西へ向かう ◆U1w5FvVRgk
カシャ、カシャ、カシャ、カシャ
一定のリズムの金属音を響かせながら、シャドームーンは夜のビル街を進んでいた。
街に明かりは無いが、暗視機能を備えている彼の視界は良好だ。
両足に装具されたレッグトリガーから奏でられる音は、己の存在を誇示しているようにも見える。
殺し合いの場ということを考えれば、余りにも無防備な姿を晒していた。
周囲を気にも留めない、というよりする必要が無いのだろう。
仮面ライダーBLACKを除く参加者は、彼にとって有象無象の類に過ぎない。
だから警戒などせずに歩いている。例え誰が現れても返り討ちにする自信があるからだ。
街に明かりは無いが、暗視機能を備えている彼の視界は良好だ。
両足に装具されたレッグトリガーから奏でられる音は、己の存在を誇示しているようにも見える。
殺し合いの場ということを考えれば、余りにも無防備な姿を晒していた。
周囲を気にも留めない、というよりする必要が無いのだろう。
仮面ライダーBLACKを除く参加者は、彼にとって有象無象の類に過ぎない。
だから警戒などせずに歩いている。例え誰が現れても返り討ちにする自信があるからだ。
図書館を出た後、彼はまず地図の確認を行った。
地図に依ると街中には図書館を含めて七つの施設がある。
最初に立ち寄った図書館に銭形警部が居たことを考慮すれば、他の施設にも参加者が居るかもしれない。
他にも山中などに送られた参加者も、殆どが街を目指すだろう。
このような異常事態に巻き込まれれば、人はまず安心を求めるはずだ。
それなら態々暗い山に身を置くより、見慣れた市街地の方が安心できる。
それが明かりが無く、無機質な街だったとしても。
優勝への効率を考えるなら街を巡るか、山を下りてくる参加者を狙えばいいだろう。
だがシャドームーンはそれらの参加者を一先ず捨て置くことにした。
シャドームーンは知っているからだ。人間がどれほど弱い生き物なのか。
殺し合いに参加させられる前に、彼は一度仮面ライダーBLACKを倒した。
創世王の介入で出来た隙を付いた、到底納得できるものではなかったが。
それでもゴルゴムの邪魔をする者がいなくなったのは事実だ。
仮面ライダーが倒れた後の日本征服は簡単に進められた。
そして仮面ライダーが死んだことを知った人間たちは絶望し、我先にと日本脱出を初めた。
中には船のチケットを奪い合う者、あるいはゴルゴムに協力して何とか助けてもらおうとする者まで居た。
後に仮面ライダーBLACKが復活したことで、人間たちは希望を取り戻す。
だが人は絶望したとき容易く他人を蹴落とす。殺し合いなどという状況ならば尚更だ。
シャドームーンはそのように人間を見下していた。
そして街に人が集まるならば、その者たちに勝手に殺し合わせればいいと判断したのだ。
地図に依ると街中には図書館を含めて七つの施設がある。
最初に立ち寄った図書館に銭形警部が居たことを考慮すれば、他の施設にも参加者が居るかもしれない。
他にも山中などに送られた参加者も、殆どが街を目指すだろう。
このような異常事態に巻き込まれれば、人はまず安心を求めるはずだ。
それなら態々暗い山に身を置くより、見慣れた市街地の方が安心できる。
それが明かりが無く、無機質な街だったとしても。
優勝への効率を考えるなら街を巡るか、山を下りてくる参加者を狙えばいいだろう。
だがシャドームーンはそれらの参加者を一先ず捨て置くことにした。
シャドームーンは知っているからだ。人間がどれほど弱い生き物なのか。
殺し合いに参加させられる前に、彼は一度仮面ライダーBLACKを倒した。
創世王の介入で出来た隙を付いた、到底納得できるものではなかったが。
それでもゴルゴムの邪魔をする者がいなくなったのは事実だ。
仮面ライダーが倒れた後の日本征服は簡単に進められた。
そして仮面ライダーが死んだことを知った人間たちは絶望し、我先にと日本脱出を初めた。
中には船のチケットを奪い合う者、あるいはゴルゴムに協力して何とか助けてもらおうとする者まで居た。
後に仮面ライダーBLACKが復活したことで、人間たちは希望を取り戻す。
だが人は絶望したとき容易く他人を蹴落とす。殺し合いなどという状況ならば尚更だ。
シャドームーンはそのように人間を見下していた。
そして街に人が集まるならば、その者たちに勝手に殺し合わせればいいと判断したのだ。
(殺し合いを行うからには、参加者の大半は人を殺すことに躊躇などしない者のはずだ。
それに私一人で参加者全員を殺す必要もない。
この殺し合いは殺した数を競うものではなく、最後の一人になればいいのだからな)
それに私一人で参加者全員を殺す必要もない。
この殺し合いは殺した数を競うものではなく、最後の一人になればいいのだからな)
そもそもシャドームーンが優先すべきは参加者の抹殺ではなく、仮面ライダーBLACKとの決着だ。
優勝はその果ての結果でしかない。
できれば今すぐにでも戦いたいが、さすがに広い会場内で人一人を即座に探すのは酷だった。
優勝はその果ての結果でしかない。
できれば今すぐにでも戦いたいが、さすがに広い会場内で人一人を即座に探すのは酷だった。
ならば街を出て、彼はどこに向かうつもりなのか?
現在進んでいる方角は西だ。なぜ西なのか。
地図を見た限り、会場は三つの島で出来ている。
会場のほぼ半分を占める山岳部と、1/4を占める街が合わさった島。
北東にある研究所のある小島。残りの西南の島。
この三つを橋で繋げて会場はできている。
現在進んでいる方角は西だ。なぜ西なのか。
地図を見た限り、会場は三つの島で出来ている。
会場のほぼ半分を占める山岳部と、1/4を占める街が合わさった島。
北東にある研究所のある小島。残りの西南の島。
この三つを橋で繋げて会場はできている。
そして、この中では西南の島が一番重要度が低いと思われる。
なぜならば必要性が感じられないからだ。
西南の島に施設としてあるのは小病院、カジノ、ホテルの三つ。
まずカジノは殺し合いの最中に行く場所ではない。
もしものんきにギャンブルをしているようなら、余程に胆が太いか事態を把握していない愚者だ。
残りのホテルと小病院は代わりが利く。
ホテルは北西にもあり、病院は規模の大きい総合病院が街にある。
最初に近くに居た場合を除き、両方とも態々立ち寄る場所では無いだろう。
他にも座礁船、モール、恐竜の化石などもあるが、これらを施設というのは憚られる。
以上のことから、西南の島は重要ではないとシャドームーンは判断した。
だが歩んでいるのはその島の方向だ。
西南の島が重要では無いと判断したと同時に、彼は別の可能性も考えていた。
誰も訪れないならば、逆に潜むにはちょうどいいのではないかと。
殺し合いを生き延びるなら最初から殺し回らずとも、数が減るまでどこかに潜めばいい。
特に優勝を目指してはいるが、力の無い弱者はこのような方法を使うだろう。
そのような潜んでいる者たちを駆逐するために、シャドームーンは西へと歩を進めていた。
西に渡るための橋へと向かう途中でも参加者を発見できれば良かったのだが、今のところ人の姿は無い。
それでも構わずに進んでいると、近くから爆音が響いてきた。
思わず立ち止まり耳を澄ます。音は西から聞こえ始め、そのまま東へと通り抜けていく。
なぜならば必要性が感じられないからだ。
西南の島に施設としてあるのは小病院、カジノ、ホテルの三つ。
まずカジノは殺し合いの最中に行く場所ではない。
もしものんきにギャンブルをしているようなら、余程に胆が太いか事態を把握していない愚者だ。
残りのホテルと小病院は代わりが利く。
ホテルは北西にもあり、病院は規模の大きい総合病院が街にある。
最初に近くに居た場合を除き、両方とも態々立ち寄る場所では無いだろう。
他にも座礁船、モール、恐竜の化石などもあるが、これらを施設というのは憚られる。
以上のことから、西南の島は重要ではないとシャドームーンは判断した。
だが歩んでいるのはその島の方向だ。
西南の島が重要では無いと判断したと同時に、彼は別の可能性も考えていた。
誰も訪れないならば、逆に潜むにはちょうどいいのではないかと。
殺し合いを生き延びるなら最初から殺し回らずとも、数が減るまでどこかに潜めばいい。
特に優勝を目指してはいるが、力の無い弱者はこのような方法を使うだろう。
そのような潜んでいる者たちを駆逐するために、シャドームーンは西へと歩を進めていた。
西に渡るための橋へと向かう途中でも参加者を発見できれば良かったのだが、今のところ人の姿は無い。
それでも構わずに進んでいると、近くから爆音が響いてきた。
思わず立ち止まり耳を澄ます。音は西から聞こえ始め、そのまま東へと通り抜けていく。
(今のは車か。音からしてかなりのパワーを持っているようだが、まさかブラックサンが?)
一瞬、車を運転しているのは仮面ライダーBLACKではと思ったが、即座に否定した。
仮面ライダーBLACK――南光太郎が車を運転できるという事実が、秋月信彦の記憶には無いからだ。
幼い頃から共に過ごしてきた信彦の記憶に無いなら、光太郎が車を運転できる可能性は低いだろう。
幼い頃から共に過ごしてきた信彦の記憶に無いなら、光太郎が車を運転できる可能性は低いだろう。
(もしくは自動で動く車という可能性もあるが……そんなことを言っていては切りが無いな。
まあいい。万が一そうだったとしても、ブラックサンが私以外に倒されることはない)
まあいい。万が一そうだったとしても、ブラックサンが私以外に倒されることはない)
爆音が聞こえる前と変わらぬ足取りで、シャドームーンは再び歩き出す。
シャドームーンは知らない。
この場にはアルター能力者が、異世界の仮面ライダーが、寄生獣が、フレイムヘイズが。
自分や仮面ライダーBLACKに対抗できる可能性を持つ者たちが存在することを知らない。
闇の王子・シャドームーン。彼の内心には僅かな油断が芽生えていた。
だとしても仕方がないだろう。
仮面ライダーBLACK以外に、シャドームーンに対抗できる者はいない。逆もまた然り。
それが彼の、ひいては彼の世界での常識なのだから。
シャドームーンは知らない。
この場にはアルター能力者が、異世界の仮面ライダーが、寄生獣が、フレイムヘイズが。
自分や仮面ライダーBLACKに対抗できる可能性を持つ者たちが存在することを知らない。
闇の王子・シャドームーン。彼の内心には僅かな油断が芽生えていた。
だとしても仕方がないだろう。
仮面ライダーBLACK以外に、シャドームーンに対抗できる者はいない。逆もまた然り。
それが彼の、ひいては彼の世界での常識なのだから。
もう一つ、シャドームーンが知らない事実がある。
南光太郎が車を運転できないと断定したがそれは違う。
実際、光太郎は車を運転することができる。
もっともそれはクライシス帝国との戦いになってからの話なので、彼が知らないのも無理は無いのだが。
南光太郎が車を運転できないと断定したがそれは違う。
実際、光太郎は車を運転することができる。
もっともそれはクライシス帝国との戦いになってからの話なので、彼が知らないのも無理は無いのだが。
【一日目黎明/F−6 東部】
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備] 無し
[支給品] 支給品一式、不明支給品1〜3(確認済み)
[状態] 健康、僅かな油断
[思考・行動]
1:西側に居る参加者を殺す。途中で出会う参加者も殺す。
2:ブラックサンを発見すればそちらを優先する。
3:サタンサーベルを探す。
4:元の世界に帰り、創世王を殺す。
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備] 無し
[支給品] 支給品一式、不明支給品1〜3(確認済み)
[状態] 健康、僅かな油断
[思考・行動]
1:西側に居る参加者を殺す。途中で出会う参加者も殺す。
2:ブラックサンを発見すればそちらを優先する。
3:サタンサーベルを探す。
4:元の世界に帰り、創世王を殺す。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
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009:月の光に映る影 | シャドームーン | 065:目を開けながら見たい夢がある |