薄れていく この手の中にあった感触
確かなものが何もないから
手当たり次第に打ち込んでみた
ルールのない世界
屈辱だけがご褒美のように
お前はそれに慣らされていった
振り向くような過去もなく
追いかけるような未来もない
ああ 薄れていく
水がめの中で踊る金魚
逃げられないことも知っている
記憶からすべてを消しても
残された罠がまた足を掬う
生まれたばかりの子供の口を塞ぐ
切り取った乳首と無残に切られた首
この子は知っているだろうか
自分の母の死体と寄り添っていることを
僕はと言えば身体がだるくて
覚せい剤を打ったような感覚にばかり捕われて
だから薄れているんだよ
とめどなく溢れる水の流れに
喉の渇きを潤す暇もなく
お前がどうして俺を裏切ったかとか
そんなことはもうどうでもよくて
目の前に惨状が広がっても
ありもしないことをわめきたてるお前たちのそばで
もう俺は何も感じなくなったんだ
もう俺は何も感じたくなくなったんだ
もう俺は何も感じられないんだ
もう俺は
もう俺は
もう俺は
最終更新:2007年05月31日 19:34