以下のファイルは異常な現象魔法的影響のホルダーであるテキストを含みます。あなたはニジマスの匂いを感じません。このため、この報告書にアクセスする全ての職員はIクラス以上の現象学的現実改変抵抗値(PRV)を有すると認定されることが不可欠です。下記のプロトコルを通じてそれを検証して下さい。あなたが自動化されたPRVの検証に失敗した場合、落ち着いて動かないようにしてください。サイトの医療スタッフ(I-16 “セキュリティ許可管理局”)のメンバーが間もなく到着します。
お使いの端末のマイクにゆっくり、はっきりと、次のフレーズを繰り返してください。
[✔] 検証が完了しました。ユーザーのPRVは許容範囲内です。
JKA-001
アイテム番号: JKA-001
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: JKA-001は、文明共立機構の特殊管理ロッカーに保管されます。特殊管理ロッカー内は現象魔法遮断魔法により管理され、それを保管する部屋は換気量10㎥/h以上の換気装置によって一時間あたり1回1.5時間の換気が行われます。換気された気体には現象魔法による現実正常化が実行されます。
特殊管理ロッカーを保管する部屋は衛生省の職員3人によってローテーションで常にチェックされ、また当該サイトは
ラヴァンジェ諸侯連合体の機動魔法部隊 I-5(“ニジマス殺し”)によって警備されます。
JKA-001に影響された人間や物体が生じた場合、他の人間や物体に影響する可能性があるため、志向性解放を行った機動魔法部隊によって即座にサイトに収容し、除染を試みます。除染が不可能であると判断された場合は、対象を終了してください。
JKA-001を惑星間移動する必要がある場合は、宇宙艦船を用いることは不可能です。クラックによる輸送か、レーン無視型移動許可を
文明共立機構に申請して下さい。
説明: JKA-001は、XXXX年にオクシレイン大衆自由国が主催した国際懇親会議において出現した物体です。カーンソンド・ヴァント・サンドレーム・レームドロットと呼ばれるラヴァンジェ諸侯連合体のクラックによって製作されました。本人はこれが正常な料理だと主張していますが、カバーストーリー「問題児クラック」の適用により、一般的には「
クラックの気まぐれオクシレインニジマスの暗黒煮 ~†絶望†を添えて~」と呼ばれています。
JKA-001は、異臭を放っており、周囲に異常性のある気体を展開します。このため、国際懇談会議の事例では、気体を吸った人間が幼児退行、恐怖による絶叫、徒党を組んで踊りだすなどの精神異常を起こしたことが報告されています。この気体は換気によって無害化することが可能であり、過去の事例では宇宙船内の空気洗浄システムによって精神異常が正常化されたことが報告されています。
JKA-001は物体に一定期間影響を与える可能性が報告されています。過去の事例では、帝国宙船の豪華客船スフィアス2(JKA-001-1)がJKA-001の影響を受けました。この際、JKA-001-1は、第2・第3エンジンが爆発、航行不能になったほか、曳航中に帝国宙船の貨客船イドゥアム801号(JKA-001-2)、貨物船イドゥアム690号(JKA-001-3)、トラゾルス・グループの客船セトルラーム1908号(JKA-001-4)、ラヴァンジェ政府所有の資源貨物船ラヴァンジェ56号(JKA-001-5)にも異常性を引き起こし、その他接触した艦船は少なからず影響を受けています。
ヴァント本人はJKA-001の影響を受けませんでしたが、これがクラックのみがJKA-001の感受性を持たないことを意味するかは不明です。これに関する実験は、
クラック対処協定に基づき禁止されています。
補遺001.1: 事案ログ
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► アクセス JKA:/001/事案/003.log |
◀ アクセス許可 JKA:/001/事案/003.log
本記録は、現象魔法的影響を閲覧者が受ける可能性があるため文章のみとなっている。
[記録開始]
アルシェイ博士: それでは開始します。JKA-001を作ったのは何故ですか?
ヴァント: マトモな料理を作りたかったのよ! こんなことになるなんて思ってなかったわ……
アルシェイ博士: では、あなたはクラックであるにも関わらずJKA-001の異常性を理解していなかったのですか?
ヴァント: た、確かに現象魔法学的には変なことになるかもって思ったけど……ちょっと手を抜いただけでこんな大事になるなんて思わないじゃない!
アルシェイ博士: あなたはJKA-001を作ったのですよね。しかし、暴露しても影響を受けなかった。
ヴァント: 作者だからじゃない? 詳しいことは知らないけど……
アルシェイ博士: 味見をしようとは思わなかったのですか?
ヴァント: うっ……だ、だって材料を混ぜたら変な色になって、現象魔法でどうにかしようと思ったら、凄い異臭が漂い始めたから……
アルシェイ博士: それはどんな色でどんな異臭ですか?
ヴァント: あ、それなら……(金属音;おそらく立ち上がったと思われる)
アルシェイ博士: 音声記録を止めろ!!
I-2 隊員: 収容違反だ!! 全員とめ(これ以降不明瞭な音声が続く)
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► アクセス JKA:/001/事案/004.log |
◀ アクセス許可 JKA:/001/事案/004.log
本報告は特別収容プロトコル変更前の事案です。
████年██月██日に発生した[修正済]に関しては、ミーム対抗絶縁措置を実行しています。
アルシェイ博士: (JKA-)001の様子がおかしいだと?
サイト職員: ええ、少し異臭を放ってまして……チェックを行った職員が気分を崩したみたいです。
アルシェイ博士: 食品であれば腐ることもあるだろう。少し換気でもしてみれば、少しくらい状況は変わ(不明瞭)。
(多くの足音と幼児向けの歌を歌う大人数の声、また毒づく不明瞭な声)
サイト職員: 異常事態発生! 異常事態発生!
アルシェイ博士: 何が起こった!?
サイト職員: (不明瞭な声)
I-2 隊員: 私たちは楽しい! 猫が可愛い! 全てが(異音に掻き消され聞き取り不可)
アルシェイ博士: 彼奴等を黙らせろ!! 収容違反だ!
サイト職員: 了解しました、即座に共立機構に援軍として猫が可愛い!
アルシェイ博士: クソッ、お前もか!! 緊急脱出プロトコルを実行、音声記録を中断する!!
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最終更新:2023年02月12日 02:15