目次
Part31
1つ目(>>84)
「たーだいまー、ってなんやオグリ先帰っとったんか」
「あ、ああ……。おかえりタマ」
「いや驚いたわ! なんや自分ようやっと道覚えられたんか!? 成長したなオグリ!」
「い、いや、途中まではイチと一緒だったんだ」
「は? なんやイチちゃんと一緒やったんか」
「そう、イチと一緒に……」
(ん? なんや? 妙なことになっとるやん。心ここにあらずやし)
(それにみょ~に甘ったるい雰囲気だすやん)
「よし! 腹減ったやろ? オグリ飯でも行こか!」
「うん……」
「うちが奢ったるさかい! 高いもんでもなんでも好きなだけ食べや!」
「うん……」
「ほんなら小盛り海鮮丼にしよか?」
「うん……」
「って、そこはなんでやねん! って突っ込むとこやろ‼」
「うん……」
(ん~? なんや本格的にあかんことになっとるやん)
(顔赤いし風でも引いたか? ほっぺたなんか抑えとるし……)
(ん? ほっぺた?)
「さては、オグリ~」
「!?」
「イチちゃんにキスでもされたんか!?」
「ば!? ばばばばば、馬鹿なこと言わないでくれタマ‼ そんなことない! ないったらない! うん、絶対にない!」
「ほんまか~?」
「ああ! 本当だとも!」
「ほっぺにリップのあと残ってんで」
「な!?」
「なーんてな? 冗談や冗談! なはははは!」
「え、あ──」
「あはははは……、は? え? なんやその反応?」
「う、ううう……」
「……え、マジなん?」
「うううううううぅぅぅ~……」
Part33
1つ目
(>>146)
夏休み終わりの切り替えが一番うまいのはイチちゃん
一番引きずるのはモニちゃん
意外に引きずって休みボケしてそうなベリちゃん
常時平常運転なのはグリちゃん
(>>149)
モニー「今日は登校日なんだ」
(>>150)
「今日は登校日なんだ」
「……は?」
「今日は登校日なんだ」
「いや、あれどしたん?」
「朝起きてからずっとこんな調子なんです」
「今日は登校日なんだ」
「いや、しっかりせーやモニちゃん」
「今日は登校日なんだ」
「んなおかしなこといっとらんで──」
「……あの~、タマ先輩?」
「今日は登校日なんだ」
「今日は登校日なんや」
「伝染った!?」
Part34
1つ目
秋ということで秋にちなんだ料理を振る舞うことになったイチちゃんたち
栗ご飯、サンマの塩焼き、しいたけの炭火焼き、さつまいもを使った菓子類など数多くの料理が作られていく
どうせまた前みたいに何度もおかわりしに来るんだろうなと思っていたら案の定目をしいたけみたいに輝かせて食べ終わる度に何度も並ぶ芦毛、日本総大将、影の刺客
今度はしっかり言ってやらなければと軽く咳払いをして叱り飛ばそうとすると、視界の端にもう一人芦毛の姿が
誰だろうとそちらに目をやってみるとどう見てもメジロの名優の姿が
さすがに恥じらいはあったのか顔には欧州で見かけるようなアイマスクを付けて誤魔化していた
「……マックイーンちゃんですよね?」
「人違い、もといウマ違いですわ。私は秋のお菓子をこよなく愛する人呼んで”メジロマスク”ですわ」
いろいろ突っ込みたいところであったが、力なくため息を吐くと4人に料理を振る舞ってやるのでした
Part35
~玄関先に何故かいた子猫を見たときの反応集~
~玄関先に何故かいた子猫を見たときの反応集~
モニ「どうしようイチ~。玄関前に子猫いたんだけど~」
イチ「そのうち親猫が迎えに来るからそっとしときなさい」
◇
クリーク「イチちゃんどうしましょ~。今そこに子猫がいたんですけど……」
イチ「ああ、さっきモニーから聞きました。たぶん親猫が迎えに来るから大丈夫ですよ」
クリーク「地べたに直接は可愛そうだからダンボールを下に敷いて上げたんですけど……」
イチ「まあ、それくらいなら大丈夫じゃないですかね」
◇
オグリ「イチ、この子なんだけど──」
イチ「な ん で 連 れ て き ちゃ っ た の !?」
Part36
その1(>>105)
ふと、目が覚めてしまったモニー
携帯をいじろうにも特に面白いものもなく手持ち無沙汰になってしまう。
仕方がないので体を起こしなにか飲もうかと部屋内の冷蔵庫を開けてみるがあいにく冷蔵庫内は空っぽだった。ため息をつきながら寮のダイニングルームへ向かう。
暗い部屋の中何を飲もうか物色していると突然室内が明るくなる。
「こんなところで何をしているのかな?ポニーちゃん?」
体を固まらせ振り返ってみれば腕組みして立っているパジャマ姿のフジ寮長とエアグルーヴ。
慌てて訳を話すモニー。
それを聞いて二三言説教をするフジとエアグルーヴ。
正座をしながらそれを聞くモニーだったが不意に甘く温かい香りが鼻をくすぐる。
顔を上げてみればエアグルーヴがホットココアを入れてくれていた。
ダイニングの机を囲んでホットココアを頂きながら互いに眠くなるまで談笑を続けた。
話の内容は主にタマ先輩と惚気だったのだが
その2(>>117)
ハロウィンのお菓子を作り終えて一息つこうとした瞬間現れる影
「メジログリーン!!」
「スペシャルレッドです!!」
「ろ、ローズブルー」
「カサマツイエロー」
イチ「ええ……」
その3(>>181)
吾輩は猫である。名前はまだない──というのは今は昔の話。現在は畏れ多くも我がご主人からキンギョと言う名を賜っている。
生まれた場所には皆目検討もつかぬがこうして生きている以上母親がいたのは事実。なれど、ようやく我が眼が開くようになっても母はその姿をすっかり隠し終ぞ対面は叶わなかった。
捨てられたかはたまた忘れ去られたか、あるいはどこぞで襲われたか。そのあたりのことは定かではなかったが、ただ一つ分かっていたのはこのままでは生まれて間もない我が生命はあっという間に失われてしまうということだ。
冷たく硬い地面の上で必死にニャーニャー喚いてみても一向に姿を表さない母。鳴き疲れてぐったりその身を投げ出しすように横たわっていた私に覆いかぶさるように黒い影が指す。
目だけを動かし影の主を見てみれば、二本足の巨木のごとく高々とした何か。おまけに頭の天辺には2つの突起がぴこりぴこりと忙しなく揺れている。
そんな生まれて初めて出会った何かと目があった。
これが吾輩とウマ娘のある意味奇跡の出会いにござい。