X-Statix(第二期X-Force Vol.1)
概要
X-Statixは
ミュータントのヒーローチーム。
当初は
X-Forceを名乗り、コミックも同シリーズ"X-Force Vol.1"のナンバリングを引き継ぎ#116から継続するが、
ケーブルが結成した本来のX-Forceとは無関係。作中では旧X-Forceのメンバーからチーム名についてクレームが入り(もちろんコミック演出上のお遊びである)、チーム名の議論を続けた末、あるメンバーの死をきっかけに
X-Statixに変更。タイトルも同じく"
X-Statix"に変更され#1から再スタートを切った。
敵も味方も流血沙汰や死人が続出しグロシーンの多用に加えギャグシーンも多くパロディや芸能ネタも多用される。
このチームは正義や信念のために戦うのではなく、戦いの様子をメディアで放送し、名声や富を得ることを目的としている。
本拠地は「X-Statixタワー」(所在地はロサンゼルス、サンタモニカ)で、カフェ兼グッズショップも経営。芸能人やスポーツ選手並みのセレブとして扱われ、映画スターたちとの親交もある。同時にマスコミのターゲットでもあり、常にスキャンダルを狙われている。
ミュータントが差別される
マーベル・ユニバースにおいて、メディアで人気の"X-Statix"に所属することは迫害される立場からの逆転を意味し、アメリカンドリームと認識されている。
敵を殺害することをタブー視しない一方で、味方の死亡率も異常に高い。連載初回のX-Force#116ではいきなりほとんどのメンバーが死亡する。
それでも参加希望者が後を絶たず、メンバーが減る度に誰かが立候補する。メジャーリーグのように二軍組織が存在するらしく、チームに欠員が出たときはオーディションが行われる。中にはスポーツ選手のようにエージェントを介して待遇を交渉する者もいる。
メンバーは女たらしにヤク中、アル中、ゲイ、任務に入る前に力を使い果たして眠る奴、など曲者ぞろい。
ドゥープという奇妙な生物がカメラを持ち、その戦闘をテレビで放送している。
背景
このような内容のコミックが誕生した背景には、2001年にマーベルがコミック倫理規定委員会から脱退し、表紙から
コミックス・コードを廃し独自のレーティングシステムを採用したことがある。事実"X-Force Vol.1"#115までは表紙にコミックス・コードがプリントされていたが、新チームが活躍する#116からはコミックス・コードはなくなり、代わりに"HEY KIDS! LOOK, NO CODE!"(ほら子供たち!見て、コードなしだよ!)との文字が記載され、また#119からは"MARVEL PG"の文字が記載された。故に作中ではかつてコミックス・コードの禁止対象だった狼男やゾンビー、同性愛者などが多数登場することとなった。また主人公サイドが暴力をもって戦う理由が善のためではなく富と名声を得るためであることや、#116でいきなりチームがほぼ全滅し、内臓を撒き散らして死亡する残虐シーンが描かれたこと、
ツァイトガイストと複数の女性との性的シーンの描写、
アナーキストと裸の女性の混浴シーンなどあえてコミックス・コードで禁止されていた描写をやりたい放題描いていることもその撤廃と関連しているものと思われる。
メンバー
初期メンバー(X-Force#116)
#116での追加メンバー
アナーキスト:第一回のX-Force#116で死亡したスラックに変わる補充メンバーとして参加。黒人だが黒人差別主義者で、手を何度も洗う癖がある。
以上のうち、任務には出動しないコーチを含む4人を残して初登場回の"X-Force"#116で死亡。
その後の追加メンバー
ミスター・センシティブ(オーファン):チームの新リーダー。1日1回、ロシアンルーレットで自分を撃つ習慣がある。
ブローク:怪物のような姿で元クライムファイターだった男。ゲイ。
ヴィヴィセクター:元学生で獣人化能力を持つ。ゲイ。
ファット:トレーラーハウスで育った荒っぽい性格の青年。ゲイ。
セント・アンナ:ヒーラーであり、サイコキネシスを操る女性ミュータント。比較的まともだが短命だった。
スパイク・フリーマン:#117から新たにX-Statixのオーナーになった人物。大金持ちの実業家。任務には出動しない。
ラクーナ:時間を止める能力を持つ。メンバー入りを熱望し自ら売り込んだが、承諾されるとメンバーにはならずテレビタレントへの道を選んだ
続編
復活
上記の通り一部のメンバーがしっかり死後の世界にいる姿が描かれるのだが、2019年の"
Giant-Size X-Statix"(単発の増大ページ誌)ではミスターセンシティブとデッドガールに加え(いやデッドガールは死んでいるのだが現世で行動できるようになり)、ヴィヴィセクターが生きていたことになり、ドゥープを加えX-Statixを再結成。さらには過去のメンバーの子供たちもメンバーに加わる。
さらには初登場回で死んだはずのツァイトガイストまでもが生きていて新チーム"
X-Cellent"を結成。新たなミュータントたちをメンバーとする。
このストーリーは2022年の新タイトル"
X-Cellent"へと続く。
本作では時代背景を反映しテレビメディアよりもYOUTUBEなどのSNSでフォロワーと視聴者を獲得し、富と名声を得ることを目的とする。
そのためには両チームとも撮影した動画の改竄ややらせを辞さないが、特にX-Cellentのリーダー、ツァイトガイストはフォロワーが増えるのであればメンバーを殺すことも躊躇わない。
メンバー
X-Statix
デッドガール:「死と生の間を歩くもの」として復活するがその経緯は明らかにされていない。ゾンビではなく幽霊のような性質になっている。未来を見てX-Statix再結成の必要性を感じ、メンバーを集め始める。
ミスターセンシティブ:「幸運にも脱出できた」ということで復活、再びチームのリーダーとなる。死んだことになっていた時期はスキンケア製品を陰でプロデュースしていたらしい。
ヴィヴィセクター:ミスターセンシティブ同様「幸運にも脱出できた」。小説家としてゲイの恋人と安定した生活を送っていたが、その作品はミスターセンシティブによると「目眩なしには読めない」とのこと。再結成したチームに加わる。
ザ・A:初登場でアナーキストの息子、マイク・アリカー。父と同様に酸の汗をかき、放出する能力を持つ。父に対して強い反発を感じている。
ファッティ:初登場でファットの娘。正確にはドゥープが生前の父から遺伝物質を抜き取り、それにより娘が生まれたらしいが詳しい経緯は不明。父同様、体の脂肪を自在に操り攻撃や防御に使用する。いわゆる「ぽっちゃり系モデル」として活躍していた。
ドゥープ:カメラマンとして参加。ただし今回はカメラではなくスマホで動画を撮影している。
X-Cellent(初期メンバー)
ツァイトガイスト:ドゥープの処置により、長期の昏睡と大手術の末に生存していたことが明らかに。ただし顔には大きな傷跡が残る。新チームX-Cellentを結成し、YOUTUBEでのフォロワーと視聴者数を獲得することに血道を上げている。
ミラー・ガール(ジェニー・シュピーゲル):初登場。鏡を作り出し、対象の真の姿を映し出す能力を持つ。ツァイトガイストの恋人だが非常に雑に扱われている。思い悩んで自分の姿を鏡に写すこともしばしば。
ハート・ジョン:初登場。「ハート」="hurt"である。他者の「痛み」の記憶を引き出し、その記憶を再体験させる能力などがある。
ウノ:初登場。宙に浮かぶ巨大な目玉。見たものを記録し、動画化する役割を担う。また目から光線を出し攻撃も可能。
プードゥ:初登場。邪悪な目つきをした紫色のドゥープのようなクリーチャーでスペルは”Pood"と"Doop"の反対。なぜかフィールドミッションには出動しない謎の存在。
ヴィーナス・デ・ミロ:不定形のエネルギー生命体と化した体を持ち、旧チーム全滅の際にエネルギーが世界中に拡散していた。テレポーターを欲するツァイトガイストが科学者を雇い修復しようとしているが、まだ体の一部しか集まらず全身の修復には数年かかると言われている。
X-Statix追加メンバー
ゴーン・ギャル(ケイティ・ソーヤー):ユーゴーガールことエディ・ソーヤーが15歳のときに産んだ娘。祖母を母、エディを姉と信じて育てられた。母と同じくテレポート能力の素質がある。X-StatixとX-Cellentはテレポーターをチームにとって必要不可欠な存在と考え、両チーム間で彼女の争奪戦が始まる。最初はどちらのチームにも入団を拒否するが、最終的にはX-Statixを救出するためにテレポート能力を発揮。その経験にスリルを感じ、また動画の再生数が伸びていく様子を見て母の気持ちを理解するようになり、X-Statixに加わる。
ローザ・レンパー:コンクリートの壁状の体を持ち、壁や柱になるなどその形状を自在に変形。強力な防御力を発揮する。
最終更新:2023年07月12日 03:13