第1話 幻想郷に降り立つ静かなる星―前編―
ここは幻想郷にある小さな森の中。
今この場には奇妙な一人の男が立ち尽くしていた。
学生服と思われる学ランに、帽子をかぶり簡素な荷物を持った男。
顔立ちは日本人のものだと思われる、そして日本人にしては多少背が高い。
その格好から察するにおそらくこの男は青年と言われる年代だ。
それならばまだ普通であろうが、奇妙な点は青年の傍らに古代ローマの
拳闘士のような格好をした守護霊のような存在が立っていた事だ。
その存在は【スタンド】、生命エネルギーが生み出すパワーあるビジョン。
青年は、とても青年とは言えないほどふ・・・逞しい顔つきで何かを思案していた。
冷静さと豪快さを感じさせる青年の名前は【空条承太郎】
数ヶ月前に、母を助ける為・・・エジプトへ祖父や仲間達と共に
邪悪の化身DIOを討伐しに行き、
DIOと同じスタンドの能力を会得して打倒した英雄とも言えるべき人間。
「・・・」
そんな彼は今、
スタンドに持たせた双眼鏡からのイメージを見てここが先ほど居た場所ではないと気付き
ポルナレフから幻覚使いのスタンドの存在を聞き、ダービー兄弟の例や
自身やDIOの例から同じタイプのスタンドもあるだろうと推測したが、
誰かのスタンドの仕業かと考えたが、スタンドはおろか、
スタンド使いらしき人影が中々に見つからない。
先ほどから自分の身に何も無い事からその可能性を除外し始めた。
「む・・・?」
そろそろ動こうと双眼鏡を下ろそうとした時、少し前方の林に
金の髪の少女が見えた。
そして、その少女はこちらに気がついたのか黒い闇に体を隠し、
中空に浮き始めた。
その闇はクネクネと蛇の移動のように承太郎へと近づき始めた。
そして、その闇が森に差し掛かった時、その闇は晴れ・・・
先ほどの少女が中を浮いたまま承太郎へと近寄った。
「・・・」
「・・・」
承太郎はその浮いている少女がスタンド使いの類かと警戒し・・・
少女は興味深そうに承太郎を眺めていた。
数分が立っただろうか・・・承太郎はスタンドを出していたが少女が気が付いてない事を
不信に思い、少女は眺める事に飽きて・・・同時に口を開いた。
「「お前は(あなたは)スタンド使いか(食べられる人類)?」」
承太郎はいきなりの物騒な質問に思考が少し停止し、少女は聞きなれない単語に
首をかしげた。
「「・・・・・・」」
・・・ドドドドドドドドドドドドドドドド・・・
ようやく、思考が再開した承太郎は眼光を鋭くしスタンドを構える・・・
少女は承太郎のその雰囲気から少し首をかしげ・・・
「・・・やれやれだぜ」
「・・・ん?」
そして、それを合図としたかのように幕は切って落とされ・・・
「オラァ!!」
ドガァ!!!
「おわぁ!?」
スタープラチナの拳が呆気なく少女は吹っ飛ばされた。
少女は樹にぶつかり、目を回して地面に倒れた。
承太郎はその様子から少女がスタンド使いでは無いとわかった。
が、人間にしては宙を浮いている不可解さや
スタンドで殴られ(手加減はした)アレだけの勢いで樹に
ぶつかったにも関わらず、目を回しているだけという頑丈さから
少女が人間ではないとわかった。
今現在日光に当たって消滅していなかったので、
吸血鬼の可能性は除外した。
「あそこの場所とは別の場所か・・・やれやれだぜ」
目を回している少女を警戒しつつ、そう呟いた。
・・・・・・to be continue