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実況パワフルプロ野球シリーズ@2chエロパロ板まとめwiki

未来への翼1-1

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匿名ユーザー

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―――そう、それは何の突拍子も無い、1人の女の子の天邪鬼で始まった。

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2年生も、もう残り僅かという、そんな時期の出来事だった。
まだ肌寒いこの季節、オレは部活の練習が終わると、殆ど毎日お決まりのように野球カバンを担い
で家までランニングして帰る。帰ってからの自主練には、身体を充分に温めておく必要があるからだ。
ただ、その日は聖ちゃんに「みずきが呼んでる」というようなことを言われて、しぶしぶみずきちゃん
のご機嫌伺いに行った。その矢先のことだ。

「しばらく同棲するから荷物まとめておいてね、月野くん」
「‥へ?」

はて、『同棲』って何だっけか?そんな思考が一番最初に働いた。
"[名詞](スル)同じ所に住むこと。正式に結婚していない男女が同じ家で一緒に暮らすこと。"
辞書にはこういう風に書いてある。

「え、ちょ、待ってよみずきちゃん‥、いきなり何‥」
「だーかーらー、同棲するよ、って言ってるの」
「誰が」
「あたしと、月野くんが」

はぁ?

動揺こそしなかったが、オレはあまりにいきなり過ぎる天邪鬼に次の言葉を失った。

「ああ、安心してね、おじいちゃんには「卒業まで」って言って説得したら了承してくれたから」
「いや‥まぁ‥、それはまあそれで良いとして、何でいきなり同棲?」
「ん~?何かそっちのがそれっぽくない?」
「何だ、そりゃ‥」

それって要するに一緒に住むことで、より実践にちかいフィアンセを演じろ、ってことじゃないのか。
あとそれを容認するみずきちゃんのおじいさんもおじいさんだ。いくら表面上の婚約者だと知らない
からといっても、お年頃である高校生の孫娘の同棲を認めるのはどうかしてる。
第一、みずきちゃんのおじいさんは聖名子さんが家を出ることに反対したんじゃないのか。

「ていうか卒業まで、って何だよ」
「ああ、それね、もし月野くんがプロに入れなかった時の保険、かな?」
「何、保険って」

オレがそう質問すると、みずきちゃんはパンッと両手を合わせて笑顔を見せると、「良い質問ね」と、
そのまま言葉を続ける。

「ほら、男女が一緒に住んでれば"何か無い訳が無い"じゃない?いざとなったら『月野くんの赤ちゃん
できちゃった』って言えば何とかおじいちゃんの決めた相手と結婚せずに済むじゃない」
「おいおい‥そうなったらオレ、きっと両足コンクリで固められて東京湾のど真ん中に沈められそう‥」
「じゃあ、そうならないように頑張ってプロ入りしてね♪」

オレは1つ深い溜息を吐いた。肩の荷は重くなる一方だ。

「大丈夫よ、月野くんは元々野球センスに恵まれてるんだしさ、ストレートなんか高校生じゃ有り得ない
くらい速いし、得意のドロップだってプロでもそうそう簡単に打てるものじゃないもの」
「そうは言ってもだねぇ‥」

確かにオレは野球センスには恵まれていた。中学3年生の頃には既に身長が180あったし、幼い頃
から野球バカで、プロ野球選手の真似事なんかやってる内に、何故か投げるボールがみんなジャイロ
回転になるという運まで持っている。あと補足で、指先が器用で特殊な変化球も得意だ。
でもだからといって、いつも結果を残してきた訳ではない。

つい最近の大会で何とか県ベスト4まで上り詰めたものの、こんな寄せ集めの部員で構成された野
球部では、打てない受けない走れないの三拍子が見事に揃っている。
当然のことながら、スカウトは目もくれず、みずきちゃんは兎も角として、正直オレについての評価は
良くて『そこそこ』、悪くて『誰‥?あいつ』といったところ。ついでに他チームからもノーマークだ。
またそれ以前の大会は言うまでもないだろう。

「やっぱりおじいさんに正直に話そうよ、オレ同棲とかしてまでリアルな嘘付きたくないって」
「だから前にも言ったでしょ?おじいちゃんに二言目は通用しないの、ああ言ってしまった以上、残さ
れた道は1つ、月野くんがプロ入りして、近い将来あたしをお嫁さんにする、それしかないの」
「―――‥はい??‥ちょっとタンマ、何、その人生設計」
「ん?」
「いや、ん?とかじゃなくてさ、何?そのお嫁さんって?誰が誰の嫁になるの?」
「あたしが月野くんのお嫁さんになるんだけど?何、不満なの?」

はて、そこまで演技する必要あるのか?
いやいやっ、そうじゃなくて‥何?結婚する気なの?この小娘は‥。

「本気で言ってるの‥?それ」
「うん、フィアンセなんだから、よっぽどのことがないと別れたりしないっしょ?ね、ダーリン♡」
「‥嫌じゃないの?そんな成り行きで結婚するとかさ」
「もう‥さっき言ったでしょ、月野くんがプロ入りできなかったら赤ちゃん作るって、あたし、それくらい
の覚悟はちゃんとできてるよ?もちろん、それは最悪を考えた場合の選択肢だけどね。それにさ、い
いなづけなんて絶対やだもの、あたしの相手はあたしが決めるの」

オレは隣で淡々と話すみずきちゃんを見て、しっかりしているな、なんて、そんな寝惚けた事は一瞬
でも思っちゃいない。開いた口が塞がらない、とは、まさにこのことだ。
最悪、子供を作って『できちゃった』、プロ入りしたとしてもオレとみずきちゃんのフィアンセという関係
は変わらず、近い将来に結婚。しかもそれまでの間は、喜んで良いやら悲しんで良いやらの、みずき
ちゃんとの同棲生活。一番怖いのはこれだ。毎日あの天邪鬼娘のご機嫌伺いだなんて。
一体何の自主罰ゲームだよ。本編を無視しているにも程がありゃしないか。


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