焼け付いたエンジンを眺めてる
夜になればこのあたりは寒くなるだろう
誰かが通りかかるのを待つか
助けを求めてさまようか
どちらにせよ奇跡的な確率さ
悪魔はいつも嗤っている
最後まで食い尽くすために
ラジオから流れるのは古臭い曲ばかり
タバコは残りわずか
太陽は真上でぎらぎらと揺れている
くそったれな世界で
誰を愛してよいかわからずに
敵も味方も関係なく生きてきた
この俺に必要なのは死に場所
入る墓もなく 優雅な老後生活にも縁はない
迷惑さえかけなければ
何をしてもよかった人生
今更何もできないなんて
どこにも行けないなんて
辺りを見回しても家のひとつですら在りはしない
とにかく日が暮れる方向に歩き始めた
何も考えずに
いつかは皆こうなるのだと言い聞かせて
歩いた
どれくらい歩いたのかわからない
景色も状況も変わらない
そして日が暮れて何も見えなくなった
草が揺れる音
動物が蠢く音
虫が発する信号音
耐え切れずに最後のタバコを手にした
そのとき目の前にかすかな灯りが見えた
そして大型車っぽいエンジン音
俺は手を揚げた
せめてもの希望を信じて
運転手は優しげだった
一人で何をしてるんだと聞いてきた
そして次の瞬間は銃口をこちらに向けた
金が欲しいのなら最初からそう言ってくれ
希望がないのなら立ち止まらないでくれ
俺は撃たれることを望んだ
そして俺は動物の餌に成り果てた
透き通る青空の下
俺はようやく居場所にたどり着いたのかもしれない
自然とはそんなものだ
最終更新:2007年03月23日 06:29