本日は晴天なり

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本日は晴天なり  ◆ew5bR2RQj.



拳と刀がぶつかり合う。
己の信念を賭し、相手の信念を否定するために。

「刀で切れないなんて凄いですね、それ」
「ごちゃごちゃうるせぇ!」

露骨に苛立ちを見せるカズマ
宗次郎が薄ら笑いが気に食わないのもそうだが、一番の理由は自慢の拳がただの刀に受け止められていること。
この拳はあらゆる物を砕く自慢の拳。
それがただの刀に止められているという事実は、彼のプライドを著しく傷つけていた。
剣術に心得のない彼は気付いていないが、宗次郎は刀で拳を受け止めているのではない。
天剣の才能による巧みな剣捌きで、拳の力を受け流しているのだ。

「ちょっと、限界かな」

これ以上は持ち堪えられないと判断したのか。
刀の軌跡で半円を描くように拳を捌き、追撃を加えられる前に距離を取る宗次郎。

「どうした、ビビッてんのか?」
「そうかもしれませんね」

そんなわけありませんよ、と言外に告げている余裕の笑み。
その笑みが、彼の苛立ちをさらに助長させる。

「テメーが逃げるんなら勝手にしな、だがな、いくら逃げてもこいつからは逃げられねぇ!」

右肩に備わった三枚の赤い羽、そのうちの一枚が消失する。

「衝撃のファーストブリットォォォォォ!!」

推進力を得て、勢いよく突進していくカズマ。
これこそが殴ることに特化した彼アルター、シェルブリットの真髄。
右肩にある三枚の羽を順々に消費することで、背中から吹き出す突風を加速装置に拳を打ち付けることができるのだ。
全力を込めて突進するカズマだが、宗次郎は薄笑いを浮かべたまま微動だにしない。
一抹の不安を覚えるが、技が発動した以上は止まることはできない。
元より、止まる気もない。

「喰らえエエェェッ!」

拳があと僅かで届こうかという瞬間。
突如、宗次郎の姿が消える。
驚いたのも束の間、背中を熱いものが通りすぎる。
それの正体が刀だと気付いた時は、既に宗次郎は間合いの外へと移動していた。

「ぐあぁッ!」

背中に走る激痛に歯を食いしばり、崩れそうな脚を辛うじて保つ。
超高速で拳を避けて背後に回り、素早く抜刀して背中を切り裂いた。
先の瞬間に起きたことは理解できる。
だが、どうしてアルター能力もない人間にそれができるのか。
今の速さは、劉鳳やクーガーにも比肩しうるものだ。

「もしかして……縮地に驚いてます?」

聞き慣れぬ単語に首を傾げるカズマ。

「僕も志々雄さんから聞くまでは知らなかったんですけどね、説明した方がいいですか?」

強靭な脚力で初速から最高速に達し、一瞬のうちに相手の間合いを侵略する幻の大義。
瞬間移動したかのように見えることから、縮地と名付けられた。
志々雄曰く、それは目にも映らない速さだ。

「いらねぇよ、どうせ聞いても分かんねぇ」
「そうですか、残念です、代わりにその装甲みたいなやつのこと教えてもらおうと思ったのに」
「どのみち教えてやらねえよ、こいつはトップシークレットだ」

そう吐き捨て、カズマは拳を握り締める。

「じゃあそろそろ再開するぜ、喧嘩をよぉ!」
「もう、とっくに始めてますよ」
「ッ!」

カズマが宣言した瞬間、既に宗次郎の刃は迫ってきていた。


   ☆ ☆ ☆


地を跳ね、壁を駆け、屋根を蹴る。
宗次郎にとってはあらゆる場所が足場であり、地上から離れられないカズマとは一線を画す。
正面から切り裂く”振り”をして、カズマの攻撃を誘う。
拳が正面に繰り出された時には、既に左側面へと移動している。
カズマがこちらに振り向いた瞬間、喉元へと刀を突き上げた。

「チィッ!」

僅かに身体を逸らし、辛うじて一撃を躱すカズマ。
斬撃は左腕を掠めたが、喉元を貫かれるよりはずっと軽い傷だ。

(おかしいなぁ……)

僅かに脳裏を過る違和感。
本気で殺そうとしているのに、殺すことができない。
致命の一撃を放っても、あと一歩のところで届かない。
剣心と戦っている時は、甘いことを言っている彼に本気を出す気になれなかった。
カズマも弱い人間を守るなどと言っているが、弱肉強食を否定しなかったから本気で剣を振るっている。
なのに、何故。

(まぁ、いいや)

余計なことを考える前に殺してしまえばいい。
考えていると、苛々する。
地面を蹴り上げ、跳躍する宗次郎。
そしてカズマの脳天目掛けて、上空から刀を叩きつける。

「いつまでも調子くれてんじゃねぇ!」

カズマが半身を翻し、振り下ろした一撃が空を切る。
空振った斬撃は地面へと落ち、刀を持ち直すまでの一瞬に隙が生まれる。
気がつくと、目前に迫ってくる拳。
正面を向いたまま強引に後方へ跳び、迫ってくる拳を辛うじて回避する宗次郎。
だが、拳は僅かに彼の腹を掠めた。

(あれ……?)

ちゃんと避けたはずなのに拳が掠った。
掠っただけだから痛みはないが、避けたはずの拳が命中したこと自体が問題なのだ。
剣心の攻撃は自分を捉えることすらできなかった。
その剣心よりも遅いカズマが、自分を捉えられるはずがない。
さっきからそうだ。
殺せるはずなのに殺せない、避けれるはずなのに避けれない。

「なに、ボォーっと空なんか見てんだよ、やる気あんのか」

痺れを切らしたのか、カズマが野次を飛ばしてくる。
意識していたわけではないが、いつの間にか視線が空に移っていたのだ。
大量の雲に覆われ、微かに薄暗い空。
それを見ていて、ふと殺し切れない理由に気付く。

「あぁ、そういうことか」
「はぁ?」

剣心と戦っていた時は、屋内でさらに天井が低かった。
だから天井を利用した立体的な動きができたが、屋外であるここではそれが出来ない。
だからカズマ程度に遅れを取っているのだ。

「いや、ここが外だからカズマさんなんかに手間取ってるんだなぁと思って」
「……テメェ、それ本気で言ってんのか」

カズマの声が一段と低くなる。

「え?」
「それ本気で言ってんのかって聞いてんだよ!」
「本気ですよ、だって貴方みたいな甘い人に僕が負けるわけないじゃないですか」

そういった瞬間、カズマの苛立ちが音を潜める。
そして代わりに見せたのは、自分を蔑むような憐憫の情。

「あんたにはガッカリだぜ」
「はぁ?」
「あんたはかなみを傷つけたいけ好かない野郎だが、アルターもなしに戦える骨のある奴だと思った
 だが! そうやって言い訳するようじゃ、底が知れるね」

心の奥底に電流が走るような感覚を覚える宗次郎。
口端がぴくりと歪む。

「だったら……これを避けてみてくださいよ!」

勢いよく地面を蹴り上げ急加速。
一瞬で最高速に達した宗次郎は、その速度を維持したままカズマの背後へと回る。
縮地による急加速で相手の死角に回り、天剣による一閃で命を奪う。
宗次郎の十八番の戦法だ。

「ッ!」

だからだろうか。
背後に回ったにも関わらず、カズマと目が合ってしまったのは。

「ワンパターンなんだよ!」

何故、そう思う前に繰り出される拳。
咄嗟に刀で受け止めるが、その重さが刀身からはっきりと伝わってくる。
これを受け切るのは不可能と判断し、宗次郎は肩に痺れを感じながら間合いの外へと後退していく。

(攻撃を読まれてた……)

伝説の人斬りにすら捉えられなかった攻撃が読まれた。
その事実に恐怖を覚える宗次郎。
攻撃を読まれるというのは、超神速という自らの強みを失うのと同義。
一歩ずつ追い詰められていくような焦燥感が、彼の心を蝕み始める。

「オラオラ、行くぜぇ!」

右拳を地面に叩きつけ、上空へと飛び立つカズマ。
空を背に、右腕を頭上へと掲げる。

(跳んで、いや、駄目だ)

カズマのいる高さまでは、縮地でも跳び上がることはできない。

「撃滅のセカンドブリットォオオオオオオオオオオ!!」

二本目の羽が消失し、撃滅のセカンドブリットが発動。
地上にいる宗次郎に狙いを定め、上空から飛び降りるカズマ。
だが、やはり遅い。
回避するのは容易すぎる。
カズマが地上に到達する前に、拳の着地点から距離を取る宗次郎。
これで彼の攻撃は空振り、大きな隙が生まれる。
その後で悠々と距離を詰めて殺せばいいと、心中で宗次郎はほくそ笑む。
そうしてふとカズマの顔を見た瞬間、笑みは焦りへと変わっていく。

(笑ってる……?)

まるで全てが予定通りだと言わんばかりに。

(まさか!?)

カズマの真の狙いに気付くが、もう遅い。
上空から加速をつけて振り下ろされた拳が、隕石のようにコンクリートへと叩き付けられる。
耐久性をはるかに上回る一撃を浴び、崩壊していく足場。
叩き割られたそれの破片や残骸が、周辺一帯へと飛散しだす。
周辺一帯を同時に制圧されれば、いくら脚が速くても避けようがない。
気がつくと彼の目前には、巨大な残骸が迫ってきていた。

「ああああぁぁぁぁぁぁッ!!」

残骸は彼の身体に激突し、その華奢な身体を民家の塀に叩きつける。
苦悶の声を上げる宗次郎。
縮地を会得して以来、彼が他者から傷つけられることは皆無に等しかった。
それが今、こうして崩れ去ろうとしている。
額に痛みを感じ手を当てると、そこから出血していることが分かった。
蘇る十年前の記憶。
力もない子供だった頃、義父たちに暴力で支配されていた記憶。
重労働を強いられ、ろくに食料も与えられず、暗い米蔵に押し込められていた記憶。

(僕は強くなった……なのに……)

そうなった原因を、志々雄はお前が弱いからだと言った。
だから養父たちを皆殺しにして、弱者から強者へと変わった。
強くなった自分が、弱い人間に傷つけられるはずがない。
なのになんで痛いのか、血が出ているのか。

(まさか……僕はまだ弱い?)

強ければ生き、弱ければ死ぬ。
志々が教えてくれた弱肉強食の理に従えば、痛い思いをしている自分は弱いことになる。
弱いということは、支配されるということ。

「違う! 僕は弱くなんかないッ!」

縮地の突進で肉薄し、真正面から体重を乗せた斬撃を振り下ろす。
カズマは右腕で受け止める、それを切り伏せようと宗次郎は力を込める。
しかし、いくら力を乗せても動かない。

「あの時に僕を守ってくれなかった貴方が僕より強いだなんて……そんなことあっちゃいけないんだ!」

カズマが自分よりも強いなら、あの雨の日の夜に自分を助けてくれたはずだ。
だが自分を助けたのは、志々雄の言葉と一振りの脇差し。
だからカズマが自分よりも強いなど有り得ない、あってはならない。
新一や上田との邂逅、戦闘による負傷、そして強さというアイデンティティの崩壊。
数々の出来事が彼の内側で鬩ぎ合い、精神が混濁していく。
失われていた感情の噴出、弱い自分に逆戻りする恐怖。
それらが彼を後押しし、腕に篭る力を強くする。

「なんで……なんでなんだ……あっ!」

それでも、カズマを平伏させることはできない。
それどころか強引に力を込めたことが災いし、逆に体勢を崩してしまう。
ぐにゃりと世界が歪み、灰色の地面が視界に映る。
直後、腹部から全身を走り抜ける衝撃。
激痛を感じるよりも早く、身体が大きな力に引っ張られる。
その最中で彼が視界に捉えたのは、黄金の右拳を突き出しているカズマの姿だった。

「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

何度もコンクリートの地面を跳ね、たっぷりと十メートル以上転がってようやく停止する。
全身の至る箇所を強打し、その上に上手く呼吸ができない。
肺まで酸素が回らず、枯れ枝を絞りとったような声しか出せない。
全身を支配する激痛に、米問屋で虐待されていた記憶を思い出す宗次郎。
寒くて、痛くて、辛くて、怖い。
お腹も減っているのに、いっぱい働かされる。

「テメェの言っていたあの時ってのが、いつのことなのか分からねぇ
 そもそも俺はお前なんかに会ったこともねぇ……だがな、一つだけ言わせてもらう」

コンクリートの破片を踏み砕きながら、ゆっくりと歩を進めるカズマ。

「誰かに守ってもらうとか助けてもらうとか、そんな考えがクソ気に入らねぇ!
 誰を守ろうが守らなかろうが全部この俺の勝手だ! いちいちテメェの物差しで決め付けんじゃねぇ!」

来るであろう反撃を防ぐため、目の前に落ちている刀に手を伸ばそうとする。
だが、右腕も左腕も動かない。

「生きるためならなんだってする、目の前に立ち塞がる壁があったらぶっ潰す
 そいつがテメェの言っていた弱肉強食ってやつなんじゃねぇのか
 なのに文句たらたら零しやがって、テメェのそういうところが一番気に入らねぇんだよ!」

突き付けられる言葉。
数時間前にも、泉新一に似たようなことを言われた。
本当は自分自身が一番弱肉強食に納得していないのではないか、と。
そんなわけがない。
もし養父たちを殺していなかったら、逆に自分が殺されていたのだ。

――――ホントハ殺シタリナンカ

「ぁっ……がぁ……」
「声も出せねぇか……こいつで終わりだ」

そう吐き捨て、最後の羽が音を立てて消失する。

「抹殺のラストブリットォォォ!!」

雄叫びを上げ、回転を加えながら突進を始めるカズマ
それを霞む視界で見据える宗次郎。

(僕は……僕は……)

あの攻撃が当たったら、絶対に死んでしまう。
自分が弱いから、今死にそうになっているのか。
死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない。

『所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ』

かつて志々雄から受け取った言葉。
死の淵に落ちかけた彼を、救い上げた言葉。
激痛を訴える四肢を奮い立たせ、軋む身体を起こし上げる。
落とした刀を拾い上げ、腰を据える。
負けるということは弱いということ、弱いということは死ぬということ。
死にたくない。
ならどうすればいいのか、答えは簡単だ。
誰にも負けないように、誰よりも強くなればいいのだ。

「うわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

咆哮を上げながら、駆け抜ける宗次郎。
金色の拳を掲げて突進してくるカズマに、刀を構えて真正面から立ち向かう。
溢れる威圧感に屈しそうになるが、それでも彼は走るのをやめない。
走るのをやめれば、残るのは死だけだ。
彼を突き動かしているのは、死にたくないという何よりも強い意思。
拳と刀が、決死の瞬間に相まみえる。

「っ、ああああぁぁぁッ!!」

苦悶の悲鳴を上げるカズマ。
シェルブリットに大きな亀裂が入り、真っ赤な鮮血が噴出している。

「ハァ……ハァ……」

その十数メートル後方で、宗次郎は呆然と立ち尽くしていた。
全身は傷だらけで、息も絶え絶え。
だがその右腕に握られた刀からは、大量の血が滴っていた。
迫ってきた拳を避け、すれ違いざまに右腕を切り裂く。
言葉に起こすと陳腐に聞こえるが、一瞬でも行動が遅れればそれが死に繋がる。
百戦錬磨のカズマ相手となれば尚更だ。
それでも彼がそれを成し得たのは、偏に生きたいという強い意思があったから。
だから、自身の限界以上の力を発揮することができたのだ。

「僕の……僕の勝ち――――」

とどめを刺そうとして、不意に足を止める。
突き当たりの角から、見知らぬ二人の人物が姿を表したのだ。

「カズマくん!」
「お前ら、は……」

カズマは右腕を抑えながら、二人の闖入者を見比べる。
一人はシルクハットを被った人形のような少女、もう一人は黒い詰襟の軍服のような服に身を包んだ少年。
少女の方を蒼星石、少年の方を桐山和雄と言う。
彼らとカズマは、第一回目の放送直後に少しだけ顔を合わせている。
カズマがかなみを追うため、すぐに立ち去ってしまったのだ。
残された彼らが行動方針を立てる際、参考にしたのがカズマの残した警察署に行けという言葉。
Lに杉下という人物が、仲間を集めているのだという。
若干の不安はあったものの、山火事の影響もありとりあえず下山することを決意した。
だが王蛇との戦闘で蒼星石が負傷していたため、間に休憩を挟みつつ下山せざるを得なかった。
その遅れが、彼らを再会させたのだ。

「その怪我……それにこの人……」

カズマの右腕に刻まれた裂傷、斬首された少女の死体へと視線を移す二人。
最後に血液の付着した刀を持つ宗次郎を見る。

「これは間違いないね」
「ああ」

自分に向けられる視線に、はっきりと敵意が乗せられる。

「君がこの人を殺して、カズマくんに怪我を負わせた、間違いないよね?」

質問というよりは確認。
蒼星石は既に日本刀を取り出していて、桐山も銃を構えてる。
満身創痍な身体で敵は三人、どう考えても絶体絶命。
だがここで戦うことを諦めたら、それは自身が弱いと認めること。
つまり、死ぬということだ。
刀を握る手に力が篭る。
いつでも縮地を発動できるよう、地面を強く踏む。
こうして両者が剣を交わそうとする――――直前だった。

「テメェらは手ぇ出すんじゃねぇ!」

彼らを制止するように、立ち塞がるカズマ。

「こいつは俺とあいつの喧嘩だ!」
「えっ、でも、そんな身体じゃ……」
「あいつが俺に喧嘩を売った、俺が買った、だから俺があいつをボコる、徹底的にだ! それを邪魔するならテメーらでも容赦しねぇ!」

未だに出血の止まらない右腕を振り上げ、カズマは彼女たちを威嚇する。
あまりにも痛々しい姿に、思わず目を背ける蒼星石。
人間の感情に触れる機会が多かったからこそ、彼女は理解することができるのだ。
もし自分が手出しをしたら、本気でカズマに殴り飛ばされると。

「で、でも……」

狼狽える蒼星石。
自分だけでは答えを出すことができず、傍にいる桐山に判断を仰ぐ。
無表情のまま、一切の言葉を口にしない桐山。
だが構えられていた銃は、いつの間にか降ろされていた。

「分かりました……でもカズマくんが本当にピンチになったら、その時は僕らも――――」
「勝手にしな」

蒼星石の言葉を途中で遮り、カズマは宗次郎へと視線を戻す。

「悪ぃな、待たせた」
「僕が……弱いからですか?」
「あぁ?」
「僕が弱いから、あの二人の手助けを拒否したんですか?」
「だったらどうするよ?」

挑発するように口端を吊り上げるカズマ。

「貴方を、殺す!」
「はっ! どっちにしろやることは変わらねぇじゃねぇか! だったら第二ラウンドと行こうぜええぇぇッ!!」

そう叫び、天高くに右腕を掲げるカズマ。
右腕を覆っていた装甲が右腕ごと消失し、同時に周辺の地面やコンクリートの残骸が抉れる。
カズマの右腕が光に包まれ、新たな装甲が誕生する。
金色だった装甲は、太陽を思わせる橙と赤に。
顔の右半分が腕と同じ橙色の突起に覆われ、その背中には三枚の羽の代わりに一枚の金色の翼。
アルター結晶体との邂逅で手に入れた、シェルブリットの第二形態。

「行きます!」

縮地による超加速、刀を縦に構えて突進する。
上から下に刀を振り下ろす、基本剣術の一つである唐竹。
縮地から跳躍に繋げて頭上をとり、カズマの頭を叩き切ろうと画策する宗次郎。
しかし直線的であるが故に読みやすく、装甲に覆われた右腕で受け止められてしまう。

「ッ!」

苦悶に表情を歪めるカズマ。
第一形態は腕を装甲で覆うだけだったが、第二形態は右腕全体をアルター化させている。
故に腕の負傷が戦況に響くことはないはずだが、この一撃は今までのものよりもはるかに重みが増していた。
右腕がギリッと悲鳴を上げる、このままでは受け切れない。
金色の翼で地面を叩いて強引に身体を押し上げ、刀ごと宗次郎を押し返す。
そして勢いづいたまま踏み出し、余った左拳で宗次郎の腹部を狙う。
が、まるでボクシング選手のように紙一重で回避され、逆に隙を生み出す結果となってしまった。

「遅い!」

打撃を回避した宗次郎は、剣先を前方につきつけ足腰に力を溜める。
左腕をカズマが引っ込めた瞬間、一気に踏み込んだ。
俗にいう刺突の一撃。
斬撃を主とする彼はあまり使わない技だが、一歩でも踏み出す空間があれば最高速に達する縮地との相性は抜群だ。
全速力の助走と同等の一撃が、カズマの心臓を穿とうとする。
先ほどの状況下にかつての宗次郎が置かれたら、間違いなく一度距離を離していただろう。
一瞬で距離を詰めれる以上、その方が安全な戦いができるのである。
だが今の彼は迷わず紙一重の回避を選択した。
少しずつ自身が変わりつつあることに、本人もまだ気付いてはいない。

「ぐっ……捕まえたぜ」

神速から繰り出される突きを、カズマは右腕で掴み取る。
それだけでは力を殺しきれず、刀は掌の内側を通過していく。
刃は容赦なく掌を切り裂き心臓へ向かうが、衣服をわずかに貫いたところで停止。
得物を捕らえられた宗次郎に、容赦なくカズマの拳が襲いかかる。

「ぐうぅッ!」

左拳による殴打が、宗次郎の腹部を穿つ。
アルターで強化されていないとはいえ、カズマは素手でもコンクリートを砕く。
宗次郎の全身を、養父たちの暴力が児戯に思えるほどの痛みが襲う。
大量の血液が口から漏れ、地面へと滴り落ちる。
それでも刀の柄は離さない。
刀の柄を軸に低く跳び、カズマの腹に膝蹴りを命中させる。
縮地を自由自在に操る強靭な脚力から繰り出される蹴りは、アルターによる一撃に勝るとも劣らない。
短い悲鳴と共に吐血し、カズマは剣先を離してしまう。
刀を取り戻した宗次郎は、得意技の一つである袈裟斬りを繰り出す。

「ナメんなぁあああああッ!!」

拳を繰り出して、カズマは斬撃を受け止める。
否、受け止めるというよりは、斬撃に攻撃したと言った方が適切だ。
数秒の拮抗の後にそれは崩れ、互いに数歩ほど後退。
それでもなお引くことはなく、何度も何度も刀と拳をぶつけ合う。
己の信念を賭し、相手の信念を超越するために。

「あぁっ!」

そうして三十ほど打ち合った頃だろうか。
宗次郎は斬撃を放とうとしたが、右腕が喪失してしまったかのように動かない。
自分の身体の一部でないかのように、右腕の感覚がまるでないのだ。
カズマも同じようで、右腕がだらんとぶら下がっている。
それでも彼らに引くという選択肢はなく、ほぼ同時に踏み出して頭突きを繰り出す。
額と額が衝突し、それぞれの脳を揺さぶる。
そしてついに互いに吹き飛ばされ、彼らは民家の壁に叩き付けられた。

「ゼェ……ゼェ……」

数秒間の空白が開け、彼らの意識は同時に覚醒する。
襲ってきたのは、脳を直接掻き回されるような不快感。
彼らの身体に傷のない箇所はなく、至るところが血に塗れている。
両脚は小刻みに震え、もはや立っていることすら危うい。

「なんだぁ……もう限界かぁ?」
「……まさか、貴方こそ大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だけどな、かなみのやつが心配だ、あのオッサンはどうも信用できねぇ」
「はは、そうですね、あんな胡散臭い人は初めて見ましたよ」
「だから……そろそろ終わりにしようぜ」
「ええ、そうですね、ここで決着をつけましょう」

回復した右腕を突き出し、互いに必殺の構えを取る。

「テメェがなにを背負ってるか知らねぇ、知る気もねぇ
 誰だって背負ってるものの一つや二つはあるんだ、だから同情はしねぇ」

右腕を折り曲げ、小指から順に拳を握りしめていくカズマ。
すると手甲から前腕部分の装甲が開き、内部にある歯車が回転を始める。
これこそがカズマの必殺技、シェルブリット・バースト。
技自体は第一形態と同じだが、威力や負担はケタ違いに増大している。
アルターの力を強引に引き出す、カズマらしい技だ。

「カズマさん……さっきはああ言いましたけど、貴方はとても強い人です
 貴方に比べたら、ひょっとしたら今の僕は弱いかもしれません」

刀を鞘に収納して左手を添え、腰を落として右手やや低めに置く宗次郎。
彼の最も得意とする抜刀術、それも唯一名前をつけた奥義、瞬天殺の構えだ。
縮地による突進から、天剣による抜刀術に繋げる連続技。
決まれば痛みすら感じることなく、一瞬であの世行きとなる絶技である。

「当たり前だ! 俺は金さえ積まれれば何でもやるアルター使い、シェルブリットのカズマだぜ?」
「でも! 僕は弱いままじゃいけない! 強くなくちゃいけない!
 だから貴方に勝って、僕は僕が強いことを証明する!」

高らかに、そう宣言する。
その双眼に、もう迷いはない。

「行きます!」

宗次郎が、駆ける。

「来い!」

カズマが、光る。

「シェルブリット・バーストォオオオオオオオオオ!!!!」

――――瞬天殺。




空を覆っていた雲はいつの間にか散り、一面に広がっているのは真っ青で爽快な空と白い雲。
姿を表した太陽は煌々と煌めき、地上を照らしている。
そして寝そべりながら、その空を仰いでいる青年が二人。
二人の青年も、観戦者の二人も言葉を発しない。
無音のまま、たっぷりと数分ほどが経過。
風が吹き、雲が流れ、空が動く。
そして、じゃりっと砂利を踏み締める音が響く。
二人の青年のうち、一人だけが立ち上がったのだ。
もう一人の方は立ち上がる素振りも見せず、両腕を伸ばして寝転んだまま。
つまり立ち上がった方が、この喧嘩の勝者だ。

「僕の――――」

青年は、空高く拳を突き上げる。

「――――負けですね」
「ああ、俺の勝ちだ」

立ち上がった青年――――カズマは、高らかに勝利を宣言した。

「カズマくんが……勝った」

最後の瞬天殺とシェルブリット・バーストのぶつかり合い。
この結果は起こるべくして起こったものであり、わざわざ理由付けをするのは無粋なことだろう。
それでもあえて説明をするなら、その理由は二つある。
一つは宗次郎の扱う倭刀の刃が菊一文字則宗よりも長く、抜刀するタイミングが一瞬だけ遅れてしまったこと。
もう一つは劉鳳やクーガーという強敵との戦いを経て、カズマが速さを武器に戦う相手に馴れていたこと。
この二つが勝敗を左右したのかもしれない。
だがそれは、些細な事だ。

「なんか……悔しいなぁ」

全身の骨が軋み、肉体が悲鳴を上げている。
だが、それでもかつて虐待されていた記憶は蘇らない。
負けた言い訳をしようという気は起きない。
どこか爽やかな、まるで目の前に広がる青空のような気分であった。
宗次郎の瞳から、一粒の涙が零れ落ちる。

「喧嘩に負けて悔しいってのは当たり前だろ」

少年のように泣きじゃくる宗次郎を尻目に、重い身体を引き摺って立ち去ろうとするカズマ。

「……トドメは刺さないんですか?」

去ろうとするカズマに声をかける宗次郎。
倭刀は真っ二つに折れ、立ち上がることすらできないほどの重傷。
何より自分は、彼の大切な人を手にかけようとした。
それをどうして見逃そうというのか。

「なんだお前、死にたいのか?」
「いや……」
「どっちにしろ他所でやれ、俺はもう限界だぜ、滅茶苦茶痛ぇ」

カズマは血塗れの腕を見せながら、いかにも疲れたというように振る舞う。
そうして踵を返して立ち去ろうとするが、思い出したようにもう一度だけ振り返る。

「だがな! もしテメェがまたかなみを襲おうって言うんなら、その時は全力でボコってやる!」

先ほどの緩んだ表情とは一転、鬼のような形相を見せるカズマ。
その表情を見ているだけで、身体が竦んでしまう。

「もう手出しなんかしませんよ、絶対に」
「そうか、ならいい
 あと最後に一つだけ聞かせろ、テメェ、名前は?」
「宗次郎……瀬田宗次郎です」
「そうか、ソウジロウ、さっきはああ言ったけどよ、テメェもなかなか強かったぜ」

そう言って、今度こそ本当に踵を返すカズマ。
今度は振り向かず、そのまま去っていった。

「っと、これがかなみやオッサンの荷物か、お前ら、かなみには会ってないか?」
「い、いいえ……」
「そうか、じゃあすれ違いになったのか、さっさと行かねぇとな」
「あ、ま、待ってよ、カズマくん! 怪我の手当てをしないと!」
「いらねーよそんなもん、つーか付いてくんな!」
「そんなこと言っても、僕達も警察署に行きたいし……」

地面に転がったまま、カズマの背中を眺め続ける宗次郎。
この戦いの最中で彼が掴んだ一つの真実。
それは強さというものにも、色々な種類があるということ。
志々雄のような他者を蹂躙する強さもあれば、カズマのような他者を守る強さもある。
強さというのは、一括りに出来るほど単純な代物ではないのだ。

「本当に……敵わないなぁ……」

もし、本当の意味で強くなるなら。

(志々雄さんみたいな強さより、カズマさんみたいな強さがいいな……)

他人を蹂躙する強者より、他人を守る強者になりたい。
空を泳ぐ雲を見ながら、宗次郎は爽やかに笑った。


   ☆ ☆ ☆


宗次郎との戦いを終え、しばらく歩いた後。
唐突に桐山が口を開いた。

「すまない、蒼星石」
「どうしたの?」
「どうやら、忘れ物をしたようだ」
「えっ、忘れ物? だいぶ歩いたけど、一緒に探そうか?」
「いや、いい、すぐに戻るからカズマと先に行っていてくれ」
「う、うん……分かった、でも本当に大丈夫?」
「大丈夫だ、すぐに戻る――――」

そう言って、桐山は彼らから離れた。


【一日目昼/F-6 市街地東部】
【カズマ@スクライド(アニメ)】
[装備]暗視ゴーグル
[支給品]支給品一式、タバサの杖@ゼロの使い魔、おはぎ@ひぐらしのなく頃に、Lのメモ
    かなみのデイパック(支給品一式、確認済支給品(0~2))
    上田のデイパック(支給品一式×3(水を一本紛失)、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に、デスノート(偽物)@DEATH NOTE
             ベレッタM92F(10/15)@バトルロワイアル(小説)予備マガジン3本(45発)、雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0~1(銭型に支給されたもの))
    稲田のデイパック(支給品一式、シアン化カリウム@バトルロワイアル、不明支給品0~2)
[状態]疲労(大)、ダメージ(大)、右腕、背中に裂傷
[思考・行動]
1:かなみを追って、警察署に行く。
2:『他』は……後で考える。
[備考]
※Lのメモには右京、みなみの知り合いの名前と簡単な特徴が書いてあります。夜神月について記述された部分は破られました。
※蒼星石とはほとんど情報を交換していません。

【蒼星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]防弾チョッキ@バトルロワイアル、贄殿遮那@灼眼のシャナ
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(確認済み)0~2
[状態]疲労(小)、胸部に打撲
[思考・行動]
1:カズマ、桐山と一緒に警察署に行く。
2:自分とあすかの仲間(クーガー、かなみ、翠星石)を集めて脱出する。
  千草、三村、稲田は保留。騎士服の男(スザク)、水銀燈は警戒。
3:襲ってくる相手は容赦しない。
4:和雄くん……?
[備考]
※nのフィールドにいけない事に気づいていません。
※あすかと情報交換をしました。
※桐山とはお互いの知り合いの情報しか交換していません。
 ただし能力(アルター、ローゼンメイデンの能力)に関しては話していません。
※カズマとはほとんど情報を交換していません。


   ☆ ☆ ☆


宗次郎が立ち上がったのと、訪問者の足音が響いたのはほぼ同時だった。

「貴方は……」

先ほどの喧嘩の最中に突然現れた少年――――桐山和雄。
端正な顔に氷のような無表情を貼りつけながら、彼は一歩ずつ歩を進めていく。

「どうかしたんですか?」

質問に答えようともせず、淡々と歩き続ける桐山。
自分との距離が二十メートル程になったところで、不意に足を止める。
訝しげにそれを眺めていると、デイパックから一振りの日本刀を取り出した。

「……そういうことですか」

桐山の意図を理解し、目を細める宗次郎。
カズマとの喧嘩で弱っている自分を殺そうとしているのだ。

(気に入らないな……)

あの喧嘩を穢されたようで、苛立ちを隠すことができない。
だが、今の自分は武器を持っていない。
身体は立っているのがやっとで、戦闘など以の外だ。
故に彼が選んだのは、この場から離脱するという選択肢だった。

(大丈夫だ、少し痛いけどなんとかなる)

身体のあらゆる箇所が痛むが、縮地を使うのには問題はないはずだ。
仮に問題があっても、絶対に逃げ切る。
そうしなければ、向かう先は死以外にないのだから。
逃げ出す隙を伺うため、目を光らせる宗次郎。
対する桐山は日本刀を鞘に収めたまま腰溜めに置き、腰を落として右足を前に出す。

「……なんのつもりですか?」

思わず声を上げる宗次郎。
左手を鞘に添え、右手を柄に触れずにやや下げた特徴的な構え。
彼が唯一名前をつけた技、瞬天殺の構え。

「僕の真似のつもりですか?」

問いを投げるが、桐山はやはり答えない。
瞬天殺は縮地と天剣が合わさって、初めて実現できる奥義だ。
謂わば宗次郎の強さの象徴。
それを猿真似とはいえ真似されるのは、彼に対する侮辱に等しい。

(落ち着け、落ち着くんだ)

湧き上がる苛立ちをなんとか抑えこむ宗次郎。
あんな狡い相手に負ける気はないが、達人でも武器を持った相手に徒手空拳で勝利するのは難しい。
怒りに任せて立ち向かえば相手の思う壺だ。
どうせ瞬天殺を使えるわけがない。
ここは何とか逃げ出して、カズマにこの事実を伝える。
カズマが隙を見せるとは思えないが、このままだと大惨事を引き起こすかもしれない。
だから桐山が殺人者である事実を――――

「え」

そうして、走り出そうとした瞬間。
氷のような無表情が、すぐ傍まで迫ってきている。

「なん、で」

なんで、瞬天殺を。
そう言い終わる前に、冷たい刃が首の中を通り過ぎる。
首元から大量の血液が吹き出し――――
目前に広がっていた晴天を、深紅色に染め上げた。


【瀬田宗次郎@るろうに剣心 死亡】


   ☆ ☆ ☆


胴体からの出血が収まったところで、ようやく死体へと近づく桐山。
血溜まりを踏まぬよう、慎重に歩を進めていく。
蒼星石にまだ利用価値がある以上、殺人の痕跡を僅かでも残すわけにはいかない。
だから返り血を浴びないよう、斬首した瞬間に距離をとった。

「……」

首の離れた胴体を桐山は見下ろしている。
正確には胴体が背負っている、デイパックをだ。
血液が付着しないよう制服の裾を拭い、死体からデイパックを剥ぎとる。
そして中身だけを自らのデイパックに入れ替え、空のデイパックを死体の傍へ投げ捨てた。
後はもう、蒼星石たちの元に戻るだけである。

桐山和雄は天才だった。
四歳の頃の彼の誕生日パーティーで、コック長が突然の体調不良を起こした。
このままではパーティーの席に、料理を用意することができない。
既に多くの来賓が訪れ、今更パーティーを中止することもできない。
その時に助け舟を出したのは、他でもない彼自身だった。
コック長が料理する姿を幾度か見ていた彼は、なんと出される予定だった料理を全て創り上げてしまったのだ。
これこそが神が彼に与えた、究極の学習力。
指南書を僅かに読んだだけで、オリンピック選抜級の柔道選手を圧倒する。
拳法の神童と呼ばれた少年が決死の末に会得した境地を、少し見ただけで自分のものにしてしまう。
人間を完全に超越した、まるで悪魔のような学習力。
彼はずっと宗次郎とカズマの喧嘩を眺めていた。
だから縮地も天剣も、とっくに昔に自らの力としていたのだ。
本来なら視認することすらできないはずの縮地だが、宗次郎が負傷していたため自ずと速度は落ちていく。
全力の縮地から二、三歩手前へと、目にも映らぬ速さから目にも止まらぬ速さへと。
故に桐山は縮地を視認し、取り込むことができたのだ。

宗次郎の死体から身体を反転させ、桐山は縮地を発動する。
道中にかつてのクラスメイトの死体があったが、彼は一瞥すらしない。
氷のような無表情を浮かべ、その下に透明な悪意を宿し。
彼はただ、走り続ける。


【一日目昼/F-6 市街地北部】
【桐山和雄@バトルロワイアル】
[装備]コルトパイソン(5/6)@バトルロワイアル、夢想正宗@真・女神転生if...
[所持品]支給品一式×2、コルトパイソンの弾薬(22/24)、オルタナティブゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎
[状態]右上腕に刺し傷
[思考・行動]
1:遭遇した参加者から情報を聞き出した後、利用出来るなら利用、出来ないなら殺害する。
2:蒼星石の元に戻り、警察署を目指す。
3:水銀燈、紫の戦士(浅倉)、騎士服の男(スザク)は次に出会えば殺す。
[備考]
※蒼星石、あすかとはお互いの知り合いの情報しか交換していません。
 ただし能力(アルター、ローゼンメイデンの能力)に関しては話していません。
※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。
※縮地、天剣を会得しました。(縮地が全力のものかどうかは次の書き手さんにお任せします)


【夢想正宗@真・女神転生if...】
力+3、体+2、速+2、運+1。
装備条件はとくになく、男女ともに装備可能である。
斬りつけた相手を睡眠状態にすることができるが、その効力が生きているかどうかは不明。


時系列順で読む


投下順で読む


098:あやまちは恐れずに進むあなたを カズマ 125:How many miles to the police station?
081:光を求めて影は 蒼星石
桐山和雄
098:あやまちは恐れずに進むあなたを 瀬田宗次郎 GAME OVER



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