猫宮 月乃 - stci2 @ ウィキ【11/12更新】

🐾プロフィール🐈

名前		猫宮(ねこみや)　月乃(つきの)
出身地		不明
あだ名		ねこ・猫宮さん・みゃーさん・つっきー
誕生日		9月19日(かもしれない)
衛星がついた日		2025年3月15日
職業		メカニック会長兼オーナー
所属		Cats Best Custom
TwiX		@猫ちゃん、@猫ちゃん②
演者		Pinguino
告知等		https://x.com/inopingu1
配信場所		Twitch

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目次

🐈 𝔸𝕥𝕥𝕖𝕟𝕥𝕚𝕠𝕟 🐈
当ページはネタバレ情報が多く含まれています。
閲覧される方はご理解頂いたのち閲覧して頂くようお願い致します。
参加者の皆様は当ページの情報を街に持ち込まないでください。
※猫宮月乃は街での会話や分岐を踏んだ段階でストーリーが解禁されていきます。

基本情報

  過去　

• 街の再開発より前にサンディにあるR.O.Cでサブオーナーとして勤務していた女性

過去について

  明かされていない真実　

🐈 𝔸𝕥𝕥𝕖𝕟𝕥𝕚𝕠𝕟 🐈
当ページはネタバレ情報が多く含まれています。

(製造番号) N-thukino919
施設の研究者の手により、猫と人間を組み合わせ生まれた存在
猫としての記憶もあり、少女の記憶もある

幼少期に両親に金で売られ、小さいころから施設で育つ。
その施設は表向きは宗教団体が運営していたが、実際は違法犯罪、売春、人身売買、人体改造実験などを行う施設。
その後、市執行部の介入により、施設が襲撃
その際に身一つで命からがら他の脱走者と施設から逃げてきた彼女は、トライアドス、マラブンダ、バゴス等をはじめとしたギャングがはびこっていたロスサントスに到達し、施設の人間や、自身を利用する犯罪者に怯えながら空き家で見つからない様に静かに生活していた。
そのため宗教をひどく嫌い、恐怖する一面を持つ。
少しして、執行部の介入が開始。
平和になったタイミングを見計らい、スラムでゴミ回収などで路銀を集め、サンディに移り住む。
その際に立ち寄ったR.O.Cで神楽 光冥に拾われ、アルバイトとして勤務をはじめる。
事務処理などのサポート業務を認められ、R.O.Cのサブオーナーとして働いている。
事務処理は得意だが、文字などは独学で学んだため、難しい字は読めない。

猫宮月乃という名前は本人が考えた偽名である。
thukinoという自身の製造番号を他の猫に聞いた〖漢字〗に変換。
猫から人になりたての彼女は英語をうまく読めず、「つきの」と読んだ
猫宮という名前は、猫だった記憶を忘れないために猫の文字を入れ、
神や主が住む立派な建物を表す〖宮〗という文字を入れ、猫宮と名乗っている。
そのため、街に同じ苗字の猫宮という人間と親戚かと聞かれた際に「ありえない」と口にしている。
理由は「本当の名前ではない」「本来は猫であり人ではない」から。

誕生日は、製造番号の919からとっている
そしてその日は彼女が親に売られた日である、これを知る研究員はもういない。
そして本人も物心がつく前に売られたため知らない。

私は両親がどういう人かも知らない、自由に生きていたことは知っているけどほとんど記憶にもない。
ネコだったときはたくさんの街や国を見てきた、ペットショップに居たり、峠にも行ったこともある。暴れる車で峠を走る人間もみた。
「私がワタシになるためには誰かをマネしないといけない、記憶にいる少女ではなく誰かの…。」
これは少女の独り言、誰にも聞かれない仮住まいで自分の事ををぽつりと零した。

宗教団体について

  宗教について

🐈 𝔸𝕥𝕥𝕖𝕟𝕥𝕚𝕠𝕟 🐈
当ページはネタバレ情報が多く含まれています。

スピリチュアル宗教団体「エリオスの声」

少女がいた施設を運営する宗教団体。
「心と身体のバランスを取り戻す」「自然との共存」「次世代の調和社会を目指す」などの理念を掲げる
瞑想・音楽療法・自然食品カフェ・ボディヒーリング等を提供しており、有名人の信者や提携企業もいるため
一般人からも「ちょっとオシャレな宗教」くらいの認識である。

エリオスの声 「人体改造と融合を追求する“神の研究所」”

「完全なる融合」は、比喩でも精神論でもなく、生物学的・肉体的に実現されるべきものという信念に基づく。
表では「癒し」「調和」「光」を語りつつ、裏では人間と生物の境界線をぶっ壊してる

研究している神の種類によってチーム分けされいる

  行っていること

🧪 人体改造実験：人間と動植物、あるいは他の人間同士を融合させるバイオ技術研究
🧬 “融合体（Synths）”の創造：肉体を変質させ、独自の“調和体”を造るプロジェクト
🧠 意識の書き換え実験：薬物・催眠・洗脳によって“魂の周波数”を操作し、思考の均衡を作る
💰 違法ビジネス：
人身売買：孤児や難民・貧困層の子供などを買い取ったり拾ったりし“素材”として確保
売春・強制労働：宗教施設に併設された施設で行われる。外部からは見えない
高額“癒し”セッションの裏で臓器密売や融合実験の被験者をスカウト

  本人の特徴　

猫耳、鋭い爪のようなネイル、華奢な体。

• 髪色：淡めの紫色、ロングで艶やかで柔らかそうな髪質。
• 目の色：深い青色の瞳。夜でも目が輝いているように見える。
• 見た目に気を使い、いつでもファッションに敏感。

オシャレに着こなすだけでなく、実用的でありながらも自分の個性を引き立てるコーディネートが好き

  性格　

仕事には誠実で、整備士としては確かな腕を持つが、対人面ではやや冷たく見られることがある。
スタッフからは「仕事は完璧、でもそれ以外はちょっと抜けてる」と評されることもしばしば。
初対面には塩対応だが、信頼した相手には穏やかに接する。

宗教や「天秤のマーク」といった言葉に強い恐怖を抱き、“神”という概念そのものを嫌悪している。
方向感覚が壊滅的で、知らない土地ではすぐ迷子になる。
好奇心が強く、興味を持ったことにはすぐに手を伸ばす反面、危険に巻き込まれることも多い。

猫に対しては複雑な感情を抱いており、嫉妬に似た反応を見せることもある。
ただし自分が猫より可愛がられると、どこか誇らしげに微笑むという。

「人間の個性」に深い関心を持ち、個性的な人間を好む。
生き物の飼育には否定的で、

「同じ生き物なのに“飼う”という発想になるのは人間だけ」

と語る。
動物園では檻の動物に向かって、
「いつか自由になれるからね」
と優しく声をかける姿が見られる。

  メカニックとして　

🧰 経歴

R.O.Cでサブオーナーとして整備や採用関連など幅広く担当。
整備技術に優れ、作業中は真面目そのもの。
スタッフとの交流を大切にし、時には一緒に出かけることも。

犯罪に対しては恐怖を抱きつつも「生きるために仕方ない事」と考え、
現実的な視点でロスサントスを見つめている。
恐怖と同時に憧れを抱く街で、自分がどこまで生き抜けるかを試すため、
R.O.Cオーナー神楽光冥に独立を宣言。
その後、自らの工場 Cats Best Custom（CBC） を立ち上げる。

🐾 現在の活動

Cats Best Customオーナーとして、スタッフとのコミュニケーションを重視。
「楽しい空間であること」を何より大切にしている。
事務処理やスタッフ間トラブルの対応まで一手に引き受ける。

常に現場に立ち、誰もが動けるよう環境を整える。
眠気が限界のときは、立ったまま寝るという特技（？）を持つ。
現在は会長というメカニックを一任されるように、スタッフと街の橋渡しとして過ごしている。

🧠 性格

規律やルールを重んじる
無駄な会話は好まない
極度の人見知り
真面目で誠実
技術に対して強いこだわりを持つ

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衣装倉庫

仕事服

仕事服

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初期服	スーツ①	スーツ②	作業着①	作業着②	寝間着①	変装

交友関係

メカニック🚘　

キャラクター名	詳細
空耳 ヒデ	ROCから来たお魚、真面目に仕事をこなすいい子、最近変な人に健康診断受けたらしい
緑乃 テリア	CBCを吉田と一緒に頑張って切り盛りしてくれた功労者 なんか最近度か言ってる、早く帰ってきなさい
万城目 琥珀	月乃のことを「ねこ」と呼ぶ少年。 今はサブオーナーを退職し、いろんなところに出かけて過ごしている 車やバイクの知識も豊富で、スタッフにもお客さんにも愛されていた少年。 暇なときに歌っていることが多く、それを聞くのが好き モーテルを契約、一緒に住むことに 時折パイミーしてくれて一緒に仕事してくれるいい子、しごでき少年
吉田 なほ	大規模な住民の移住があった際にきた住民で、R.O.Cの面接に落ちた後、何度も店舗で出会う機会があり、CBC面接の応募を促した。 誰よりも一番熱意と思いを込めて面接に来た面はとても尊敬しており。 その反面コーディネートの残念さをどうにかできないか悩んでいる。 愛されるいじられ🐧だが気にしすぎなところは心配してる。
笹木 穂乃果	釣りがお友達というくらい、一生釣りしかしていなかった少女。 お友達を作るために応募してきたのを見て「沢山仲のいい人を作って楽しんだらいい」と声をかけCBCで雇用。 吉田 なほと少し似たコーディネートの残念さを感じるが、時々刺さる服を着ている時もある。 いまは青色ギャングの所に行ってる

それ以外の人たち 😼　

真一文字 ミリ	drieの店長さん、万城目 琥珀と仲のいい人の一人 最近別れたらしい、でも元気そう 琥珀君と変なことしているといつも突っ込んでくれる ちょっと抜けてるところある
斎藤 ジノ	drieの店員さん、万城目 琥珀と仲のいい人の一人 いつか一等地に家を買うらしい野望を持っている人。 時々写真を撮って遊んでいる、最初の頃より仲良くなれている気がしている。 アロハシャツ30枚持っている人
水無瀬 ゆづ	元警察署長 よくトラック配達員してたり、ロスサンイーツしている。 この前無職になってた、月乃に警察署員が練習するコースを走っていいと許可をあげていた(絶対事故するからというのが理由)
オレンジ	地方警察のフリした激機動警察 よく銃出してくる
時暇 風人	いつも気さくに話しかけてくれる、元ぎゃんのお兄さん 食べ物やストレスアイテムをくれたりする。 めちゃくちゃいい子、周りの事すごく気にかけてくれる。
北上 ユマ	町に来て生まれたらしい赤ちゃん 赤ちゃんだけど日に日にしっかりしてく大人赤ちゃん。 南北商店を南葉 永人を営業している。 無事に救出され、警察に復帰した 特異存在を見分けることができたらしい

所有車両

✙を押すと開くよ🐾

Obey Tailgater

Zombie Chopper

ウィーニーNull(輸入車両)

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エピソード

Day1　猫宮月乃という少女の物語
YouTube

挿話

🐈 𝔸𝕥𝕥𝕖𝕟𝕥𝕚𝕠𝕟 🐈
メインストーリーに付随するお話です、小話のような感覚でお楽しみください、このお話は猫宮月乃が知りえない情報も記載しております。

<<<エリオスの翼幹部のみ閲覧可能>>>

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Abandoned Research Notes – Homunculus Projectへの閲覧申請が承認されました、完全なる融合へようこそ。

Abandoned Research Notes – Homunculus Project

Objective:Achieve “Complete Fusion” of human and animal subjects. This is not a metaphor or psychological concept; it is a biological and physiological integration, where the human mind and body merge with the animal base at both somatic and neurological levels.

ID	Code Name	Base Organism	Notes
N-0918	aino	Cat (white)	実験中止、回収できる生体材料はすべて切り分け保存済、0919の素体解析に使用
N-0919	Tsukino	Cat (white)	融合成功。潜在能力未発現。完全なる融合を目標。
N-0920	Hoshimi	Bird (E█g█le)	翼残存。高所観察能力あり。高所観察有効。廃棄 █▒░
N-0921	Mizuki	F▓▒sh (Koi)	尾びれ残存。水中適応型。廃棄済み
N-0922	Kageko	F█x (R█d)	狐特徴部分的統合。潜入能力。副作用小。再分類
N-0923	Akari	R█bbit (Wh█te)	俊敏性高いが精神脆弱。兎脚強化。ストレス █▓▒失敗後廃棄。
N-0924	████	████ (Unk█own)	実験中止・不明瞭。データ破損。
N-0925	█▒░▓	█▓█ (Unknown)	初期段階廃棄。測定データ消失。

多くの被験体は廃棄・素材化、完全融合候補のみ優先管理。

Section 2: Abandoned Researcher’s Diary (Sample Entries)研究員の手記

Record Date: █▒░/▒░/█▒
Recorder: Dr. ████ (Discarded / Anonymous)

今日、N-0919が素体との融合段階に入った。
白い猫との初接触では予想以上に落ち着いていたが、恐怖反応は残存。
生存本能の強さは予想外。投薬量調整が必要。
廃棄対象のN-0921は処理済み。身体は素材として回収。
N-0919にはまだ価値あり。
EEGデータに█▓▒異常値。初期では機器誤作動と解釈されたが…----直感的に違和感あり
。
█▒░ / Stiúradh Anam ? 潜在能力の兆候か。行動には現れず。記録として残す。
施設は静かだ。宗教団体の顔の裏に、計算と欲望が隠れている。倫理は数字に潰される日常——私はそれを記すのみ。

Section 3: Experimental Log – N-0919 (Tsukino / 少女個体名サーシャ) – Fragmented

Record Date: █▒░/▒░/█▒
Objective:
Achieve “Complete Fusion” — <span style="color:blue">biological and physiological integration</span>.
Human consciousness and animal base integrate at somatic & neural level.
Procedure:
Baseline human metrics ████
Drug administration ████-X / ████-Y
Fusion with white cat (Ket-shee)
Behavioral observation █▓▒
Stress, compliance, involuntary behaviors logged daily
Observations:
Day 3: Survival instinct █▒░ increasing; unintentional feline responses observed.
Day 7: Fusion successful; ears feline; identity blending █▓▒ noted.
Day 10: Fatigue & irritability; minor anomalies; drug escalation continued despite adverse █▒░.
Day 14: Partial psychological integration; voluntary human & reflexive animal behaviors mixed. Exploration & territorial behavior observed spontaneously.
Day 18: Fusion stabilized; internal conflict — human vs instinct. Reliance on feline senses noted.

Attachments:
EEG charts
Vital metric logs (some data unreadable)
Behavioral observation sheets (fragmented)
Psychological integration assessment (corrupted entries █▓▒)

本文の解読情報

Section 3: 実験ログ – N-0919（ツキノ / サーシャ） – 破損ログ版
Record Date: █▒░/▒░/█▒
目的:
「完全なる融合」の達成 — 生物学的・生理学的統合
人間の意識と動物素体が身体的・神経的レベルで完全に統合されること。
手順:被験者基準生理データ ████ 取得
薬剤 ████-X / ████-Y 投与
白猫（ケットシー）との融合
行動観察 █▓▒
ストレス、順応性、無意識下の動物行動を日次記録
観察結果:
3日目: 生存本能 █▒░顕著に増加。無意識下で猫の反応。
7日目: 融合成功。耳が猫化。**意識と本能の混合 █▓▒**確認。
10日目: 疲労・苛立ち顕著。微細な異常観察。副作用 █▒░出ても投与継続。
14日目: 部分的心理統合確認。自発的人間行動と反射的動物行動混在。探索・縄張り行動も自発的に現れる。
18日目: 融合安定。内的葛藤 — 人間意識 vs 本能。感覚は猫に依存。意思決定保持も、身体反応は猫影響。
心理観察（破損ログ）:
被験者は完全統合への抵抗示すが、二重意識に順応。
小さな心理崩壊は隔離・睡眠時 █▓▒。
潜在能力は行動に未発現。

0919生体データ

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最高軍事機密事項です、神に使える最高司祭のみが確認できます。

とある猫のお話

楽園

生まれた場所は、アイルランドの深い霧の森だった。
霧はいつも白く、朝も夜も区別が薄かったけれど、
その中でだけ、私たちは世界を信じていた。

そこには ケットシー達の村 があった。
年老いた者は尾が二つに分かれ、
その尾は、過去と未来を同時に撫でるように柔らかく揺れていた。

尾が二つの者たちは、長く生き、知恵を持ち、
村の導き手になっていた。

彼らは昔、遠くの国からこの山奥へ流れ着いた長命の猫たちだったと聞いた。
人間と暮らしていたこともあったという。
けれど長く生きるうち、言葉を覚え、火を覚え、
やがて独り立ちした。

その子らと交わり生まれた私たちの世代には、
時々、尾が二つになる子もでてきた。
それは祝福であり、未来の証だった。

村にはいつも焚き火の煙の香りがしていた。
クー・シーの群れと共に歌い、
ピクシーたちと収穫を分け合い、
昼も夜も踊る季節があった。

人間たちは私たちを“伝説”と呼んだ。
でも、私たちが思う伝説はむしろ人間の方だった。
姿を見せず、物語の中でしか存在しない生き物。

そのはずだった。

——そのはずだったのに。

襲撃

霧が白く濃く、鳥の声も眠っていた朝。
まず、風が変だった。
森の匂いじゃない、鉄と油の匂い。

「人間だ」

そう長老が言った。
その声は、誰の耳にも初めて聞く種類の“恐怖”を混ぜていた。

次の瞬間、村に音が落ちた。
爆ぜる音。
裂ける音。
叫び声。

尾の二つある長老たちが前に出る。
結界の歌を唱え始めた。

しかし、歌が完成する前に——
銃声がそれを裂いた。
大きな声で泣く子、走る母親、捕まった父、倒れた兄。

クー・シーの村も、ピクシーの集落も、
いつの間にか燃えていた。

火は温かかったものじゃなくて、
奪うための火だった。

私は腕ごと捕まれた。
口元に布を押し当てられ、意識が遠のいた。

目を閉じる寸前、村長の尾が揺れ、
こちらを見ていた。

泣かないで、という目だった。

それを最後に、楽園は消えた。

輸送

目が覚めたら、檻の中だった。
鉄の棒は冷たく、外の風は届かない。

隣の檻には、クー・シーの男の子。
その向こうにピクシーの女の子。

みんな泣いていたけど、泣く声はやがて止まる。

人間は泣き声に情けを持たない。
それがわかるから、泣くのは無駄だと体が理解する。

その時、檻の前に立つひとりの男。

白衣が揺れ、手にはメモ帳。
目は笑っていなかった。

「尾が二つ……素体価値は高い。
感情反応は強い。個体識別……保持。」

舐めるように私を見ていた。
命を観察する目じゃない。
材料を見積もる目だ。

私はその目が怖かった。
死より怖かった。

ユマ、たたま市長補佐誘拐事件事件

― 猫宮月乃（PO-09-Calm）に関する情報流出 ―

ある日、街の各地で奇妙な資料がばらまかれた。
それはとある11人の“特別な人間”に関する報告書であり、
その内容は本人、または執行部関係者しか知り得ない機密情報が記載されていた。
資料を手に入れるには暗号化された謎を解く必要があり、
解読した者だけがその“11j人の住人の真実”へ辿り着ける。
しかし、その情報の中には――
「PO9」、すなわち猫宮月乃に関する記述が含まれていた。

◆ 資料の内容 ◆

{No.PO-09-Calm　Name.猫宮月乃　PO-Name ホムンクルス}

◆ Details
南側メカニック「CBC」の会長。
淡紫染の美人な女性で、市執行部よりメカニック関連の管理を一任されている。
仕事中の優秀さは誰もが一目置いているが正確に難癖があり、交流のない相手に冷たい態度をとってしまうことがある。
◆ PO - [Homunculus]
猫宮月乃は猫と人間を掛け合わせた「ホムンクルス（Homunculus）」である。
「エリオスの声」と呼ばれる宗教団体による人体実験の被害者であり、成功体。
猫としての記憶ももち、人間としての記憶も持ち合わせている。
研究は完全なる融合を目指した非人道的なものであり、種族と種族を融合させることを第一目標とした
バイオ研究技術であり、研究産物は違法ビジネスに用いられる。
市執行部の介入により施設から救出され、保護もとい観察の為本島に在籍。
特殊な異能は特になく、一般的な人間とほとんど際はない。
精神が猫寄りで身体は人間寄りであるため性格はどこかとっつきにくくなっている。
猫宮月乃という名前は本人が付けた偽名であり、実名はNo.N-thukino0919

この資料をばらまける人間がいるとすれば、
それは教団関係者、もしくは執行部の深部にアクセスできる人物に限られる。

「仕入れられる情報ではないはずですけどね…」

そう呟いた月乃の表情は、明らかに焦りを隠していた。

◆ 流出の発端 ◆

資料を拡散している張本人は、
「フィリップ」と名乗る男。
彼は先日、猫宮が運営するCBCに訪れていた。
特徴的な車を乗り回しており、印象は強く残っていた。

フィリップの正体は不明。
だが教団と繋がりがある人物であるかもしれない事は確かだった。
情報が拡散する前に動かなければならない。
だが、今回は自分ではなく別の誰かが狙われていることも分かっていた。
だからこそ、表向きは平静を装いながらも、
裏では逃走と隠蔽の準備を始めていた。
「どうしようもないんで、とりあえず服屋とサロン行きますね、髪型もかえてこよ。」
姿を変え、街に紛れる。
一方で、警察には簡潔に状況を伝える。

「ばらまかれてるなら時間の問題だけど、従業員には伝えないでください。」  
「あやしい宗教の勧誘をする人がいたら教えてください。ついていかない様に。気を付けて。」

彼女は冷静に指示を出し、周囲を守る行動を取りながらも、
その内心では“教団の影”が再び迫っていることを確信していた。

◆ 事件の余波 ◆

PO9の資料流出は、街に動揺を広げた。
それが真実なのか、誰が何のために流したのか。
そして、自分を含む11人の“特異存在”たちの資料は、今もなおどこかに散らばっている。

誰が次に手に取るのか――  
それは、まだ誰にも分からない。

特異存在会議

とある日、小井戸ちらと会話し、謎解きの答えが [H][L][R]――つまりヒューメイン研究所であることが判明する。
確認のために、小井戸ちら・北上ユーマ・カロリーアともみ・護衛の時暇風人の5名で向かうことに。

研究所を進むにつれ、施設内部を覗けば覗くほど嫌悪感が増していく月乃。
途中、4つの色が付いた部屋に立ち寄ると、時空が異なる場所に、探している2人がいることを発見する。
ただし、空間の権能を止めるには何かしらの手掛かりを別で探す必要があることが明らかとなった。
場所は分かった――あとは方法を探すのみ。

赤い部屋にあった「すべてはここから始まった」という場所。
空間を転移すると、そこは以前、8月にハクパカが市を乗っ取ろうとした際に燃やされた場所。
――ハクパカが始めた“すべての始まりの場所”、FIBビルの内部だった。

その後、帰宅した一行は、ハクパカが持つ次元の力を止め、ユマとたたま両名を救出するため、次の一手を探すことにした。
北上ユーマから話された内容を思い出し、桜乃ヒサメに今回の件を共有。
「POの人間で集まって会議を行いませんか？」と提案する。
とある空き家にてPO会議として、ファイルに書かれているメンバーを集めることに。
全員は集まらなかったものの、自認POも含めて以下のメンバーが集まり、会議を行うことになった。

• 桜乃ヒサメ
• 猫部長
• カロリーアともみ
• 小井戸ちら
• シムオウルステッド
• CODE ZERO（緑乃テリア）
• 時暇風人
• 北上ユーマ
• フィリップ

POファイルに書かれている人間は、この街にいる人物が記載されている。
何かのために必要とされた存在だけが、そこに記されているのかもしれない。

敵は特異存在に特攻のある武器を持つ可能性がある。
あの書類を見て重要な情報があったからこそ、捨てられたのかもしれない。
なぜ11枚の資料が必要だったのか――
それを確認するために、まずは自分たちが知っている情報や、まだ共有されていない情報をお互いに理解するため、全員で自己紹介をすることになった。

白いバケモノはいろんな遺伝子が混ざった“ナニカ”だと思う。
ホムンクルスに近い存在。
自分たちが参考にされている危険性もある。
情報を整理するため、01から順に紹介していくことにした。

...

(PO自己紹介情報)

01 北上 ユマ

フェニックス。呼称は人が作り出したもので、エネルギーの集合体のような存在。
高い再生能力を持ち、姿形は自由自在。街での制約により能力の行使はできない。
人と特異存在を見分けることができる。

本体のコアからエネルギーを無限に供給しており、人型が壊れても再生可能。
体を生成するのに100年単位の時間がかかる。
「不死鳥の涙」はユマ自身から抽出されて作られているため、このままでは時間の問題。
その体のエネルギーだけでも世界を滅ぼせる可能性が十分にある。
科学的に兵器転用も可能なため、市によって制限されていた。

02 南葉 永人

蛇神の遺伝子を取り込んだホムンクルスで、秘密警察の一人。
殺し屋として動いていたが、詳細は不明。
「神殺し」の異名を持ち、特異存在に対して大きなダメージを与えることができる。

CODEZEROと小井戸ちらは、かつて南葉永人に誘拐されたことを共有。
彼は“緑の髪の人間”を探しているらしい。

最終的には彼と手を組まねばならない――最終局面で必要になるからだ。
ただ、彼の中で信用している人間が限られていることが懸念点である。

現在、南葉は消息不明。
月乃は「闇市で車を安価で購入したと話していた男女二人組なら店に来ていた。
女の方はうさ耳を付けていて、背格好は笹木穂乃果に似ている」と話す。
神殺しの力が必要となるなら、説得は避けられない。
これに関しては行方を追うことになった。

03 桜乃 ヒサメ

人間だが秘密警察の一人。
怒らせたら怖い人物として知られ、力はないが通常の人間よりはるかに高い戦闘能力を持つ。
血液検査の結果は「要観察」となっており、観察対象――いわゆる“超人”。

04 猫 部長

種族は猫又。人と大きな差はないが、組織「銀猫」に所属している。
上から4番目の立場にあり、銀猫としても街の状況を注視している。

本来の目的は“猫又”を探すこと。
他の特異存在と接触しているわけではない。
本人は猫宮について気にしており、「猫又なのかどうか」を見極めようとしている。
ホムンクルスと記載があるため、違うと認識しているらしい。

05 黒瀬 陽翔

現在は国外追放。

06 小井戸 ちら

ドライアドに選ばれた宿主。
彼女の村は少し変わった、狂気じみた村だった。
人や生き物の死骸を肥料にして木を育て、林業で生計を立てていた。
しかしそれは洗脳によるものであり、村の外に出て初めて疑問を持つようになった。

高校でうゆき・ともみの2人に出会い、その後街に来た際にユマに相談。
彼女の手により宿主としての胞子の焼却を行い、現在はただの人間となったと語る。

本人は自覚もないまま「化け物が作ったコロニー出身というだけ」「倫理観の壊れたカルト村だと思っていた」と話していた。

07 カロリーア ともみ

彼女は超越者。未来から街にやってきた少女。
分子構造がこの世界と異なり、ゴンザレスぽぽみは自分自身。
フィルターを通していなければ、相手は人間として視認できず、ぽぽみとして見えている。
それ以外は人間だという。
魔法などはこの街では使用できなかった。

メガネがフィルターの役割を果たしており、本体を体現している。
常にメガネをかけている。
次元のチャンネルが合えば、救出作戦に使えるのではという案も出ていた。

08 吉田 なほ

変異ペンギン。市民一番の良心家で、ペンギンシンガーとして度々街に姿を現していた。
出自も生態も、今のところ何一つ不明。
行動や能力もすべて通常の人間と同様だと記載されている。きにしい。

09 猫宮月乃

ホムンクルス。書類の写真が街ではなく施設で撮られていたことに驚きを隠せない。
月乃は「この書類を作った人に不信感しかない。言うのも怖い」と話しながら、自身の書類について語る。

幼少期から人体実験や違法取引が行われる場所にいた。
お金で買えるものはすべて売っており、それは臓器や人間も含まれていた。
表向きは宗教団体で「みんな幸せになる」と謳いながら、地下では実験が行われていた施設だった。
一緒に脱走した仲間は全員死亡。
ギリギリ連れ戻される直前で市に助けられ、保護された。
その後、ギャング抗争前にサンディへ逃げ込み、暮らしていた。

「自分が猫だったことは覚えているが、自分が何かは分からないまま過ごしている」と語る。

気になる資料は「完全なる融合」。
ハクパカが掲げている思想と似ており、その理論は近しいものだと話す。
教団にとっても目を付けたくなる存在になるだろう、と月乃は語った。

書類が出回ってしまったせいで、過去を知る者が増えた。
そのせいで教団が再び捕まえに来る可能性を案じ、変装して街で過ごすと話す。
バイオ技術が研究されていたため、何かしら情報が流出しているかもしれない――と会議では予想された。

“世界瞑想”のため、今回の話はここまでとなった。

月乃は「書類を作成した秘密警察への不信感」「警察への信用ができない」と考えながら眠りについた。
組織の影がいつ来るかは分からない。
捕まったらどうなるのか――それを考えながら、静かに眠るしかなかった。

不完全な神様の話

彼は「世界を平等にしたい」と願い、すべての存在が苦しまない世界を作ろうとしていた。
その願いは一見、優しく聖なるものにも思えたが、実際には多くの犠牲が前提となっていた。

EMSの屋上で銃撃の中、月乃は問いかけた。
「パカちゃんは神様になりたいの？」

ハクパカは周りの銃撃を避け、撃ち返しながら答えた。
「違う。みんなを平等にしたい。世界を平等にしたい。」

その言葉は確かに美しい理想だった。
けれど月乃静かに言う。
「ユマちゃんが犠牲になってるなら、平等じゃないよ。」

理想は、ひとりを犠牲にした時点で破綻してしまう。

しかし、その瞬間にも、状況は進んでしまっていた。
対話だけでは止まらなかった。
周りが銃撃をつづける中、。
それでも、どうしても引き金を引けなかった。

月乃は、信じていた。
「パカちゃん、皆にごめんなさいって言おうよ…」

けれどそれは、あまりにも甘かった。
優しさは武器にならなかった。

そして――ハクパカは倒れた。
力を奪っていた、不死鳥の彼女の手で存在ごと。

その場にいた多くは歓喜した。
「終わったんだ」「勝ったんだ」「守れたんだ」
そう言って、抱き合い、喜び、安堵した。

ただ一人、月乃だけは喜べなかった。

倒れた彼を前にして、月乃は立ち尽くした。
胸の内には、言葉にならない痛みだけがあった。

「パカちゃんの事、撃てなかった。」
止めたかったのは、世界の破壊じゃなくて、彼の孤独だったのに。

世界は少し平和になったかもしれない。
でも、月乃の中には「救えなかった」という形をした傷がぽつりと残った。

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