薬が残す痛みと
何にも頼らずに向き合う痛み
どちらにせよ 耐えられないのは心
ひとりで生きていけるならそうすればいい
僕らはテレビを見ているわけじゃないんだ
空調から匂うあのカビの匂い
通った後でかすかに感じるあの人の匂い
ちらりと交わした目の約束
抱きしめたあとで緩む筋肉の切なさ
同じ体温で感じあっている
ただ心だけが違う場所で悲鳴を上げる
近寄らないで
離さないで
惑うときに逃げ道はひとつだけ
でもそこは 幻
消したテレビから漏れるかすかな電磁波みたい
さっきまで見ていたはずなのに
君はいつまでもそこに座っている
僕はただそこに座っていただけなのかな
そばにいたかったのかな
誰かがくれた手紙を今でも大事に抱えてる
青くて深い海の中で
沈んでいくのはやっぱり重たい心
ふちどられた写真に笑う顔は寂しげ
ずっとそのままではいられない
ごめんね
あのときはごめんね
けれど僕は手を離せなかったんだ
何一つ変わらぬ景色を手に入れようとしてたんだ
駐車場の片隅 転がる空き瓶
空を眺めても答えはいつもひとつしかない
わかっているつもりだよ
君がどんな罪を犯そうと
僕は同じ罪で打ち消そうとしただろう
すべては現実で
過去は決して消えることがないけれど
今がすべてだとも思わないけれど
涙の出ないロボットは意外にも感情を持っていた
人間にはわからない歯車の軋みで
テレビの中へは二度と戻らなかったんだ
僕はスイッチを動かせないだけで
そのタイミングは今か今かと迫っている
チャンネルを変えるように
何もかも目まぐるしく動き流れるのは
僕だけのせいじゃないんだ
次に立ち止まるのは誰か
君はいつ動き出すのか
それを待つ暇はもう無くなったということだ
それだけなんだ
最終更新:2007年03月23日 06:27