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東方暗殺団 その七

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shinatuki

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だれでも歓迎! 編集
「ここよ。」
彼女はそう言って、とあるビルの前に立った。
それは、輸入食料品店の前だった。
「先にあなた達チーム個人の買い物を済ませましょう。」
「あぁ・・・・、あいつら・・、イタリアでしか手に入らないようなメーカーの物ばっかり注文しやがって・・・・。
 エスプレッソマシーンまで買いなおさなくちゃいけないのか・・・。・・・あぁ、あぁ、すっかりあれ使い慣れてたからなぁ・・・。
 組織裏切ったときもあれだけは新しいアジトに持ってたのに・・・・・・。
 てゆーかイタリアで買うのとは値段が違うんだぞ、ここは日本だぞ。」
ずっと使っていた懐かしいエスプレッソマシーンを思い出し、おもわずプロシュートは涙ぐむ。
「ほら、入るわよ。」
そう言って紫はプロシュートを急かす。
そして、二人が扉をくぐると・・・・。
「は?」
プロシュートは目を疑った、ついでに耳を疑った。
彼の目に入るのは見慣れた商品ばかり並ぶ棚、耳に入るのは聞きなれた言葉、そしてBGMは彼が死ぬ前日までに見ていたTVで歌手が歌っていた曲。
買い物をしている人々は、どう見ても日本人ではなかった。
「ふふふふ、ちょっとしたサプライズよ。言ったでしょう、私は協力者だって。
 安心しなさい、ここは北部のとある町にあるスーパーマーケットよ。パッショーネは影響力を持たないわ。
 エスプレッソマシーンは売ってないかもしれないけど、それは我慢なさいな。」
ぽかんとしているプロシュートに、紫は笑った。
「ほら、さっさと買い物を済ませなさい。」
「あ・・あぁ。」
そう言って、プロシュートはカートを押した。
カラカラと、カートが進む。
そしてプロシュートは生前と同じように買い物をして行く。
普段なら主にペッシ、または別のチームメンバーと共にくる買い物を、女と二人と言うのは妙な気分だった。
アンチョビ、オリーブオイル、トマトの水煮の缶などを次々にかごに放り込む。

暗殺者と言う職業柄、あまり副業などで表に出れる職業も彼らは出来なかった。
イルーゾォやギアッチョなどの年若いメンバーは表向きは学生だった。
学生なら昼間で歩いても、「あぁ、講義さぼってんのか。」と思われるだけであるので、何かと都合がいいのだ。
ホルマジオは売れない作家と言う表向きの職業だったが、どう考えても無理があると皆で笑ったものだ。
ソルベやプロシュートはあまり副業を持つという事にいい感情を持っていなかったので、特に表向きの職業と言うものはなかった。
そしてリゾットはアジトになっているボロアパートの管理人である。
とてもではないが、この面子の副業の収入は期待できない。
なので、組織が安定し、暗殺の依頼が少なくなり、収入が減った頃、彼らは光熱費削減や食費を減らすためアジトにほぼ共同生活をしていたのだ。
幸い、リゾットのボロアパートはボロいが部屋数は十分あった(その時、ソルベとジェラートはアパートに越してこなかったので、余計にできてんじゃないか?説が有力になった)。
マジで貧しいけど、楽しい我が家状態だったのである。
そんなこんなで、どんなメーカーのアンチョビ、チーズを買えばいいか、どんな酒が好みかなどは、ほぼ分かっていた。

生鮮食品はホルマジオが人間の里で買ってくるとリゾットが言っていたのを思い出し、調味料などを買う。
金は十分、以前よりずっと潤沢にあるので、味はいいが値段の少々張るワインを買ったりする。
バルサミコ酢を見て、バニラアイスも買うかどうか迷う。
こんなにわくわくしながら買い物をしたのは、久しぶりだ。
「・・・・・そういや。」
ふと思ってプロシュートは財布を取り出し、中身を見る。
しっかり、中身はユーロに変わっていた。
「大丈夫よ、ここを出たらキチンと日本円に戻るから。」
プロシュートはしっかりユーロを日本円に換算し、ボラれてないか確認する。
だが、そう言う事もなく一安心する。
すると、紫がふと呟いた。
「・・・・・それにしても、ずいぶんたくさん買うのね?」
紫はカートの上も下も一杯になったのを見て呆れる。
「仕方がねぇだろ、大の男七・・いや、九人分なんだからな。それにちょくちょく買いに来れる訳じゃないし・・・・。」
すると、ふとプロシュートは思いついた。
「そうだ、あんたも今晩、うちで食うか?」
「えっ・・?!」
プロシュートの言葉に、紫は珍しく動揺を露わにした。
「九人も十人も大してかわらねぇからな。あ、でも今テーブルがないから床で食ってるか・・・・。」
そう言ってプロシュートは困ったように頭をかく。
「ダンボールじゃなぁ・・・・・、あれだ。・・・・メローネのベイビィフェイス・・・あー、あいつは駄目だったんだ。
 どうするかなぁ・・・・・・・。」
紫を食事に招待しない、と言う考えは既にないらしい。
「まぁ、いいわ。ちょっとリーダーに話すから待ってくれ。」
そう言ってプロシュートは携帯電話を取り出す。
これは、冥界の科学力は世界一ぃぃぃぃぃぃと言う事で科学と魔法を併用したラノベ的技術で作られている。
なんでも幻想郷の中だろうが外だろうがどこでも通じるというファンタジーやメルヘン仕様でらしい。
「あ・・、もしもし、リゾットか?悪いけど今日の晩飯に一人客を連れてっていいか?
 ただ、そいつが女・・・そうだ、八雲 紫だ。ん?構わないが・・・・・・?
 お前、テーブルと椅子なんて作れよ、メタリカで。くず鉄集めてよぉ・・・・・。」
リゾットにかなり無茶な要求をするプロシュート。
それをあっけに取られたように紫は見ていた。
そして、プロシュートは電話を切る。
「決まった、あんた、今日はうちで飯食え。」
「・・・・・・・・もう決定しちゃった?」
「決定だ、食っていかないなんて言ったら直触りだぜ?」
わが道を行くプロシュートに、紫はため息をつく。
「分かったわ、ご馳走になるわ。・・・・後で藍に連絡しなくちゃ。」
紫は困ったように、だが少し楽しそうに笑った。

買い物が終わり、店から出る、ウィーンと自動ドアが開く。
すると、そこは黄色人種の歩く日本の通りだった。
後ろを振り向くと、そこには日本人ばかりのスーパーが移る。
「荷物は預かって置くわね。」
紫が指を鳴らすと、プロシュートの手から大量の荷物の入った袋が消えた。
よく目を凝らすと、紫の横に何やら亀裂のような物が現れている。
(何となく・・・ブチャラティの奴思い出すな・・・。)
嫌な事を思い出し、ちょっと
「また時々、連れてきてあげるわ。その度に本場のイタリアンをごちそうしてくれるならね。」
そう言って、紫はウィンクをした。
「あぁ、頼むぜ。こっちもあんたみたいな美人と買い物できるし、一石二鳥だ。」
プロシュートも、紫に笑みを返す。
「あらあら、美人だなんて嬉しい事言ってくれるじゃない。」
「いやいや、イタリアにもあんたみたいな美人は滅多にいないからな。」
会話をしながら、二人は歩き出す。
「目が肥えていそうなあなたに言われると、悪い気分はしないわね。」
「ほんと、あんたみたいな美人がフリーだなんて幻想郷の野郎どもはどうかしてるぜ。」
「それだけ幻想郷の女性の水準は高いのよ。」
「マジでか。いや、確かに映姫とか小町は磨けば光るとは思ったが・・・・。」
「しかも妖怪だったら世界中から集まるから各国の美女が選り取りみどりよ?」
ふざけあいながら笑う二人。
そして、二人は最終目的である地獄での備品を買いに来た。
『さーぁあいらっしゃいませ!いらっしゃいませー!本日ソフトバン・・・・・・・。』
雰囲気もクソッタレもない声が聞こえる、ここは、電気製品を取り扱う、大きな店である。
「さ・・・流石ジャッポーネ・・・・、電化製品にかける気迫が違うぜ。」
「そう言えばうちも電球が切れてたんだわ・・・、あ、ファックスとプリンタのインクも。」
一気に先ほどまでの雰囲気は見事にブチ壊れる。
「あなたが買うのは何かしら?」
「えーっと、プリンターのインクに、コピー用紙、あとUSBメモリーにDVDディスクとCDディスク。
 あぁ、あとうちの奴らのノートパソコン・・・、メローネの分は二つだ。
 アジト用のデスクトップも一ついるし・・・・・・・・・。あぁ、エスプレッソマシンはどうすっかなぁ・・・。」
「電化製品も、日本の方が性能いいからね、今日カタログ貰ってっちゃったら?」
「そうだな・・・・・・。」
丸っきり俗っぽい会話をする二人。
「もう二時か・・・・。多分帰るのは五時ごろになるな・・・。」
「まぁ、なるべくゆっくりなさいな。」
そう言って紫は扇で顔を隠す。
「日本には、急がば回れ、って言うことわざがあるのよ。慌てなければ、何かいいことがあるかもよ。」
そう言って、紫はエレベーターの方へ向かった。


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