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「そっか、月野くん、かなりモテるんだね」
「…ひいた?普通ひくよね、オレが優柔不断なばっかりにさ…」
「ううん、そんなことないよ、月野くんは優しい人だもの、きっと、そんなところに惹かれていくのね」
「木乃葉さん?」
「…ひいた?普通ひくよね、オレが優柔不断なばっかりにさ…」
「ううん、そんなことないよ、月野くんは優しい人だもの、きっと、そんなところに惹かれていくのね」
「木乃葉さん?」
木乃葉さんはベンチから立ち上がると、髪留めを取ってオレを振り返った。木乃葉さんの長い髪が、
如月の風に踊る。淡い笑みを浮かべ、オレを真っ直ぐに見つめている木乃葉さんは、どこか神秘的な
感じがした。…そういえば年上のお姉さんなんだよな。
そんなことを考えていると、木乃葉さんはスゥ…と深く息をした。
如月の風に踊る。淡い笑みを浮かべ、オレを真っ直ぐに見つめている木乃葉さんは、どこか神秘的な
感じがした。…そういえば年上のお姉さんなんだよな。
そんなことを考えていると、木乃葉さんはスゥ…と深く息をした。
「…ふぅ……、好き…、私、月野くんのことが大好き」
「え、あ、えぇ?」
「私、月野くんの何番目だって構わないよ、一緒に居たいの…月野くんの、傍に…」
「こ、木乃葉さん…??」
「え、あ、えぇ?」
「私、月野くんの何番目だって構わないよ、一緒に居たいの…月野くんの、傍に…」
「こ、木乃葉さん…??」
木乃葉さんは訴えるような目でオレにそう言った。
言い方を変えれば、これは恐らく『一緒に暮らしたい』という意味になるだろう。木乃葉さんもそういう
意味での告白だったに違いない。
みずきちゃん達とは違う、はっきりと伝わってくる、木乃葉さんのオレへの気持ち。
今はそれが、どこか息苦しい…。胸が締め付けられるような感覚だった。
言い方を変えれば、これは恐らく『一緒に暮らしたい』という意味になるだろう。木乃葉さんもそういう
意味での告白だったに違いない。
みずきちゃん達とは違う、はっきりと伝わってくる、木乃葉さんのオレへの気持ち。
今はそれが、どこか息苦しい…。胸が締め付けられるような感覚だった。
「鬱陶しい女って思われるかもしれない、でも…でもだって…、仕方ないじゃない…、こんなに好きだっ
たのにさ、誤解のまま終わっちゃうなんて嫌だったんだもんッ!」
「で、でも…、オレもう同棲とか…」
「それでも良いよ…、言ったでしょ?何番目でも良いの…」
たのにさ、誤解のまま終わっちゃうなんて嫌だったんだもんッ!」
「で、でも…、オレもう同棲とか…」
「それでも良いよ…、言ったでしょ?何番目でも良いの…」
―――…順位なんて…付けられるはずがない。
逃げ出してしまいそうだった。ただ、逃げればきっと木乃葉さんを傷つけることになる。逃げることは
こんなにオレのことを好きでいてくれる女性に、『あれは誤解だったけど別れたものは仕方がない』と
言ってしまうようなものだった。そんなこと、オレにはできない。
こんなにオレのことを好きでいてくれる女性に、『あれは誤解だったけど別れたものは仕方がない』と
言ってしまうようなものだった。そんなこと、オレにはできない。
「…オレも、好きだよ、木乃葉さんのこと」
「…!」
「オレも木乃葉さんに傍に居てほしい、けど…、オレ、一番心配なのは将来なんだ」
「将来…」
「…!」
「オレも木乃葉さんに傍に居てほしい、けど…、オレ、一番心配なのは将来なんだ」
「将来…」
そう、全てはそこに尽きる。
みずきちゃん達がもし、オレと将来的にも一緒に暮らすような関係になれば、オレはみんなを養って
いけるだけの金を稼がないといけない。それが社会に認められないことだとしても、女の子の方から
オレに別れを告げない限りは、誰か1人を選ぶことなんて、オレにはできない。
だからこそ金が必要になる。オレが唯一金を稼ぐことのできることといえば、野球だけ。それも、そこ
ら辺でやっているアマチュア野球とは訳が違う、プロ野球だ。
いけるだけの金を稼がないといけない。それが社会に認められないことだとしても、女の子の方から
オレに別れを告げない限りは、誰か1人を選ぶことなんて、オレにはできない。
だからこそ金が必要になる。オレが唯一金を稼ぐことのできることといえば、野球だけ。それも、そこ
ら辺でやっているアマチュア野球とは訳が違う、プロ野球だ。
正直なところ、オレはプロに行くことが難しいかもしれないのだ。確かにみずきちゃんの言うとおり、
周囲を黙らせるだけの実力はあるのかもしれない。でも、2年間頑張って県大会のベスト4止まり。
寄せ集めの部員を恨んでいる訳じゃない。でも、このままではスカウトは見向きもしてくれない。
将来を真剣に考えるなら、同棲なんてしている場合じゃない…。
少しでも可能性が残されているのならば…。
周囲を黙らせるだけの実力はあるのかもしれない。でも、2年間頑張って県大会のベスト4止まり。
寄せ集めの部員を恨んでいる訳じゃない。でも、このままではスカウトは見向きもしてくれない。
将来を真剣に考えるなら、同棲なんてしている場合じゃない…。
少しでも可能性が残されているのならば…。
…――願わくば甲子園のマウンドで――…
「みずきちゃん達が冗談で同棲しようとしているとは思えない、だったらオレは彼女達を養っていける
人間にならないといけない…、だからこそオレはプロ入りしなきゃいけないのに、オレがプロになれる
のはきっと、この先の"運"なんだ…」
「…なれるよ」
「え…」
「なれるよ、なれるんだもん…月野くんは、絶対プロになるんだもん…」
「こ、木乃葉さ…何で泣い…」
「泣いてない!泣いてッないもん!泣いて…ないッん、だ、からぁ!!」
人間にならないといけない…、だからこそオレはプロ入りしなきゃいけないのに、オレがプロになれる
のはきっと、この先の"運"なんだ…」
「…なれるよ」
「え…」
「なれるよ、なれるんだもん…月野くんは、絶対プロになるんだもん…」
「こ、木乃葉さ…何で泣い…」
「泣いてない!泣いてッないもん!泣いて…ないッん、だ、からぁ!!」
初めて見た、木乃葉さんの涙。
胸の奥が締め付けられた。何故か、罪悪感のようなものを感じてしまう。
胸の奥が締め付けられた。何故か、罪悪感のようなものを感じてしまう。
「どうして!?どうしてその子達は良くて、私は駄目なのッ、ずるいよ…ずるいよ!そんなのッ」
「ず、ずるいって…」
「私だって月野くんと一緒にいたいんだもんッ!愛してるのッ、収まらないのよ!付き合い始めてから
ずっと、殆ど毎日ってくらい…、月野くんのこと考えて、ベッドの…上で…し、してたんだから!」
「ず、ずるいって…」
「私だって月野くんと一緒にいたいんだもんッ!愛してるのッ、収まらないのよ!付き合い始めてから
ずっと、殆ど毎日ってくらい…、月野くんのこと考えて、ベッドの…上で…し、してたんだから!」
オレに縋るように抱きついてくる木乃葉さん。プロポーションの良い木乃葉さんの身体が、小刻みに
震えていた。木乃葉さんが泣いている。オレが、泣かした…。
何だろう、罪悪感が増していく。
震えていた。木乃葉さんが泣いている。オレが、泣かした…。
何だろう、罪悪感が増していく。
「木乃葉さん落ち着いて…」
「う、うぅ…っ…せめて…」
「…ん、何?」
「せめて…、時々会いに行っても良いでしょ…?会うだけで良いから…」
「う、うぅ…っ…せめて…」
「…ん、何?」
「せめて…、時々会いに行っても良いでしょ…?会うだけで良いから…」
訴えかけるような眼差しに、オレは木乃葉さんを断ることができなかった。
オレは木乃葉さんをギュッと抱きしめた。何だか歳が逆みたいだけど…、抱きしめないといけない気
がした。というか、これはオレが泣かせたんだし…。
オレは木乃葉さんをギュッと抱きしめた。何だか歳が逆みたいだけど…、抱きしめないといけない気
がした。というか、これはオレが泣かせたんだし…。
「う、ん…時々で良いなら…会うから…、だからもう泣かないで…」
「ん……、住所」
「何?」
「住所教えて…、同棲するとこの…」
「えと、『パワフルマンション』ってパワフル大学の近くにあるマンションの5階の573号室だよ」
「え…うそっ」
「ん……、住所」
「何?」
「住所教えて…、同棲するとこの…」
「えと、『パワフルマンション』ってパワフル大学の近くにあるマンションの5階の573号室だよ」
「え…うそっ」
オレが住所を言うと木乃葉さんはガバッと顔を上げた。
「わ、私の…部屋の隣じゃない…」
「え…」
「隣、だ…隣…、あはっ…あははははははっ」
「え…」
「隣、だ…隣…、あはっ…あははははははっ」
木乃葉さんは急に笑い出すと、衝撃的な事実に固まっているオレの唇を奪った。そのまま首の後ろ
で腕をロックされ、強く激しいディープキスが公園のベンチで繰り広げられる。
殆ど木乃葉さんが主導権を握っているようなキスだった。
で腕をロックされ、強く激しいディープキスが公園のベンチで繰り広げられる。
殆ど木乃葉さんが主導権を握っているようなキスだった。
その日、木乃葉さんとも恋仲になったのは、言うまでもない。
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