ディスクブレイカー☆フラン 『究極の嗜虐者』
OPテーマ Aqua『Cartoon Heroes』
寺小屋が終わると、フラン、チルノ、ナランチャの3人はすぐに紅魔館へと駆け出した。
湖で大妖精も誘い、4人で紅魔館の扉を開く。
地下へと続く階段を下り、図書館を通ってフランの部屋に入る。
「さて、今回は作戦の打ち合わせをするわよ」
フランは、壁に幻想郷の地図を張り出した。
「最初の作戦はこうよ」
フランは赤いチョークを取り出し、紅魔館と人里を矢印で結ぶ。
「まずは『春水晶』を寺子屋に運び込むわ」
3人は地図に目を向けた。
「でも、どうやってバレないように運ぶんだよ」
ナランチャは、ベッドの下を指差した。
フランは、策士の笑みを浮かべた。
「何も、うちの『春水晶』を持ち出さなくてもいいじゃない」
フランは、青いチョークで白玉楼、妖怪の山、博麗神社を丸で囲む。
「要は、相手の持つ『春水晶』を奪っちゃえばいいのよ」
「「なるほど~」」
フランの作戦に、チルノとナランチャはうなづいた。外から、大きな音がした。
「でも、どうやって私たち4人で『春水晶』を取るんですか? 戦力不足ですよ」
大妖精が地図を指差した。
「その点については大丈夫よ。上手くお姉様をそそのかして『春水晶』を取りに向かわせるわ」
フランは胸を張って答えた。
「それに、『春水晶』を横取りしようとしているのは他だって同じだしね」
フランは青のチョークで紅魔館と他の勢力を結ぶ。
「一番気を付けたいのが、風見幽香ね。たった一人で『勢力』と言えるほど強い上に、一人だから自由に動けるわ」
チョークで風見幽香の文字を書き、それを丸で囲む。
「風見幽香……ああ、アイツね……」
チルノは、幽香の顔を思い出して苦い表情を浮かべた。外の大きな音は、近づいてくる。
「なあ、そいつが自由に動けるなら、一番襲撃の可能性が高いじゃないか」
ナランチャが、地図に描かれた『風見幽香』の文字を指差す。
それを見て、大妖精がはっとなって気付く。
「もしかしたら、一番襲撃されやすいのって、ココじゃないですか?」
大妖精の発言に、誰もが視線を彼女に集めた。
彼女は赤いチョークを持って、地図の前に立つ。
「幽香さんがいつも出没しているのは太陽の畑です」
大妖精が、チョークで太陽の畑をさす。
「そこから一番近いのは太陽の畑から北に行った博麗神社ですが、そのにいる霊夢さんは幽香さんに何度も勝っているという噂なので、そこを襲う線は薄いでしょう」
太陽の畑から博霊神社へとチョークを引き、その線の上からバツ字を押す。
「次に、白玉楼ですが、あそこは元々行くのが面倒なので、幽香さんは他勢力との戦闘で自滅するのを待つでしょう」
同じように、チョークで線を描き、上からバツ字を押す。
「最後に、妖怪の山とここですが、直線距離で測った場合、明らかに妖怪の山よりもここの方が近いです」
そして、赤いチョークの直線で紅魔館と太陽の畑が結ばれた。
それと同時にフランの部屋のドアが激しくノックされた。
フランはすぐにドアに近づく。
「赤い雲が西から流れてゆくこんな夜には」
フランがドアにささやくと、
「優しさなんて邪魔なだけに思えるから」
と、男の声が返ってくる。
フランはすぐにドアを開けた。
入ってきたのは、ディアボロ。彼は、息を切らしていた。
「ゼェ……ゼェ……襲撃だ。風見幽香がやってきた」
彼の報告に、場の4人は互いの顔を見た。
4人の行動は、はやかったzv
「噂をすれば、なんとやらね」
フランは壁に立てかけて置いた時計の針のような杖を手に取る。
「へへッ! たった一人の『勢力』か……燃えてきたぜ!」
ナランチャは、立ち上がって眼前にレーダーを出現させる。
「いよいよもってあたいがさいきょーだって証明される時が来たのね!」
チルノも立ち上がり、目に炎を浮かべた。
「あわ、あわわわわ……」
大妖精は、慌てふためきながらも、昨日ディアボロから渡されたDISCを手に立ち上がる。
五人は、走ってフランの部屋を後にした。
ボスッ、と音を立てて、白い日傘が3本のナイフを弾いた。
「その程度かしら?」
日傘の主、風見幽香は余裕の表情で持って咲夜を眺める。
「いえ、まだまだよ!」
咲夜の瞳が赤く輝く。
次の瞬間、幽香の周囲360°に大量のナイフが現れ、それが幽香に向かって収束していく。
「甘いわ」
幽香は冷静に、周囲に大量の霊力を放出して全てのナイフを弾き返す。
「……霊撃か」
咲夜は歯噛みし、ナイフを5本投げる。
幽香はそれを傘でガードする。
次の瞬間、咲夜が幽香の頭上に現れた。
「WRYYYYYYYYYYYYY!」
咲夜は大量のナイフを投げつける。
が、幽香はそれを華麗なステップで回避すると、咲夜に傘を向ける。
「これでお終いよ」
傘の先から光が溢れ、咲夜を廊下の果てまで突き飛ばした。
「咲夜! しっかりして! 咲夜! 咲夜ァァァ!」
咲夜の懐にある水晶玉から、パチュリ―の声がするが、咲夜は返事をしない。
そこに、フランたちが駆け付けた。
「咲夜! 咲夜、しっかりして!」
咲夜の姿を見つけたフランはすぐに彼女に駆け寄り、体を起こす。
「くっ……妹様、侵入者はすぐそこまで迫っています。気を付けてください」
咲夜は息も絶え絶えに風見幽香の方向をさす。
そこには、白い影があった。
「その声は妹様ね! 気を付けて! 強力なエネルギー反応が迫っているわ!」
水晶玉からパチュリ―の声がした途端、白い光が迫ってきた。
「みんな危ない!」
すぐにチルノが前に出て、氷で光を拡散させる。
拡散した光は廊下のランプを割り、壁に穴を開ける。
氷が割れると、6人の眼前に幽香の姿が現れた。
「次はあなた達ね? 叩き飛ばしてからゆっくりと春水晶を奪ってあげるわ」
閉じた日傘が、振り下ろされる。
「このDISCを持っていてよかった……キング・クリムゾン!」
ディアボロが『キングクリムゾン』を出し、傘を受け止める。
「禁忌『レーヴァテイン』ッ!」
次に、杖を赤い剣に変えたフランが幽香に斬りかかる。
幽香は傘を滑らせ、剣を受け止める。
「はあぁぁッ!」
フランは、気合を入れて剣を再び振り下ろした。
幽香は傘で剣を逸らせ、返す刀でフランへと傘で斬りかかる。
「ふっ!」
間一髪でそれを躱したフランは、剣を横なぎに振るう。
「攻撃が直線的すぎるわ」
バックステップで剣を避ける幽香。その目の前にディアボロが割って入る。
「敵が複数だってことを忘れたか?」
ディアボロは『キング・クリムゾン』の拳を幽香の体に向ける。
とっさに幽香は腕を十字に組み、拳を受け止める。
流石の幽香をもってしても『キング・クリムゾン』のパワーを受け止めるのは難しく、大きく後退してしまう。
「今だッ!」
ここぞとばかりにナランチャが『エアロスミス』を出し、
「ボラボラボラボラボラボラ……ボラーレ・ヴィーア!」
バルカンを浴びせるついでに爆弾を投下する。
もうもうと立ち上がる煙。
「大ちゃんはそこのメイドさんを安全な場所に連れて行って!」
チルノが大妖精を下がらせ、煙に向かって弾幕を撃ちこむ。
それを見て、ディアボロとフランが煙の中へ突っ込んでいく。
「やああああ!」
気合を入れ、フランが剣を振るう。
「『キング・クリムゾン』ッ!」
ディアボロは『キング・クリムゾン』の拳を振るう。
だが、剣も拳も傘に止められた。
「甘い。甘い甘い甘すぎる……」
煙の中、幽香の瞳がぎらついた。
「なっ……」
直感で殺気を感じ取ったディアボロは、すぐに離れる。
その直感は的中した。
振るわれた傘がフランを廊下の奥――2人が元来た場所へと吹き飛ばす。
「フラン!」
ディアボロがフランの方を向く。
「あら、ボディが甘いわよ」
振り向いたディアボロの腹に、幽香の拳がめり込む。
鳩尾を抉られ、ディアボロはそこにうずくまる。
「キ……『キング・クリムゾン』……」
振り下ろされる幽香の足を『キング・クリムゾン』の腕で辛うじて受け止める。
しかしその衝撃は凄まじく、ディアボロの腕をへし折ってしまう。
「な……なんて奴だッ!」
歯噛みするディアボロの上で、幽香は目を光らせて嗤う。
「さっきの一撃を防がなければ、楽に気絶できたものを……」
ディアボロの眼前には、光を湛えた傘の先があった。
「これは……まるで……」
ディアボロの顔に、光が降り注いだ。
次に、幽香は指を鳴らす。
吹き飛ばされて壁に張り付けにされたフランの体を、ツタが縛る。
「フラン!」
ナランチャはナイフを取り出し、フランからツタをはがそうとする。
「無駄よ。このツタは人間の力では刃物を使っても切ることはできないわ」
煙の中から、余裕の表情を浮かべて幽香が歩いてきた。
「来るわよ! 氷符『アイシクルフォール』!」
チルノは左右に氷の弾幕を展開。さらに正面から光弾を放つ。
「3方向から攻撃するってのは、いいアイデアだけど威力がお粗末ね」
幽香は余裕の笑顔を浮かべながら傘で弾幕を払う。
「上ががら空きだぜッ! 『エアロスミス』ッ!」
傘で弾幕を払う幽香の頭上から、『エアロスミス』が弾幕を放つ。
「上から放つタイミングが少し遅かったんじゃないの?」
幽香は傘をさしてそれを防ぐ。
そして走ってチルノの前まで躍り出て、
「足元がお留守よ」
足をすくい取る。
そのまま足首を持って、ジャイアントスイングに移行する。
「はい、さようなら~」
竜巻のような大回転を持って投げられたチルノは、ナランチャにぶつかり、2人そろって目を回させる。
「はい、これで終わりね。さ~て、春水晶でも探しますか」
パンパン、と手を叩いて幽香は歩き出した。
その目の前に、立ちはだかる少女がただ一人。
「あら、まだいたの? あのメイドの手当てしてたんじゃなかったの?」
幽香の目の前には、大妖精が立っていた。
暴力の化身を前にして、大妖精は息をのむ。
「……そこの幽香さん、止まりなさい!」
目をカッ! と見開いて、大妖精は幽香を見た。
「………………いい度胸ね」
幽香は、微笑んだ。
←To be continued... EDテーマ ペルソナ3より『全ての人の魂の戦い』
次回予告
倒れる友を前に、か弱き少女は決意する。
武器は無く、打つ手も少ない。
幻想郷でも指折りの強者『風見幽香』に打つ手はあるのか?
次回、ディスクブレイカー☆フラン『暴虐の嵐』
OPテーマ Aqua『Cartoon Heroes』
寺小屋が終わると、フラン、チルノ、ナランチャの3人はすぐに紅魔館へと駆け出した。
湖で大妖精も誘い、4人で紅魔館の扉を開く。
地下へと続く階段を下り、図書館を通ってフランの部屋に入る。
「さて、今回は作戦の打ち合わせをするわよ」
フランは、壁に幻想郷の地図を張り出した。
「最初の作戦はこうよ」
フランは赤いチョークを取り出し、紅魔館と人里を矢印で結ぶ。
「まずは『春水晶』を寺子屋に運び込むわ」
3人は地図に目を向けた。
「でも、どうやってバレないように運ぶんだよ」
ナランチャは、ベッドの下を指差した。
フランは、策士の笑みを浮かべた。
「何も、うちの『春水晶』を持ち出さなくてもいいじゃない」
フランは、青いチョークで白玉楼、妖怪の山、博麗神社を丸で囲む。
「要は、相手の持つ『春水晶』を奪っちゃえばいいのよ」
「「なるほど~」」
フランの作戦に、チルノとナランチャはうなづいた。外から、大きな音がした。
「でも、どうやって私たち4人で『春水晶』を取るんですか? 戦力不足ですよ」
大妖精が地図を指差した。
「その点については大丈夫よ。上手くお姉様をそそのかして『春水晶』を取りに向かわせるわ」
フランは胸を張って答えた。
「それに、『春水晶』を横取りしようとしているのは他だって同じだしね」
フランは青のチョークで紅魔館と他の勢力を結ぶ。
「一番気を付けたいのが、風見幽香ね。たった一人で『勢力』と言えるほど強い上に、一人だから自由に動けるわ」
チョークで風見幽香の文字を書き、それを丸で囲む。
「風見幽香……ああ、アイツね……」
チルノは、幽香の顔を思い出して苦い表情を浮かべた。外の大きな音は、近づいてくる。
「なあ、そいつが自由に動けるなら、一番襲撃の可能性が高いじゃないか」
ナランチャが、地図に描かれた『風見幽香』の文字を指差す。
それを見て、大妖精がはっとなって気付く。
「もしかしたら、一番襲撃されやすいのって、ココじゃないですか?」
大妖精の発言に、誰もが視線を彼女に集めた。
彼女は赤いチョークを持って、地図の前に立つ。
「幽香さんがいつも出没しているのは太陽の畑です」
大妖精が、チョークで太陽の畑をさす。
「そこから一番近いのは太陽の畑から北に行った博麗神社ですが、そのにいる霊夢さんは幽香さんに何度も勝っているという噂なので、そこを襲う線は薄いでしょう」
太陽の畑から博霊神社へとチョークを引き、その線の上からバツ字を押す。
「次に、白玉楼ですが、あそこは元々行くのが面倒なので、幽香さんは他勢力との戦闘で自滅するのを待つでしょう」
同じように、チョークで線を描き、上からバツ字を押す。
「最後に、妖怪の山とここですが、直線距離で測った場合、明らかに妖怪の山よりもここの方が近いです」
そして、赤いチョークの直線で紅魔館と太陽の畑が結ばれた。
それと同時にフランの部屋のドアが激しくノックされた。
フランはすぐにドアに近づく。
「赤い雲が西から流れてゆくこんな夜には」
フランがドアにささやくと、
「優しさなんて邪魔なだけに思えるから」
と、男の声が返ってくる。
フランはすぐにドアを開けた。
入ってきたのは、ディアボロ。彼は、息を切らしていた。
「ゼェ……ゼェ……襲撃だ。風見幽香がやってきた」
彼の報告に、場の4人は互いの顔を見た。
4人の行動は、はやかったzv
「噂をすれば、なんとやらね」
フランは壁に立てかけて置いた時計の針のような杖を手に取る。
「へへッ! たった一人の『勢力』か……燃えてきたぜ!」
ナランチャは、立ち上がって眼前にレーダーを出現させる。
「いよいよもってあたいがさいきょーだって証明される時が来たのね!」
チルノも立ち上がり、目に炎を浮かべた。
「あわ、あわわわわ……」
大妖精は、慌てふためきながらも、昨日ディアボロから渡されたDISCを手に立ち上がる。
五人は、走ってフランの部屋を後にした。
ボスッ、と音を立てて、白い日傘が3本のナイフを弾いた。
「その程度かしら?」
日傘の主、風見幽香は余裕の表情で持って咲夜を眺める。
「いえ、まだまだよ!」
咲夜の瞳が赤く輝く。
次の瞬間、幽香の周囲360°に大量のナイフが現れ、それが幽香に向かって収束していく。
「甘いわ」
幽香は冷静に、周囲に大量の霊力を放出して全てのナイフを弾き返す。
「……霊撃か」
咲夜は歯噛みし、ナイフを5本投げる。
幽香はそれを傘でガードする。
次の瞬間、咲夜が幽香の頭上に現れた。
「WRYYYYYYYYYYYYY!」
咲夜は大量のナイフを投げつける。
が、幽香はそれを華麗なステップで回避すると、咲夜に傘を向ける。
「これでお終いよ」
傘の先から光が溢れ、咲夜を廊下の果てまで突き飛ばした。
「咲夜! しっかりして! 咲夜! 咲夜ァァァ!」
咲夜の懐にある水晶玉から、パチュリ―の声がするが、咲夜は返事をしない。
そこに、フランたちが駆け付けた。
「咲夜! 咲夜、しっかりして!」
咲夜の姿を見つけたフランはすぐに彼女に駆け寄り、体を起こす。
「くっ……妹様、侵入者はすぐそこまで迫っています。気を付けてください」
咲夜は息も絶え絶えに風見幽香の方向をさす。
そこには、白い影があった。
「その声は妹様ね! 気を付けて! 強力なエネルギー反応が迫っているわ!」
水晶玉からパチュリ―の声がした途端、白い光が迫ってきた。
「みんな危ない!」
すぐにチルノが前に出て、氷で光を拡散させる。
拡散した光は廊下のランプを割り、壁に穴を開ける。
氷が割れると、6人の眼前に幽香の姿が現れた。
「次はあなた達ね? 叩き飛ばしてからゆっくりと春水晶を奪ってあげるわ」
閉じた日傘が、振り下ろされる。
「このDISCを持っていてよかった……キング・クリムゾン!」
ディアボロが『キングクリムゾン』を出し、傘を受け止める。
「禁忌『レーヴァテイン』ッ!」
次に、杖を赤い剣に変えたフランが幽香に斬りかかる。
幽香は傘を滑らせ、剣を受け止める。
「はあぁぁッ!」
フランは、気合を入れて剣を再び振り下ろした。
幽香は傘で剣を逸らせ、返す刀でフランへと傘で斬りかかる。
「ふっ!」
間一髪でそれを躱したフランは、剣を横なぎに振るう。
「攻撃が直線的すぎるわ」
バックステップで剣を避ける幽香。その目の前にディアボロが割って入る。
「敵が複数だってことを忘れたか?」
ディアボロは『キング・クリムゾン』の拳を幽香の体に向ける。
とっさに幽香は腕を十字に組み、拳を受け止める。
流石の幽香をもってしても『キング・クリムゾン』のパワーを受け止めるのは難しく、大きく後退してしまう。
「今だッ!」
ここぞとばかりにナランチャが『エアロスミス』を出し、
「ボラボラボラボラボラボラ……ボラーレ・ヴィーア!」
バルカンを浴びせるついでに爆弾を投下する。
もうもうと立ち上がる煙。
「大ちゃんはそこのメイドさんを安全な場所に連れて行って!」
チルノが大妖精を下がらせ、煙に向かって弾幕を撃ちこむ。
それを見て、ディアボロとフランが煙の中へ突っ込んでいく。
「やああああ!」
気合を入れ、フランが剣を振るう。
「『キング・クリムゾン』ッ!」
ディアボロは『キング・クリムゾン』の拳を振るう。
だが、剣も拳も傘に止められた。
「甘い。甘い甘い甘すぎる……」
煙の中、幽香の瞳がぎらついた。
「なっ……」
直感で殺気を感じ取ったディアボロは、すぐに離れる。
その直感は的中した。
振るわれた傘がフランを廊下の奥――2人が元来た場所へと吹き飛ばす。
「フラン!」
ディアボロがフランの方を向く。
「あら、ボディが甘いわよ」
振り向いたディアボロの腹に、幽香の拳がめり込む。
鳩尾を抉られ、ディアボロはそこにうずくまる。
「キ……『キング・クリムゾン』……」
振り下ろされる幽香の足を『キング・クリムゾン』の腕で辛うじて受け止める。
しかしその衝撃は凄まじく、ディアボロの腕をへし折ってしまう。
「な……なんて奴だッ!」
歯噛みするディアボロの上で、幽香は目を光らせて嗤う。
「さっきの一撃を防がなければ、楽に気絶できたものを……」
ディアボロの眼前には、光を湛えた傘の先があった。
「これは……まるで……」
ディアボロの顔に、光が降り注いだ。
次に、幽香は指を鳴らす。
吹き飛ばされて壁に張り付けにされたフランの体を、ツタが縛る。
「フラン!」
ナランチャはナイフを取り出し、フランからツタをはがそうとする。
「無駄よ。このツタは人間の力では刃物を使っても切ることはできないわ」
煙の中から、余裕の表情を浮かべて幽香が歩いてきた。
「来るわよ! 氷符『アイシクルフォール』!」
チルノは左右に氷の弾幕を展開。さらに正面から光弾を放つ。
「3方向から攻撃するってのは、いいアイデアだけど威力がお粗末ね」
幽香は余裕の笑顔を浮かべながら傘で弾幕を払う。
「上ががら空きだぜッ! 『エアロスミス』ッ!」
傘で弾幕を払う幽香の頭上から、『エアロスミス』が弾幕を放つ。
「上から放つタイミングが少し遅かったんじゃないの?」
幽香は傘をさしてそれを防ぐ。
そして走ってチルノの前まで躍り出て、
「足元がお留守よ」
足をすくい取る。
そのまま足首を持って、ジャイアントスイングに移行する。
「はい、さようなら~」
竜巻のような大回転を持って投げられたチルノは、ナランチャにぶつかり、2人そろって目を回させる。
「はい、これで終わりね。さ~て、春水晶でも探しますか」
パンパン、と手を叩いて幽香は歩き出した。
その目の前に、立ちはだかる少女がただ一人。
「あら、まだいたの? あのメイドの手当てしてたんじゃなかったの?」
幽香の目の前には、大妖精が立っていた。
暴力の化身を前にして、大妖精は息をのむ。
「……そこの幽香さん、止まりなさい!」
目をカッ! と見開いて、大妖精は幽香を見た。
「………………いい度胸ね」
幽香は、微笑んだ。
←To be continued... EDテーマ ペルソナ3より『全ての人の魂の戦い』
次回予告
倒れる友を前に、か弱き少女は決意する。
武器は無く、打つ手も少ない。
幻想郷でも指折りの強者『風見幽香』に打つ手はあるのか?
次回、ディスクブレイカー☆フラン『暴虐の嵐』