雄英高校外部における決闘は、その顔ぶれだけで見ればこの殺し合いおいて頂上の1つと言ってもいい。
一騎当千が服を着ているかのような怪物たちの喰らい合いは。大抵の参加者であれば近づくだけで致命傷を避けられない。
だがこの場には戦っている4人の他にもう1人、災害のごとき戦場に立ち入る資格のある人物がいる。
一騎当千が服を着ているかのような怪物たちの喰らい合いは。大抵の参加者であれば近づくだけで致命傷を避けられない。
だがこの場には戦っている4人の他にもう1人、災害のごとき戦場に立ち入る資格のある人物がいる。
雄英高校。その校舎内。
学び舎の中に潜んでいる邪悪の影を、外で戦う者たちは多かれ少なかれ感じ取る。
目の前に邪悪の王がいる以上意識を向けることが出来ず、しかしその邪悪な気配は各々の知る魔なる存在によく似ていた。
ある者はその誰かに日ノ本を腐らせる第六天魔王を見た。
ある者は邪悪にその身をやつしひかりのたまを奪い去った聖竜の末裔を見た。
ある者は恩師の父の姿をした漆黒の超戦士を見た。
学び舎の中に潜んでいる邪悪の影を、外で戦う者たちは多かれ少なかれ感じ取る。
目の前に邪悪の王がいる以上意識を向けることが出来ず、しかしその邪悪な気配は各々の知る魔なる存在によく似ていた。
ある者はその誰かに日ノ本を腐らせる第六天魔王を見た。
ある者は邪悪にその身をやつしひかりのたまを奪い去った聖竜の末裔を見た。
ある者は恩師の父の姿をした漆黒の超戦士を見た。
――魔王グリオンを倒すことは、今の彼らには不可能だという結論に。
デクを探すため雄英高校から脱出する。その道を阻むように現れた魔王グリオンの危険性を薫も学郎も知っている。
小鳥遊ホシノや後輩の偽物を従え、キリトたちを襲った危険人物。メラの脅威を知らぬ彼女たちにとってすれば、宇蟲王ギラに並ぶ最警戒対象だ。
そんな男をむざむざと見逃すことはできない薫は迷うことなく大剣を振るい、グリオンを挟み込む形で夜島学郎も刀を抜いた。
小鳥遊ホシノや後輩の偽物を従え、キリトたちを襲った危険人物。メラの脅威を知らぬ彼女たちにとってすれば、宇蟲王ギラに並ぶ最警戒対象だ。
そんな男をむざむざと見逃すことはできない薫は迷うことなく大剣を振るい、グリオンを挟み込む形で夜島学郎も刀を抜いた。
それがつい数秒前の出来事。遅れてその光景を見ていたシェフィはもとより、標的となったグリオンから見ても両者の連携は完璧と言ってよかった。
だがその攻撃は、魔王グリオン――仮面ライダーエルドの装甲に届かない。
前触れなく床から生えた黄金の壁が、防衛隊炎刃型大剣とシャドーセイバーを完璧に防ぎ切ったのだ。
だがその攻撃は、魔王グリオン――仮面ライダーエルドの装甲に届かない。
前触れなく床から生えた黄金の壁が、防衛隊炎刃型大剣とシャドーセイバーを完璧に防ぎ切ったのだ。
楽し気に告げながらグリオンが軽く指を動かす。
その合図に合わせて、薫と学郎の武器を抑えていた黄金の壁面がスライムのようにドロドロに溶けていく。
ゲル状になった黄金に武器が沈み込む中、黄金のスライムは3つに分かれて飛び掛かる。その先には学郎、薫、そしてとっさの事態に動けず固まったままのシェフィの姿があった。
大剣に加わる異様な重量に、薫の中で嫌な予感が膨れ上がる。
黄金のスライムはトリモチのように粘ついて引き抜くのも一苦労だ。もしこれが人間に張り付いたら拘束具として十二分に作用することは間違いない。
その合図に合わせて、薫と学郎の武器を抑えていた黄金の壁面がスライムのようにドロドロに溶けていく。
ゲル状になった黄金に武器が沈み込む中、黄金のスライムは3つに分かれて飛び掛かる。その先には学郎、薫、そしてとっさの事態に動けず固まったままのシェフィの姿があった。
大剣に加わる異様な重量に、薫の中で嫌な予感が膨れ上がる。
黄金のスライムはトリモチのように粘ついて引き抜くのも一苦労だ。もしこれが人間に張り付いたら拘束具として十二分に作用することは間違いない。
「この髭親父!!俺たちを捕らえる気か!」
――多分本人が使ってた道具や又聞きの情報だけであれだけそっくりの贋物を造れるんだ。
――死体なんて手に入れた日には……想像したくないな。
――死体なんて手に入れた日には……想像したくないな。
魔王グリオンに対する仲間たちの評価を疑えるほど、益子薫はこの殺し合いを侮っていない。
黄金のスライムは間違いなく薫たちを捕縛するための技。それに捕まること……『魔王グリオンの手中に落ちる』ことは、死後の尊厳までグリオンに捧げることとイコールだ。
武器を引き抜く余力はない。防衛隊炎刃型大剣から手を放し急いでマークツヴォルフの起動キーを取り出すと、足を震わせたまま立ちすくむシェフィへと薫は駆けだした。
黄金のスライムは間違いなく薫たちを捕縛するための技。それに捕まること……『魔王グリオンの手中に落ちる』ことは、死後の尊厳までグリオンに捧げることとイコールだ。
武器を引き抜く余力はない。防衛隊炎刃型大剣から手を放し急いでマークツヴォルフの起動キーを取り出すと、足を震わせたまま立ちすくむシェフィへと薫は駆けだした。
「学郎!15……いや10秒稼いでくれ!!シェフィを回収して逃げるぞ!!」
体を深紅の重装甲に包ませて、ジェットエンジンを吹かせながら薫が叫ぶ。
名を呼ばれた少年は駆動音にも負けない声で強く「はい!」と言い切り。黄金のスライムに取り込まれつつあるシャドーセイバーとは逆の手に、黒い剣を創り出す。
漆のような光沢を放つ刃。常闇銀(とこやみのしろがね)と名を与えられた刃を中心に、影が寄り集まって形を成していく。
黄金を挟んで奥、獲物を見定めるような魔王の視線を前にして、学郎は体をねじり影の刃をグリオンめがけて叩き込んだ。
名を呼ばれた少年は駆動音にも負けない声で強く「はい!」と言い切り。黄金のスライムに取り込まれつつあるシャドーセイバーとは逆の手に、黒い剣を創り出す。
漆のような光沢を放つ刃。常闇銀(とこやみのしろがね)と名を与えられた刃を中心に、影が寄り集まって形を成していく。
黄金を挟んで奥、獲物を見定めるような魔王の視線を前にして、学郎は体をねじり影の刃をグリオンめがけて叩き込んだ。
「柱刀骸街(ゼノブレード)!!」
叫びと共に、影の刃がグリオンと黄金のスライムを無数の刃で切り刻む。
グリオンは薫と学郎に向かわせていたスライムを防壁に斬撃を凌ぐが、その分操作が遅れたシェフィ側のスライムが大きく体制を崩した。
斬撃。斬撃。斬撃。シェフィの視界を津波のように覆っていた黄金の体にひびが入る。
益子薫はその隙を逃さない。低空飛行でシェフィを拾い上げると、学郎の攻撃で脆くなった箇所をショットガンホーンで貫いた。
黄金の破片がスパンコールのように飛び散る中、マークツヴォルフの外壁にシェフィが映り込む。涙で潤んだ少女から震えはすでに消えていた。
グリオンは薫と学郎に向かわせていたスライムを防壁に斬撃を凌ぐが、その分操作が遅れたシェフィ側のスライムが大きく体制を崩した。
斬撃。斬撃。斬撃。シェフィの視界を津波のように覆っていた黄金の体にひびが入る。
益子薫はその隙を逃さない。低空飛行でシェフィを拾い上げると、学郎の攻撃で脆くなった箇所をショットガンホーンで貫いた。
黄金の破片がスパンコールのように飛び散る中、マークツヴォルフの外壁にシェフィが映り込む。涙で潤んだ少女から震えはすでに消えていた。
「かおる……」
「シェフィ。助かったばっかのところ悪いんだがな。あの金ぴかの仮面ライダーを出来るだけ全力で凍らせちゃくれねえか?」
「シェフィ。助かったばっかのところ悪いんだがな。あの金ぴかの仮面ライダーを出来るだけ全力で凍らせちゃくれねえか?」
マークツヴォルフの武装の剣で、薫は黄金のライダーを指した。
その先にある男がどんな人間なのか、赤ちゃんにまで思考を落としたシェフィには全ては分からないが。黄金の仮面ライダーがドゴルドや宇蟲王ギラ同様、極めて危険な存在だということははっきりわかる。
その先にある男がどんな人間なのか、赤ちゃんにまで思考を落としたシェフィには全ては分からないが。黄金の仮面ライダーがドゴルドや宇蟲王ギラ同様、極めて危険な存在だということははっきりわかる。
「学郎が逃げる時間を稼ぐだけでいいんだ。頼めるか?」
「……わかった!やる!!
ちょっとこわいけど……デクたちならきっと戦うから!!」
「……わかった!やる!!
ちょっとこわいけど……デクたちならきっと戦うから!!」
強く言い切って。両手を掲げる。
彼女自身の冷気か、それとも氷凝呪法によるものか。黄金のスライムの残骸を伝って進む巨大な氷が、学郎の斬撃からグリオンを守っていた黄金の壁ごとその全体を凍てつかせる。
それでも今のシェフィとグリオンの実力差を考えると動きを止められるのは5秒もないだろうと薫は見ていた。学郎もほとんど同じ意見だ。
凍り付いた瞬間、学郎は脆くなった黄金からサタンサーベルを引き抜いて一気に床を蹴り進めた。同時に薫はマークツヴォルフのジェットを最大まで吹かせてシェフィを抱えたまま階下へと急ぐ。
ジャスト5秒後。内側から氷を砕いたグリオンが周囲を見渡す頃には3人の姿は消えていた。
彼女自身の冷気か、それとも氷凝呪法によるものか。黄金のスライムの残骸を伝って進む巨大な氷が、学郎の斬撃からグリオンを守っていた黄金の壁ごとその全体を凍てつかせる。
それでも今のシェフィとグリオンの実力差を考えると動きを止められるのは5秒もないだろうと薫は見ていた。学郎もほとんど同じ意見だ。
凍り付いた瞬間、学郎は脆くなった黄金からサタンサーベルを引き抜いて一気に床を蹴り進めた。同時に薫はマークツヴォルフのジェットを最大まで吹かせてシェフィを抱えたまま階下へと急ぐ。
ジャスト5秒後。内側から氷を砕いたグリオンが周囲を見渡す頃には3人の姿は消えていた。
「……ほう。思ったより動ける。
だが、私にもあまり余裕はなくてね。」
だが、私にもあまり余裕はなくてね。」
言葉とは裏腹に、どこか余裕を湛えたままグリオンはかつかつと何度か床を踏み鳴らす。
黄金の足が床を叩くたび、半紙に墨を垂らすように黄金の波紋が広がっていき、グリオンのいる階をじわじわと黄金に染め上げていく。
床だけではない。壁、天井、教室。窓ガラスからドアのゴムに至るまであらゆるものが黄金に染まっていくなか、ひときわ邪悪な輝きを放つ仮面ライダーエルドは考え込むように腕を組んだ。
黄金の足が床を叩くたび、半紙に墨を垂らすように黄金の波紋が広がっていき、グリオンのいる階をじわじわと黄金に染め上げていく。
床だけではない。壁、天井、教室。窓ガラスからドアのゴムに至るまであらゆるものが黄金に染まっていくなか、ひときわ邪悪な輝きを放つ仮面ライダーエルドは考え込むように腕を組んだ。
「この殺しあいの上限がいまだ不明な以上戦力はいくらあっても不足はない。
特に今外で戦ってる者たちは私でさえ侮っていては危険だろう。」
特に今外で戦ってる者たちは私でさえ侮っていては危険だろう。」
刃を交え、光弾を討ち放つ4つの気配。
そのどれをとっても魔王の知るどの強者より実力は上だと断言できる。
だがその声色に恐怖も無ければ委縮もなく、どこか楽し気な余裕さえ感じられる声色を投げかけながら、グリオンは振り返る。
そのどれをとっても魔王の知るどの強者より実力は上だと断言できる。
だがその声色に恐怖も無ければ委縮もなく、どこか楽し気な余裕さえ感じられる声色を投げかけながら、グリオンは振り返る。
「君もそう思わないかい?」
視線の先、今や黄金に染まった廊下の角から姿を見せたのは、時計のような意匠の施された仮面ライダーだ。
顔には自己主張するように『ジオウ』と書かれた姿は一見滑稽に見えるが、己の知らぬ仮面ライダーの厄介さはエターナルで知っている。
未知への警戒と興味。相反する感情を混ぜ込んだグリオンの視線を前に時計のライダーが口を開いた。
顔には自己主張するように『ジオウ』と書かれた姿は一見滑稽に見えるが、己の知らぬ仮面ライダーの厄介さはエターナルで知っている。
未知への警戒と興味。相反する感情を混ぜ込んだグリオンの視線を前に時計のライダーが口を開いた。
「……いつから気づいてたの?」
幼い少女の声だ。シェフィと呼ばれていた少女と同年代かそれより下だろう。
だがグリオンの興味を引いたのは声質の幼さではなかった。
だがグリオンの興味を引いたのは声質の幼さではなかった。
「初めからだ。君は私とあの子たちの戦いをずっと観測していたね。」
「うん。
あの人たちが死んだら支給品を持っていくつもりだった。おじさんが勝つと思ってたし。」
「うん。
あの人たちが死んだら支給品を持っていくつもりだった。おじさんが勝つと思ってたし。」
魔王グリオンは数多の人を殺し、数多の感情を目に焼き付けてきた。
家族を失った怨嗟の声。望みを絶たれた者の絶望の声。死の間際に過ちを知る後悔の声。
その全てを浴びるほど聞いてきたグリオンにしてみれば、少女の声はそのどれとも違う。グリオンどころか先の三人に何の興味も抱いていない。無関心を隠しもしない虚ろな声。
無関係の他人を殺したらアイテムをドロップするNPCとでも同列に扱っていなければ、とても出てこない声色だ。
家族を失った怨嗟の声。望みを絶たれた者の絶望の声。死の間際に過ちを知る後悔の声。
その全てを浴びるほど聞いてきたグリオンにしてみれば、少女の声はそのどれとも違う。グリオンどころか先の三人に何の興味も抱いていない。無関心を隠しもしない虚ろな声。
無関係の他人を殺したらアイテムをドロップするNPCとでも同列に扱っていなければ、とても出てこない声色だ。
「ねえおじさん。」
「グリオンだ。」
「グリオンさん。
なんであの人たちを逃がしたの?おじさんなら全員殺せたでしょ?」
「グリオンだ。」
「グリオンさん。
なんであの人たちを逃がしたの?おじさんなら全員殺せたでしょ?」
10にも満たない少女の口から、天気を尋ねるかのようにあっさりと血生臭い問いが投げかけられる。
ともすれば相手が仮面ライダーよりも異様なその事実に、グリオンはわざとらしく腕を組んだ。
幼い少女の問いについて考えているわけではない。そもそもグリオンは益子薫ら3人を『逃がしてなどいない』のだ。
ともすれば相手が仮面ライダーよりも異様なその事実に、グリオンはわざとらしく腕を組んだ。
幼い少女の問いについて考えているわけではない。そもそもグリオンは益子薫ら3人を『逃がしてなどいない』のだ。
「あの場で殺すにはどうしても重傷を負わせることになる。
私の目的上、あの三人の死体はできるだけ綺麗な方が都合がよくてね。」
「でも逃げられたら意味ないよ。」
「その点はどうにでもなる。
それよりこちらも尋ねたいのだが、君はそうまでして誰を殺したいんだ?」
私の目的上、あの三人の死体はできるだけ綺麗な方が都合がよくてね。」
「でも逃げられたら意味ないよ。」
「その点はどうにでもなる。
それよりこちらも尋ねたいのだが、君はそうまでして誰を殺したいんだ?」
そう問いかけると同時に少女の足がわずかに後ずさるのを、グリオンは見逃さなかった。
かつかつと足音を響かせグリオンは歩み寄る。黄金に染まった空間が2人の仮面ライダーの姿を映していた。
かつかつと足音を響かせグリオンは歩み寄る。黄金に染まった空間が2人の仮面ライダーの姿を映していた。
「君が夜島学郎達の仲間でない以上、外の怪物どもの誰かと同行している。そうみるのが自然だ。
だが君が外の戦いに巻き込まれない為に校内に逃げたなら、私を前にすべきは撤退のはずだ。
何せ私と向き合う時点で交戦リスクは跳ね上がる。ここまで生き残った参加者がそんなことを理解できないわけもないだろう。」
「……。」
「ここからは推測だが、君の目的が支給品だけならそれでもやはり逃げおおせられるのではないか。
何せ君はこの私を前に堂々と支給品を奪うと言ってのけたのだからね。相応の切り札は持っていると見ている。
だが君はその切り札を使わないどころか、こうして私と顔を突き合わせてさえいる。
恐らく君と同行している外の誰かとは違う。君は君自身の意思でこの私に向き直っている。そう考えたがいかがかね?」
だが君が外の戦いに巻き込まれない為に校内に逃げたなら、私を前にすべきは撤退のはずだ。
何せ私と向き合う時点で交戦リスクは跳ね上がる。ここまで生き残った参加者がそんなことを理解できないわけもないだろう。」
「……。」
「ここからは推測だが、君の目的が支給品だけならそれでもやはり逃げおおせられるのではないか。
何せ君はこの私を前に堂々と支給品を奪うと言ってのけたのだからね。相応の切り札は持っていると見ている。
だが君はその切り札を使わないどころか、こうして私と顔を突き合わせてさえいる。
恐らく君と同行している外の誰かとは違う。君は君自身の意思でこの私に向き直っている。そう考えたがいかがかね?」
言葉を締めるグリオンだが、実のところ目の前の少女の目的が何であれ関係ないと考えていた。
グリオンの興味は1つ、目の前の少女にどう答えるのが最も自分の益になるか。
キリトやデクを通じてグリオンの悪評が知られている今、自分に敵意を抱かない参加者はグリオンにとって貴重だ。
グリオンの興味は1つ、目の前の少女にどう答えるのが最も自分の益になるか。
キリトやデクを通じてグリオンの悪評が知られている今、自分に敵意を抱かない参加者はグリオンにとって貴重だ。
「……すごいねおじさん。探偵みたい。」
「シャーロック・ホームズよりはジェームズ・モリアーティの方が好みだがね。
それで、どうだね。回答が無いなら無いで構わないが、答えてくれたほうが私としては気分がいい。」
「シャーロック・ホームズよりはジェームズ・モリアーティの方が好みだがね。
それで、どうだね。回答が無いなら無いで構わないが、答えてくれたほうが私としては気分がいい。」
語りながら少女の目の前でグリオンは立ち止まる。
目の前の少女は仮面の奥の視線に警戒と打算を滲ませながらグリオンを見上げ、言い放つ。
目の前の少女は仮面の奥の視線に警戒と打算を滲ませながらグリオンを見上げ、言い放つ。
「ルルーシュ・ランペルージを殺す。それが私のやらなきゃいけないこと。」
「……そう来たか。てっきりここで暴れているあの赤い王かと思ったがね。」
「……そう来たか。てっきりここで暴れているあの赤い王かと思ったがね。」
グリオンにしてみればルルーシュ・ランペルージは目立ってはいるし無能ではないが、赤い王……宇蟲王ギラを初めとしたこの会場の怪物たちと比べればその脅威度は劣ると考えていた。
意外そうに返したグリオンに、少女は苦々し気に奥歯を噛み締めた。
意外そうに返したグリオンに、少女は苦々し気に奥歯を噛み締めた。
「そっちはとらんくすくんのやりたいこと。私にとってはどうでもいい。」
「どうでもいいときたか。」
「とらんくすくんはルルーシュを殺さなかった。
とらんくすくんの方が強いはずなのに、殺せなかった。」
「ほう……。」
「どうでもいいときたか。」
「とらんくすくんはルルーシュを殺さなかった。
とらんくすくんの方が強いはずなのに、殺せなかった。」
「ほう……。」
ルルーシュとも宇蟲王とも交戦していなければしないだろう言い回しだ。
その上で宇蟲王ギラを無視してでもルルーシュ・ランペルージに敵意を抱く。そんな真似をしている参加者はまず間違いなく目の前の少女だけだろう。
その上で宇蟲王ギラを無視してでもルルーシュ・ランペルージに敵意を抱く。そんな真似をしている参加者はまず間違いなく目の前の少女だけだろう。
(理屈ではないな。復讐者の類か。)
少女の本質をそう見抜いたグリオンは、仮面の奥でほくそ笑んでいた。
おそらくルルーシュに殺された松坂さとうか仮面ライダーエターナルの縁者だろう。そう予測はつくものの、それ以上探る必要は彼にはない。
目の前の少女は使える。それだけわかれば十分だ。
おそらくルルーシュに殺された松坂さとうか仮面ライダーエターナルの縁者だろう。そう予測はつくものの、それ以上探る必要は彼にはない。
目の前の少女は使える。それだけわかれば十分だ。
「君の目的は大方分かった。おそらく私たちは協力できる。」
確信したグリオンは、排除ではなく懐柔を目的といした言葉を軽々に告げた。
「実のところ私としてもルルーシュ・ランペルージは目の上の瘤でね。
我々を蝕むバグスターウイルスを解除するためにも、彼の持つプロトガシャットが欲しい。
手を組む価値はあると思うがね。……そういえば名前を聞いていなかった。何と呼べばいい?」
「神戸しお。」
「しお。『とらんくすくん』のことを含め聞きたいことがある。
それに答えてくれれば……君にルルーシュを殺せる力を与えよう。」
我々を蝕むバグスターウイルスを解除するためにも、彼の持つプロトガシャットが欲しい。
手を組む価値はあると思うがね。……そういえば名前を聞いていなかった。何と呼べばいい?」
「神戸しお。」
「しお。『とらんくすくん』のことを含め聞きたいことがある。
それに答えてくれれば……君にルルーシュを殺せる力を与えよう。」
手を差し伸べる。黄金の殻に覆われた、闇しかない手を。
神戸しおは迷いなくその手を取る。
とってはいけない手だということは理解している。トランクスについていった方が、はるかに『まっとう』な場所にいると理解している。
神戸しおは迷いなくその手を取る。
とってはいけない手だということは理解している。トランクスについていった方が、はるかに『まっとう』な場所にいると理解している。
「よろしく、グリオンさん。」
それでもしおにとって、松坂さとうのいない世界に価値はなく。
松坂さとうの命を貶めたルルーシュ・ランペルージを死んでも殺さねばならないという恩讐の炎が、あらゆる正しさを焼き尽くしている。
松坂さとうの命を貶めたルルーシュ・ランペルージを死んでも殺さねばならないという恩讐の炎が、あらゆる正しさを焼き尽くしている。
互いに変身を解き、黄金に染まった廊下の中腰を落ち着ける場所を探そうと歩き出す。
それと同時にしおは、思い出したかのように尋ねた。
それと同時にしおは、思い出したかのように尋ねた。
「グリオンさんは、さっきの人たちを追いかけなくていいの?」
「言っただろう、どうにでもなると。」
「言っただろう、どうにでもなると。」
黄金の鎧の奥、ひげを生やした渋い壮年の男の顔で。魔王はこともなげに言い放つ。
「逃げた鼠を追い詰めるのは、話ながらでもできるからね。」
◇
1階にまで逃げ延びた薫たちだが、彼女たちが出口に辿り着く頃には、グリオンの手で雄英高校の下層は黄金に染め上げられていた。
元より雄英高校は頑丈だ。個性社会により文字通りの『多様』性が息づく学び舎はそう簡単には壊れない。
そこにグリオンの錬金術で強化されたとあっては、薫や学郎レベルでは破壊するのも一苦労だ。
なにせ片手間に生み出した防壁でさえ、学郎の斬撃にマークツヴォルフの一撃を当ててようやく砕けるレベルなのだから。
元より雄英高校は頑丈だ。個性社会により文字通りの『多様』性が息づく学び舎はそう簡単には壊れない。
そこにグリオンの錬金術で強化されたとあっては、薫や学郎レベルでは破壊するのも一苦労だ。
なにせ片手間に生み出した防壁でさえ、学郎の斬撃にマークツヴォルフの一撃を当ててようやく砕けるレベルなのだから。
「閉じ込められたか……。」
マークツヴォルフを脱ぐこともなく、張りつめた空気の中薫はため息をついた。
趣味の悪いレプリカのように黄金に染まる扉は推しても引いてもびくともせず、窓や壁を切りつけ撃ったところで、つけた傷はすぐさま修復されて数十秒もすれば元通りになる。
黄金の壁に自分が映り込むのが楽しいのか、鏡のような壁をペタペタと触るシェフィをよそに、薫と学郎は眉間に皺を寄せる。
趣味の悪いレプリカのように黄金に染まる扉は推しても引いてもびくともせず、窓や壁を切りつけ撃ったところで、つけた傷はすぐさま修復されて数十秒もすれば元通りになる。
黄金の壁に自分が映り込むのが楽しいのか、鏡のような壁をペタペタと触るシェフィをよそに、薫と学郎は眉間に皺を寄せる。
「いや、厳密には閉じ込められちゃいねえんだけどさ。似たようなもんだよなこれ。」
「ですね。今の俺や益子さんの力じゃ、令呪を使う必要がありますが……」
「ですね。今の俺や益子さんの力じゃ、令呪を使う必要がありますが……」
手に刻まれた赤い紋章に学郎は目を落とす。参加者全員が有する回数制限のある切り札は、この局面を打破する力がある。
マークツヴォルフの全力の一撃を叩き込む――下手をすればワームスフィアー現象で壁面を”ねじりきる”事ができるだろうし。ウルトラマンとなった薫ならに焼き切ることも可能だろう。
学郎だって令呪を使って全力を出せば3人が脱出できるくらいの大きな破壊を起こすのは難しくない。
マークツヴォルフの全力の一撃を叩き込む――下手をすればワームスフィアー現象で壁面を”ねじりきる”事ができるだろうし。ウルトラマンとなった薫ならに焼き切ることも可能だろう。
学郎だって令呪を使って全力を出せば3人が脱出できるくらいの大きな破壊を起こすのは難しくない。
逃げるだけならどうにかなる。だが今の薫たちが警戒べきは逃げた後のことであった。
黄金の壁――その外側。
2人の眼は自然に刃がぶつかり合う音が響く戦場へと向いていた。
黄金の壁――その外側。
2人の眼は自然に刃がぶつかり合う音が響く戦場へと向いていた。
「どういうゴリ押しで解決しても、俺たちの消費がデカすぎる。
ここを出て外で戦ってる宇蟲王どもの間合いを突っ切るには、ほんのわずかな消耗さえするべきじゃない。」
ここを出て外で戦ってる宇蟲王どもの間合いを突っ切るには、ほんのわずかな消耗さえするべきじゃない。」
宇蟲王ギラ。死力を尽くしたディアッカ・エルスマンの献身でようやく『敗走』できた弩級の化け物。
2度もあっている益子薫は、雄英高校に奴が来ていることを確信している。
奴が来て、戦っている。その時点で薫や学郎にしてみれば一種の異常事態だ。なにせ薫が知る限り、1人の例外を除いて『戦い』そのものが成立しなかったのだから。
2度もあっている益子薫は、雄英高校に奴が来ていることを確信している。
奴が来て、戦っている。その時点で薫や学郎にしてみれば一種の異常事態だ。なにせ薫が知る限り、1人の例外を除いて『戦い』そのものが成立しなかったのだから。
「戦いが続いているってことは、外の人たちはあの宇蟲王と渡り合えてるってことですよね?」
「そう考えるしかねえな。最低でも秀吉のオッサン並みの実力だろうな。
ただなぁ、俺らの知ってる中でそのレベルに居るのは、宇蟲王に挑んだ青い剣士以外はだいたい話の通じない連中なんだよな。」
「まあ……そこは俺も同意見です。
ただ俺としては、秀吉さんは鬼龍院羅暁やグリオンよりずっと話が通じると思いますが……。」
「ディアッカをコケにしたことを許してねえだけだ。
それに、あの実力主義ゴリラが『まし』な部類って時点で、ロクな奴じゃねえだろ。」
「そう考えるしかねえな。最低でも秀吉のオッサン並みの実力だろうな。
ただなぁ、俺らの知ってる中でそのレベルに居るのは、宇蟲王に挑んだ青い剣士以外はだいたい話の通じない連中なんだよな。」
「まあ……そこは俺も同意見です。
ただ俺としては、秀吉さんは鬼龍院羅暁やグリオンよりずっと話が通じると思いますが……。」
「ディアッカをコケにしたことを許してねえだけだ。
それに、あの実力主義ゴリラが『まし』な部類って時点で、ロクな奴じゃねえだろ。」
柊真昼。ジンガ。豊臣秀吉。鬼龍院羅暁。魔王グリオン。
単騎で強大な力を持つ者たちは押しなべて殺し合いに乗っているか、こちらの話を聞く気がない。
殺し合いのため集められたというのであれば納得のできる話ではあるが。望まず巻き込まれた者たちにとってそいつらは災害に等しい。
そしてその災害同士がぶつかり合っているのが、他ならぬ雄英高校であった。
単騎で強大な力を持つ者たちは押しなべて殺し合いに乗っているか、こちらの話を聞く気がない。
殺し合いのため集められたというのであれば納得のできる話ではあるが。望まず巻き込まれた者たちにとってそいつらは災害に等しい。
そしてその災害同士がぶつかり合っているのが、他ならぬ雄英高校であった。
「つーことで。俺としちゃ無理に外に出るよりは、グリオンから逃げつつ外の戦いが収まるまで待つ方がいいと思う。
出れるならすぐにでも出て宇蟲王の野郎をぶん殴りてえのが本音だが、それにお前たちを巻き込むわけにはいかねえしな……」
出れるならすぐにでも出て宇蟲王の野郎をぶん殴りてえのが本音だが、それにお前たちを巻き込むわけにはいかねえしな……」
どこか悲し気に。自分の無力さを苛むような薫の言葉。だがその続きは、直後に響いたシェフィの悲鳴に掻き消えた。
「うわあああん!!いたい!!!」
「「シェフィ(ちゃん)!!!」」
「「シェフィ(ちゃん)!!!」」
慌てて2人が駆け寄ると、さっきまで黄金の壁を触っていたシェフィの右手に針に貫かれたような穴が空いていた。
その横では、さっきまでシェフィが触っていた壁はウニのような棘で覆われ、その一本から付着したばかりの血液がぽたぽたと垂れている。
その横では、さっきまでシェフィが触っていた壁はウニのような棘で覆われ、その一本から付着したばかりの血液がぽたぽたと垂れている。
「何が起きた!?」
「さっきまで……つるつるピカピカだったのに、バチリってのがきたら、とげとげになった!!」
「バチリ……?」
「さっきまで……つるつるピカピカだったのに、バチリってのがきたら、とげとげになった!!」
「バチリ……?」
赤ん坊の語彙で必死に伝えるそれが何なのか。正解を教えるかのように、薫たちがいる地面に青白い光が走った。稲妻のようだ。
「こいつか!!」
とっさに飛び上がる3人の足元で青白い光が走った場所が変形し、何の変哲もなかったはずの床が、すぐに黄金の茨のようなもので敷き詰められた。
マークツヴォルフで飛翔する薫と、黒い刃に乗って浮き上がる学郎。学郎に抱きかかえられたシェフィともども安堵するように顔を見合わせるが。そんな3人を嘲笑うように周囲にいくつか青白い光が再び走る。
ここまでくれば3人とも気づく。グリオンの攻撃だ。
マークツヴォルフで飛翔する薫と、黒い刃に乗って浮き上がる学郎。学郎に抱きかかえられたシェフィともども安堵するように顔を見合わせるが。そんな3人を嘲笑うように周囲にいくつか青白い光が再び走る。
ここまでくれば3人とも気づく。グリオンの攻撃だ。
錬金術師のグリオンにとって物体操作などお手の物。
特に黄金については『グリオン』の肉体が持つ高い素質に加え、ダークマイトの因子と降雷皇ハモンのカードによってその規模・速度は制約を補って余りあるレベルに達していた。
具体的には雄英高校の校舎全土くらいは……今のグリオンなら影響下に置くことは難しくない。
特に黄金については『グリオン』の肉体が持つ高い素質に加え、ダークマイトの因子と降雷皇ハモンのカードによってその規模・速度は制約を補って余りあるレベルに達していた。
具体的には雄英高校の校舎全土くらいは……今のグリオンなら影響下に置くことは難しくない。
「成程な……グリオンめ。
追ってこねえのは妙だと思ったが、俺らを倒すのは追う必要もねえってか!!!」
追ってこねえのは妙だと思ったが、俺らを倒すのは追う必要もねえってか!!!」
壁面。天井。床。その他インテリア。
黄金に染まった不気味な世界で、稲妻が走る場所が刃となる。棘となる。大穴が開く。こちらを飲み込む流体(スライム)になる。
外に出れば死。出なくても死。
気の休まらぬ逃走劇を彼女たちは強いられることになり……いつの間にか、時計は5時を指していた。
黄金に染まった不気味な世界で、稲妻が走る場所が刃となる。棘となる。大穴が開く。こちらを飲み込む流体(スライム)になる。
外に出れば死。出なくても死。
気の休まらぬ逃走劇を彼女たちは強いられることになり……いつの間にか、時計は5時を指していた。
◇
外の戦場ではトランクスと宇蟲王ギラが令呪を使い、全霊の戦いが幕を開ける。
それと時を同じくして、雄英高校の中で真っ先に異変に気付いたのはシェフィだった。
それと時を同じくして、雄英高校の中で真っ先に異変に気付いたのはシェフィだった。
「……おにーたん?」
豊臣秀吉とやみのせんしを抑え込むために召喚した無数の配下を強化するための、プリンセスナイトの剣。
同じギルドに属する者の縁を手繰るように、シェフィはその方向に手を伸ばす。そんな少女の隣で、不運にも青白い光が音を立てた。
グリオンの攻撃は留まるところを知らない。この十数分で覚えた動きが、反射的に学郎の体を動かしていた。
同じギルドに属する者の縁を手繰るように、シェフィはその方向に手を伸ばす。そんな少女の隣で、不運にも青白い光が音を立てた。
グリオンの攻撃は留まるところを知らない。この十数分で覚えた動きが、反射的に学郎の体を動かしていた。
「おにーたん……」
「シェフィちゃん!!!」
「シェフィちゃん!!!」
無数の棘に変わった壁面をサタンサーベルで弾く。
熱で黄金が溶けた僅かな隙を縫って危機を出した学郎のが抱きかかえる中、シェフィは未だ茫然と手を伸ばしている。
その手が指し示す先に何があるのか学郎は知らない。そもそもシェフィのパーソナリティだってほとんど知らないのだ。
熱で黄金が溶けた僅かな隙を縫って危機を出した学郎のが抱きかかえる中、シェフィは未だ茫然と手を伸ばしている。
その手が指し示す先に何があるのか学郎は知らない。そもそもシェフィのパーソナリティだってほとんど知らないのだ。
「いきなりどうしたんだろうな……」
「『おにーたん』って言ってますし、ひょっとしたらここにシェフィちゃんのお兄さんがいるのかもしれません。」
「名簿から考えると無さそうだけどな。」
「『おにーたん』って言ってますし、ひょっとしたらここにシェフィちゃんのお兄さんがいるのかもしれません。」
「名簿から考えると無さそうだけどな。」
逃げながら垣間見た映像の中。ルルーシュ・ランペルージの放送にキャルという少女の姿はあった。
彼女がシェフィの関係者だということはここに来る途中に聞いていた。名簿の並びが関係者順であることが確定である以上、シェフィの兄などという参加者はいないはずなのだ。
彼女がシェフィの関係者だということはここに来る途中に聞いていた。名簿の並びが関係者順であることが確定である以上、シェフィの兄などという参加者はいないはずなのだ。
「まさかジンガがシェフィの兄貴なんてことはねえだろうし……」
名簿を確認して呟く薫。自分でも質の悪い冗談だと思うが、名簿の順番上最も可能性があるのがジンガなのだから仕方がない。
まあ、ねえな。ジンガにろくな思い出がない薫はそう言葉を締めようとしたが、その言葉を口にするより早く事態は動いた。
まあ、ねえな。ジンガにろくな思い出がない薫はそう言葉を締めようとしたが、その言葉を口にするより早く事態は動いた。
轟音。
続いて直下型地震が起きたかのような振動が、校舎を揺らす。
とっさに壁にしがみつき耳を塞いだ3人が次に感じ取ったのは、噴きあがった火山のような莫大なエネルギー。それも2つ。
そのうち1つの正体を、言葉にせずとも全員が理解していた。心臓を鷲掴みにされているような、絶対的な暴君の威圧感は忘れようにも忘れられない。
続いて直下型地震が起きたかのような振動が、校舎を揺らす。
とっさに壁にしがみつき耳を塞いだ3人が次に感じ取ったのは、噴きあがった火山のような莫大なエネルギー。それも2つ。
そのうち1つの正体を、言葉にせずとも全員が理解していた。心臓を鷲掴みにされているような、絶対的な暴君の威圧感は忘れようにも忘れられない。
「宇蟲王……なのか?」
”敵”を前に令呪を用い、全霊の力を解き放った邪悪の王。
だが彼らの知る王とは、溢れる力も肌を刺す殺気もはっきり言って次元が違う。
だが彼らの知る王とは、溢れる力も肌を刺す殺気もはっきり言って次元が違う。
「これが彼の本気か……!!」
「俺らを相手した時はちっとも全力じゃなかったってか!ふざけんな!」
「俺らを相手した時はちっとも全力じゃなかったってか!ふざけんな!」
自分たちを圧倒せしめた力でさえ、莫大な枷と楔で封じられた末のものであったということを改めて認識し、流石の学郎も声が震えた。
彼らがどよめく数秒の合間に、再度戦闘音が響き、校舎がわずかに揺れた。
彼らがどよめく数秒の合間に、再度戦闘音が響き、校舎がわずかに揺れた。
「グリオンの野郎に今だけは感謝だな。黄金化したおかげで外が見えねえ。」
ぐらつく体を抑え、皮肉めいて薫が言った。
巨大な台風が家屋を揺らす様は屋内からも分かるように、宇蟲王と彼に相対する”誰か”の存在は黄金の壁を挟んでもひしひしと伝わってくる。
はっきり言って災害に等しい。人の形をした災害がふたつ黄金の壁を挟んだ向かいでぶつかり合っている。
いつの間にか周囲から稲妻のような光は無くなり、黄金は1つたりとも動かなくなった。
この者たちの戦いを前にしては、グリオンでさえ予断を許さないということだろう。
爆発したかのような剣戟音が幾重にも重なって響き、その衝撃でが再び校舎が大きく揺れた。
メキリと何かがひしゃげるような音は全員が聞かなかったことにした。
巨大な台風が家屋を揺らす様は屋内からも分かるように、宇蟲王と彼に相対する”誰か”の存在は黄金の壁を挟んでもひしひしと伝わってくる。
はっきり言って災害に等しい。人の形をした災害がふたつ黄金の壁を挟んだ向かいでぶつかり合っている。
いつの間にか周囲から稲妻のような光は無くなり、黄金は1つたりとも動かなくなった。
この者たちの戦いを前にしては、グリオンでさえ予断を許さないということだろう。
爆発したかのような剣戟音が幾重にも重なって響き、その衝撃でが再び校舎が大きく揺れた。
メキリと何かがひしゃげるような音は全員が聞かなかったことにした。
自分たちが戦場の中にいるという剣呑な空気が校舎一帯を包む。
誰もその戦いから眼を反らせずに、誰も動くことが出来ずにいて。
そんな中でただ一人シェフィだけが、何かにいざなわれるようになおも手を伸ばし続けていた。
誰もその戦いから眼を反らせずに、誰も動くことが出来ずにいて。
そんな中でただ一人シェフィだけが、何かにいざなわれるようになおも手を伸ばし続けていた。
「……呼んでるの?」
ぽつぽつと呟き、シェフィは動く。
グリオンの攻撃から逃げ続けた彼女たちはかなり上層階に進んでいて。既に落下すれば命が無いような高度にいる。
それでも少女は上に向けて手を伸ばしている。
上空で行われている宇蟲王と”誰か”による戦いに少しでも近づくように、そこにある剣に少しでも届くように。
グリオンの攻撃から逃げ続けた彼女たちはかなり上層階に進んでいて。既に落下すれば命が無いような高度にいる。
それでも少女は上に向けて手を伸ばしている。
上空で行われている宇蟲王と”誰か”による戦いに少しでも近づくように、そこにある剣に少しでも届くように。
◆
同刻。
魔王グリオンと神戸しおもまた、外のぶつかり合いを肌で感じ取っていた。
魔王グリオンと神戸しおもまた、外のぶつかり合いを肌で感じ取っていた。
「これほどとは恐れ入るな。
成程、しおが『ルルーシュを殺せる』と断じるのも頷けるというものだ。」
成程、しおが『ルルーシュを殺せる』と断じるのも頷けるというものだ。」
核爆弾が人の形を成したかのようなエネルギー。ルルーシュどころか大半の参加者を、宇蟲王とトランクスは息をするように殺せるのだと確信できる。
この強さがあってルルーシュを殺せていないのは、迷いや慈悲を通り越して舐めているとしか言いようがない。神戸しおがトランクスを見限るのは、グリオンにしてみれば必定だ。
そしてその強さは、グリオンにとっても無視できない。
この強さがあってルルーシュを殺せていないのは、迷いや慈悲を通り越して舐めているとしか言いようがない。神戸しおがトランクスを見限るのは、グリオンにしてみれば必定だ。
そしてその強さは、グリオンにとっても無視できない。
ギラかトランクス。どちらか1つでもその肉体を手に入れられれば、生み出せるデスマスクの力はアビドスの生徒や錬金術師とは比較にならないものだろう。
万が一にもその両方が手に入れば、その瞬間グリオンの勝利が確定すると断言さえできる。
万が一にもその両方が手に入れば、その瞬間グリオンの勝利が確定すると断言さえできる。
「こうなっては校内の子どもたちで遊んでいる余裕はないな。
狙いは宇蟲王かトランクス。あるいは校舎の外にいるだろう、その両者に肉薄する参加者。
誰か一人を手に入れるだけでも、校舎の3人を従えるのと同等以上の価値がある。」
「そうなの?」
「まああくまで概算だがね。
夜島学郎の中にいる闇の力も捨てがたいし。シェフィと呼ばれた少女もまだ力を秘めているはず。」
狙いは宇蟲王かトランクス。あるいは校舎の外にいるだろう、その両者に肉薄する参加者。
誰か一人を手に入れるだけでも、校舎の3人を従えるのと同等以上の価値がある。」
「そうなの?」
「まああくまで概算だがね。
夜島学郎の中にいる闇の力も捨てがたいし。シェフィと呼ばれた少女もまだ力を秘めているはず。」
神戸しおのといに、指を弄りながらグリオンは続ける。
「だが未知の可能性と目先の獲物の価値が同等ならば、後者を狙うのは必定だ。
特にトランクスや宇蟲王はここを逃せばいつ手に入るか分からないからね。
消耗しタスキをついて彼らを殺し、私の配下としてしまえば、ルルーシュ・ランペルージ討伐のためこれ以上ない戦力となってくれるだろう。」
「そうしたら、ルルーシュを殺せる?」
「まず間違いなく。
もっとも、彼を殺すだけなら今の君でも十分ではあるだろうがね。」
特にトランクスや宇蟲王はここを逃せばいつ手に入るか分からないからね。
消耗しタスキをついて彼らを殺し、私の配下としてしまえば、ルルーシュ・ランペルージ討伐のためこれ以上ない戦力となってくれるだろう。」
「そうしたら、ルルーシュを殺せる?」
「まず間違いなく。
もっとも、彼を殺すだけなら今の君でも十分ではあるだろうがね。」
満足げに髭をさするグリオン。
その隣で眉間に皺を寄せる神戸しおの手には、時計のようなデバイスが握られている。
心意によって変化したジオウⅡのライドウォッチ。表裏に分かれたその時計だが、今は更なる変化が起きていた。
その隣で眉間に皺を寄せる神戸しおの手には、時計のようなデバイスが握られている。
心意によって変化したジオウⅡのライドウォッチ。表裏に分かれたその時計だが、今は更なる変化が起きていた。
かつて冥黒王ギギストがやみのせんしに施したように、魔王グリオンはその力の一部を神戸しおに与えていた。
だが元が幼い少女のしおの肉体だ。訓練を積んだコーディネーターのキラ・ヤマトや、勇者の血族にしてただ一人で大陸を救う寸前まで進んだやみのせんしと比べて、肉体としての強度ははるかに低い。
その肉体に与えられた力は微々たるもの。故にグリオンは残る冥黒の力をライドウォッチに注ぎ込んだ。
だが元が幼い少女のしおの肉体だ。訓練を積んだコーディネーターのキラ・ヤマトや、勇者の血族にしてただ一人で大陸を救う寸前まで進んだやみのせんしと比べて、肉体としての強度ははるかに低い。
その肉体に与えられた力は微々たるもの。故にグリオンは残る冥黒の力をライドウォッチに注ぎ込んだ。
「ならいいよ。
ルルーシュを殺せるなら、それでいい。」
ルルーシュを殺せるなら、それでいい。」
純白と桃色だったライドウォッチの片割れ。
だがしおの手にあるウォッチは、血のような赤と奈落の底のような黒に塗りつぶされている。
それだけ聞くと時の王者の末路たる最低最悪の魔王と同色と思うだろうが。否だ。
黒い仮面に赤い文字の刻まれたものではなく。赤い仮面に漆黒の文字が刻まれた形状のウォッチをしているのだ。
だがしおの手にあるウォッチは、血のような赤と奈落の底のような黒に塗りつぶされている。
それだけ聞くと時の王者の末路たる最低最悪の魔王と同色と思うだろうが。否だ。
黒い仮面に赤い文字の刻まれたものではなく。赤い仮面に漆黒の文字が刻まれた形状のウォッチをしているのだ。
「さとちゃんを穢したルルーシュは、死んでも殺すから。」
しおの手の中、魔王グリオンが本来変身する仮面ライダーに限りなく近い色のウォッチが鈍く輝く。
しおの恩讐と殺意が形を成したかのような黒い闇の輝きは、彼女がもはやとりかえしののつかない場所にいることを、何より証明していた。
しおの恩讐と殺意が形を成したかのような黒い闇の輝きは、彼女がもはやとりかえしののつかない場所にいることを、何より証明していた。
◇◆◇◆◇
時刻5時。雄英高校外部。
想像しうる限り最悪の形でのアルジュナ・オルタの消滅。それに伴い現れたメラという特異点。
緊急通知として与えられたラウ・ル・クルーゼの情報にはその他雑多な報告はあれ、ザラサリキエルにとって重要な情報はその一点だけだった。
緊急通知として与えられたラウ・ル・クルーゼの情報にはその他雑多な報告はあれ、ザラサリキエルにとって重要な情報はその一点だけだった。
「ノワルが倒されて少しは自由に動けると思った矢先にこれか。……頭痛がしてくるな。」
慣れた手つきで五道化用ホットラインの電源を落とし、聖園ミカの元へ向かっていたザラサリキエルは踵を返す。
闇檻の魔女をその手で殺すという任務(クエスト)は悪逆皇帝と時空犯罪者のせいでとん挫して、聖園ミカと自分(錠前サオリ)の邂逅という脚本(イベント)もそれ以上の事態を前に頭の隅に追いやられる。
刻一刻と変わる殺し合いの状況に対応する、それが調整役たる冥黒の五道化の存在理由であり、最優先事項だ。
後手後手で回る現状に思うところがないとは言わないが、自分は激怒戦騎のように制御不能でもなければ、魔獣装甲のように奔放でもないとザラサリキエルは自負している。
闇檻の魔女をその手で殺すという任務(クエスト)は悪逆皇帝と時空犯罪者のせいでとん挫して、聖園ミカと自分(錠前サオリ)の邂逅という脚本(イベント)もそれ以上の事態を前に頭の隅に追いやられる。
刻一刻と変わる殺し合いの状況に対応する、それが調整役たる冥黒の五道化の存在理由であり、最優先事項だ。
後手後手で回る現状に思うところがないとは言わないが、自分は激怒戦騎のように制御不能でもなければ、魔獣装甲のように奔放でもないとザラサリキエルは自負している。
「メラか……レンキスの馬鹿は流石に動くだろうが。他の奴らの動きが読めんのが気がかりだな。
クルーゼ様の評価が適切なものとするなら、五道化全員で対応するか他の4凶クラスを引きずり出す必要があるが……」
クルーゼ様の評価が適切なものとするなら、五道化全員で対応するか他の4凶クラスを引きずり出す必要があるが……」
ぼやきつつザラサリキエルは現状を確認するよう指折り数える。
4凶などと特別視された参加者だがノワルはルルーシュに討たれ、純粋な殺傷力なら全参加者でも群を抜いて優れていたアルジュナ・オルタも既にいない。
潜在能力を加味すればトランクスに並ぶ対4凶筆頭だった黒崎一護に至っては、開始1時間も経たずにあっさりとくたばっている。
黒き神の力を取り込んだ神殺しを相手するには、参加者側の戦力が不足しているのは否めない。
4凶などと特別視された参加者だがノワルはルルーシュに討たれ、純粋な殺傷力なら全参加者でも群を抜いて優れていたアルジュナ・オルタも既にいない。
潜在能力を加味すればトランクスに並ぶ対4凶筆頭だった黒崎一護に至っては、開始1時間も経たずにあっさりとくたばっている。
黒き神の力を取り込んだ神殺しを相手するには、参加者側の戦力が不足しているのは否めない。
とはいえ介入しするというのも、ザラサリキエルにとって最上の策ではないだろう。
仮にメラが倒れれば4凶のうち3人が没することになる。まだ参加者の半数近くが生きている中盤というのに、殺し合いに乗り気な参加者の消費が速すぎるのは運営側として喜ばしいとは言えない。
仮にメラが倒れれば4凶のうち3人が没することになる。まだ参加者の半数近くが生きている中盤というのに、殺し合いに乗り気な参加者の消費が速すぎるのは運営側として喜ばしいとは言えない。
「理想とすれば参加者側で対処可能な戦力を整えるという形だ。五道化がでしゃばるというのも公平性を損ねる。
メラの打倒。『主役級』で可能性があるとすればルルーシュだが……流石に無謀だな。」
メラの打倒。『主役級』で可能性があるとすればルルーシュだが……流石に無謀だな。」
この会場において最も注目を集め、運営側としても他の参加者とは一線を画した扱いを受けている悪逆皇帝だが。4凶が4凶を喰らった果ての怪物が相手ではさすがの彼でも役者が足りない。
同様にヒースクリフやクルーゼが期待する存在であるキラ・ヤマトやキリト、一ノ瀬宝太郎であっても、今のメラに正面から挑むのは難しいとザラサリキエルは見ていた。
元より彼らはこの殺し合いの『主役』とでもいうべき役柄ではあれ、最強ではない。
殺す優先度が些か下がるのは紛れもない事実だが、ザラサリキエル達五道化だってその気になればこいつらに牙をむくし、基礎スペックだけで言えば4凶級の怪物とは天地の差がある。
同様にヒースクリフやクルーゼが期待する存在であるキラ・ヤマトやキリト、一ノ瀬宝太郎であっても、今のメラに正面から挑むのは難しいとザラサリキエルは見ていた。
元より彼らはこの殺し合いの『主役』とでもいうべき役柄ではあれ、最強ではない。
殺す優先度が些か下がるのは紛れもない事実だが、ザラサリキエル達五道化だってその気になればこいつらに牙をむくし、基礎スペックだけで言えば4凶級の怪物とは天地の差がある。
「だとすればどうにか、五道化級の連中をメラへと焚きつけるのが私の仕事だろうな。
少なくとも……ここでやってる馬鹿騒ぎは止めないことには話にならん。」
少なくとも……ここでやってる馬鹿騒ぎは止めないことには話にならん。」
かつかつと荒廃した大地を踏みしめるザラサリキエル。
さっきまで雄英高校の敷地だった場所はグリオンの錬金術で強化された校舎と雄英バリアの残骸を除いて既に更地だ。
隻腕の覇王とマスクの砕けた漆黒の仮面ライダーが無数のNPCを相手どり、その上空では殺し合いの中でも図抜けた2人の怪物が恐ろしい速度でぶつかり合っている。
その奥の校舎に魔王グリオンがいることも確認済みだ。
1つのランドマークに集うにはあまりに役者が揃いすぎている。頭痛なんて感じないはずの頭を、半ば無意識にザラサリキエルは抱えていた。
さっきまで雄英高校の敷地だった場所はグリオンの錬金術で強化された校舎と雄英バリアの残骸を除いて既に更地だ。
隻腕の覇王とマスクの砕けた漆黒の仮面ライダーが無数のNPCを相手どり、その上空では殺し合いの中でも図抜けた2人の怪物が恐ろしい速度でぶつかり合っている。
その奥の校舎に魔王グリオンがいることも確認済みだ。
1つのランドマークに集うにはあまりに役者が揃いすぎている。頭痛なんて感じないはずの頭を、半ば無意識にザラサリキエルは抱えていた。
「Sランクが4人……いや、あの堕天勇者も既にSランクとみるべきだ。なら5人か。
何がどうすればこのレベルの連中がここまで密集することになるんだ。バランスを考えるこちらの身にもなってほしいものだ。
サイヤ人の末裔と邪悪の王が両方死ぬ展開だけは避けねばならんし。益子薫が死のうものなら魔獣装甲にどれだけ煽られるか分かったものじゃない。
……まあこんな事態になった以上、0005bや益子薫程度を重用する意味が、少なくとも私にはないわけだが。」
何がどうすればこのレベルの連中がここまで密集することになるんだ。バランスを考えるこちらの身にもなってほしいものだ。
サイヤ人の末裔と邪悪の王が両方死ぬ展開だけは避けねばならんし。益子薫が死のうものなら魔獣装甲にどれだけ煽られるか分かったものじゃない。
……まあこんな事態になった以上、0005bや益子薫程度を重用する意味が、少なくとも私にはないわけだが。」
気だるげに嘯きながら、五道化は戦場に向かう。
己の役割。殺し合いの調整のため、『生かすべき参加者を生かし』『それ以外の参加者を殺す』。
己の役割。殺し合いの調整のため、『生かすべき参加者を生かし』『それ以外の参加者を殺す』。
「理想はこの場の全員がメラ討伐に動いて、メラともども揃って共倒れになってくれることだが。どうなることか。」
ありえない理想だと自分の言葉を鼻で笑い、ザラサリキエルは喉を撫でる。
マイ=ラッセルハートによって切断寸前まで持っていかれたダメージはだいぶ回復しているが、傷は傷。
己の恥を確認するようにそれを撫で、ザラサリキエルはその目から慢心を消し去る。
マイ=ラッセルハートによって切断寸前まで持っていかれたダメージはだいぶ回復しているが、傷は傷。
己の恥を確認するようにそれを撫で、ザラサリキエルはその目から慢心を消し去る。
気を引き締め戦場に向き直ったザラサリキエル。
彼女の目の前で開戦のゴングを鳴らすかのように、事態は動く。
彼女の目の前で開戦のゴングを鳴らすかのように、事態は動く。
トランクスと宇蟲王ギラの極限の戦い。
その”余波”によって……雄英高校の校舎の一部が、巨大な怪物に引っかかれたように深々と抉られた。
その”余波”によって……雄英高校の校舎の一部が、巨大な怪物に引っかかれたように深々と抉られた。
| 159:幕間:強欲なM/制裁の時来たれり | 投下順 | 160:雄英事変:駆け抜けるんだ 戸惑い蹴散らして |
| 157:柳瀬舞衣:リオリジン | 時系列順 | |
| 140:Rising Dragon Ⅲ | 豊臣秀吉 | |
| トランクス | ||
| 宇蟲王ギラ | ||
| やみのせんし | ||
| 134:Q:正義の味方がするべきことはなんでしょう | 益子薫 | |
| 夜島学郎 | ||
| シェフィ | ||
| 魔王グリオン | ||
| 神戸しお | ||
| 105:真贋バトルロワイヤルZERO | 死告邪眼のザラサリキエル |