ジョジョの奇妙な東方
~FF・of・fate~
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第四話:地獄の閻魔とその助手
「まず先に無縁塚に行きましょう。どうせ、白玉楼への通り道ですし。」
と言う文の言葉に従い、FF・にとり・文の三人は早速無縁塚へ向かうことにした(椛は本来の番人の役割に戻っていった)。
本来なら飛んで向かう所だが、にとりとFFは飛べない上に致命的な弱点があった。
本来なら飛んで向かう所だが、にとりとFFは飛べない上に致命的な弱点があった。
「二人共、面倒くさい弱点持ってるわねぇ…」
「やかましいッ!」
「私達も好きでこんなもん引きずってる訳じゃないっ!」
文の一言に噛みつく二人。彼女達の後ろには樽が入った台車。それぞれ片手にコップを持ち、飲みながらもう一方の手で台車を引きずる姿はどこかの神主を連想させる。
しかし樽の中身は酒ではなく、河の水である。
FFに水が必要なのは前述の通りであり、にとりもエンジニア云々以前に所詮河童である。定期的に水分を補給しないと下手をすればFF以上の速度で干からびるのだ。
上空では文が此方の様子を見ながら禿鷹よろしくぐるぐると回りながら飛んでいる。
しかし樽の中身は酒ではなく、河の水である。
FFに水が必要なのは前述の通りであり、にとりもエンジニア云々以前に所詮河童である。定期的に水分を補給しないと下手をすればFF以上の速度で干からびるのだ。
上空では文が此方の様子を見ながら禿鷹よろしくぐるぐると回りながら飛んでいる。
「にしてもにとり。エンジニアなのに空飛ぶ機械とか作れないの?」
「無茶言わないでよ。そんな技術、今の幻想郷にあるわけないでしょ?」
文の言葉に、にとりはストローで水をすすりながら応える。実はこの数年後に某紫モヤシがスペースシャトルを造り上げてしまうのだが、それは余談である。
「おい、にしてもまだ着かないのか?もう半日も歩き詰めなんだが…」
樽の中を心配しながらFFが聞く。水は一応、樽二つ分持って来てはいるが、既に一つめがなくなりかけている。
「もうそろそろですよ…ほら、あそこです!」
文が地上に下りて植物(彼岸花という毒草だと後で知った)で覆われた道を指さす。その先には開けた丘があり、丘の上には四人の男女が何やら騒いでいた。
「あれ?てっきり映姫様と小町しかいないと思ってたんだけど…」
文が首を捻る。本来会う予定だったのはその二人だけの筈なのだ。よく見ると、四人のうち、二人は正座をしていて、二人は仁王立ちである。
「全く!妙にやってくる幽霊が少ねェと思って来てみればッ!」
「またサボってたのですか小町!ペッシに任せきりにするなと何度言ったらわかるのです!」
「あーえぇッと…」
「い、いや、怒らねェでくれ兄貴!映姫様!俺がちぃッと仕事に慣れてきたから一人でやらせてくれッて小町に頼んだだけで…」
「ペッシペッシペッシよぉー。別に俺達ゃあお前が一人でやろうとしたことを責めてるわけじゃあねぇ。」
「一人でやろうと言う意思は立派なものです。しかし、だからと言って小町がサボっていい口実にはならないッ!そして、それを貴方が容認した事を怒っているのですよペッシ!」
物凄いコンビが交互に説教しているようだ。説教されている鎌を持った赤髪の女とパイナップルのような頭の男は涙目で互いの顔を見合わせている。
「閻魔様が増えてる…これは判断間違えたかしら…」
文が顔を青くして呟く。彼女は過去に、「己の記事に盲信的すぎる」と、三時間程説教を受けたことがあるのだ。
「…ん?新聞記者の烏天狗ではありませんか。また私の話を聞きに来たのですか?」
「いっいえ!それはまた今度に!」
立っている二人の内、緑を基調とした幼さが残る女性がこちらに気付いて声をかけてくる。
「ん?妖怪の山の河童と…どなたですか?幻想郷の者ではありませんね?」
「あぁ。私はフー・ファイターズ。FFと呼んでくれればいい。ここに死人に詳しいヤツがいると聞いて来たんだが…アンタがそうかい?」
「はい、その通りです。私は四季映姫・ヤマザナドゥ。あちらのスーツを着たのが助手をやってもらっているプロシュート、鎌を持ったのと髪を立たせたのが部下の小野塚小町とペッシです。」
「足がッ!足が痛ェッ!」
「プロシュート兄貴!アタイら反省した!反省したから正座だけ直させて!」
「やかましい!まだ説教は終わってねぇんだよ!俺と映姫が戻って来るまで正座してやがれッ!」
何やら悶えている二人に一喝して、スーツ姿の男―プロシュートがこちらにやって来る。
「プロシュートだ。一応元外の人間でな。ある程度なら、相談にのれると思う。」
言いながら右手を差し出す。FFも手を出し、握手に応じる。握手した瞬間に違和感を感じ、プロシュートは顔をしかめる。
「お前の手…まさか、【人間じゃあない】のか?」
握手しただけで正体を見抜かれ、驚くFF。見ると、プロシュートの後ろから人型の「何か」が煙を上げている。
「プロシュートっ!貴方は…」
「黙ってろ映姫!コイツはスタンド使いだ。危険性は説明しただろうッ!」
声を上げる映姫を黙らせるプロシュート。幻想郷に住む人間にとっては考えられない光景だ。逆に言えば、このプロシュートという男はそれほど映姫に信頼されている、ということか。
「そうか。お前もスタンド使いか。しかしさっきもいったが、私は聞きたい事があるだけだ。敵意はない。だから、スタンドをしまってくれないか?」
FFは、身体中からから水分が抜けていくのを感じながらも、表情を崩さずに言う。目線は外さない。プロシュートはそんな彼女を暫く見つめると、スタンドをしまい、頭を下げた。
「いや、すまなかった。さっきお前の事を【危険だ】なんて言ったが、撤回するよ…無礼な事を言ったな。」
言いながらプロシュートが手を離す。すると、自分の身体に水分が戻るような感覚が起こった。
「いや。危険だと言ったそっちの判断は正しい。問題はないさ。改めて紹介させて貰おう。私はフー・ファイターズ。FFと呼んで欲しい。」
身体の調子を確かめたFFはプロシュートに改めて握手を求める。スタンド使いを警戒するのは当然の行動だ。
「そう言ってくれると助かる。改めてよろしく、だな。」
先ほどとは違った、柔らかい笑顔を浮かべて握手に応じる。
その瞬間、回りの空気が一気に緩むのが感じられた。にとりと文など、樽の中で大きく息をついている。いつの間に入ったのだろうか?というか助けようという意思はないのか?
その瞬間、回りの空気が一気に緩むのが感じられた。にとりと文など、樽の中で大きく息をついている。いつの間に入ったのだろうか?というか助けようという意思はないのか?
「それで、私に聞きたい事があるようですが…」
映姫の言葉にFFはここに来た目的を思い出す。
「と、言っても大体の想像はつくがな。ここは死後の世界じゃないか、自分以外にスタンド使いはいるか、だな?」
プロシュートの言葉に頷く。ちなみに、にとりと文は話について来られないのを自覚しているのか、離れた所にいる小町とペッシをつっついている。何をしに来たのだろうか?
「前者に関してはノー、です。貴方がたの世界の【死後の世界】はちゃんと別に存在しています。」
映姫の言葉は大方FFが予想していた答えだった。しかし、その後のプロシュートの言葉は彼女にとって以外なものだった。
「後者だが…スタンド使いである俺が言うのも何だが…スタンド使いはいるにはいる。だが、どうやら本来のルールは存在しない、と考えていいだろう。
現に俺も幻想郷に来て数ヶ月たつが、お前が、俺とペッシ―あの正座してるヤツだが―以外にここで初めて見たスタンド使いだしな。」
現に俺も幻想郷に来て数ヶ月たつが、お前が、俺とペッシ―あの正座してるヤツだが―以外にここで初めて見たスタンド使いだしな。」
「そんな、馬鹿なッ!【スタンド使いは引かれ合う】。それは絶対のルールな筈だろう!」
「驚くのは無理はねぇ。俺だって最初はいつ、どんなスタンドが襲ってくるのかってー思いながら暮らしてたんだからな。」
「貴方がたの【世界だけ】のルールであるようなのです。この【幻想郷】ではそれは役に立ちません。」
声を上げるFFにも驚く事もなく平然と答える二人。恐らく、プロシュートも同じ感想を持ったのだろう。あるいはペッシか。
「まぁ信じられないのはわかるが、来ないものを考えて肩肘張っても仕方ねーッてこった。」
「恐らく、スタンド使いに襲われるよりも妖怪とか巫女や魔女に襲われる方が多いでしょうね。」
二人の言葉に嘘はないだろう。つく理由が思いつかない。しかし、そうなると【自分が何故ここにいるか】の答えがなくなる。
「外の世界」ではプッチがDISCを入れた、という「理由」があった。なら今回は何故存在できているのだろうか?
「外の世界」ではプッチがDISCを入れた、という「理由」があった。なら今回は何故存在できているのだろうか?
「どうしても気になるなら白玉楼の西行寺幽々子を訪ねてみたらいかがですか?私よりここの死人には詳しいでしょう。」
白玉楼。文が言っていたもう一つの場所か。確か通り道だと言っていたか。
「すまない、助かったよ。ありがとう。映姫、プロシュート。」
「いえいえ。お礼を言われるのも久しぶりですね。」
「そりゃ、説教ばかりしてっからだろう?」
「貴方がそれを言いますか?」
「ま、人の事は言えねェか。俺も。」
FFの礼の言葉に、茶化しあう二人。お互いにあまりそういうのに慣れていないのだろうか。
「ふふ、大変だな。閻魔というのも。」
「それでも中々やりがいがあるんですよ?」
FFにウインクで返す映姫。こうしてみると、とても地獄の閻魔とはとても思えないくらい可愛らしい。
「あぁ、済まないが一つ頼まれてくれないか?【もし】でいい。
おかっぱ頭のブチャラティって男をもし見つけたら、プロシュートが会いたがってると伝えてくれ。酒を一緒に飲みたいと。」
おかっぱ頭のブチャラティって男をもし見つけたら、プロシュートが会いたがってると伝えてくれ。酒を一緒に飲みたいと。」
プロシュートが思い出したように言う。友人だろうか。FFには断る理由もなかったので、引き受ける事にした。
「わかった。見つけたら確かに伝えよう。見つけられる事を祈るよ。」
「すまない。頼む。」
プロシュートが頭を下げる。よほど大切な友人なのだろう。
「それじゃあ、私は行くとするか。にとりー!そろそろ行くぞー!文!道案内を頼む!」
「あ、終わりましたか?」
「もー、待ちくたびれたよ!で、次は?」
「白玉楼だ。文、すまないが…」
「道案内ですよね?任せて下さい!ただ、もー少し記事にしやすい内容にしていただけると助かります。前回にしろ今回にしろ。」
「努力はするが…」
喋りながら無縁塚を去る三人を、プロシュートは感慨深げに眺めていた。仲間の事を思い出しているのだろう。
「やれやれ。今日は忙しい日ですね。」
「八雲藍、だったか?あの狐。面白くねぇが、アイツの言う通りになりやがったな。」
「彼女の主は頭が切れますからね。…怠け者ですが。」
「ふん。…そういや、ウチの怠け者とマンモーニは…」
振り向くと、正座の姿勢で悶えているのはペッシだけで、小町の姿が見えない。
「あンのアマぁ!また逃げ出しやがったか!」
「ペッシ!小町はどこに行ったのですかッ!言いなさい!早くッ!」
「わからねぇよ!わからねぇから、ゆらさないでくれ映姫様!足が、足がー!」
幻想郷は、今日も平和です。