―――時計の針は刻む 偉大な歴史の中 時代が変わろうとしている 今!
戦いが何時何処で起きるのか。それを予期することは誰にとっても困難なことだ。
ましてやこれは箱庭の中で強制された、偽りの生命も入り混じる殺し合い。
盤面を読み、あるいは自ら動かして戦いのタイミングを操らんとする者たちであっても常に想定外に悩まされるもの。
故に、自ら戦いの場を作ろうと画策した神殺しの男にとって大変不本意な形での戦いが始まってしまうことは必然であると言えた。
ましてやこれは箱庭の中で強制された、偽りの生命も入り混じる殺し合い。
盤面を読み、あるいは自ら動かして戦いのタイミングを操らんとする者たちであっても常に想定外に悩まされるもの。
故に、自ら戦いの場を作ろうと画策した神殺しの男にとって大変不本意な形での戦いが始まってしまうことは必然であると言えた。
☆
神殺しのメラはある計画の基、鳩野ちひろを筆頭とした参加者たちを誘導せんとしていた。
計画と言っても魔王グリオンが進めているような壮大なものではなく、享楽のようなものだ。
ルルーシュの居城であるテレビ局に正義を気取る参加者たちを集め、派手な戦端を開くことが目的だった。
計画と言っても魔王グリオンが進めているような壮大なものではなく、享楽のようなものだ。
ルルーシュの居城であるテレビ局に正義を気取る参加者たちを集め、派手な戦端を開くことが目的だった。
ルルーシュも主催に反抗する者ではあるが、逆らう者には容赦のない、そして尊大で高圧的な言動は少なからぬ数の参加者から反感を買っているに違いない。
故にメラが誘導してきた参加者グループと一堂に会することがあったとしても、じゃあ素直に悪の一味を倒すために共闘しよう、などという展開にはそうそうならないと踏んだ。
それどころか上手く立ち回れば対主催のグループ同士で派手な潰し合いを起こせるかもしれないという期待さえあった。
故にメラが誘導してきた参加者グループと一堂に会することがあったとしても、じゃあ素直に悪の一味を倒すために共闘しよう、などという展開にはそうそうならないと踏んだ。
それどころか上手く立ち回れば対主催のグループ同士で派手な潰し合いを起こせるかもしれないという期待さえあった。
最優先目標ではないが、メラの中には潰せる時にルルーシュを潰しておくべきかという考えが生じていた。
その理由はテレビ局に派遣していた魔界の凝視虫が見せた、午前中の一幕にあった。
配下に加わったはずの者を使い潰し、敵対した仮面ライダーらしきものを倒してみせたルルーシュの手腕と彼が変身した仮面ライダーの実力。
このゲームの最上位層には及ばないにせよ、そのレベルの参加者さえ食らってみせるという意気込みを感じたものだ。
奴ほどの者ならメラの大本命であるアルジュナ・オルタとの戦いに余計な横槍を入れてくるに違いない。メインディッシュをいただこうという時にそんなことをされたら興醒めだ。
そうした考えもあってこのタイミングでルルーシュを居城のテレビ局ごと潰すために動いていた。テレビ局なら鳩野ちひろと殺し愛をする己の姿も格好良く撮影されるかもしれない。
その理由はテレビ局に派遣していた魔界の凝視虫が見せた、午前中の一幕にあった。
配下に加わったはずの者を使い潰し、敵対した仮面ライダーらしきものを倒してみせたルルーシュの手腕と彼が変身した仮面ライダーの実力。
このゲームの最上位層には及ばないにせよ、そのレベルの参加者さえ食らってみせるという意気込みを感じたものだ。
奴ほどの者ならメラの大本命であるアルジュナ・オルタとの戦いに余計な横槍を入れてくるに違いない。メインディッシュをいただこうという時にそんなことをされたら興醒めだ。
そうした考えもあってこのタイミングでルルーシュを居城のテレビ局ごと潰すために動いていた。テレビ局なら鳩野ちひろと殺し愛をする己の姿も格好良く撮影されるかもしれない。
アヤネとしてはメラの計画に必ずしも乗り気ではなかった。ルルーシュを標的とするのは崇拝するグリオンの指示に反するからだ。
しかしメラが秘めた力は到底アヤネの手に負える域にはない。戦わなくてもわかる。
ともすれば仮面ライダーエルドの力を手にしたグリオンの命にさえ届くのではないかと思えるメラをどうにかして参加者減らしに利用しつつ、消耗させたい。
そのために敢えてメラの計画に乗った。偉大なるグリオン様の指示に背いた罪は成果を以って贖うという決意の下に。
しかしメラが秘めた力は到底アヤネの手に負える域にはない。戦わなくてもわかる。
ともすれば仮面ライダーエルドの力を手にしたグリオンの命にさえ届くのではないかと思えるメラをどうにかして参加者減らしに利用しつつ、消耗させたい。
そのために敢えてメラの計画に乗った。偉大なるグリオン様の指示に背いた罪は成果を以って贖うという決意の下に。
しかし戦いや戦争、闘争と呼ばれる行為には必ず相手がいるものだ。
メラやアヤネが頭の中で思い描いた手前勝手な計画を慮る理由など他人にはない。
ましてやそれが、あらゆる悪、あらゆる不出来を一切合切認めぬ神そのものであればなおさらであろう。
メラやアヤネが頭の中で思い描いた手前勝手な計画を慮る理由など他人にはない。
ましてやそれが、あらゆる悪、あらゆる不出来を一切合切認めぬ神そのものであればなおさらであろう。
☆
G-8の空を光が奔っている。
ただの光ではない。触れればヒトであれ無機物であれ熱し、溶かす死の具現に等しい熱光線だ。
並のスペックなら仮面ライダーの必殺技をも易々と打ち破る光線を撃ち続けるのは黒き最後の神、アルジュナ・オルタ。
無論虚空に向けて意味のない攻撃などするはずもなく、視線の先には滅ぼすべき邪悪を捉えていた。
ただの光ではない。触れればヒトであれ無機物であれ熱し、溶かす死の具現に等しい熱光線だ。
並のスペックなら仮面ライダーの必殺技をも易々と打ち破る光線を撃ち続けるのは黒き最後の神、アルジュナ・オルタ。
無論虚空に向けて意味のない攻撃などするはずもなく、視線の先には滅ぼすべき邪悪を捉えていた。
「おいおいおい!タンマタンマ!そんなカッカすんなってジュナオ君!
俺ら羂索ちゃんたちから四凶だとか言われてる特別プレイヤーらしいからさあ、もうち~っとでいいから仲良くしようや!な?」
俺ら羂索ちゃんたちから四凶だとか言われてる特別プレイヤーらしいからさあ、もうち~っとでいいから仲良くしようや!な?」
「神を滅ぼし権能(ちから)を簒奪せし特級の邪悪…貴様の存在は些事にあらず…滅びよ……!」
自身の力のみで空を駆けるアルジュナ・オルタと同様に、九尾の尾を翼の如く操り空を駆ける黒狐。
神殺しの男、メラが変身した戦闘形態である仮面ライダーXギーツに無数の光線が撃ちかけられる。
それはこれまでのような目についた不出来な存在を排除するための攻撃とも、向かってきた者への迎撃とも異なる明瞭なる殺意の下で放たれている。
神殺しの男、メラが変身した戦闘形態である仮面ライダーXギーツに無数の光線が撃ちかけられる。
それはこれまでのような目についた不出来な存在を排除するための攻撃とも、向かってきた者への迎撃とも異なる明瞭なる殺意の下で放たれている。
異聞帯のアルジュナ・オルタを知る者であれば、メラという一個人に怒りと殺意を抱く今の彼の姿に驚愕することだろう。
アルジュナ・オルタは基本的に個を認識しない。仮令神の化身と呼べる存在であろうとインド異聞帯ではありふれた命と大差はない。
アルジュナ・オルタにとっては興味を抱くに値しない些末な存在なのだ。だがメラは違う。
黒き神の超越した眼はメラの裡にある数々の神性を、世界を滅ぼす邪悪なる神殺しの本質を捉えていた。
故にこその殺意。今この時に限り、アルジュナ・オルタは異聞帯の管理者ではなく守護者としてXギーツと相対していた。
アルジュナ・オルタは基本的に個を認識しない。仮令神の化身と呼べる存在であろうとインド異聞帯ではありふれた命と大差はない。
アルジュナ・オルタにとっては興味を抱くに値しない些末な存在なのだ。だがメラは違う。
黒き神の超越した眼はメラの裡にある数々の神性を、世界を滅ぼす邪悪なる神殺しの本質を捉えていた。
故にこその殺意。今この時に限り、アルジュナ・オルタは異聞帯の管理者ではなく守護者としてXギーツと相対していた。
「クソが!初対面でここまで嫌われることなんてした覚えねえぞ!」
こうなったのはメラ自身の日頃の神殺(おこない)が悪いせいである。だが、そうであるからといって潔く滅びてやるメラではない。
大半の参加者(プレイヤー)なら既に数十度は滅ぼされているであろうほどの密度の攻撃を俊敏かつ精緻な動きで回避し続けていた。
最初にアルジュナ・オルタの威圧的な神威(けはい)に気づいた時点で即座にXギーツへ変身。
サチを乗せていたライドブースターを自動運転に設定し、アヤネに適当な場所で隠密するよう指図し、自らはアルジュナ・オルタの注意を惹きつけていた。
まだ利用価値のある人質を手放すつもりはなく、しかし周囲に配慮しながら戦えるような易い敵ではないが故の行動だった。
大半の参加者(プレイヤー)なら既に数十度は滅ぼされているであろうほどの密度の攻撃を俊敏かつ精緻な動きで回避し続けていた。
最初にアルジュナ・オルタの威圧的な神威(けはい)に気づいた時点で即座にXギーツへ変身。
サチを乗せていたライドブースターを自動運転に設定し、アヤネに適当な場所で隠密するよう指図し、自らはアルジュナ・オルタの注意を惹きつけていた。
まだ利用価値のある人質を手放すつもりはなく、しかし周囲に配慮しながら戦えるような易い敵ではないが故の行動だった。
撃たれっぱなしは癪に障る。
右手に装備したギーツバスタークロスからお返しの光弾を連続発射。
ハイスペックな仮面ライダーにも痛打を与える高威力の弾丸はしかし、黒き神の肉体に命中はすれど傷をつけるには至らない。
光線が一向に当たらぬと見たアルジュナ・オルタは攻撃手段を変更。右手に直接廻剣を握り、被弾を無視して黒狐へと超高速で迫る。
右手に装備したギーツバスタークロスからお返しの光弾を連続発射。
ハイスペックな仮面ライダーにも痛打を与える高威力の弾丸はしかし、黒き神の肉体に命中はすれど傷をつけるには至らない。
光線が一向に当たらぬと見たアルジュナ・オルタは攻撃手段を変更。右手に直接廻剣を握り、被弾を無視して黒狐へと超高速で迫る。
並のライダー、並の機動兵器(パワードスーツ)では反応も出来ぬ速度、防御など思いもよらぬ破滅的な威力を乗せた斬撃。
それを黒狐は両手の獲物を交差させて防いでみせる。この事実だけでもXギーツが他のライダーと次元の違う猛者であることがわかるだろう。
しかし膂力ではアルジュナ・オルタに敵わず徐々に押し込まれていく。パワー勝負の不利を悟り、刃を滑らせて受け流し距離を取る。
それを黒狐は両手の獲物を交差させて防いでみせる。この事実だけでもXギーツが他のライダーと次元の違う猛者であることがわかるだろう。
しかし膂力ではアルジュナ・オルタに敵わず徐々に押し込まれていく。パワー勝負の不利を悟り、刃を滑らせて受け流し距離を取る。
「調子乗んな!」
両手の武装、クロスレイジングソードとギーツバスタークロスに青と黒が入り混じった炎が灯る。
創世の神となった仮面ライダーギーツ、浮世英寿から奪った力に神殺しの力をも乗せた、X字の斬撃を飛ばす。
己の肉体を傷つけ得る技を無視はせず、アルジュナ・オルタは廻剣で迎撃。一瞬拮抗した後、黒狐の斬撃を弾き飛ばした。
創世の神となった仮面ライダーギーツ、浮世英寿から奪った力に神殺しの力をも乗せた、X字の斬撃を飛ばす。
己の肉体を傷つけ得る技を無視はせず、アルジュナ・オルタは廻剣で迎撃。一瞬拮抗した後、黒狐の斬撃を弾き飛ばした。
「あっそ!んじゃあこれならどうよ!?」
Xギーツの攻勢は止まず、ギーツバスタークロスからより強力な一射を放つ。
手数重視の弾では押しとどめられないのならば威力重視だ。防がれたとしても十分な距離を取って仕切り直しはできる。
しかし殺意を持ったアルジュナ・オルタはメラの想定を超える。右手の廻剣で光弾を弾くと同時に左手から光球を生み出し、いくつもの熱線を放つ。
攻撃の瞬間を狙った反撃に流石のXギーツも回避が間に合わず、胸と胴体に一発ずつ熱線が命中。極めて堅牢なはずの装甲を砕いて散らし、変身者にも少なからぬダメージを与えた。
手数重視の弾では押しとどめられないのならば威力重視だ。防がれたとしても十分な距離を取って仕切り直しはできる。
しかし殺意を持ったアルジュナ・オルタはメラの想定を超える。右手の廻剣で光弾を弾くと同時に左手から光球を生み出し、いくつもの熱線を放つ。
攻撃の瞬間を狙った反撃に流石のXギーツも回避が間に合わず、胸と胴体に一発ずつ熱線が命中。極めて堅牢なはずの装甲を砕いて散らし、変身者にも少なからぬダメージを与えた。
「ぐあっ……!」
「滅せよ…!」
(クソ、こんなはずじゃあ……!こいつとはもっとガッツリ準備を整えてからの大一番でやり合うつもりだったってのに!
大体こいつ神性がいくつか混ざってるとかそういうレベルじゃねえじゃねえか!クソデカスケールのインドの神々を一体いくつ取り込んだんだよこのバケモノは!?)
大体こいつ神性がいくつか混ざってるとかそういうレベルじゃねえじゃねえか!クソデカスケールのインドの神々を一体いくつ取り込んだんだよこのバケモノは!?)
予定外にして想定外。それがメラからヘラヘラと笑う余裕を完全に奪い去っていた。
こんなにも早くアルジュナ・オルタと接敵するとわかっていればライドブースターを使った派手な移動などせず、見つからないよう徒歩で隠密していた。
一応今ある手札を使った攻略法も構築はしているが状況が悪すぎる。この場では使えない方法だ。
こんなところで倒されてなどやるものか。強い憤怒は負けたくないという願いとなり、願う心は思わぬ形でメラに微笑んだ。
こんなにも早くアルジュナ・オルタと接敵するとわかっていればライドブースターを使った派手な移動などせず、見つからないよう徒歩で隠密していた。
一応今ある手札を使った攻略法も構築はしているが状況が悪すぎる。この場では使えない方法だ。
こんなところで倒されてなどやるものか。強い憤怒は負けたくないという願いとなり、願う心は思わぬ形でメラに微笑んだ。
《回復!》 《鋼鉄化!》
トドメを直接己の手で刺すべく突進したアルジュナ・オルタの廻剣がXギーツを捉える寸前、唐突にエナジーアイテムが発動した。
回復のエナジーアイテムはメラの傷を癒し破損したXギーツの装甲を修復、鋼鉄化は元より硬かった装甲を更に強化し何とアルジュナ・オルタの廻剣を装甲のみで受け止めてのけた。
さらに。
回復のエナジーアイテムはメラの傷を癒し破損したXギーツの装甲を修復、鋼鉄化は元より硬かった装甲を更に強化し何とアルジュナ・オルタの廻剣を装甲のみで受け止めてのけた。
さらに。
《マッスル化!》
「こいつは、アイテムか!?」
(ギーツから奪った運がたまたまここにあったエナジーアイテムを引き寄せた?……いやいやいや有り得ねえだろ、お空の上だぞここ。
ってことはアレか、ここに来てから使えなかったギーツの創世の力がさっきの放送で言ってた心意システムとやらで動かせるようになったってわけか!)
ってことはアレか、ここに来てから使えなかったギーツの創世の力がさっきの放送で言ってた心意システムとやらで動かせるようになったってわけか!)
虚空からマッスル化のエナジーアイテムが現れたことでメラの中で全てが繋がった。
三つのエナジーアイテムは元々配置されていたものでもなければ地上から引き寄せたものでもなく、事態の打開を願うメラの心意によって零から創造されたものだ。
三つのエナジーアイテムは元々配置されていたものでもなければ地上から引き寄せたものでもなく、事態の打開を願うメラの心意によって零から創造されたものだ。
「イエス!こっからがメラ様のハイライトってやつよ!」
「小癪…」
攻守逆転。エナジーアイテムの力を得たXギーツが二刀による連撃を仕掛けていく。
無論それで易々と傷をつけられる神ではないが、先ほどまでのように片手間で防いで反撃というわけにはいかず防御に専念させられる。
僅か数秒で三十合以上も打ち合い両者に傷はなし。マッスル化によって力比べでも五分の勝負となった。
無論それで易々と傷をつけられる神ではないが、先ほどまでのように片手間で防いで反撃というわけにはいかず防御に専念させられる。
僅か数秒で三十合以上も打ち合い両者に傷はなし。マッスル化によって力比べでも五分の勝負となった。
創世の力。それはデザイアグランプリに関わる未来人たちがギラギラと呼ぶ、人々の願いの力を操り世界をも塗り替える力。
創世の神となった英寿の力を奪ったメラにも当然使える異能を超えた異能であるが、創世の力とは無料(タダ)でポンポンと扱えるものではない。
先述したように創世の力を振るうには叶えたい事柄に見合うだけの願いの力を消費しなければならない。
だがメラはこの真贋交わる殺し合いに呼ばれる寸前、ジャマト世界樹を介した世界滅亡のために願いの力を消費し尽くしてしまっていた。
創世の神となった英寿の力を奪ったメラにも当然使える異能を超えた異能であるが、創世の力とは無料(タダ)でポンポンと扱えるものではない。
先述したように創世の力を振るうには叶えたい事柄に見合うだけの願いの力を消費しなければならない。
だがメラはこの真贋交わる殺し合いに呼ばれる寸前、ジャマト世界樹を介した世界滅亡のために願いの力を消費し尽くしてしまっていた。
故に殺し合いが始まった時点でのメラは個体能力という点でノワル、宇蟲王ギラ、アルジュナ・オルタら四凶の中では最も劣っていた。
劣っているとは言っても他の多くの参加者と比べれば懸絶の差がある実力者には違いないが、やはり創世の力抜きのライダーとしての力だけでは火力も耐久力も他の三人に劣る。
しかし心意システムの実装に伴い心意を願いの力の代替として操れるようになったことで、心意システム実装前の他の四凶に匹敵するだけのパフォーマンスを発揮できるようになったのだ。
劣っているとは言っても他の多くの参加者と比べれば懸絶の差がある実力者には違いないが、やはり創世の力抜きのライダーとしての力だけでは火力も耐久力も他の三人に劣る。
しかし心意システムの実装に伴い心意を願いの力の代替として操れるようになったことで、心意システム実装前の他の四凶に匹敵するだけのパフォーマンスを発揮できるようになったのだ。
「俺の本気、いっちゃうよ~!」
《XGEATS STRIKE》
エナジーアイテムの効果は決して長続きしない。そして再びアイテムを創造・取得しようとしても流石に次からは妨害されるに違いない。
ここで勝負を決めるべくバックルのレバーを操作、胸部装甲に眠るカノミックエンジンが起動し蒼炎を噴き上げ、Xギーツの脚部にエネルギーが満ちる。
ここで勝負を決めるべくバックルのレバーを操作、胸部装甲に眠るカノミックエンジンが起動し蒼炎を噴き上げ、Xギーツの脚部にエネルギーが満ちる。
「邪悪、滅ぶべし…!」
対するアルジュナ・オルタが選んだのは回避でも防御でもなく同じく必殺を期した一撃による対抗。
黄金の弓を生成し、己の魔力を矢弾とする神の一撃。炎神の咆哮(アグニ・ガーンディーヴァ)を以って神をも恐れぬ悪を葬らん。
黄金の弓を生成し、己の魔力を矢弾とする神の一撃。炎神の咆哮(アグニ・ガーンディーヴァ)を以って神をも恐れぬ悪を葬らん。
「オ、ラァアアアアアアーーーッ!!!!」
「消えよ!!」
マッスル化による強化を受けたXギーツの必殺技(ライダーキック)と炎神の一矢がぶつかり合い、終末的なまでの輝きが空に満ちた。
☆
「冥黒の眠りに就け」
F-8、租界と現代都市を繋ぐ橋近くの川辺にライドブースターをホバリング待機させたアヤネはネミネムーンの力でサチをより深い眠りに落としていた。
ただでさえ想定外にも程があるトラブルに見舞われている中、縛ってあるとはいえ万が一にも起きて暴れられては困る。
これでこの少女はアヤネがその気にならない限り眠りから覚めることはない。
ただでさえ想定外にも程があるトラブルに見舞われている中、縛ってあるとはいえ万が一にも起きて暴れられては困る。
これでこの少女はアヤネがその気にならない限り眠りから覚めることはない。
「まだ戦(や)っているな……。さて、どうするか。奴を消耗させることはできそうだが……」
空を見上げればXギーツとアルジュナ・オルタの戦いの軌跡が見える。
仔細はわからないが、どちらも一進一退の攻防を繰り広げているように見える。
図らずもメラを利用してアルジュナ・オルタという強敵にも消耗を強いることには成功した状況と言える。
だとすればこれ以上メラと組む理由もないのではないか?
仔細はわからないが、どちらも一進一退の攻防を繰り広げているように見える。
図らずもメラを利用してアルジュナ・オルタという強敵にも消耗を強いることには成功した状況と言える。
だとすればこれ以上メラと組む理由もないのではないか?
「この女もライドブースターもグリオン様の戦力拡充に使えそうだ。
ならばここは隙を見て一度グリオン様の下へ戻るべきか……」
ならばここは隙を見て一度グリオン様の下へ戻るべきか……」
「待てい!!」
「チッ、もう追いついてきたのか…」
早くもメラを切り捨てる算段をつけ始めたアヤネを咎めるが如く現れた者が一人。
サクラハリケーンを駆ってメラたちが乗るライドブースターを追っていた空蝉丸が追いついたのだ。
油断なくザンダーサンダーを構えて近づく空蝉丸。改めてアヤネを見てみれば見逃しがたい違和感がいくつもある。
サクラハリケーンを駆ってメラたちが乗るライドブースターを追っていた空蝉丸が追いついたのだ。
油断なくザンダーサンダーを構えて近づく空蝉丸。改めてアヤネを見てみれば見逃しがたい違和感がいくつもある。
「レジスターは着けておらぬがその禍々しい気配、とてもそこいらのNPCと同じとは思えぬ!
それにその服装はアビドス高校の制服であろう?しかしホシノ殿が話してくれた知り合いの外見情報ともまるで一致しておらぬしヘイローとやらもない。おぬし、一体何者でござるか!?」
それにその服装はアビドス高校の制服であろう?しかしホシノ殿が話してくれた知り合いの外見情報ともまるで一致しておらぬしヘイローとやらもない。おぬし、一体何者でござるか!?」
「ああ、本物の小鳥遊ホシノに会っていたのか。
返答をするならイエスだよ。私はただのNPCなどではない。グリオン様に作られし冥黒のデスマスクが一人、奥空アヤネ。
いずれこのゲームの参加者ども全てに絶望を齎す偉大なるグリオン様の名を死ぬまでの僅かな間に精々記憶に刻んでおくと良い」
返答をするならイエスだよ。私はただのNPCなどではない。グリオン様に作られし冥黒のデスマスクが一人、奥空アヤネ。
いずれこのゲームの参加者ども全てに絶望を齎す偉大なるグリオン様の名を死ぬまでの僅かな間に精々記憶に刻んでおくと良い」
「グリオン?確かに名簿にその名を見かけたが……ホシノ殿たちアビドスの者とは離れた位置にあった筈。一体どういう……」
「そこまで話してやる筋合いはない。特にここで死ぬ貴様にはな。行け」
アヤネの指図に従い、二機のライドブースターが飛び立ち、搭載された火器の照準を空蝉丸に向ける。
「ブレイブイン!キョウリュウチェンジ!ファイヤー!」
舞い踊る暇はなかったが、6番の獣電池をガブリチェンジャーに装填し、走りだす空蝉丸。
一瞬の光とともにキョウリュウゴールドへの変身を果たし、背部ウイングユニットを展開しライドブースターの一斉射撃を華麗に回避していく。
文字通り空中戦闘に特化された戦闘機、それも二機を相手に被弾することなく立ち回り、どころか時折電撃を纏った反撃までしてみせる。
一瞬の光とともにキョウリュウゴールドへの変身を果たし、背部ウイングユニットを展開しライドブースターの一斉射撃を華麗に回避していく。
文字通り空中戦闘に特化された戦闘機、それも二機を相手に被弾することなく立ち回り、どころか時折電撃を纏った反撃までしてみせる。
「あの動き、スペック頼りではないな。恐らくは元々使い慣れていた装備、そして奴自身も相当な達人と見た」
戦闘を観察しながらアヤネは空蝉丸の戦力評価を大幅に上方修正した。
空中戦にも対応した性能のスーツとなると戦闘機とはいえ所詮自動操縦のライドブースターでは勝てまい。二機とも落とされるのは時間の問題だろう。
そう確信するほどにキョウリュウゴールドの戦いぶりは目を見張るものがあった。
空中戦にも対応した性能のスーツとなると戦闘機とはいえ所詮自動操縦のライドブースターでは勝てまい。二機とも落とされるのは時間の問題だろう。
そう確信するほどにキョウリュウゴールドの戦いぶりは目を見張るものがあった。
《アルケミスドライバー!》 《アルケミスリンク!》
もっとも負けるとわかっていて傍観する選択肢などはない。
今のアヤネにはグリオンから授けられた、ただの金色のマルガムを超えた仮面ライダーの力がある。
練度の差があろうともライドブースターとの連携であれば必ずこちらが勝つ。
今のアヤネにはグリオンから授けられた、ただの金色のマルガムを超えた仮面ライダーの力がある。
練度の差があろうともライドブースターとの連携であれば必ずこちらが勝つ。
「これほどの猛者、確保しない手はないな。
死体をグリオン様に献上し、デスマスクとすれば役に―――!?」
死体をグリオン様に献上し、デスマスクとすれば役に―――!?」
背後からの殺気。咄嗟に身を捻ると同時に銃声が響き、アヤネの左の耳が千切れて傷口から黒いタール状の液体が飛散する。
振り向いた先には記憶にある、しかし初対面の、そしてこの状況では会いたくなかった者がいた。
振り向いた先には記憶にある、しかし初対面の、そしてこの状況では会いたくなかった者がいた。
「随分面白いこと言うねえ~。誰に、何を献上するって?」
「本物の、小鳥遊ホシノ……!こんな時に!」
ポニーテールでアビドス高校の制服の上に防弾チョッキを着込んだ小柄な少女。
ゲームが開始して早々に散ったデスマスクのホシノとは異なり、頭にキヴォトス人の証であるヘイローを浮かべた本物の小鳥遊ホシノがそこにいた。
右手にアタッシュショットガン、左手に大きな盾を構えた臨戦態勢だ。
口調こそは普段の「おじさん」という一人称を使っている時に戻っているが、語気が、目が全くと言っていいほどに笑っていない。
ゲームが開始して早々に散ったデスマスクのホシノとは異なり、頭にキヴォトス人の証であるヘイローを浮かべた本物の小鳥遊ホシノがそこにいた。
右手にアタッシュショットガン、左手に大きな盾を構えた臨戦態勢だ。
口調こそは普段の「おじさん」という一人称を使っている時に戻っているが、語気が、目が全くと言っていいほどに笑っていない。
「やっと人に会えたと思ったらアヤネちゃんの偽者とはね。おかげで最悪の気分だよ」
レジェンドガンダムの襲撃を受けてキリトたちと逸れた後、ホシノは流れ流れてF-8に辿り着いていた。
道中で頭に金銀の鐘が生えたNPCに絡まれ、殲滅して戦利品を手に入れたものの誰にも会えないまま時間が経っていたのだった。
やっと人に会えると思えば仲間の空蝉丸を襲撃している最中の、怨敵グリオンの傀儡の偽アヤネと来た。
そうであれば背後からのヘッドショットにも何の躊躇もない。
道中で頭に金銀の鐘が生えたNPCに絡まれ、殲滅して戦利品を手に入れたものの誰にも会えないまま時間が経っていたのだった。
やっと人に会えると思えば仲間の空蝉丸を襲撃している最中の、怨敵グリオンの傀儡の偽アヤネと来た。
そうであれば背後からのヘッドショットにも何の躊躇もない。
(戦闘の回避……無理だな。小鳥遊ホシノが私を見逃す理由がどこにもない)
悪因悪果。グリオンが望む絶望を参加者に振り撒くために動き続ければ必然恨みを抱く者も増える。
いつまでも好きなように暗躍できるわけもなく、こうして望まぬタイミング、不利な状況での戦闘を余儀なくされる。
であればここは少しでも有利に戦えるようにするだけだ。
いつまでも好きなように暗躍できるわけもなく、こうして望まぬタイミング、不利な状況での戦闘を余儀なくされる。
であればここは少しでも有利に戦えるようにするだけだ。
「そうか。ならばお前の気分が晴れる素晴らしい提案をしよう。
小鳥遊ホシノ。今ここで自決し、再び冥黒のデスマスクとして生まれ変わる気はないか?」
小鳥遊ホシノ。今ここで自決し、再び冥黒のデスマスクとして生まれ変わる気はないか?」
「―――――――――は?」
想定通りの反応に内心で満足するアヤネ。
こんな安い挑発に引っかかってくれるとは。
ここはもう一押し、ホシノの逆鱗に敢えて触れてやろう。
こんな安い挑発に引っかかってくれるとは。
ここはもう一押し、ホシノの逆鱗に敢えて触れてやろう。
「驚くことはないだろう?この戦場でお前如きが生き残れるわけもないのだからな。
ならばその身体をグリオン様に捧げる方が無為に死ぬよりよほど良いのは猿でもわかる道理というもの。
こちらのホシノもノノミも死んだせいで、新たにデスマスクとなったディアッカたちの統率に手を焼いているんだ」
ならばその身体をグリオン様に捧げる方が無為に死ぬよりよほど良いのは猿でもわかる道理というもの。
こちらのホシノもノノミも死んだせいで、新たにデスマスクとなったディアッカたちの統率に手を焼いているんだ」
「―――今、何て言った?ディアッカを、どうしたって?」
やはり食いつく。ほくそ笑みながら二枚のケミーカードを手に取る。
その動きを見咎めたホシノがすかさず撃ってくるが、そうとわかっていれば完全に避けることは難しくない。
その動きを見咎めたホシノがすかさず撃ってくるが、そうとわかっていれば完全に避けることは難しくない。
「もうわかっているんだろう?ディアッカ・エルスマンは今や冥黒のディアッカとしてグリオン様の忠実な駒となった。
確かお前は生前の奴と行動していたんだったな。グリオン様の下に来ればまた一緒に戦えるんだ、嬉しくはないのか?」
確かお前は生前の奴と行動していたんだったな。グリオン様の下に来ればまた一緒に戦えるんだ、嬉しくはないのか?」
「殺す!!」
「生憎だが死ぬのはお前だよ」
《YOACERBERUS!》 《NEMINEMOON!》
ケミーカードをアルケミスドライバーに装填、変身シークエンス開始。アヤネの眼前に浮かび上がったヨアケルベロスとネミネムーンのカードがホシノの銃撃を防ぐ盾となる。
これで変身妨害はもう成立しないと内心安堵するアヤネを前に、ホシノはアタッシュショットガンを地面に置き、手早くリュックを漁りあるものを取り出した。
取り出したのは右手に装着された銀色の剣と何かの指輪。
これで変身妨害はもう成立しないと内心安堵するアヤネを前に、ホシノはアタッシュショットガンを地面に置き、手早くリュックを漁りあるものを取り出した。
取り出したのは右手に装着された銀色の剣と何かの指輪。
ホシノがここに来るまでに倒したNPCの名はアーイー。
本来はブライダンの戦闘員として指輪の戦士たちと戦っていた彼らもまたNPCとして再現されていた。
そしてそのアーイーのうちの一体がドロップしたアイテムこそが腕に装着できる剣型の変身アイテム、ゴジュウジャーならざる指輪の戦士たちが使う銀色のテガソードだ。
テガソードにある窪みを見たホシノは、そこに自分の支給品のうちの一つを装填できることに気がついた。
つまりディアッカや他の参加者が使っているようなパワードスーツを自分も纏えるということ。
本来はブライダンの戦闘員として指輪の戦士たちと戦っていた彼らもまたNPCとして再現されていた。
そしてそのアーイーのうちの一体がドロップしたアイテムこそが腕に装着できる剣型の変身アイテム、ゴジュウジャーならざる指輪の戦士たちが使う銀色のテガソードだ。
テガソードにある窪みを見たホシノは、そこに自分の支給品のうちの一つを装填できることに気がついた。
つまりディアッカや他の参加者が使っているようなパワードスーツを自分も纏えるということ。
「手に入れていたのか、変身用のツールを……!」
「生身の私を甚振ろうとしてたんだろうけど、そっちこそお生憎様だったね!」
冥黒のアヤネにはアビドス高校の記憶はそれほど残っていない。
しかしディアッカからの情報で小鳥遊ホシノが生身でありながらパワードスーツを纏った腕利きの参加者と互角に渡り合える猛者であることは把握している。
それでももう後には退けない。戦って殺す、ただそれだけだ。
しかしディアッカからの情報で小鳥遊ホシノが生身でありながらパワードスーツを纏った腕利きの参加者と互角に渡り合える猛者であることは把握している。
それでももう後には退けない。戦って殺す、ただそれだけだ。
「変身」
《ガガガガッチャーンコ!》 《スリーヘッドスリーパー!ムーンケルベロス!》
「エンゲージ!」
《センタイリング!》 《パトレンジャー!》
変身は同時。アヤネが冥黒の仮面ライダーマジェードことマジェードテラーに、そしてホシノはパトレンジャーの力を宿した指輪、センタイリングでユニバースパトレン1号に姿を変えた。
本来の警察戦隊ならざるユニバース戦士の一人であり、本来は学校の平和を守る生徒会長が変身していた戦士だ。
アヤネにとっては未知の戦力。故に最初は様子見に徹し、怒りで動きが乱れたところを捉える―――と考えていたところで、パトレン1号はおもむろにアタッシュショットガンを空中に放り投げた。
想定外の奇行に一瞬、ほんの一瞬だけ視線が放り投げられたアタッシュショットガンに釘付けになった直後、マジェードテラーの眼前には迫るテガソードの切っ先があった。
本来の警察戦隊ならざるユニバース戦士の一人であり、本来は学校の平和を守る生徒会長が変身していた戦士だ。
アヤネにとっては未知の戦力。故に最初は様子見に徹し、怒りで動きが乱れたところを捉える―――と考えていたところで、パトレン1号はおもむろにアタッシュショットガンを空中に放り投げた。
想定外の奇行に一瞬、ほんの一瞬だけ視線が放り投げられたアタッシュショットガンに釘付けになった直後、マジェードテラーの眼前には迫るテガソードの切っ先があった。
「~~~っ!?」
顔面狙いの右ストレートをギリギリのところで躱した瞬間、腹部に何かが押しつけられたような感覚。
視線を下に向ければそこにはパトレン1号の左手に握られた白い銃ことVSチェンジャー。零距離からの五連射が容赦なくマジェードテラーを襲う。
視線を下に向ければそこにはパトレン1号の左手に握られた白い銃ことVSチェンジャー。零距離からの五連射が容赦なくマジェードテラーを襲う。
「ぐあああっ!!」
たまらず数歩分のけ反り、今度こそ反撃をと前方を見るがそこにパトレン1号の姿はない。
背後からの殺気を感じて振り向いた瞬間、恐るべき踏み込み速度でマジェードテラーの背後に回り込んでいたパトレン1号の後ろ回し蹴りが頭部に炸裂し、吹っ飛ばされた。
背後からの殺気を感じて振り向いた瞬間、恐るべき踏み込み速度でマジェードテラーの背後に回り込んでいたパトレン1号の後ろ回し蹴りが頭部に炸裂し、吹っ飛ばされた。
「遅いんだよ、ゴミクズ女」
パトレン1号は数秒前に放り投げ、そして落下したアタッシュショットガンをノールックでキャッチ、吹き飛んだマジェードテラー目掛けてVSチェンジャーとの二挺流で撃ちまくる。
急速に装甲を削られながらも無理矢理に得意なクロスレンジへの接近を図るマジェードテラーだが、パトレン1号は両手の銃を連射しながらにして軽快な動きで接近を拒む。
マジェードテラーの攻撃が届かず、それでいて弾丸の威力が減衰しない絶妙な距離を保つ。
急速に装甲を削られながらも無理矢理に得意なクロスレンジへの接近を図るマジェードテラーだが、パトレン1号は両手の銃を連射しながらにして軽快な動きで接近を拒む。
マジェードテラーの攻撃が届かず、それでいて弾丸の威力が減衰しない絶妙な距離を保つ。
(つ、強い!強すぎる!?それにこの動き、冷静そのもの!挑発に掛かったように見えたのは演技だったのか!?)
実際にはアヤネの目論見はそれほどズレていたわけではない。挑発でホシノを怒らせることには成功していたのだ。
誤算があったとすれば、ホシノがこれまでに散々ブチギレにブチギレていたことである。
沸点を軽々と超えるような出来事が起こりすぎていたところにデスマスクへの誘い、ディアッカがデスマスクと化したことの暴露によりホシノの怒りは臨界を超えた。
超えた結果、ブチギレすぎて逆に頭が冷え、アヤネを抹殺するための最適解を淡々と実行するようになってしまったのだ。
誤算があったとすれば、ホシノがこれまでに散々ブチギレにブチギレていたことである。
沸点を軽々と超えるような出来事が起こりすぎていたところにデスマスクへの誘い、ディアッカがデスマスクと化したことの暴露によりホシノの怒りは臨界を超えた。
超えた結果、ブチギレすぎて逆に頭が冷え、アヤネを抹殺するための最適解を淡々と実行するようになってしまったのだ。
誤算はもう一つある。ホシノが変身能力を手に入れていたこと、そしてパトレンジャーとホシノの相性が良すぎたことだ。
元々銃と盾を使いこなすホシノの戦闘スタイルとルパンレンジャースーツより防御性能を重視して設計されたパトレンジャースーツは非常に噛み合っている。
本来のパトレンジャーは高い防御力の代償に機動力に欠ける性能だったのだが、キヴォトス全体でも最上位クラスのフィジカルの持ち主であるホシノが纏うことによってルパンレンジャーを遥かに超える機動力を発揮している。
元々銃と盾を使いこなすホシノの戦闘スタイルとルパンレンジャースーツより防御性能を重視して設計されたパトレンジャースーツは非常に噛み合っている。
本来のパトレンジャーは高い防御力の代償に機動力に欠ける性能だったのだが、キヴォトス全体でも最上位クラスのフィジカルの持ち主であるホシノが纏うことによってルパンレンジャーを遥かに超える機動力を発揮している。
「冥黒の眠りに落ちよ!」
「っ!?」
だが、そうであるからと容易く敗北の未来を受け入れる冥黒のデスマスクではない。
正面からの戦闘で遅れを取っているとしても、マジェードテラーには二体のケミーの力がある。
眠りを司るネミネムーンの力によって強制的に睡眠を誘発、オリジナルと違い多少の距離があっても使えるこの力の効果は覿面で急速にパトレン1号の動きが鈍くなった。
千載一遇の好機を逃さず、拳による連撃を叩き込む。パトレン1号も睡魔に襲われる中何とか捌こうとはしているが、その動きは先ほどまでの精彩を欠いている。
ここで手を抜くことはしない。さらに近接距離でのみ可能な重力操作を発動、パトレン1号の重力を軽くして空中に浮遊させることで反撃を封じる。
正面からの戦闘で遅れを取っているとしても、マジェードテラーには二体のケミーの力がある。
眠りを司るネミネムーンの力によって強制的に睡眠を誘発、オリジナルと違い多少の距離があっても使えるこの力の効果は覿面で急速にパトレン1号の動きが鈍くなった。
千載一遇の好機を逃さず、拳による連撃を叩き込む。パトレン1号も睡魔に襲われる中何とか捌こうとはしているが、その動きは先ほどまでの精彩を欠いている。
ここで手を抜くことはしない。さらに近接距離でのみ可能な重力操作を発動、パトレン1号の重力を軽くして空中に浮遊させることで反撃を封じる。
「手間を取らせたが…これで終わりだ!!」
《アルケミスリンク!ムーンケルベロスノヴァ!》
マジェードテラーが空中に飛び上がり、足先に冥黒のエネルギーが満ちる。
本来のマジェードと同じく対象へライダーキックを放った後、さらに連続蹴りを叩き込む必殺技を無重力に囚われたパトレン1号に向けて放つ。
いくら小鳥遊ホシノが変身しているとしても変身解除までは追い込めるはず。変身さえ解いてしまえばあとは如何様にも料理できる。
勝利の確信は次の瞬間には脆くも崩されることとなる。
本来のマジェードと同じく対象へライダーキックを放った後、さらに連続蹴りを叩き込む必殺技を無重力に囚われたパトレン1号に向けて放つ。
いくら小鳥遊ホシノが変身しているとしても変身解除までは追い込めるはず。変身さえ解いてしまえばあとは如何様にも料理できる。
勝利の確信は次の瞬間には脆くも崩されることとなる。
「防御(シールド)!!」
「何ぃっ!?」
マジェードテラーのライダーキックが当たる寸前、VSチェンジャーを消したパトレン1号の左手に盾が握られていた。
ホシノが普段使いしている愛用の盾ではない。ユニバース戦士のパトレン1号だからこそ出せる指輪の固有能力、『防御(シールド)』によって生成された盾だ。
ワイルドゴジュウウルフの必殺技さえ防ぎきる防御力でマジェードテラーのライダーキックを弾き返し、キックを受けた衝撃による吹き飛びで無重力の檻からも脱出した。
逆に連続キックの一段目で態勢を崩されたマジェードテラーは追撃を出すことができず、実質的に技が不発となってしまった格好だ。
だがそんなことよりもマジェードテラーにとっては度し難い現実があった。
ホシノが普段使いしている愛用の盾ではない。ユニバース戦士のパトレン1号だからこそ出せる指輪の固有能力、『防御(シールド)』によって生成された盾だ。
ワイルドゴジュウウルフの必殺技さえ防ぎきる防御力でマジェードテラーのライダーキックを弾き返し、キックを受けた衝撃による吹き飛びで無重力の檻からも脱出した。
逆に連続キックの一段目で態勢を崩されたマジェードテラーは追撃を出すことができず、実質的に技が不発となってしまった格好だ。
だがそんなことよりもマジェードテラーにとっては度し難い現実があった。
「何故眠りに落ちない!?冥黒の眠りに落ちよ!」
《サイレンストライカー!》
眠りの力で睡魔に襲われているはずなのにパトレン1号の動きが止まらなくなっている。
牽制射撃を撃ちながらリュックのある場所まで移動し、アヤネにとって未知の支給品をVSチェンジャーに取り付けている。
牽制射撃を撃ちながらリュックのある場所まで移動し、アヤネにとって未知の支給品をVSチェンジャーに取り付けている。
《グレイトパトライズ!超!警察チェーンジ!!》
パトレン1号の上半身に二門の砲が付いたアーマーが装着された姿こそ、強化形態であるスーパーパトレン1号!
キリトたちと支給品を分配した際に、アルカイザーに支給されていたサイレンストライカーを譲り受けていたのだ。
強力な力を持つアイテムであるが、制限としてルパンレンジャー又はパトレンジャーに変身しなければ使用できないため死蔵されていた。
支給品を分配した時点ではホシノも変身できるわけではなかったが、パトレンジャーのセンタイリングという必要なアイテムのうち一つは所持していたためホシノに渡っていた。
センタイリングとテガソードによる非正規の変身に、正規の強化アイテムによるパワーアップというイレギュラーなユニバーススーパーパトレン1号が誕生した。
キリトたちと支給品を分配した際に、アルカイザーに支給されていたサイレンストライカーを譲り受けていたのだ。
強力な力を持つアイテムであるが、制限としてルパンレンジャー又はパトレンジャーに変身しなければ使用できないため死蔵されていた。
支給品を分配した時点ではホシノも変身できるわけではなかったが、パトレンジャーのセンタイリングという必要なアイテムのうち一つは所持していたためホシノに渡っていた。
センタイリングとテガソードによる非正規の変身に、正規の強化アイテムによるパワーアップというイレギュラーなユニバーススーパーパトレン1号が誕生した。
「眠りに落ちろ!眠れ!!」
「寝惚けたこと言ってんじゃない!」
スーパーパトレン1号は射撃戦に撤していたこれまでとうってかわって右手にテガソード、左手に警棒モードのパトメガボーを装備した二刀流で接近した。
格闘戦を得意とするマジェードテラーとの打ち合いに発展、両者一歩も譲らず激しい火花を散らす。
しかし均衡はすぐに崩れる。打ち合う度にスーパーパトレン1号の攻撃の威力が増し、マジェードテラーの拳の装甲は剥がれ落ち、次第に押されていく。
無論マジェードテラーも無策で劣勢を受け入れていたわけではない。打ち合う間にも強制催眠と重力操作をフルパワーで発動し続けているのだ。
なのに何も起こらない。有り得ない事態にアヤネの狼狽は加速する一方だ。
格闘戦を得意とするマジェードテラーとの打ち合いに発展、両者一歩も譲らず激しい火花を散らす。
しかし均衡はすぐに崩れる。打ち合う度にスーパーパトレン1号の攻撃の威力が増し、マジェードテラーの拳の装甲は剥がれ落ち、次第に押されていく。
無論マジェードテラーも無策で劣勢を受け入れていたわけではない。打ち合う間にも強制催眠と重力操作をフルパワーで発動し続けているのだ。
なのに何も起こらない。有り得ない事態にアヤネの狼狽は加速する一方だ。
「うわあああああ!!眠れ!眠れ!!眠れぇええええええっ!!!」
「ユメ先輩の死体を腐れ野郎に穢されて!先生や仲間を殺されて!可愛い後輩の偽者を前にして!眠れるかあーーーっ!!!」
《パトレンジャー!フィニィィィィッシュ!!》
テガソードの一撃が偽りのマジェードの仮面を穿つ。避け損なったマジェードテラーのマスクを貫通し、変身者のアヤネの右目を刺し貫いた。
「い、痛い!痛い!痛いぃぃいいい!!!」
激痛によろめくマジェードテラーに追い討ちをかけるかのように、マジェードテラーの身体が不自然に軽くなり宙に浮きだした。
この瞬間、アヤネは何故重力操作がスーパーパトレン1号に通用しなくなったかを悟った。同種の力で相殺されていたのだ。
この瞬間、アヤネは何故重力操作がスーパーパトレン1号に通用しなくなったかを悟った。同種の力で相殺されていたのだ。
正規の使用者である高尾ノエルをはじめ快盗・警察両戦隊では使われなかったが、サイレンストライカーには重力操作能力がある。
マジェードテラーの必殺技を受けた際に重力を弄られたことに気づいたホシノはサイレンストライカーを使う判断をしていたのだった。
そして今、マジェードテラーに、冥黒の奥空アヤネにトドメを刺す終幕の一撃が放たれようとしていた。
マジェードテラーの必殺技を受けた際に重力を弄られたことに気づいたホシノはサイレンストライカーを使う判断をしていたのだった。
そして今、マジェードテラーに、冥黒の奥空アヤネにトドメを刺す終幕の一撃が放たれようとしていた。
「グリオン様から賜った力が、何故……まさかこれが心意システムの力……」
「じゃあね、化け物」
何故パトレン1号が瞬く間にマジェードテラーを打ち崩すほどの火力を発揮できたのか。何故重力操作という同種の力をぶつけ合って一方的に勝てたのか。
それらは全て心意システムがホシノの怒りに応えた結果だ。
心意の力が込められた、スーパーパトレン1号の両肩のキャノンから放たれたビーム砲が無重力の檻に囚われたマジェードテラーを粉砕した。
小鳥遊ホシノが本物のアビドス対策委員会の名の下に実力を行使し、仮面ライダーマジェードと奥空アヤネの化けの皮を被った悪鬼を討ち滅ぼした。
それらは全て心意システムがホシノの怒りに応えた結果だ。
心意の力が込められた、スーパーパトレン1号の両肩のキャノンから放たれたビーム砲が無重力の檻に囚われたマジェードテラーを粉砕した。
小鳥遊ホシノが本物のアビドス対策委員会の名の下に実力を行使し、仮面ライダーマジェードと奥空アヤネの化けの皮を被った悪鬼を討ち滅ぼした。
アヤネのマジェードテラーは決して弱くはなかった。
第一回放送以前の参加者全体と比較しても平均かそれより上と言っても良い程度には強かった。
しかし時間が経つにつれ脱出や主催者打破を目指す対主催の参加者は徒党を組んだり、あるいは心意システムを発現させたりと戦力を底上げしてきている。
四凶と呼ばれるトップ層を除いた殺人者(マーダー)では上澄みの実力者であるバルバトス・ゲーティアですら対主催グループの数の暴力の前に呆気なく沈められたほどだ。
ある程度の戦力を保持している、平均か平均よりは上。その程度の戦力しか持たないマーダーはこの環境では淘汰されるのみである。
第一回放送以前の参加者全体と比較しても平均かそれより上と言っても良い程度には強かった。
しかし時間が経つにつれ脱出や主催者打破を目指す対主催の参加者は徒党を組んだり、あるいは心意システムを発現させたりと戦力を底上げしてきている。
四凶と呼ばれるトップ層を除いた殺人者(マーダー)では上澄みの実力者であるバルバトス・ゲーティアですら対主催グループの数の暴力の前に呆気なく沈められたほどだ。
ある程度の戦力を保持している、平均か平均よりは上。その程度の戦力しか持たないマーダーはこの環境では淘汰されるのみである。
【冥黒アヤネ@ブルーアーカイブ+仮面ライダーガッチャ―ド+ロワオリジナル 死亡】
☆
「ホシノ殿!無事でござったか!」
ライドブースターを破壊し、変身を解いた空蝉丸はすぐにホシノの元へ駆け寄った。
笑顔で手を振ろうとしたホシノだが、蓄積した疲労が限界に達しその場で崩れ落ちた。
笑顔で手を振ろうとしたホシノだが、蓄積した疲労が限界に達しその場で崩れ落ちた。
「ホシノ殿!」
「だ、大丈夫~……じゃないけど、ちょっと休めば動けると思う」
地面に座り込んだホシノの前に2枚のカードがハラハラと落ちてきた。
マジェードテラーの撃破に伴い解放されたヨアケルベロスとネミネムーンのライドケミーカードだ。
マジェードテラーの撃破に伴い解放されたヨアケルベロスとネミネムーンのライドケミーカードだ。
「え、何このカード?何か動いてるよ~」
「それはさっき拙者たちが手に入れたのと同じ生きたカードでござるな。
恐らくは獣電竜と同じようなもの、ひとまずはホシノ殿が持っておくのがよろしかろう」
恐らくは獣電竜と同じようなもの、ひとまずはホシノ殿が持っておくのがよろしかろう」
その言葉に従いホシノはヨアケルベロスとネミネムーンのカードをリュックにしまい込んだ。
「それにしても空蝉丸が無事で良かったよ~……。
あ、そうだ。この獣電池返しておくね」
あ、そうだ。この獣電池返しておくね」
カードをしまうついでに良かれと思い6番の獣電池を出した瞬間、空蝉丸の表情が凍り付いた。
「……ホシノ殿?この獣電池を一体どこで?」
「デク…途中で会って情報交換した仲間が倒した怪物から出てきたものだって聞いた。
だから、もしかしたら空蝉丸も、リツカ君やマシュちゃんもやられちゃったんじゃないかって……でも無事で本当に良かった~」
だから、もしかしたら空蝉丸も、リツカ君やマシュちゃんもやられちゃったんじゃないかって……でも無事で本当に良かった~」
「そ、そんな……何ということだ……!キズナレッド殿……!!」
「え、何?どうしたの?キズナレッドって誰?」
―――もしも彼らにもっと時間があれば十分な情報交換を行い、全ての事情を互いに知ることができただろう。
だが結論から言えばそれは叶わなかった。それどころではない事がこの直後に起きるからだ。
だが結論から言えばそれは叶わなかった。それどころではない事がこの直後に起きるからだ。
| 138:光の果て、無惨の淵 | 投下順 | 139:俺様がいる-奪え!最低のガッチャ!2022- |
| 133:裏かいてなんぼ | 時系列順 | |
| 112:獰悪EX:黄金の悪魔はなぜ蘇ったのか | チェイス | |
| 花菱はるか | ||
| 横山千佳 | ||
| キリト | ||
| ジーク | ||
| 水神小夜 | ||
| 092:ブレイブの源 | 小鳥遊ホシノ | |
| 131:一名様ご案内 | 空蝉丸 | |
| 冥黒アヤネ | ||
| メラ | ||
| サチ | ||
| 117:神罰覿面 | アルジュナ・オルタ |