 禁止エリアに引っかかるようならこの艦の上で、引っかからないなら陸の上でってなるね」
「なるほどね、分かったわ」

艦上からというと艦の砲撃を使うか、あるいは降車口辺りからの攻撃となるだろう。
まあ多少禁止エリアに入ったとしても、ギアスでの高速移動を用いればある程度のケアは可能のはずだ。

「じゃあこっちは艦の武装と、あと出口のところの状態を確認しておくべきかしらね。
 さっきの戦闘の時のこともあるし、いざって時に動かないじゃ話にならないから」
「私も、何か手伝ってもいい?」
「ならニャーも手を貸した方がよさそうニャ」

立ち上がったアリスに続いて、まどかとニャースもその後ろに連れ添ってきた。
機械関連の扱いを聞くなら色々詳しいというニャースの手はあったほうがいいだろう。
まどかについては、彼女もやることがなくて手持ち無沙汰になっているため何かしたいということだとアリスは判断していた。

そうして、ポケモン達に薬を与えて体調を整えているNの後ろで、三人はアヴァロンの操縦機器に手を入れ始めた。


会場の外、参加者にとってはどことも知れぬ場所。
正しく言うなら、会場の中での出来事により収束した因果から発生したエネルギーを集める機能を備えられた場所。

刺々しく尖った花弁が開いたかのような、透き通った白色の物体が地面に植え付けられ。
中央に向かってエネルギーが赤い粒子となって浮遊し、少しずつ集まっている。

そしてその中心に、1人の人間が磔にされていた。
何もない場所に、赤い鎖と黒い羽が空間に縫い付けるように止められている。

「気分はどうかしら、間桐桜」
「………」

虚ろな瞳を開く、縫い付けられた人間、間桐桜。
暁美ほむらは、その傍に立ってささやくように話しかけていた。

「あなたの望みよね。死にたいって。
 そうしてじっとしていれば、その願いを叶えることができるわ。
 その結果多くの人を救うことにも繋がる。あなたの罪滅ぼしとしては十分じゃないかしら」
「………」

反応がなくなっている。
それを確認して小さな笑みを浮かべるほむら。

アカギの世界に存在したという最終兵器を象り、そこにアーカーシャの剣による神殺し、聖杯による魔力収集、そこにキュゥべえの技術を合わせたことで生み出されたもの。
このエネルギーを用いて文字通り世界を司る神を殺し、世界の法則を一度崩した後に改めてアカギ達の力を使って新しい世界へと作り変える。
そのための装置がこれだった。

そして間桐桜。
彼女は最終兵器を駆動させるためのエネルギーとしてくべられていた。

まだ殺し合いの儀式の決着はついていない。装置が起動するエネルギーが足りていない。
だからこれはほむら自身の望みのための行動だ。
キュゥべえは容認しなかっただろうが、現状アーニャを通してシャルルとアカギの了承は取っている。このままだとともすれば停滞しかねない儀式を進めるための見返りとして。

間桐桜である理由、それはいくつかの要因が重なったことで彼女自身が強い因縁を持つことになったから。
元々聖杯戦争におけるマスターの一人で、聖杯の機能を備えた魔術師であるという点で一定のものを備えていた。
そこに加えて殺し合いの中で彼女が多くの人を手にかけ多数の人間に影響をもたらしたことで因果はより強固なものとなっている。

彼女自身最初は少しばかりの抵抗を見せたが、彼女の罪を改めて自覚させた上でこれが償いにもなると言うと、やがておとなしくなっていった。

アーニャは枢木スザクの相手をしている。
柳洞寺地下に入り込んだ二人はこちらが呼び出した駒が戦っている。

残るはポケモン城に向かった面々。
無論あの地下にはポケモン達の他にも妨害できるものを用意している。

「だけど……不安ね」

アヴァロンに乗っている面々に目をやりながらもつぶやくほむら。

問題がないとは言わないが、できれば可能性は削っておきたい。

少しの迷いの後、空間を繋げる黒い穴を作り出した。

「………」

その足元に、小さな影が見えた。
近寄り目を凝らすと、その姿が桜の操っていた黒い巨人に似ていることに気付いた。

その黒い小人とでも呼ぶべきもの。
ほむらの足を小さな触手で叩こうとするのを避けて、逆にその胴を蹴り遠くへと飛ばした。

そのまま追いかけることもなくその闇の中に姿を消していった。

やがて間桐桜だけが残された空間。
遠くから跳ねるように移動してきたその影の小人は、桜に寄り添うようにその足元へと留まった。

【???/最終兵器中央/二日目 早朝】
【間桐桜@Fate/stay night】
[状態]:右腕欠損、魔力消耗(大)、顔面の右目から頬にかけて切り傷、右目失明、視力障害、全身傷だらけ、強い罪悪感、意識無し、赤い鎖と黒い羽で拘束
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、呪術式探知機(バッテリー残量5割以上)、自分の右腕
[思考・状況]
基本:死にたい
1:柳洞寺に向かう。あわよくばそこを自分の死に場所としたい
2:私は、死ぬことでしか許されない…?
[備考]
※黒化はルールブレイカーにより解除されました。以降は泥の使役はできません。
※切断された右腕はナナリーのギアスの影響で修復不可となっていました。


艦橋での作業を一通り終わらせたアリスは、まどか、ポッチャマ、グレッグルと共に艦の昇降口での作業に移っていた。
まどかは艦橋での作業に引き続いての手伝い、ポッチャマは暇を持て余したようで着いてきた。
グレッグルは何故来たのか分からない。時々体を身震いさせているのが気になった。

「ここを動かせばそこが下がる、ね…。空中から撃てるかな」

地上にいる目標を撃つイメージを組んでみるアリス。
前線での切り込み隊員をやってきたこともあって長距離狙撃はあまり得意ではない。

「最悪突っ込んで最速で戻ってくるのも有りかな…。でも何回もやるのはまずそうだし…」

一人物思いに耽るアリス。

結果暇になってしまったまどかはポッチャマを抱えて話しかけていた。

「ほむらちゃんは、こんなふうにあなたを抱きかかえてくれたの?」
「ポチャ?ポッチャ」

首を横に振ったポッチャマはその肩に乗る。

「こんな感じでほむらちゃんの近くにいたの?」
「ポッチャ!」

実際は共にいた時間もそう長くはなかったのだが、それでもポッチャマにはその位置が印象に残っていた。

「……。今、みんな終わらせようって頑張ってるんだよね。
 私達、帰れるのかな?」
「………」

ふと呟いた言葉。
だけど返答はなくポッチャマは俯いていた。

そこでポッチャマは自分の持ち主であった子がもういないのだということをまどかは思い出した。

「ごめん、ちょっと無神経なこと聞いちゃってた」
「ポチャ…」

小さく鳴き声を上げたポッチャマ。

「大丈夫よ。あなたのことは私が"救う"から」

その時だった。
不意に誰のものでもない声が響いた。

「えっ」

それが聞き覚えのある声色で思わず振り返ったまどか。

そこに立っていたのは、黒い長髪をなびかせて漆黒のドレスをまとった少女。

「ほむらちゃん…?」

ほむらの話題を話していたせいで幽霊が現れてしまったのかと。
そう思ってしまうほどにその存在が想定外で、ほむらの横に黒い穴が空いているのを見ても思考が動いていなかった。

「ゲッ!」

思考が回復したのは、グレッグルがほむらに向けて光る拳を振りながら飛びかかる姿が映った時だった。

舌打ちが聞こえたと思ったら、グレッグルの姿は消え、ほむらに手を掴まれていた。

「あ、アリスちゃ―――」

思わずもう一人の少女の名を叫びかけたところで、視界が黒く塗りつぶされていった。


「…!ギアスの反応…?!」

不意に近くでギアスが発動したのを感じ取ったアリスは作業を続けていた手を止めて振り返った。

「アリスちゃ―――」

視界に入ったのは、宙に空いた黒い穴に飲み込まれていくまどかと。
穴の近くで血を流して倒れているグレッグル。

判断は早かった。
ギアスを発動し一瞬で距離を詰めてその穴へ向けて手を伸ばす。しかし気付くのが遅かったのが影響し手は届かず消えていった。

「まどかっ!!」

そのまま消えかかっている穴に向けて、アリスは更に踏み込み、追うように飛び込み。
自分の体も消滅する穴と共に消えていく寸前で、壁に向けて対消滅の穴を生み出して破損させた。

やがて穴が消え、倒れたグレッグルだけが残された空間で、艦内で生まれた損傷から警告音が鳴り響き始めた。




艦橋へと響いた警告音を聞き、Nが昇降口へと走ってきたのはそこから数分の時間を置いた頃だった。
ニャースとピカチュウに艦橋を任せて、ゾロアークと共に駆けてきた。

「これは…グレッグル!!」

倒れたグレッグルへと駆け寄るN。
何か強い力で切り裂かれたような傷が胴体にできている。
まだ息はあるが、血を流しすぎたせいだろう、虫の息だった。

「…っ、一体、何があったんだ、グレッグル!」
「ゲ…ゲゲ」

小さく、絞り出すように言葉を紡ぐグレッグル。
暁美ほむらなる少女が現れたこと。彼女がまどか達を連れ去り、それを追ってアリスもいなくなったこと。

言葉の端々から悟ったのは、グレッグルは危険予知で彼らに何かしらの危機があることを察知していたのだ。
しかし何が起こるかまでは分からない。だから彼らと共にいたのだと。

「…分かった。よく頑張った。あとは僕たちがどうにかしよう。
 もう、休んでくれ」

息をするのも苦しそうだったグレッグル。もう手当も間に合わないだろう。
グレッグルに、そう優しい声で囁きかけるN。
その言葉を聞き、安心したように静かに目を閉じて、そのままグレッグルは静かに息を止めた。

動かなくなったグレッグルの瞳を、ゆっくりと閉じるN。

だが悲しんでいる暇はそう残されてはいなかった。

アヴァロンがポケモン城に辿り着く時が、刻一刻と迫っている。

【E-7/アヴァロン/二日目 早朝】

【N@ポケットモンスター(ゲーム)】
[状態]:疲労(小)、ゲーチスの言葉によるショック
[装備]:サトシのピカチュウ@ポケットモンスター(アニメ)、サトシのリザードン@ポケットモンスター(アニメ)、
    サカキのサイドン(ドサイドン)@ポケットモンスター(ゲーム)、ゾロアーク(スナッチボール)@ポケットモンスター(ゲーム)、スマートバックル(失敗作)@仮面ライダー555
[道具]:基本支給品×2、割れたピンプクの石、
[思考・状況]
基本:アカギに捕らわれてるポケモンを救い出し、トモダチになる
1:ポケモン城に向かい、クローンポケモン達を救う
2:世界の秘密を解く
3:グレッグル…!
[備考]
※モンスターボールに対し、参加者に対する魔女の口づけのような何かの制約が課せられており、それが参加者と同じようにポケモン達を縛っていると考察しています。


【ニャース@ポケットモンスター(アニメ)】
[状態]:ダメージ(小)、全身に火傷(処置済み)
[装備]:ゴージャスボール@ポケットモンスター(ゲーム)
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本:この場所から抜け出し、ロケット団に帰る
1:ボールの解析情報などを他の皆と共有するため遊園地に向かう。
2:できればポケモンがいなくなったモンスターボールも見ておきたい。
3:ポケモンとは―――
[備考]
※参戦時期はギンガ団との決着以降のどこかです


全てのまどかを救う。
それを自身の悲願として行動してきた。
そのためにそれ以外の全てを切り捨てる覚悟もあった。

だけど、まどかを切り捨てること、それだけはできなかった。

もしどこかで死んでいてくれたら良かったのに、などと考えてはいけないことを考えていた。

ここまで生き残ってしまった以上、自分で手を下すか他の誰かに殺させるしかない。

どうするべきなのかを考えた末に出たのは、まどかを最後の一人として生き残らせること。
いくつかの条件の元、アーニャの了承は取っている。
その一つとして間桐桜を事前に手元においておく必要もあった。

あとは、まどかを確保した上で様々な手を使い他の参加者を狩っていけばよかった。

良かったのだが。

「…何であんたが生きてるのよ」
「ポチャ…?!」

まどかを確保する過程で、余計なものまで着いてきてしまった。

「詰めが甘かったわね…」
「どういうこと、ほむら!!」

まどかを庇うようにアリスはその前に立つ。

「そうね、簡単に説明するなら、死んだ後で生き返ったってところよ。
 その上で、今はアカギ達に手を貸しているの」
「何であんたからギアスの存在を感じるの?」
「ゼロが死んだ時に引き受けたの。魔法少女の力や私の因果と混じり合って適合してくれたわ」

話しながら時間を止めてアリスとポッチャマに向けて魔力の弾を至近距離から放とうと歩み寄る。

しかし。

「……!?」

その手を掴まれた。

「無駄よ。私も最初に会った時の私じゃないもの」

アリスの手を振り払いながら後退するほむら。

時間停止を解除してアリスを睨む。

「まどかを連れてきたのって、もしかしてこの子を生き残らせたいから、とか?」
「ええ、その通りよ」

先の行動が原因で警戒させてしまい隙が見えなくなったアリス。
問いかけに答えながらも、その事実に歯噛みするほむら。

「そのために、キュゥべえ達とも手を組んだっていうの?」
「そうよ。最もキュゥべえはもう追放したからこの場にはいないんだけど」
「…そう」

アリスの声色が下がっていった気がした。

「ほむらちゃん、私は―――」
「あなたはいいの、黙ってて。まどかの意見は聞いていないから」

会話に割り込もうとしたまどかに、突き放すような言葉を投げるほむら。
そんなほむらに、顔を伏せたまま口を開くアリス。

「…ねえ、ほむら。私さ、何だかんだであんたとは仲良くやれたって思ってたんだ。
 何かあったってわけじゃないけど、一緒に行動してて、少しはあんたと仲間になれたって」
「そうね。それは私も同じよ。
 あなたと行動してて、新鮮だったし少しはずっと一人だった孤独も晴れたようには感じた」
「だったら、どうして?」
「簡単な話よ」

この先の言葉は、言ってはいけないものだとほむらの中で直感していた。
それでも、決別の意味を込めて、敢えてそれを口にした。

「私の目的に対して、あなたの存在が、感じた絆がその程度だった。
 踏み台にして切り捨てられるようなものだった。
 ただそれだけ」
「…そう」

アリスの口から出た呟きには周囲の空気を変えるような冷たさを纏っているように感じられた。

次の瞬間、膨大な魔力反応を感じたほむらは、瞬時の判断で時間を停止させた。
さっきとは違う、油断せず一撃で素早く消し飛ばすように動く。

瞬きをする間だった。
目の前に突きつけられた掌を左手が掴んでおり。
顔を横にそらした瞬間、膨大なエネルギーとなった魔力がその掌から放たれ、頭があった場所を通り過ぎていった。

「まどか、ちょっと下がってて。たぶん周りに注意払えないと思うから」
「アリスちゃん…?」
「あなた、今何をしたの」

時間は確かに止めたはずだったのに、アリスは目の前にいた。動く姿すら見えない一瞬で。

「あんたが時間を止めるなら、私は無限に私の時間を加速させるわ。それこそ、時間を止めたと思えるほどにね」
「無茶苦茶ね、あなたも」

言いながらもほむらはアリスから漏れる魔力の気配を見る。
どこか、自分の力と親しいようにも思う力が感じられた。

(なるほど、この子もあの魔女の力を継承したってこと…。
 私の力とあの子の力、その属性が近づいたから私の能力にも対応できてしまったってところかしら)

若干アリスの言葉に腑に落ちないものを感じたものだが、得た力に対して思わぬところで変な副作用が出てしまった。

他の参加者ならば楽に対応できただろうに、この期に及んで最も厄介な相手を連れてきてしまったようだ。
あるいは、これが今の自分の因果とでもいうのだろうか。

「理解したわ。あなたは私が全力でかかる必要がある相手みたいね。
 まどかのための糧として、あなたを殺してあげるわ」
「やってみなさい。
 あんたがどれだけ時間を止めようと、私は前に進み続けるわ」

今の自分の、戦うための衣装へと体を変異させるほむら。
肩と脇腹を大きく露出した黒いドレスに、骨を思わせる刺々しい翼を背から生やす。

対するアリスも、その手に対消滅のエネルギーを携えて構え。

ほむらの時間停止の発動と同時に、アリスもギアスを発動して地を蹴った。

【???/最終兵器付近/二日目 早朝】

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:健康、ギラティナと同化、魔女の力継承、悪魔化
[服装]:悪魔ほむらの衣装@魔法少女まどか マギカ[新編]叛逆の物語、ギラティナの翼、まどかのリボン@魔法少女まどか☆マギカ
[装備]:ダークオーブと化したはっきん玉、変質したほむらの盾
[思考・状況]
基本:アカギ達に協力、ないし利用し最終目標のための手はずを整える。
1:アリスを排除して、最終段階への手筈を整える
2:キュゥべえの動きを見て、今の生存者に合わせて動く
3:アーニャがちょっと鬱陶しい
最終目的:“奇跡”を手に入れた上で『自身の世界(これまで辿った全ての時間軸)』に帰還(手段は問わない)し、まどかを救う。
[備考]
※はっきん玉はギラティナの力と魔女の力を完全に取り込み自身の因果と同調させたことでダークオーブ@魔法少女まどか マギカ[新編]叛逆の物語へと変化しました。
その影響でギラティナの能力を使用することが可能です。
※ギラティナの体はRガス@名探偵ピカチュウによってほむらの精神を移された後、ギアス継承の反動を押し付けられたことで力が弱まりほむらの体内に取り込まれています。
ギラティナ自身の意識が弱まっただけの状態であり死んではいません。
※ギアス能力について
腕の変質した盾についた時計の針を動かすことで、因果を操り固定することが可能です。
現状で分かっている制約としては、魔女の刻印が残っている影響で会場に対する干渉には強い制限がかかっているため現在の参加者への干渉はできません。



【アリス@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:ダメージ(小)、ネモと一体化、全身に切り傷、左肩に打撲と骨にヒビ
[服装]:アッシュフォード学園中等部の女子制服、銃は内ポケット
[装備]:グロック19(9+1発)@現実、双眼鏡、 あなぬけのヒモ@ポケットモンスター(ゲーム)
[道具]:共通支給品一式、
[思考・状況]
基本:脱出手段と仲間を捜す。
1:ナナリーの騎士としてあり続ける
2:目の前のバカをぶん殴る
3:間桐桜に対して―――
最終目的:『儀式』からの脱出、その後可能であるならアカギから願いを叶えるという力を奪ってナナリーを生き返らせる
[備考]
※参戦時期はCODE14・スザクと知り合った後、ナリタ戦前
※アリスのギアスにかかった制限はネモと同化したことである程度緩和されています。
魔導器『コードギアス』が呼び出せるかどうかは現状不明です。




【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(小)、手足に小さな切り傷、背中に大きな傷(処置済み)、強い悲しみ
[服装]:見滝原中学校指定制服
[装備]:ポッチャマ@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0〜2(確認済み)、ハデスの隠れ兜@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、咲夜子のクナイ@コードギアス反逆のルルーシュ、グリーフシード(人魚の魔女)@魔法少女まどか☆マギカ、ブローニングハイパワー(13/13)@現実、 予備弾倉(9mmパラベラム×5)、トランシーバー(電池切れ)@現実 、医薬品
[思考・状況]
1:………
[備考]

170:黄昏の騎士達の輪舞曲 投下順に読む 172:決斗・アヴェンジャー&ライダー
時系列順に読む
167:白き牙の飛翔 鹿目まどか 176:時間よ止まれ/時間は止まらない
N 173:ポケットの中の戦争(前)
アリス 176:時間よ止まれ/時間は止まらない
ニャース 173:ポケットの中の戦争(前)
169:I beg you 暁美ほむら 176:時間よ止まれ/時間は止まらない
間桐桜


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