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思わぬ麗菜ちゃんの乱入で頭がごっちゃごちゃになっていた。
いつものように自宅で自主練習しているのだが、考え事をしながらの自主練習は思ったより捗らず、
オレはシャドーピッチングに使っていたタオルを、置いてあった洗濯籠に放り投げた。
不満は無いが、色々不安がある。
いつものように自宅で自主練習しているのだが、考え事をしながらの自主練習は思ったより捗らず、
オレはシャドーピッチングに使っていたタオルを、置いてあった洗濯籠に放り投げた。
不満は無いが、色々不安がある。
明日から同棲が始まる。
一つ屋根の下で3人の女の子と生活する訳なのだが、正直オレは女の子と付き合ったことなんて殆
ど無いし、女の子の私生活が極々身近になってしまうことに対して、オレは本当に免疫が無い。
みずきちゃんとの婚約の話だって、実際それらしいことは何もしていない。
唯一このペンダントくらいか…。
一つ屋根の下で3人の女の子と生活する訳なのだが、正直オレは女の子と付き合ったことなんて殆
ど無いし、女の子の私生活が極々身近になってしまうことに対して、オレは本当に免疫が無い。
みずきちゃんとの婚約の話だって、実際それらしいことは何もしていない。
唯一このペンダントくらいか…。
「『本当に好きな人ができた時に』、ねぇ…」
みずきちゃんはそのことを覚えていながら、オレにこれを渡したんだろうか。
ただ単におじいさんを偽るためだけに…。
それとも、もし結婚の話が本当なら、これはそういう意味として持っていても良いのだろうか。
ただ単におじいさんを偽るためだけに…。
それとも、もし結婚の話が本当なら、これはそういう意味として持っていても良いのだろうか。
「あー…訳分かんなくなってきた…」
少しムシャクシャしている。晩ご飯の時に、家族に『同棲するから卒業まで家を出る』ことを話したの
だが、何故かお祝いされてしまった。親としては反対してくれると気持ち的に楽だったんだが。
だが、何故かお祝いされてしまった。親としては反対してくれると気持ち的に楽だったんだが。
「もういいや…、それよかロードワークロードワーク…」
オレは放り投げたタオルを手に取って首にかける。
真っ暗になってしまった夜のパワフルタウンを駆けていく。現在2月の半ばなのだが、夜の風はまだ
かなり冷たく、ジャージを羽織っていないと風邪を引いてしまいそうだった。
真っ暗になってしまった夜のパワフルタウンを駆けていく。現在2月の半ばなのだが、夜の風はまだ
かなり冷たく、ジャージを羽織っていないと風邪を引いてしまいそうだった。
ロードワークは決まって2キロほど先にあるパワフル公園で一旦休憩するようにしている。
公園の水道の水を頭から被ってみる。
キンキンに冷たい水が、ムシャクシャして血が上っていた頭を冷やしてくれる。
公園の水道の水を頭から被ってみる。
キンキンに冷たい水が、ムシャクシャして血が上っていた頭を冷やしてくれる。
「同棲か…」
考えようによってはおいしい話だ。こんな野球しかできないような男と、女の子3人が一緒に暮らす。
それも、将来自分の奥さんになるかもしれない女の子とだ。明確なところは見えてこないものの、3人
とも、オレを1人の男として扱ってくれているだろうことは、先日からの会話で見て取れる。
それも、将来自分の奥さんになるかもしれない女の子とだ。明確なところは見えてこないものの、3人
とも、オレを1人の男として扱ってくれているだろうことは、先日からの会話で見て取れる。
みずきちゃんは曖昧だが、ペンダントに結婚の話、色々あるけど少なくとも友達以上、恋人未満であ
ることは間違いないし、麗菜ちゃんに関して言えば曲がりなりにもオレのことを想ってくれている。あと
聖ちゃんなんかは、オレのこと『先輩としてとても大切な人』だとも言ってくれていた。
その後"あなた"なんて呼び方もされたりしたが…。
ることは間違いないし、麗菜ちゃんに関して言えば曲がりなりにもオレのことを想ってくれている。あと
聖ちゃんなんかは、オレのこと『先輩としてとても大切な人』だとも言ってくれていた。
その後"あなた"なんて呼び方もされたりしたが…。
世間体でものを考えていただけに、自分がどれだけ想ってもらっているか、今やっと気が付いた。
一夫多妻なんて許されないんだろうけど…さ。
一夫多妻なんて許されないんだろうけど…さ。
「頭冷やして良かった、かな…」
ドカッとベンチに座る。
考えが何となくまとまった。何にしても、今はとりあえずみずきちゃんのフィアンセで居よう。
同棲といっても、別に何かある訳でもな――…
考えが何となくまとまった。何にしても、今はとりあえずみずきちゃんのフィアンセで居よう。
同棲といっても、別に何かある訳でもな――…
「…」
―――ほら、男女が一緒に住んでれば"何か無い訳が無い"じゃない?
う、うわああああぁああぁぁああぁ!!
だめだー!やっぱり不安だー!!
だめだー!やっぱり不安だー!!
「何をそんな切羽詰った表情をしてるのよ、月野くん」
「うえ!?」
「うえって…、忘れちゃった?あたしの顔」
「あ…、ああ…木乃葉さん…」
「うえ!?」
「うえって…、忘れちゃった?あたしの顔」
「あ…、ああ…木乃葉さん…」
そこにいた女性は数ヶ月前、丁度みずきちゃんの婚約者にさせられる頃まで付き合っていた女性、
森野 木乃葉さんだった。別れ方が誤解というだけに、どうしても心残りだった女性だ。
森野 木乃葉さんだった。別れ方が誤解というだけに、どうしても心残りだった女性だ。
「久しぶり、こんな時間まで頑張るね」
「まあ…将来飯食ってくのに必要なことだから…」
「うん、君はやっぱりそうでないとね、で、何かあったの?新しい恋人と喧嘩でもした?」
「オレ、木乃葉さんと別れてから恋人なんて1人もいませんよ」
「まあ…将来飯食ってくのに必要なことだから…」
「うん、君はやっぱりそうでないとね、で、何かあったの?新しい恋人と喧嘩でもした?」
「オレ、木乃葉さんと別れてから恋人なんて1人もいませんよ」
これから恋人になるかもしれない女の子なら3人いるけど…。
「ははは…知ってる、言ってみただけ…、後で調べてさ…あの子を野球させる為に仕方なく、だったん
だね…、凄く後悔した…、泣いても泣いても泣きたりなくてさ…初めてだったから…」
「初めてだったんだ…」
「うん、恋もキスも、アッチの方もね、君が全部初めて…」
だね…、凄く後悔した…、泣いても泣いても泣きたりなくてさ…初めてだったから…」
「初めてだったんだ…」
「うん、恋もキスも、アッチの方もね、君が全部初めて…」
知らなかった。自由気ままな猫みたいな女性だったから、もうどこかで経験してるかと思っていた。
木乃葉さんはオレの隣に座ると、身体を寄せてきた。
木乃葉さんはオレの隣に座ると、身体を寄せてきた。
「こ、木乃葉さん…?」
「何かあった…?あたしで良かったらさ、相談に乗るよ?月野くんの力になりたい…」
「でも…聞いたらきっと木乃葉さんオレの事軽蔑する…」
「しないよ、どうせあの女の子とか関係してるんでしょ?何でも、相談に乗るからさ…」
「何かあった…?あたしで良かったらさ、相談に乗るよ?月野くんの力になりたい…」
「でも…聞いたらきっと木乃葉さんオレの事軽蔑する…」
「しないよ、どうせあの女の子とか関係してるんでしょ?何でも、相談に乗るからさ…」
木乃葉さんがピッタリと身体をくっつけてきた。
何だろう、木乃葉さんとこうしていると、凄く落ち着く感じがした。ここで木乃葉さんと話して、初めて、
自分の不安を聞いてくれる人が現れたのが、オレには嬉しかった。
オレは口を開く。木乃葉さんは静かにオレの話に耳を傾けていてくれた。
何だろう、木乃葉さんとこうしていると、凄く落ち着く感じがした。ここで木乃葉さんと話して、初めて、
自分の不安を聞いてくれる人が現れたのが、オレには嬉しかった。
オレは口を開く。木乃葉さんは静かにオレの話に耳を傾けていてくれた。
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