基本情報 |
主な言語 |
古典ツォルマ語 |
首都 |
メルバ・ラムティス |
最大の都市 |
同上 |
政府 |
行政評議会 |
国家元首の称号 |
最高議長 |
国家元首の名前 |
不明 |
総人口 |
約180~65億人(推定) |
ツォルマリア文明統一機構は、
宇宙正暦0年(文明元暦4500年)から500年にかけて存在した。近古代の星間企業連合体。この文明は、複数の異種生命からなる
ソルキア連合との戦いを通じて発展し、一進一退の攻防を繰り広げてきた歴史を持つ。代表となるテクノロジーは逆重力子を用いたゲート航法であり、特異点に存在する自然のワームホールを留置することによって短距離間のショートカットを可能とした。しかしながら、その有効接続範囲は最大でも0.5光年程度が限界とされ、膨大な維持コストを要することから主な交通手段としては全く使えないのが実態であった。特異点に存在するワームホールは一度自壊すると二度と復元できないため、専ら世代交代を重ねて通常航行を続けていたようである。以上の事情から、その統治領域も比較的緩やかな連邦制(地域主権)を採用し、半独立した形態の加盟星系に分かれていた。
歴史
統治領域の変遷
宇宙正暦215年時点で、ツォルマリア、サーレ・バリス、ツェイク・ムオラの3星系を有していた。ソルキア連合と接触して以降は侵略の標的となり、
同250年時点で活動領域を首都星周辺まで縮小。その後は長きにわたる抵抗の時代を迎えた。
同333年に重力ゲート航法を実用化。以後は徐々にソルキアの諸星圏に食い込む勢いを見せたが、
同440年代に差し掛かると次元収縮砲による大規模な戦略爆撃を受け、再びの後退を強いられた。後に
大災厄と呼ばれることになる、一連の無差別攻撃によってツォルマリア艦隊は壊滅的な損害を被り、その影響はソルキアに留まらず、遥か遠方のイドゥニア空域にまで及んだ。
同460年以降は冒頭の3星系へと後退。ツォルマリア艦隊は残存領域の守りを固めつつ、荒廃した植民地の復興に転じた。それから凡そ20年にわたる断絶期の中で、異種生命体に対するツォルマリア人類の危機感は際限なく高まっていった。そして、より強固な
ディストピアの成立へと至ったわけである。
体制
成立の過程から国家の概念を持たないが、これに相当する職業組合によって統治された。現代の解釈では、これを一種の企業体として訳しており、複数の組合による連邦共和制として分類される。具体的には株主総会にあたる組織(経営審査会)が行政評議会議長を選出。労働者の直接選挙を経て任命される主任議官が公民評議会における一定の拒否権を持っていた。双方の合意によって成立する管理評議会が司法権を担う。未熟な通信システムの問題から、以上の組織は惑星単位で置かれており、それぞれに強い自治権が保障された。情報の伝達に遅れが生じるため、あらゆるシナリオに沿った法律上の対応策を講じていた。これにより、首都圏由来の共通の価値観を維持。連合体として緩やかでありながらも、外敵に対して頑強な抵抗を続けたわけである。
技術
文明開化の祖ティラ・ザバーディンによって伝えられた水槽農業の発展は多くのツォルマリア人に応用のイノベーションを促した。やがて集団の支配階級となった技術者は、車輪を発達させ、分業の概念を理解し、専門教育に力を入れるなど、急速な産業革命を成し遂げたのである。古代文明の知識を得て、比較的早期の宇宙進出に成功したツォルマリア人類は従来のロケット・ブースターを改良し、核分裂パルス推進による恒星間航行を実現させた。ソルキアとのファーストコンタクトを迎え、戦端を開いた215年以降は、一部で核融合プラズマ・ドライブを搭載。これにより、天体間の渡航時間を大幅に短縮し、前述の抵抗力を高めたのである。同333年を迎えると、限定的ながらも自然のワームホールを用いた重力ゲート航法の実用化に至った。
重力ゲート航法
自然のワームホールを利用する重力ゲートは円形の形を取っており、外輪の磁力を発生させることによって空間の歪みを固着させる代物であった。当然、内部からの強い反発力に晒されるため、常時補修を継続しなければならず、しかも相当な危険を伴う。ワームホールを維持するために必要な逆重力子を生み出すために膨大な年月とエネルギーを費やし、ようやく1パーセクにも満たない跳躍を可能とする極めて非効率なシステムであった。時のツォルマリア艦隊にとって、重力ゲート航法とは何の安全性も保障されていない苦肉の策であり、徒にリソースを食い潰すだけの巨大な金食い虫として非難する者達もいた。そして、ワームホール自体が希少であるがゆえに大部分の領域が建設の候補から除外され、結果的に片手で数える程度の空間でしか使えないシステムとなったわけである。
逆重力子
他の素粒子(物質)と反発する作用がある、エキゾチック物質の一種。エネルギー保存則の観点から、通常は惑星軌道上に建設された粒子加速器を用いて錬成する。宇宙空間における微小重力環境下で特定の凝縮状態を作り出し、原子をトラップさせることを前提とした。これにより、発生した複合粒子を冷却。エキゾチックな量子現象を発生させ、逆重力子の生成に繋がるわけである。この一連の過程には膨大な電力と時間を要するが、それ以上に取り扱いが難しく、運搬の途中で壊滅的な事故を引き起こしてしまうことも度々あった。物質と反発する性質上、保存ケージを破って内部からの誘爆を誘ったり、最悪の場合には対消滅と似た現象を引き起こすリスクもあるという。そのため、目的地までの所要耐久時間も考慮しなければならず、無事、想定期間内に到達できたとしても細心の注意を払って該当のワームホールに投与する必要があった。他に有効とされる生成手段としては、レーザー光や電磁場を用いて、量子真空の揺らぎを増幅させることで、逆重力子を生成する方法が存在する。この方法は、より小型で安全な装置で実行できるという利点があり、対ソルキア戦争後期に導入された。
指向電磁ブラスター
シールド技術が存在しない当時代において、星間物質との衝突は船体を破壊しかねない大きなリスクとして認識されていた。特に加速シークエンスを実行した場合の運動エネルギーは天文学的数値を叩き出すもので、微粒子レベルの塵であっても軽視できないからである。そこで発明された装置が指向電磁ブラスターであり、船体の周囲に磁気を纏わせることによって飛来する微小体を弾き返した。これにより、不完全ではあるものの航行の安全性を向上させることに成功し、前述の世代航行を実現したわけである。無論、これだけでは不十分であることも認識するため、許容される限りの弾性装甲を装着していた。宇宙航行においては、厳密な空域調査と計算の上で実行しなければならず、その労力を省くことは自殺行為に等しい。攻撃に対しては無力であり、専ら回避コースの算出をもって生存を図るという厳しい時代であった。
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最終更新:2024年11月07日 17:34