X-Cellent Vol.1

(シリーズタイトル、マーベル

出版:2022年2月〜7月(全5話)

概要

時代と世相を色濃く切り出すシリーズ"X-Statix"の正統続編。ストーリーはX-Statix再結成が描かれる"Giant-Size X-Statix"から続く。
タイトルは"X-Cellent"だが、X-Statix側の視点も同等に描かれる。
かつてX-ForceからX-Statixへと名を変えたミュータントチームは命懸けのミッションをメディアで公開し、一躍有名になった。
観客たちは数年にわたってメンバーが加わり、死んでいく姿に魅了された。そして最後のミッションで全滅し、全員死亡したかと思われていた。
しかし、メンバーの内何人かは実は生きていて、X-Statixを再結成。一方、その元リーダーの1人ツァイトガイストも生きていて、新チームX-Cellentを結成。両チームは対立を激化していく。
このシリーズで両チームはテレビでミッションを公開するのではなく、YOUTUBEなどのSNSで動画を配信、フォロワーと再生回数を稼ぎ、富と名声を得ることを目的とする。


主な登場人物

X-Cellent

ツァイトガイスト(アクセル・クルーニー):ドゥープの処置により、長期の昏睡と大手術の末に生存していた。ただし顔には大きな傷跡が残る。新チームX-Cellentを結成し、YOUTUBEでのフォロワーと視聴者数を獲得することに血道を上げている。フォロワーを増やす理由は単純に富と名声だけでなく何か大掛かりな企みがある。
ミラー・ガール(ジェニー・シュピーゲル):鏡を作り出し、対象の真の姿を映し出す能力を持つ。ツァイトガイストの恋人だが非常に雑に扱われている。思い悩んで自分の姿を鏡に写すこともしばしば。
ハート・ジョン:「ハート」="hurt"である。他者の「痛み」の記憶を引き出し、その記憶を再体験させる能力などがある。
ウノ:宙に浮かぶ巨大な目玉。チームの撮影担当で、見たものを記録し、動画化する役割を担う。また目から光線を出し攻撃も可能。
プードゥ:邪悪な目つきをした紫色のドゥープのようなクリーチャー。スペルは”Pood"で"Doop"の反対。なぜかフィールドミッションには出動しない謎の存在。
ジョー・ボム:本作から参加の新メンバー。イケメンだからスカウトされたと思われている。能力は空気中に爆発を起こすこと。
ヴィーナス・デ・ミロ:不定形のエネルギー生命体と化した体を持ち、旧チーム全滅の際にエネルギーが世界中に拡散していた。テレポーターを欲するツァイトガイストが科学者を雇い修復しようとしているが、まだ体の一部しか集まらず全身の修復には数年かかると言われている。

X-Statix

ミスターセンシティブ(ガイ・スミス):「幸運にも脱出できた」ということで復活、再びチームのリーダーに。敏感すぎる感覚と鍛えた格闘技、空中浮遊などの能力を持つ。
デッドガール(ムーンビーム):「死と生の間を歩くもの」として復活するがその経緯は明らかにされていない。ゾンビではなく幽霊のような性質になっている。チーム再結成の発起人。
ヴィヴィセクター(マイルズ・アルフレッド):ミスターセンシティブ同様「幸運にも脱出できた」。人狼に変身する能力を持つ。ゲイのアイデンティティーを強めに押し出す。
ザ・A(マイク・アリカー):元X-Statixのメンバー、アナーキストの息子。父と同様に酸の汗をかき、放出する能力を持つ。父に対して強い反発を感じている。
ファッティ:元X-Statixのメンバー、ファットの娘。正確にはドゥープが生前の父から遺伝物質を抜き取り、それにより娘が生まれたらしいが詳しい経緯は不明。父同様、体の脂肪を自在に操り攻撃や防御に使用する。いわゆる「ぽっちゃり系モデル」として活躍していた。
ドゥープ:カメラマンとして参加。ただし今回はカメラではなくスマホで動画を撮影している。
ゴーン・ギャル(ケイティ・ソーヤー):元X-Statixのメンバーユーゴーガールことエディ・ソーヤーが15歳のときに産んだ娘。祖母を母、エディを姉と信じて育てられた。母と同じくテレポート能力の素質がある。テレポーターは両チームにとって必要不可欠な存在と考えられ、X-StatixとX-Cellentの間で争奪戦の末にX-Statixに参加。
ローザ・レンパー:#1の途中で加入する新メンバー。東ドイツ出身。全身が強固な壁となり敵の攻撃を防ぐ。ドゥープがスカウトしていたが仲間に伝えるのを忘れていた。

ストーリー

#1
ツァイトガイストは次々とイベントを起こし、またX-Statixとの戦いの動画を改ざんして相手を一方的に悪役に仕立て、急激にフォロワーを増やしていく。
一方で自陣に引き入れようとしていたケイティー・ソーヤーX-Statixに加入したため代わりのテレポート能力者を探そうとする。
それぞれ新メンバーを加え、チームを増強。そんな中で再びX-CellentとX-Statixが激突。ヴィヴィセクターが重傷を負ってしまう。

#2
ツァイトガイストのモノローグによりX-Cellentのメンバーの過去が明らかに。また彼自身がX-Statix時代のミッションからどうやって生還したのかが語られる。
戦闘でX-Cellent新メンバーのジョー・ボムが死亡。ツァイトガイストは彼を助けるどころかフォロワーを増やすため死に様を配信。
ツァイトガイストはテレポート能力者を手に入れるため、テキサス州の特別更生施設を襲撃し、収監されていたテレポート能力者ビリー・マクマレンを脱走させ、テレポートで本拠地に帰還。しかし彼の能力はまだ未熟なため…

#3
なんとかテレポートを成功させ本拠地に生還したX-Cellent。新メンバーストライプフラッフが加入する。
彼らはドクター・ストレンジが留守中の本拠地サンクタム・サンクトラムに侵入。ヴィシャンティの書のページを撮影する。彼の目的とは?
一方、X-StatixはSNS対策としてインフルエンサーのガール・ジョーにサポートしてもらう約束をとりつける。彼女の影響力は絶大で、X-Cellentのフォロワーは激減。
しかしツァイトガイストが呼びかけ、その信者たちが集結しガール・ジョーを襲撃する。
助けを求める彼女を救出したいX-Statixミスターセンシティブだったが、頼みの綱のテレポート能力者エディーがマイクとデートのため抜け出していて、助けに行くことができない。

#4
ガール・ジョー救出に現れたのはX-Cellentの新メンバー、フラッフだった。
フラッフはその能力で暴徒と化したツァイトガイストファンたちを撃退、ガール・ジョーを救出。
ガール・ジョーのフラッフを讃える配信でX-Cellentのフォロワーは増加する。
一方、先を越されてガール・ジョーの救出を果たせなかったミスターセンシティブは一度はエディーとマイクにチーム内恋愛禁止を言い渡す。しかし母のユーゴーガールの霊と話し、諭されたことで2人が時々は息抜きで出かけることを認めるのだった。
X-Cellentではガール・ジョーを攻撃する計画を妨害したフラッフを懲らしめるため、ツァイトガイストがテレポーターのマクマレンにフラッフをテレポート能力でアマゾンの奥地に放置するように命じる。
しかしまだテレポート能力を使いこなせないマクマレンはフラッフアマゾン奥地の空中に放置してしまう。

#5
超人気ブロガーでテレポート能力者のトゥードゥル・ピップフラッフの死体を発見。
ブログのネタにするためX-Cellentの本拠地へ。
しかしテレポート能力者を欲するツァイトガイストに捕らえられ、仲間になるように強要される。
トゥードゥル・ピップがビリー・マクマレンを指し「もうテレポーターがいるじゃない」と指摘すると、ツァイトガイストはあっさりマクマレンを殺してしまう。
そしてツァイトガイストがフォロワー集めに執着しドクター・ストレンジのヴィシャンティの書をコピーした真の理由が明らかに。
トゥードゥル・ピップは「事件をただブログに書くだけじゃなく、作る方に回りたい」と思い、X-Cellentに力を貸すことを承諾するのだった。

  • シリーズは#5で一旦ナンバリングをリセットし、X-Cellent Vol.2で新たに#1から再開される。








最終更新:2024年03月26日 17:43