再晶析型テルク・フェノ冷却炉(共立英語:Recrystallised Telc-Pheno cooling generator/ RTPCG)とは、
テルク晶を燃料とし、
現象魔法によって制御・冷却される発電炉である。
概要
ラヴァンジェ諸侯連合体にて比較的一般的に利用されているテルク炉の種別の一つである。
テルク晶は
共和政クヴァルディスより、ラヴァンジェ諸侯連合体に輸入されている。しかしながら、クヴァン評議会の厳重管理に沿う形で、ラヴァンジェ政府及び
現象魔術師機関との間で安全管理を最優先とすることと燃料消費と還元がエコロジカルであることを目指すことが決定された。これによって開発されたのがRTPCGである。
発電原理
テルク晶の次元エネルギーを吸収・変換する能力を最小限かつ多発的に起こすことによって、一部をテルク晶としての再晶析化すると共に次元エネルギーを電荷としての位置エネルギー(電位)として変換を行う。原理的にテルク晶が発する次元エネルギーの全ては電位として完全に変換することは出来ないため、残った次元エネルギーを次元逆行によるテルク晶の再晶析化に用いることで継続的な発電を引き起こす。しかし、残存した次元エネルギーを次元逆行に用いる際においてもエネルギー損失が発生する(また、どれだけ効率の良い比率であれ発電効率を上げるために利用したエネルギー以上に再晶析化に用いるエネルギーはどうしても少なくなってしまう)ため、テルク晶の燃料再生成率は炉の稼働を続けるごとに減少する。これにより永久発電は不能であるが、比較的効率の良い発電性能を持ち合わせているとされる。
特に第6世代RTPCGは燃料装填より300年間の連続稼働が理論上可能(安全性担保のための点検や試験停止をしない場合に限るが)であるとされる。
安全機構
クヴァルディスの安全規範及びラヴァンジェ本国の「結晶炉規制法」に基づき、炉には一般的に以下のような安全装置が設置される。これらの安全機構は、冷却炉が暴走せずに停止させることを目的とした配管系統と安全重要機器を含む。
NEDS
次元エネルギー拡散安全系統(Nexus Energy Dissipation System)は、テルク晶から放出される次元エネルギーが制御不能なレベルに達した際に、余剰エネルギーを安全に拡散・吸収する系統である。特殊な次元エネルギー吸収材を用いた配管系統と、エネルギー拡散チャンバーからなり、急激な出力上昇時に自動的に作動するほか手動でも作動可能である。炉の暴走時に最初に起動する安全機構であり、フィルタ付きベント装置から外気へと圧力解放する役目も担う。
ACMT
自動結晶格子停止装置(Automated Crystal Matrix Terminator)は、再晶析プロセスが不安定化した場合に、テルク晶の結晶構造に直接働きかけ、次元エネルギーの放出を即時に抑制する。緊急時には現象魔法による制御信号を送り、結晶構造を一時的に安定形態へと強制変換する。ACMTはA系統からD系統までの四系統が設置されており、一つの系統が動作停止しても、安全性が担保される。
ERTS
緊急再晶析停止装置(Emergency Recrystallization Termination Sequence)は、再晶析プロセスを緊急停止させ、テルク晶を安全な不活性状態に移行させるシステムである。異常検知時には強力な現象魔法パルスを発生させて再晶析反応を即時終了させる。反応停止後はテルク晶を安全冷却モードに移行させ、安定化に寄与する。ERTSは再晶析プロセスの異常においては最優先の選択肢となる安全装置である。
DMCB
次元暴走封じ込め障壁(Dimensional Meltdown Containment Barrier)は、RTPCG事故の最悪のシナリオである「次元暴走」が発生した場合に、その影響を炉心内に封じ込める最終防護壁である。次元エネルギーの暴走が安全機構によって制御できない場合は、特殊な次元安定化材料で構成された多層バリアと強力な現象魔法結界の組み合わせによって外部への影響を留めることが出来る。事故の影響を最低限にする最後の砦である。
最終更新:2025年07月25日 18:32