ラヴァンジェ諸侯連合体(
侯式ヴァンジェ語:veen endvet kvanraw lavanzhe、市民ラヴァンジェ語:vuēn hèng dúk kuón hàp làp vuāng zhuèk)とは、
文明共立機構に所属する国家の一つ。
ジェルビア星間条約同盟(共立同盟)、
ルドラトリス安全保障協定(安保同盟)に加盟している。共立公歴1000年時点での正式名称は、
ラヴァンジェ貴族共和主義諸侯連合体(侯式ヴァンジェ語:XXXX)である。共立公暦998年、ラヴァンジェ内戦の発生に端を発する国号変更について、文明共立機構は同三原則の擁護義務に係る審査手続きを進めており、同代表総議会におけるカテゴリでは未だ
『ラヴァンジェ諸侯連合体』として登録されているのが現状とされる。新ラヴァンジェ政府は、引き続き共立機構に加盟の意向を表明した。一応の儀式として批准の準備段階にある以上、一時的な議席の凍結措置を受け入れ、今年度中の通過に期待しているという。長らく敵対関係にある一部
黒丘陣営の動静を睨んでいるが、平常諸勢力の賛成多数をもって間もなく承認の見通しが示された。
国名
- 侯式ヴァンジェ語:veen endvet kvanraw lavanzhe(ヴェーン・エンドヴェット・クヴァンラウ・ラヴァンジェ)
- 市民ラヴァンジェ語:vuēn hèng dúk kuón hàp làp vuāng zhuèk(身収集共侯期雲萩、ヴェン・ヘン・ドゥッ・クォン・ハッ・ラッ・ヴァン・ジュェッ)
また、雅称としてドラフヴァーンドジェレット(drafvaandzhret)がある。
概要
ラヴァンジェ諸侯連合体は惑星ベルディンの惑星統一政府、多民族・多種族国家である。その実態は惑星各地の貴族の合議体である。特徴として教育を非常に重視し、貴族階級は市民や不可触民に対して自らが教師となって教養を伝えることが一つのステータスだとされている。また、形而法術の一種である
現象魔法の発祥の地である。
惑星統一政府としては非常に人口が多いが、これは軌道上居留地を大量に建設し、増加する人口を養っているためである。軌道上居留地への移住は連合体を挙げて推奨されており、国からの手厚い支援が与えられている。このため、地上からは大量の軌道上居留地が浮かんでいるのが昼には見ることが出来る。
共立公暦456年に
文明共立機構の調査艦隊に発見され、共立公暦459年に同機構に加盟した。
歴史概略
詳しくは「
ラヴァンジェの歴史」を参照。
惑星は古典古代から続く文明を形成してきた。各地に複数の文明が成立して、存続したり退廃するなどを繰り返しながらも人類は発展を続けた。超古代に地球からの転生者が居たことが知られているが、その痕跡は度重なる歴史の波に洗われて殆ど残っていない。
遠古代において○○○○が考案した「現象学」に基づいて生まれた「現象術式」は文明を一挙にして変革させる技術となった。それまでよりも膨大なエネルギーや処理能力に魅了された人類は「現象術式」を発展させて「
現象魔法」という一つの系統だった法術として成立させた。しかし、その人類が扱うには早すぎた力はすぐに互いの争いを引き起こした。
結果的に「痕跡の魔術書」を巡る最後の戦争――
「最終戦争」により、惑星ベルディンの文明は全て滅びた。ラヴァンジェ諸侯連合体に属する貴族たちはその後に生き延びた人々の末裔であり、彼らは自らの力が危険であることを自覚し、共に人類として歩むために知識を述べ伝えることを重視したのであった。
現代において、
現象魔法の影響によるアポリアによって異世界からのアポリアが多発した。異世界人への対応に困惑したラヴァンジェは近隣惑星に異世界人を抑留し、現地に総督などをおいて厳重な管理を行った。結果的に異世界人はラヴァンジェの支配に対して蜂起し、転移者星間戦争が勃発する。戦後、転移者自治領が成立することになる。以後、ラヴァンジェは共立世界の中でひっそりと生きることを選択したが、
現象魔法の知を深めることに対しては他の国に比して執念を見せるようになった。
連合領域
ベルディン及びシアップの2大居住地を中心に、数多くの軌道上居留地が存在する。現代ではグルントナーム星系全域を統治し、その周辺の宙域をセクター・ベルディンとして指定した。ラヴァンジェの人口が星系領域に対して過密となっている理由について、これはベルディンが巨大岩石惑星であるためである。通常、収斂進化において発生する人間やそれに類する種族はこの規模の惑星の重力下では発達しないものであるが、地理的な
現象魔法の影響により、この重力は惑星イドゥニアに比する程度の通常重力に軽減されているとされる。一方で、遠心力によって惑星が分解されない理由としてはこれも
現象魔法による地理的な影響があると考えられているが、具体的な理由ははっきりとはしていない(科学的にはベルディンはいつバラバラになってもおかしくないとされる)。
社会情勢
国際関係
- 459年、セトルラーム共立連邦との通商修好条約、研究協定批准。以後、令詠術と現象魔法の技術交換による関係を強めていく。
- 493年、ユミル・イドゥアム連合帝国とイドゥアム・ラヴァンジェ相互発展条約(通商協定、研究協定)批准。
- 498年、ユミル・イドゥアム連合帝国より艦船を買い付け、旧式のものを改造し導入。
- 502年、連合帝国よりアルテリーナ・ヴォイチェシェフルが来訪し、分家を創設。同年約26000人のケルフィリア族が移住。
- 500年代、連合帝国との緊急事態対応契約に基づき貨物・貨客船を大量に借入契約。
- 522年、クラック対処協定
- 528年、宮廷魔術師評議会、ハルヴィス・プリスバードをレベル5指名手配犯として指定。
- 532年、ハルヴィス・プリスバードの不在裁判、懲役1265万2419年及び甲種強制労働の判決。
- 541年、ラヴァンジェ国家検察庁、文明共立機構・国際刑事裁判所にハルヴィス・プリスバードの国際指名手配書を提出。
- 550年、概念戦艦の出港。
- 600年代、海外の影響力の低減のために緊急事態対応契約に基づいた船舶の純国産船舶への置き換えを開始。
- 590年、転移者星間戦争
- 591年、グランドウィンド停戦協定締結、転移者自治領成立
- 626年、共和政クヴァルディスとの個別軍事協力協定「勇者協約(Kvan-Fritaat Accord)」を締結。
- 630年、軍事転用可能資源に関する特別貿易協定を批准。
- 631年、連合帝国とキルマリーナの関係悪化により、ホーヴァングラ重工がキルマリーナからラヴァンジェへ避難。ラヴァンジェの宙域船舶を建造するほか、既存艦の保守整備を担当する。
- 632年、帝国のトローネ皇帝オクシレイン訪問に対して安全性の懸念を通達する。
- 638年、共和政クヴァルディスにおける魔獣「シェルク・ドラグ」に対して「勇者協約」が発動、FSTVが初めて国外出動する。
- 650年
- 連合帝国から中古の量産型貨客船と量産型貨物船を譲渡。
- 連合帝国のマトラ機械製造工場が建設を主導して各地上の街や泉域での活動拠点付近に地下駅を設置。車両はラヴァンジェ地下鉄用にJ型動力車を350両、K型付随車を860両、L型荷物車を50両生産する。
- 戦略攻撃に関する国際倫理安全保障枠組み条約に調印。
- 658年、FSTVが参加する共和政クヴァルディスにおける勇者を称える祭典「勇者の夜行列」が始まる。
- 661年、テルク術の諸侯連合体FSTVへの訓練導入が始まる。
- 680年、共和政クヴァルディスとの「勇者交換プログラム」の開始、10人の若手冒険者がFSTVシュレント部における現象魔法訓練を受ける。
- 694年、フラクション・ブレイク(アリス・インテンションの分裂)
- 702年、セトルラーム共立連邦が主導し、シナリス星域連合直轄領特務機関ピースギアと共同で共同開発された対暴走クラック兵器SA2HM-ルドリアMark1が就役。
- 810年、イドゥアム155号墜落事故。ヴラッツァートや騎士団、宙軍を含む大規模救出活動が展開される。
- 820年、ラヴァンジェ・玄羅経済保護協定
- 835年、ラヴァンジェ・玄羅間魔導協定
- 957年、領域航宙整備事業団(ユミル・イドゥアム連合帝国)に船団護衛を依頼。(オクシレイン領域内を無断で航行?)
- 998年、諸侯連合体解散危機(ラヴァンジェ内戦)
- 1000年、ラヴァンジェ貴族共和主義諸侯連合体成立
経済
自由主義市場経済を採用している。最も早く経済関係を結んだ共立連邦や移民関連で強い関係がある連合帝国など同盟の大国との取引が中心である。外交面で目立たないことをドクトリンとしていることから、双方とのブロック経済的な取引を基軸として、転移者戦争以降の「貿易自由化構想」に伴って広く交易の門戸を開くようになっている。
セトルラーム共立連邦との交易
共立機構に加盟して以来、最も早く経済関係・研究協定の確立に至った。
クラック対処協定の取引材料としての
B.N.S.ネットワークの提携を始めに、艦船や武器の取引や異能技術交換などを大々的に行っている。このため、セトルラームにおける現象魔法技術は、ラヴァンジェを除けば
共立世界で随一と言っても過言ではない。
ユミル・イドゥアム連合帝国との交易
セトルラームと共に同盟国内で強い関係がある国家であり、軍事取引を中心として、移民関連や技術派遣・防衛派遣などを通して強靭な関係を構築してきた。しかしながら、
オクシレイン大衆自由国との友好に一転したことにより、関係性に疑念が生じてきているともされている。積極的な交易か、慎重な選択かについては、国内でも意見が別れている。
軍事
独自の宙軍戦力を持っているが、平時には
文明共立機構の
直轄領の防衛を担う
平和維持軍に軍事力を依存している。この理由として、ラヴァンジェの地上及び軌道上からの投下戦力は強靭で膨大な戦力を持つが、現象魔法を多用しているために動かした場合軍人の発狂者が大量に出て制御不可能になる可能性があり、これにより自国が逆に破滅する可能性があるためである。一応、共立機構の平和維持軍に加盟しており、
共立同盟軍への部隊供出も行っているが、上記の理由から最終特命的な対象に投影する戦力として「最後の砦」とも呼ばれている。
国営の現象魔術機関として、
現象魔術師機関が存在する。
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最終更新:2025年07月18日 23:01