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東方暗殺団 その六

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shinatuki

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だれでも歓迎! 編集
「う・・・・うぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・。」
電車から降りたプロシュートは呻いた。
彼が映姫に言われた入り口から出ると、
彼が電車に乗ったのは、七時半・・・そう、つまり通勤ラッシュの時間帯だった。
「ジャ・・・ジャッポーネは平和ボケした国だと思っていたが・・・・、日常生活にこんな試練があるとは・・・・・。」
基本、外国で満員電車と言う現象があまり起こらないのは窃盗やスリを警戒してだと言われている。
だから満員電車と言う現象はある意味平和ボケと言うか人の和を大事にするといった日本的な観念によるものである。
彼は駅から出る、電子カードでピッ!!と改札を通り抜ける。
「おぉ・・・・・・・・・・・。」
その快感に、思わず彼は感嘆の声を上げる。
始めから都会に住んでいる人には解らない快感である。
そして彼はそこそこにぎやかな駅前へでた。
高層ビルではなく、並んでんでいるのは5、6階ほどの高さのテナントビルが立ち並び、十階以上あるのはおそらくマンション程度。
そんな日本全国どこにでもありそうな駅前に彼は立っていた。
そしてプロシュートは、協力者との集合場所である駅前の噴水のある広場へ向かった。
「暑いし・・・、何より湿気が多いな・・・。」
彼は何か飲み物を買おうと、自販機の前に立つ。
日本のこういった機械はとにかく信用が置けると、メローネが言っていた事を思い出す。
『すごいんだぜ!!ジャッポーネの機械は!!自動販売機は100%おつりが正確に出てくるし、万引き防止の機械は本当にその時しか鳴らないんだぜ!!』
そんな事を思い出しながら、プロシュートは自販機の前に立つ。
だが、ここで問題が起こった。
彼は日本語を『理解』出来るようになっている。
それは日本語を使い魔のルーンの力で翻訳しているとか王様に麒麟に選ばれたから自動翻訳されると言うのとは訳がちがう。
日本語を聞いてその意味をそのまま日本語で理解しているのだ。
おかげで始めの頃はイタリア語と日本語がごっちゃ混ぜになり、自分がどっちで喋っているのか解らなくなったり、イタリア語で会話している中に日本語の単語が混じったりしたものだ。
挙句の果てに混乱したリゾットがシチリア語で話し始めた事もあった。
まぁ、そんな余談はどうでもいい。
ここで、プロシュートにとって問題なのは、『どれが一体どう言う飲み物なのか?』といった事だった。
「えーっと・・・?こりゃ多分コーヒーだよな?・・・カルピスって何だ。」
困ったプロシュートは、隣でジュースを選んでいた少女に話しかける。
「あー・・・・、スミマセン。ちょっと聞きたい事があるんだが・・・・。」
すると少女は驚いてプロシュートの方を向く。
大きなリボンのついた帽子を被った、茶色のロングスカートの少女だった。
「は・・はいっ?!あ・・・I can understand Engli・・・・。」
「大丈夫だ。日本語分かるから、ちょっと教えて欲しいんだが・・・・・。」
そう言ってプロシュートは少女を落ち着かせる。
「実は日本語は分かるんだが、何せ来たのは初めてだから飲み物が良く分からなくてな・・・・、時間があったら説明してくれないか?」
「は・・・・はい。」
「Grazie!」
少女はまだ多少呆けていたが、彼の頼みを了承した。
少女に説明を受けたが、結局プロシュートは缶コーヒーを購入した。
乳酸菌殺菌飲料なんて言われても誰も良く分からないし、甘い物はあまり飲みたくなかったからだ。
「・・・・・・・意外といけるな、アメリカで飲んだコーヒーより数倍マシだ。」
噴水の横に設置されているベンチに座りながら、プロシュートはぼやいた。
任務でアメリカに行ったとき、飲んだコーヒーは酷かった。
何でそこら辺で売っているコーヒーがあんなにもひどい味になるのだろうか?
ミーン、ミーンというセミの声が、いかにも夏だと言う雰囲気を駆り立てる。
遠くで、景色が揺らめく。それがさらに気温が高い事を実感させた。
「あ・・・あの、すいません。奢ってもらっちゃって・・・。」
その横には先ほどの少女が座っていた。
手にはプロシュートが奢った紅茶の缶が握られていた・
「構わねぇよ、どうせアンタも待ち合わせなんだから、ちょっと話し相手になってくれや。」
リラックスしまくっているプロシュートに比べて、少女はカチコチに固まっている。
いきなり男性、しかも外国人、それも美形の部類に入るプロシュートが相手である、彼女の親友が外国人だとしても、緊張するのは当然だ。
「ににににに・・・日本語お上手ですねっ?!」
「あぁ、会社に日本人が多くてな、そいつらに教えてもらったんだ。」
余裕でペラペラと、口から出任せを言うプロシュート。
あまりこちらの事を探られないために、彼は話題を少女に転換する。
「そう言うあんたは学生さんか?学校は大丈夫なのか?」
「あ、今は夏休みなんです。」
「へぇ、てぇことは確か・・・試験があるんだけっか?」
「はい!だからこの間まで大変だったんですよー。サークル活動も全く出来ないし。」
少女も話している内に緊張が解けてきたのか、徐々に表情が柔らかくなる。

「サークル・・?」
「はい!!秘封倶楽部・・って言う・・・。」
「ヒホークラブ?」
「あ・・えーっとですね・・・、なんて言えばいいのかなー?」
活動をどうやって、目の前の外国人に言えば説明すればいいか、少女は悩む。
「都市伝説と、民族伝承を実際その土地に言ってみて研究するサークルです。」
「・・・・よくわからねぇがすごいな。」
プロシュートは正直な感想を漏らした。彼にはまったくもって少女の説明が理解できなかった。
「あはは・・・あ。」
少女は駅の改札口を見ると、声を上げた。
「お、来たのか?」
「はい!」
プロシュートも駅の方を見る。
すると、写真で見た彼の待ち人もこちらに歩いてきていた。
「おぉ、俺もきたわ。おーい。」
そして、二人はほぼ同時に声を上げた。
紫色の服をきた、金髪の少女を見て。

「メリー!!」
「ユカリ!!」

次の瞬間、パァンと何かが弾けた音がした。

「あ・・・・・・・・・・・?」
気がつくと、プロシュートはベンチに座っていた。
その前には、日傘をさした少女が、微笑みながら座っている。
「あらあら、よくこんな暑いところで寝ていられるわね。」
クスクス・・・・・と少女が笑う。
まだハッキリとしない頭で、プロシュートは少女に問う。
「あんた・・・、リゾットの言ってたユカリって女か?」
「えぇ、八雲 紫よ。ゆかりんってよんでね。」
「・・・・・おう、ユカリン。」
「本当に呼んだ?!・・・・・・・ちょっと、シャキっとなさい。」
そう言って紫は、まだ覚醒しきらないプロシュートの顔によく冷えた紅茶の缶を当てた。
「冷たっ?!何すんだ、てめぇ!!」
その冷たさに驚いて、一気にプロシュートの目が覚める。
「寝ぼけていたようだから目を覚まさせてあげたのよ。」
プロシュートは少し不機嫌になりながら、ベンチから腰を上げた。
ひざの上に乗っていた空のコーヒー缶が軽い音を立てて地面に落ちる。
「・・・そうだ、あんた、さっきまでここにいた女の子知らないか?リボンのついた帽子にロングスカートって格好だったんだが・・・・。」
頭を掻きながら、プロシュートは辺りを見渡す。
「見てないわ、夢でも見たんじゃないの?」
そう言って、紫はプシュっと缶を開ける。
その表情は日傘に隠れて、よく見えない。
「駄目ねぇ、あなたはもう人間ではないのだから、気をつけなくては。
 まったくあなたといい香霖堂の店主といい、男の人って迷い込みやすいのかしら。」
「・・・・何か言ったか?」
「別に、独り言ですわ。さぁ、行きましょう。」
紅茶に少し口をつけて、紫はゆっくりと歩き出した。

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