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ケラン・ヴィ・トナデール

ケラン・ヴィ・トナデール

作:@Freeton2
生年月日 宇宙新暦1300年5月8日
年齢 47アストラ歳(星年齢
共立公暦1000年時点.
出生地 ギールラング星域戦国軍事同盟
民族 ツォルマリア人
所属組織 メイディルラング界域星間民主統合体
渾名 熱血のデリンジャー


概要

 ケラン・ヴィ・トナデールは、メイディルラングに所属する宇宙海賊である。私有する一隻を足場として、多くの航路を渡り歩いている。

自己紹介

 俺の名はケラン・ヴィ・トナデール、この一言で片が付く場面がだいぶ増えてきた。産湯の代わりに砲煙を浴びて育った口だから、静かすぎる夜が来ると耳の奥が寂しくなる。名乗りへ肩書きを何枚も重ねる趣味はあるか、と問われたなら、俺は一枚で足りると答える。海賊だ、それ以上の説明を欲しがる相手には、船倉の中身を開けて見せてやればいい。商売の流儀は単純で、俺が欲しいと思った物は俺の物になるまで追い続ける。追われる側も同じ理屈で俺の首を狙ってくるから、宇宙は今日も公平に回っているわけだ。腹が立てば手が先に出る性分で、これは生まれつきの造りだと思って諦めてもらいたい。ただし、泣いている子供の前へ立ったときの手つきは、少しばかり丁寧になるらしい。俺の値段を決めるのは告知の紙切れだが、俺の中身を決めるのは俺の拳ひとつだ。次に顔を合わせるときは、酒か砲火のどちらかを用意して待っていてくれ。

来歴

 家族は遠征の反復の途中で失われ、幼い彼は登録番号だけを抱えたまま街路へ放り出された。身を寄せた武装少年団は掠奪の下請けで日銭を稼ぐ集まりで、そこで積荷の値踏みを覚え、盗んだ車両で狭い路地を抜ける技も身体へ叩き込んだ。成績の順位が生死を決める教育課程から早々に外れた少年にとって、名誉を掴む道筋は戦場の側にだけ残されていた。宇宙新暦1428年に火蓋が切られた星間規模の総力戦は、彼の生涯の大半を内側へ抱え込んだ。ギールラングの掠奪部隊へ加わった彼は、外界の遠征へ幾度も駆り出され、輸送船団の襲撃で名を上げた。同4500年に講和条約が発効した後も報せの到達が遅い辺境では交戦が続き、彼の船団が武器を降ろしたのは同4525年である。同4752年に本国が壊滅すると、彼は艦を私財として抱えたまま旧領の外へ流れた。同4801年に旧領の系譜が二つへ分かれた際、彼が籍を移した先は民主派の旗の下であった。裏の仕事で得た報酬はアルパリア・レンデル号の武装と機関の更新へ注ぎ込まれ、現在はヴァンス・フリートンの依頼を受けながら、闘争競技の舞台へも足を運んでいる。

人物

 気性の核にあるのは、点火の早さである。侮辱の一言が耳へ届いた瞬間に頬まで血が上り、拳が動き出すまでに要する時間は呼吸ひとつ分ほどだ。怒りを内側へ伏せる作法は彼の中で早くに廃れ、感情の熱量をそのまま行動へ変換する回路が代わりに太くなった。闘争主義を骨身へ刻んだ掠奪者としての自負は、旗を失った後の秩序の下でも彼の背骨のまま残り、力で示した取り分だけを自分の所有と数える構えを保たせている。激しさの裏側には、面倒見の良さが同居している。困窮した相手を前にすると口調が不意に低くなり、金でも寝床でも、手元にある物を先に押し出す癖が出る。親を失った子供へ向ける眼差しは、とりわけ長く、進行中の掠奪計画を平然と組み替えるほどの執着を見せる。判断の速さは彼の武器で、案を練る手間を省いて先に体を動かす気質は、慎重な相棒の描く設計図と噛み合ってきた。窮地でも軽口が先に飛び出す性分で、周囲の張り詰めた空気を勝手にほどいてしまう。信を置いた相手の背中へ弾を向ける選択は彼の辞書から抜け落ちており、酔って喧嘩を始めた夜でも、相棒の分の酒は卓へ残してある。

戦闘能力

 戦い方の中心にあるのは、武装トラックによる強引な接近である。装甲を厚く盛った車体で敵陣の隙間へ突っ込み、車載砲の初弾で相手の足を止めてから、荷台の要員を降ろして制圧へ移る手順を好んだ。局所波動技術を車体の下部へ組み込み、走行中の車内だけ重力を軽く保って急旋回の負荷を逃がす小細工も使う。弾薬の補充は令咏術の錬成による現地調達へ切り替え、細い補給線の負担を速度で押し流してきた。海賊船アルパリア・レンデル号の操艦では、ルーゼリック・ワープ航法を短距離へ振り向ける荒っぽい使い方が目立つ。跳躍の精度を捨てて出現位置を敵編隊の懐へ寄せ、砲門が向き直る前に接舷して乗り込む段取りが彼の定石だ。長い大戦で身についた読みは相手の隊列の綻びを早い段階で見つけ出し、指揮系統の中枢へ最短の線で刃を届ける。素手の勝負でも短銃でも、間合いを一気に詰める速さで決着をつけ、被弾の受け止め方は乱雑なまま押し通す。船体に刻まれた傷は、報酬が入った港でまとめて塞いでいる。

語録

「積荷を数える前に乗員を数える主義でな、後の方が桁が小さくて楽に済む。俺は算術が苦手なんだ」

「命乞いは最後まで聞いてやるぞ、途中で遮るのは礼儀に反するからな。聞き終えた後の話は別口だ」

「墓標を立てる手間を省いて宇宙葬にしてやった、永遠に漂う身分は貴族連中が羨む贅沢だぞ」

「救命艇の数だけは正直に数えてやる、足りた分は俺の慈悲で、余った分は俺の取り分だ」

「悲鳴の高さで積荷の値段が読めるんだ、耳のいい海賊は帳簿を開く手間が省けて助かるって話だ」

「和平交渉には毎回出席しているぞ、卓の下で足を蹴り合う遊びが面白くてな。署名の頃には眠っている」

「俺の首を取りに来た稼ぎ屋には茶を出してやったよ、飲み終わる頃には席が空いていたな」

「地獄の話をされても困るんだ、あの門の内側で先に待っている連中の顔ぶれは、俺が一番よく知っている」

「遺言を預かる商売も始めた、届け先まで運ぶ料金は前払いでもらう。届いた分の礼状は俺の胸の内へ溜めてある」

エピソード

  • 海賊仲間の婚礼で祝砲を任され、空砲の用意を面倒がって主砲の実弾を撃ち込み、式場の隔壁ごと祝いの席を吹き飛ばした。新婦の泣き声を祝福と受け取り、上機嫌で二発目の装填を命じている。
  • 拿捕した客船で乗客から船長帽を譲られ、恐れられている自覚を忘れて避難誘導の号令まで飛ばし、救命艇の割り振りを最後まで仕切り抜いた。積荷の搬出は部下任せで、取り分の確認は港へ着いてからになった。
  • 自分の首を狙う稼ぎ屋と酒場で意気投合し、肩を組んで飲み明かした末に勘定を割り勘で片付けた。翌朝の路地では律儀に撃ち合いを始め、互いの弾が切れた頃に二日酔いの頭を抱えて解散している。
  • 部下の誕生祝いに敵の輸送船を丸ごと贈り、船体へ帆布を巻いて包装まで仕上げたうえ、甲板の中央へ堂々と据えた。追手の巡視艇も包装ごと曳いてきており、祝いの席はそのまま迎撃戦へ移った。
  • 港の慈善興行へ金庫の中身を積み上げて寄付し、壇上で市長の握手と拍手を受け取った。原資は当日の朝に同じ港の倉庫から抜いた分で、帰り際には残りの半分を抱えて船へ戻っている。
  • 船内へ潜り込んだ密航者へ飯を振る舞い、寝床を整えて三日ほど世話を焼いてやった。相手は積荷を数えに来た税関の役人で、正体が割れた後も食器の礼だけは受け取ってから甲板へ引き出された。
  • 敵艦の艦長から航路の相談を受け、海図へ最短路の印を丁寧に入れてやったうえ、暗礁帯の注意書きまで添えてやった。指し示した先は自分の船団が待ち伏せる宙域で、当日は約束通りに顔を出している。
  • 吟遊詩人の語る海賊狩りの武勇伝に感心し、卓を叩いて喝采を送り、酒の追加まで買ってやった。討たれた側が自分の船団だと気づいたのは三番目の詩節で、楽器を取り上げた後も曲の続きは所望した。
  • 遭難信号へ真っ先に駆けつけ、曳航索を掛けて乗員へ毛布を配り、暖かい飯まで用意してやった。前の週に自分の積荷を焼いた連中だと判明した後は、救助費用の請求書を積荷ごと押しつけて送り出した。

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最終更新:2026年08月04日 00:48