機体設計について

ロボクラフトにおける強い機体とは何か

https://web.archive.org/web/20200921051245/https://beehivegaming.ga/blog/2019/03/11/how-to-make-strong-robot/
これはかつて存在した記事の魚拓である。画像が存在しないので見づらいが、これから書かれることは上記の記事を大元としている。気になる方はどうぞ。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/19NcNYMFHartyMoAjplOCPB2cu-iztbHFpX4i19eHyhQ/edit#gid=1633892372
パーツのマスターデータ。
更新時バージョン:1.18.1-2855


目次

基本的な概念

CPUを使い切る

このゲームは過去「ブースト」というシステムが存在した。詳しくはこちら。
https://w.atwiki.jp/robocraft/pages/507.html
https://w.atwiki.jp/robocraft/pages/508.html
https://w.atwiki.jp/robocraft/pages/509.html
このうち、スピードブーストのみが現在も存在しており、ヘルスブースト、ダメージブーストは存在しない。スピードブーストに関してはマスターデータの「movement」に記載されているのでご参照されたし。
かつてはCPUを使い切らないことによって得るメリットがあったが、現在はない。
使い得。
またrobocraftの機体破壊判定、つまりデスは、パーツが破壊され、機体全体のCPUが20%を下回った時に起きる。
単純に考えると、CPUが2000使われている機体と、CPUが100しか使われていない機体では、CPUが100の機体の方が圧倒的に死にやすい。
CPUは使い切ろう。

豆腐が基本

このゲームはパーツごとに破壊判定がある。



この2つの機体の赤いブロックを撃った時どうなるか。



こうなる。
十字形の機体は全体の4分の1しか残らない。
パーツ同士の繋がり、接続が切れた場合、
最もCPUが多い部分が残り、他は破壊される。
パーツ同士がお互いに繋がっていれば繋がっているほど、千切れる可能性が減り、効率が良い。
故に豆腐型が基本になる。
また、カメラコントロール(基本設定)の場合、撃ち合うと正面から被弾することが多い。
ヒットボックスの観点からも、立方体よりも、前後に長い直方体の形が良い。

機体設定


現在基本設定はカメラコントロールである。
  • カメラコントロール。通称カメコン。
カメラが向いた方向に機体の左右方向の向きが追従する。
  • カメラを相対的に傾ける。通称tilt、ティルトとも呼ばれる。
通常のカメコンの左右方向に加え、上下方向にも機体の向きが追従する。
特にドローンやホバコプは基本的にこの設定をonにする。
  • フェイスカメラに変換するタンク
タンク、タイヤ、羽において。
停止状態の時にもカメラに追従して機体が左右に旋回する。
通常は車と同じように前後に動くことによってのみ、機体の向きが変わる。
  • サイドウェイドライビング
タンク、タイヤ、羽において。
カメラの向きだけでなく、キーボード、(通常A,D)の左右の入力も受け付けるようになる。擬似的なキボコンが可能になる。

小さい速い硬い

恐らくどのシューティングゲームにおいても、この3つの要素は重要だろう。
弾を避けやすい、遮蔽物に隠れやすい、移動時間が短い、長く戦闘を行える。
故に、CPUを使い切った上で、出来る限り、小さく、速く、硬い機体が強い。

有効な武装

死に砲について
射角の限界や自機の一部に当たることで、敵に弾丸が飛ばない武器、砲塔のこと。現在、Robocraftの武器は死に砲になっている武器から発射されず、無駄に電力を消費しない仕様になっている。(ただしペナルティのリロードタイムの累積はある)

最大有効搭載数について
最大有効搭載数を満たしていない武器は、最大効率を発揮できないため弱い。また最大有効搭載数ちょうどしか積んでいないと、撃ち合っているとすぐに効率が落ちるため弱い。基本的には最大有効搭載数の2倍から2.5倍積むのが良い。また、原則的に耐久値が伸びれば伸びるほど、武器の本数も多い方が良い。生存時間と継続戦闘時間を同等にするため。

移動性能、機体の種類

詰める、逃げる共々移動性能が高い方が良い。
そのため、速度と走破性が高い方が良い。
また、移動できない状態、通称置き物になってしまう機体は良くない。

このゲームにおける機体は、移動能力の観点から主に4種類に分けることが出来る。
  • 地上機(カメコン、キボコン)
  • 航空機(キボコン)
  • 半地上機、半航空機(カメコン)
  • ドローン(カメコン、ティルト有り)*1
の4種類である。

地上機

  • 長所
ヘルスを高くしやすい
  • 短所
三次元的な動きが出来ない

タンク、タイヤ、メカ足、スプ足、虫足、ホバー、また、それらの複合機体である。
タンク、タイヤは虫足、メカ足、スプ足はホバーをサブムーブメントとして積むことが多い。
空を飛べないので、上の遮蔽物を利用されると弱い。

航空機

  • 長所
三次元的な動きが可能
  • 短所
ヒットスキャン系の武器に弱い
地上や閉所、BAのキャプ上での戦闘が難しい

羽、ラダーを用いたキボコン操作の機体。ホバーが内蔵されていない場合、純羽と称される。
練度次第では予測されにくい動きが出来る。
カメコン機のような細かい遮蔽物の使い方がしづらく、ヒットスキャン系の武器に弱い。
カメコンでの羽機の操作は推奨しない。左右の動きが弱く、移動性能が低いと言える。

ドローン

  • 長所
ヒットボックスが小さい
上下の動きが速い
三次元的な動きが可能
  • 短所
総ヘルスが少ない

スラスターを上下左右前後に搭載し、それを動力源に移動する機体。
縦羽、縦ラダーによって機体の安定性を高める。
主にプロペラによって動きを担保する場合、ペラドローンと称される。
ヒットボックスが小さいが、ヒットスキャン系で弾を当ててくる相手には弱い。
また、後ろの方向舵を壊されると動きが不安定になりがち。
地上や閉所では長所を生かしづらい。

半地上機、半航空機

  • 長所
三次元的な動きが可能
地上での戦闘も可能
  • 短所
器用貧乏に陥る可能性がある

代表的な例として羽脚、羽ホバ、コプ脚、ホバコプなどの機体があげられる。
これらの機体の定義はムーブメントが複数あり、地上、空中どちらにも移動出来ることである。
いずれの機体も基本的にホバーを内蔵している。
この内、半航空機はホバコプのみである。空中での戦闘を基本にしながら、地上での戦闘も可能である。
他は全て地上での戦闘を基本にしながら、航空性能もある機体であり、半地上機に定義づけられる。

これだけ書くと、半地上機、半航空機が最も優れているように思える。*2
しかし、3次元的な動きが可能であっても、スピードが遅い、ヘルスが低く壊されやすく、効率が悪い、などの理由により、特化された機体の方が強い時、メタにならない場合もある。

武器、ムーブメントの相性

武器同士について

現在、使えるロードアウトは3つである。

方向としては主に2つある。
1なんでも出来るロードアウト
2役割に特化したロードアウト

1については遠距離武器と近接武器の組み合わせである。この方向性でこのゲームにおいてメタだったのは、レーザー+IND(メガSMGとINDを略し、メイドと呼ばれる)レール+IND(レイド)である。残りのロードアウトはWEM,DSM,BLMのいずれかだった。
2について、遠距離戦に特化したドローンや、近距離、キャプ上に特化したモルインド(モルタル+IND)、IDEタンク、(DSM,EMP,IDE)などである。
レザコプなどは、モジュール、相手次第では1と2、どちらでもあると言える。

これは環境によって左右されるので甲乙つけられるものではなく、ある程度グラデーションであり、はっきり区別出来るものではないし、する必要もない。

ここにおいて重要なのは、役割があるロードアウトにすべきということである。
例えば、地上機にプラズマ、テスラ、IONを積んで出来ることは何か。
近距離戦でしかない。
それら全てを積むよりも、いずれかの武器を活かすようなモジュールを積むか、補完する長距離武器を積んだ方が良い。

武器とムーブメントについて

詳細な武器の特性については武器、モジュール運用方法にて

武器には特性があり、特性を活かすムーブメントを積むことが推奨される。
例えばミサイルはロックオンし続ける必要があり、地上機に積むとロックが切れやすく、弱い。
遮蔽物が少ない上空を利用できる航空機に積むほうが良いだろう。
レールは空中ではレティクルが開くため、航空機に積むと当てづらい。
地上機か、半地上機、半航空機に積むほうが良いだろう。*3
等々。

環境によって諸々変わるので、これ以上具体例を出すことは差し控える。
上記のように武器とムーブメントの相性が存在する。
やってみないとわからない場合もあるので、試してみるのも手だろう。

正直、調整が難しいこのゲームでは、単純に強いムーブメントと、強い武器の構成がメタになりがちではある。*4

誘導

仕様に関わる話なので、わかりづらい部分もあるかと思うが、ご容赦願う。
下記は有志が制作した誘導に関する動画である。

ダメージ伝播システム

このゲームにおいて、あるパーツが壊された時、余ったダメージは隣り合ったパーツに伝播する。
例えば、

この赤い部分を撃つと、

こうなる。

この仕様はパーツの大きさ、空間的なマス数に左右されず、1つのパーツは1つとして計算される

つまり、

この赤い部分を撃つと、

こうなる。
ロッドは5マス分の大きさがあるが、1つのパーツとして計算される。

機体の破壊判定及び、パーツのヘルス/CPUについて


以下に書くことは少し混み入っているので、結論から書く。
CPUあたりのヘルスが低いパーツ(ムーブメント、モジュール)を内側に配置し、CPUあたりのヘルスが高いパーツで覆い、ダメージ伝播システムを利用し、外側から壊れるようにした方がいい。
つまり

ではなく

の方が最後まで動ける機体であり、良い。
武器もCPUあたりのヘルスが低いパーツであるが、外に出てないとまず撃てない。
しかし、近いパーツからダメージが出来る限り入らないようにしたほうが良い。武器を狙われた時、武器に当たらずとも、付近のパーツに当てるだけで、武器ごと壊れてしまうから


こんな感じ。
詳しくはこちら
空間装甲について

さて、
先述したが、このゲームのデスはCPUを基準にして起きる。
厳密には、元々の機体全体のCPUに対して、現在残存しているパーツのリアルタイムのCPUが20%を下回った時に起きる。
リアルタイムのCPUとは、元CPU×パーツの残りヘルス割合の値である。

……?
簡単に説明すると

DSMのCPUは205、ヘルスは169215である。
これをT4レール、ダメージは167790で撃った時、死ぬ。

メカ足のCPUは205、ヘルスは533000である。
同様にレールで撃つと、死なない

DSMのみの場合、ヘルス169215の80%つまり135372を超えるダメージを受けると死ぬ。
メカ足のみの場合、ヘルスの533000の80%、426400を超えない限り死なない。
これを仕様に基づいて厳密に言い換えると、
DSMの1CPUあたりのヘルス(169215/205)×(205×0.8)=135372を超えると死ぬ。
メカ足の1CPUあたりのヘルス(533000/205)×(205×0.8)=426400を超えない限り死なない。
ということになる。

T4レールで撃った時のメカ足のリアルタイムCPUは、205×(365210/533000)=約140である。
CPUが205の時、リアルタイムCPUが41を下回らないと死なない。
よってメカ足をT4レールで撃っても死なないのだ。

つまり
リアルタイムのCPU=元CPU×パーツの残りヘルス割合
ということである。
わかりやすいようパーツ単体で説明をしたが、これは機体全体に適用される。

例えば、
メカ足にDSMをポン付した機体

DSMをレールで撃つと、DSMは壊れないが真っ黒になる。

リアルタイムCPUは50%になる。
機体全体のCPUは410
DSM、メカ足は205
それぞれ半分のCPUを担っている
DSMのリアルタイムCPUは
205×((169215-167790)/169215)=205×0.00842...=1.72...
メカ足のリアルタイムCPUは損傷がないため、そのまま205
この時の機体全体のCPUは205+1.72の206.72であり
206.72/410=0.504
よって現在のリアルタイムCPUは50%になっている。

また、実際にはヘルスの%表示は破壊判定が起きる20%を除外したものである。
つまり、リアルタイムCPUと元のCPUから、それぞれ20%引いた数で計算する。
(205×(169215-167790)/169215)+205)-410×0.2)/(410-410×0.2)=
124.726.../328=
0.380...
38%と表示された。

メカ足をT4レールで撃つと

リアルタイムCPUは85%になる。
メカ足のリアルタイムCPUは
205×((533000-167790)/533000)=205×0.685=140
DSMのリアルタイムCPUは205
機体全体のリアルタイムCPUは140+205=345であり
345/410=0.841
よってリアルタイムCPUは84%になった。

表示される%は
(205×(533000-167790)/533000)+205)-410×0.2)/(410-410×0.2)=
263.465.../328=
0.803...
小数点以下3桁目は繰り上げられるらしく、
今回の場合0.80"3"なので
81%と表示された。

つまり、交戦状況にある時、CPUあたりのヘルスが少ないパーツは、リアルタイムCPUに影響しやすく、デスに影響しやすい重要なパーツということだ。

リアルタイムCPUを出来る限り残したいと考えた時、ヘルス/CPUが高いパーツから壊れた方が良い。となると、内側に配置されたヘルス/CPUの低いパーツにダメージは伝播してほしくない。


の場合より

の方が、ダメージ伝播のシステム上外側にダメージが流れるので、良いということになる

これらの仕様を利用したmep組み、メガホバ組みという誘導の組み方が存在した。
英語圏ではspaghetti triforce*5と呼ばれる。

効率的なパーツの採用

CPUあたりのヘルス、スピードブースト


出来る限りヘルス/CPU、スピブ/CPUの高いパーツを使うことを推奨する。
T5の機体ならT5の、T4の機体ならT4、T3の機体ならT3のパーツを使った方がいい。
ただパーツごとにロボットランキング(RR)というものがあり、機体のティアはその総計によって決まる。
T5未満のティアでは、目的のティアのパーツを使いすぎるとロボットランキングが上昇し、ティアが上がってしまうことがあるので注意。先にティアの高いパーツを置いてから、ミディアムブロックや、T1スラスター、T0,1ホバーでCPUを埋めると簡易的にわかるのでおすすめ。

武器 WEMとDPE、他パーツに対する確定数


DPSは秒数あたりのダメージ、DPEはエネルギーあたりのダメージのこと。
より効率が良いものが好ましい。

他パーツに対する確定数
これは環境の話なのでパッチによって異なる。
例えば、ある時期においてはT5レールは、殆どの武器を1発で破壊できた。
DPS,DPEはT5レーザーの方が上だったのにも関わらず、メタとして採用されたのはT5レールだった。
他にも、T5レーザーがT4の武器を殆ど1発で破壊するため、DPEではT4レーザーが優っていたものの、お互いに体力フルの状態から撃ち合うと圧倒的にT5レーザーが勝つため、T4レーザーはメタにならなかった。
ということもある。

このどちらもを踏まえた武器が効率的な武器であり、メタと言える。

モジュールの効率 CPU、クールタイムと効果

詳しくはメタの歴史にて触れるが、モジュールのメタの変化は比較的少ない。
ある時期まではWEM及びDSMが基本であった。その後BLM環境になり、BLMとDSM、DSMに対するアンチピックとしてのEMPが環境になっている。

それらは何によって決定付けられたか、題にもある通り、それぞれの効率である。
モジュールは効果が武器のDPS,DPEのように独立した数字として現れないのでわかりづらいが、少なくとも、BLMのCPUが250だった時には採用されず、200になった時に採用され始めた。他にも色々な要素が絡んでいるのでなんとも言えないが、効率的なモジュールは存在する。強いと思ったプレイヤー、機体や、リーグを参考にするのがいいかもしれない。

終わりに

以上が強い機体を作るための基本的な知識である。
概ね最初に載せた魚拓の記事の焼き直しです。いもさんに感謝。

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最終更新:2024年11月11日 21:31

*1 カメコン登場以降、ドローンから区別されストレイフと呼称された時期もあるが、カメコンが主流になってからは俗にドローンといえばこれを指す。

*2 実際、そうである。2019~22年の間、半地上機、半航空機がメタであり、2023~24においても半地上機はメタではないが、準メタに属する。半航空機、レザコプはメタである。

*3 かつてレイド環境だった時、羽レイドというものが存在した。ホバー内蔵キボコン操作の航空機である。レールを空中で撃つ、ホバーを利用して地上で撃つこともあった。しかし当時のメタは羽足レイドであり、羽レイドは準メタだった。正直レイドが強かっただけで羽レイドは"遊び"の範疇を出ないだろう

*4 2024年現在、このゲームは開発が終了しており、仕様面に関しては変わることはない。現在、パーツの数字を変更するパッチが存在し、パッチは有志によって決定されている。詳しくは外部クラン・コミュニティ紹介のRobocraft Balance Patchesのサーバーをチェック。

*5 triforceは誘導の意味。spaghettiはスパゲッティのような見た目をしていることから。