光と亀

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光と亀  ◆wKs3a28q6Q



「クソっ、一体どうなってやがるんだ……!」
ドン、と傍の木を殴りつける。
何故こんなことになったのか、亀山薫にはまるで見当がつかなかった。
全てが異常な事に思える。
昨日の晩まではいつもと変わらぬ日常だった。
異常な犯罪に立ち会うことはあれど、“異常な物理法則”にお目にかかるのは初めてだ。
『朝起きたらおかしな場所にいた』ってだけなら拉致事件で済んだのだが(いや、それはそれで大問題ではあるが)そこから一歩も動いていないのに今度は気が付けば森にいた。
何を言ってるんだか自分でも分からなくなりそうな異常事態。それこそ、夢であると考えねば説明がつかぬほどの。

(いや、でもあれは確かに血の臭いだった……本当に夢だって考えていいのか!?)
あの時、女の子が殺された。
見た感じまだ小学生であろう女の子が、何の罪もないであろう女の子が殺された。
自体の把握が出来ていなかったとは言え、それを黙って見ていたのだ。
夢であるなら、それに越したことはない。
だが、刑事として長年やってきた亀山の鼻は、あの凄惨な殺人事件は現実のものだと訴えている。
切断面の肉が焼ける臭いも、流れ出た血液の臭いも、感覚が麻痺するくらい現場で嗅ぎ続けてきたのだ。
あの臭いは、間違いなく本物のそれだった。少なくとも、ドッキリの類ではないだろう。




(やっぱり右京さんに頼るしかない、か……)
あの場で起こった事の真偽や、これが何なのかについて、結局亀山は考える事を放棄した。
いや、せざるを得なかった。背後に人の気配を感じる。
頭脳労働は本来相棒である杉下右京の担当だ。
ややこしいことは右京に任せ、まず自分は目の前の事態に対処することだけを考えよう。
(それより、あっちだ……今も確かに草の揺れる音がした。
 風の音かも知れないし根拠はないけど、なんとなく潜伏した人間が動いた音のような気がする)
これが悪人に闇討ちされる可能性のある危険な事件を追っている最中だとしたら、「そこにいるのは分かってるんだ、隠れてないで出てきやがれ」ぐらい言っても問題ないのだろうが、
今回はそのような口調では不味いだろうと考えた。
今自分の様子を窺っているのは犯罪者でも何でもない、自分と同じく殺し合いに巻き込まれた被害者なのだ。
不審者のように扱うのは気が引ける。
そんなわけで、ゆっくりと慎重に話しかける事にした。
「……そこに、誰かい――!?」
そして、結果から言うとその選択は失敗だった。
本当に潜んでいるか分からないため、亀山はついつい何度も視線を送ってしまっている。
ようするに、気付かれていたのだ。こちらも相手の存在に気が付いている事を。
『気の利いた言葉を考えよう』などという慣れない事をしながらだったため隙だらけとなり、
その結果逃走の計画を立てていた相手は襲撃へと選択を切り替えた。
そうして隠れていた者は刀を突き出したまま茂みを飛び出し、今に至るというわけだ。


「うお……このっ!」
しかし、亀山とて伊達に警察官をやっていない。
バランスを崩し地べたを転がるはめにはなったが、刀は無事に回避した。
視界に映る相手の足が、こちらに向かって猛スピードで近付いてくる。
刀を目で追う余裕はない。
咄嗟にそう判断し、ヘッドスライディングをするように相手の足へとタックルを食らわす。
剣の心得でもあれば軌道を少し修正して足を刺すくらいしてきたかもしれないが、襲撃者にそこまでのスキルはないらしく再び刃は空を切った。
――痛みはない。どうやら相手はまたも攻撃を外したらしい。この隙に畳みかけよう。
考えるよりも早く体がそう判断を下し、脳から発せられた命令に従って相手の腕を抑え込もうと体を捻り、上半身を相手へと向けた。
「お、女ぁ!?」
そして、見てしまった。襲撃者の正体を。
とても暴力を振るうようには見えない極々普通の少女の姿に驚いて、素っ頓狂な声を上げる。
そしてその隙を突く形で、少女の乱暴に振った肘が亀山の側頭部に叩き込まれた。
よろけた亀山を蹴り飛ばし、再び少女が刀を振る。
避けられないと判断し、咄嗟に亀山は両腕でガード。
キレもスピードもないため、腕でのガードは間に合った。
腕が吹き飛びそのまま首を刈り取られる、などということはさすがにないと信じたいが、
無防備な腕で受けた以上無傷とまではいかないだろう。
最悪動かなくなることを覚悟した方がいい。
「っぐあ!」
腕に衝撃。
しかし、殴打された痛みはあるものの切り裂かれた様子はない。
数歩よろめいた後、少女を見る。
どうやらこれは少女にとっても予想外の事だったらしく、棒立ちのままぽかんと口を開けている。




「待て、落ち着こう、落ち着こう……な?」
その隙に体勢を立て直し、何とか敵意がないということを示そうと考える。
相手は命を握られ脅されているだけの少女、出来る事なら平和的に解決したい。
それに、少女の動きはどう見ても素人。冷静に対処すれば致命傷は負わずに済むだろう。
だから、両手を上げて話しかける事にした。
「武器は何も持ってない……ほら、な?」
両手を上げたまま背を向け、ジャケットを捲り腰にも何も装備していない事をアピールする。
しかし声を掛けられたことによって、呆然としていた少女の顔に警戒の色が戻っていった。
どうやらイマイチ信用されてないらしい。
まあ、人が惨殺されるのを間近で見せられた直後なので、無理もないのかもしれないが。
「何なら調べてくれたっていい。手付かずでそこに入ってるから」
地面に転がるデイパックを顎で指す。
どうなっているかを考えるのに気を取られ、不覚にも中身の確認を忘れていた。
だがしかし、それがいい方向に働いてくれる可能性もある。
仮に拳銃なんかが入っていた場合、間違いなくデイパックには戻さずに持ち歩いていただろう。
敵意がない事を示すために放ればいいのだろうが、『拳銃に手を伸ばした』という行為が相手の恐怖心を煽ってしまう恐れがある。
その点デイパックの中身を見てもらうという形なら、同じ拳銃が出てくるにしても相手の恐怖心を煽る心配がほとんどない。
脅威的な被害妄想の末に「デイパックに時限式爆弾が仕掛けられているかも!」とデイパックを漁らせようとしただけでパニックに陥る可能性も無いわけじゃないが、
そこまで強い被害妄想はどっちにしろ上手く対処できそうにないので、この際考えないでおく。




「ん?」
何とか笑みを浮かべ、少しでも良い人であると思わせるよう努力しながらデイパックの調査を促す。
こちらに刃と剥き出しの警戒心を向けたまま、少女は腰を落としてデイパックのファスナーを開いた。
こちらの方が低い位置にいるうえに周りが暗いこともあって、何が入っているのかを亀山は見ることができない。
ただ、彼女が怪訝そうにデイパックを覗きこんでいる事は分かった。
「何か……あったのか?」
出来るだけ刺激しないように、ゆっくりと尋ねる。
本当なら何かおかしなものが出たのかと自ら見に行きたいのだが、未だに下ろされる気配のない刀を見る限り止めておいた方がいいだろう。
少女は右手で刀を構えたまま、少女は中に入っていたものを順番に出していく。
水の入ったペットボトルに、地図とコンパス。筆記用具と、それからコンビニで売ってそうな安っぽいパン。
更にはポテチやタオル、懐中電灯なんかがデイパックから取り出された。
(ちょっとした旅行かよ……)
心の中でぼやきながら、亀山は考える。
サバイバルに必要な必要最低限のものは、どうやら一律で支給されるらしい。
しかしそこで疑問が生じる。
三味線に使うような糸は、サバイバルに必要なものだったろうか?
「えーっと……」
名前を知らないため上手く声をかけられないが、デイパックの中を未だ見ている少女へと話しかける。
先程までは流れ作業的に中身を取り出していたというのに、今やその手は止まっていた。
中身はもうないのだと思われる。
……もしかしなくても、あの三味線糸が武器なのだろうか。
そういえば「みんなの武器をバラバラにして配った」と言っていたように思う。
現に自分の拳銃や手錠も没収されている(目覚めて最初にそれに気付き、相当焦った)
おそらくこの三味線糸を凶器に使った殺人犯でも紛れ込んでいるのだろう。
よくよく考えれば、少女の持っている日本刀のようなものを凶器にする方がずっとレアなのだ。
にも関わらず、そんな希少な犯罪者をわざわざ探してこれに参加させているというのだろうか?
その可能性もないわけじゃない。
誰の愛用品でもない物を素人に持たせるためだけに用意するなら、刀にする意味がない。
包丁でも配った方がずっと楽だし、慣れ親しんだ武器なので日本刀よりも“成果”が期待できるように思える。
にも関わらずわざわざ刀を配るという事は、何か意図があるんだろう。
ただ単に刀を愛用する殺人鬼を呼んできているからか。
はたまた強くて非日常的なイメージのある獲物をばらまく事で殺し合いに巻き込まれているという意識を強め、
そうすることで殺し合いを加速させて“この少女のように精神的に強くない者達”を戦いへと放り込むためだろうか?
それとも、もっと他に何か意味が?
……考えても答えは出ない。
右京さんなら、あっさりと答えを得てくれるかもしれないが。




「ああ、ごめんなさい、早とちりをしていました」
ようやく刀を下ろし、少女が口を開いてくれた。
慌ただしく支給品をデイパックに戻し、少女はそれを亀山に差し出す。
「……貴方はこの“プログラム”には乗っていないようですね」
プログラムという聞きなれない言葉に疑問符を浮かべるも、『殺し合い』と直接表現するのが躊躇われたからだろうと考え適当に流した。
それよりも、殺し合いをする気はないってこと、きちんと彼女に言っていたっけ?
支給品を放りだした事で信頼を得られたという事だろうか?
「アフラ・マズダ様がいらっしゃればこんな初歩的なミスは犯さなかったんですけど……」
苦笑いを浮かべて少女が言う。
様付けをしてはいるが、話の内容からすると友達か何かの名前だろうか?
アフロ松田だかというニックネームの友人と引き離され、一人で殺し合いの場に拉致されてきたといったところか。
まだ子供なのに、酷い話だ。

「申し訳ありません」
少女が深々と頭を下げる。
綺麗に切りそろえられた子供らしい真っ黒な髪がダラリと垂れる。
そこまでされて、許さないなどと言えるはずがなかった。
もっとも、最初から責める気などなかったのだが。
「しょうがないさ、な」
肩をポンと叩いてやる。
ああ、セクハラになるんだっけ、これ?
「それより、一緒に来てくれるかな? 武器は三味線糸だけど、君をちゃんと守るから」
些か子供扱いをしすぎてるようにも思ったが、状況が状況だ。
恐怖に苛まれている未成年は、癇癪持ちの子供を扱うぐらい慎重に扱った方がいいだろう。
「勿論、そのつもりです」
顔を上げ、少女がその顔に笑みを浮かべる。
こんなわけのわからない状況下で『殺人』という取り返しのつかない事をしかけた少女を、自分は救う事が出来た。
それだけでなく、少女は自分を信じ共に戦ってくれるという。
亀山は、胸の奥が熱くなるのを感じた。
――そうだ、俺は警察官だ。こんなふざけたこと、絶対に止めてやる。




「本来なら私がやるべきことじゃないんだけど……」
少女が、ぽつりと呟いた。
「アフラ・マズダ様に代わって、私が認めます」
急に話が変わってしまい、亀山は話についていけなくなった。
一体何の話だろうと、頭にハテナを浮かべながら黙って話を聞いている。
「貴方は今を持って『地球を救う誇り高き戦士』になる資格を得ました、おめでとう」
微笑み、少女がパチパチと手を叩く。
先程まで感じていた追い風が、急に止んだように思えた。
「えーっと……どういうこと?」
「貴方、名前は?」
質問の直後に質問で返された。
若干ムッとはしたものの、相手は子供なのだしと不満は吐かずに飲み込んでおく。
今までもっとムカつくやりとりを何度も何度もしてきたしな、伊丹とか伊丹とか伊丹とかと。
アイツとのやりとりを想うと、これくらいでムッとするのが何だか馬鹿らしくなる。
「亀山薫、だけど……そういえば、君は?」
名乗った後で話題を先程の戦士発言に戻そうとし、そこでようやく少女の名前を未だに聞いていない事を思い出す。
「ふむ、亀山……亀……薫……
 やはりアフラ・マズダ様がいらっしゃらないと、戦士としての真名を与えられないわね……何も浮かばないし……」
何やらブツブツ言っている。
さっきまでと違った意味でなかなか話し合いにならない。
なんとなく、今までの事件で出会った“変わり者”の人達を思い出した。
あの人達とも、こんな感じで会話のキャッチボールがままならなかったような気がする。
「ああ、名前だったわね。私の名前は稲田瑞穂で名簿には載っているわ」
先程デイパックに戻さなかったらしく、全員に支給されたという名簿を亀山へと手渡す。
見ると、そこには確かに稲田瑞穂の名前があった。
そして、自分の名前・亀山薫と相棒・杉下右京の名前までもが記されている。
瑞穂を説得し終えたら、この場にはおらず今頃自宅で寝ているだろう右京に連絡を取る方法を模索しようと思っていたが、
どうやらその必要はないようだ。だって、彼もこの場に来てるんだもの。
摩訶不思議な現象を主観混じりに電話越しで説明するより、実際に体験している方が“真相”を暴きやすいのだろうが、相棒がこの殺し合いに参加している事をやはり素直には喜べなかった。
今頃着々とこの悪趣味なゲームを壊す計画を立てているだろうが、何せ最強の変わり者だ。
仲間なんていないだろうし、下手したら同じ『殺し合いを止めたい者』とも対立してしまうかもしれない。
そのぐらい、杉下右京という男はコミュニケーションスキルに難があるのだ。
「しかし、それは世を忍ぶ仮の姿……」
しかしどうやら、右京のような変わり者や事件で知り合ったような変人と、自分は縁があるようだ。
目の前の少女・瑞穂は、大真面目な顔でこう告げた。
「私の真名はプリーシア・ディキアン・ミズホ。光の祝福を受けし宇宙の戦士よ」
殺し合いの場で出会った少女も、十二分に“変人”だった。








 ☆  ★  ☆  ★  ☆
良くも悪くも、その後数十分は瑞穂に驚かされっぱなしだった。
瑞穂があまりにも突飛な事を言っているため、状況を整理しようと亀山の提案で行われた情報交換。
そこで聞かされたのは、映画か何かのストーリーのように荒唐無稽な話だった。
大まかに言えば、瑞穂が亀山に説明したのは以下の3点だ。



【その1:稲田瑞穂の正体は宇宙の戦士プリーシア・ディキアン・ミズホである】
まず最初に聞かされたのがこれだ。
瑞穂は町の占い屋で、己がいずれ地球のために悪と戦う運命にあるとお告げを受ける。
そしてその日から瑞穂は神秘の水晶を通じて光の神アフラ・マズダと交信するようになったのだ。
さらにアフラ・マズダの言うには、瑞穂は本当は聖なる部族ディキアンの生き残りとのこと。
今まではアフラ・マズダがその者に潜む戦士の血を見出して、地球を救うための仲間を集めていたらしい(何でも友人の一人は戦士ローレラだとかなんとか)
そしてその者の真名をアフラ・マズダに教えてもらい、初めて正式に新たな戦士が生まれるんだとか。
今瑞穂は亀山が拳銃や手錠をそうされたように神秘の水晶を没収され、そのうえそれが原因でアフラ・マズダの声を聞く事が出来なくなっているのだ。
そのため緊急の措置として、プリーシア・ディキアン・ミズホが正義の心を見出した亀山を仲間に引き込み、徒党を組んで神秘の水晶を取り戻そうと考えたらしい。
瑞穂曰く、「貴方が本当に戦士なのかアフラ・マズダ様に確かめないと分からないけど、私は貴方に戦士の資格を見出した……アフラ・マズダ様に戦士と認めてもらえるまでは、私の光の力で貴方に戦士の資格を一時的に付与するわ」
そうしてよく分からない内に水の戦士ということにされてしまった(まあ、仲間が出来たこと自体はものすごく有難いが)
ちなみに酷いネーミングセンスの真名とやら(「そうね、カメール。水の戦士マウンテンカメールかっこ仮でいいかしら。正式な真名はアフラ・マズダ様と合流したら聞くわね」)は謹んで辞退したかったが、それは許してもらえなかった。
水の戦士にされたことと言い、どう考えても名字の亀を前面に押し出そうとする姿勢に伊丹ズム(造語、伊丹っぽいことの意)を感じずにはいられない。
そういえば『異常なセンス』で思い出したが、妻である美和子は今どうしているのだろうか?
朝起きたら姿が見えなくなっていたわけだが……騒ぎになる前に帰りたいものだ。
(……この子のためにも、早く事件を解決しなくちゃな)
どうやらこの“勇者ごっこ”は殺し合いの恐怖からくる現実逃避ではなく、日常的に行っていたことらしい。
何が原因で勇者ごっこを本気でやり始めたのか分からないが、この妄想癖のせいで苦しんでいるのだとしたら手助けしてあげたいと思った。
ここで出会った好というやつだ。内田先生にいい医者を紹介してもらえないか聞くぐらいはしてあげたい。




(それにしてもまさか、信じてもらえた理由がこれたあねぇ……)
瑞穂が傍らに置いている刀――先程見せて貰ったが、正確には刀ではなく模擬刀だった――に目をやる。
瑞穂にはこれが悪を切り裂く光の剣に見えているらしい。
だから、その剣で斬ることができなかった亀山を、『悪ではない存在』とみなしたのだそうだ。
なお、いきなり襲いかかってきた理由は『アフラ・マズダ様の加護に守られている筈の自分を見つけられたから、てっきり上級悪魔だと思った』だとか。
最初は序盤いきなり上級悪魔と戦うより弱るのを待ってから戦った方がいいと考え戦略的撤退をしようとしていたが、こちらが隙を見せたため急きょ襲撃することにしたらしい。
(余談だが、瑞穂の中であの時居場所がバレた理由は「水晶から引き離されていたために、あの時すでに光の加護を十分に受けれていなかったから」というのが“真相”になっている)
そのうち「どうせ善人は傷つかないから攻撃してもいいや」と考え、出会い頭に模擬刀で襲いかかったりしちゃいそうだ……しっかり監督しないとな。

【その2:この殺し合いを開いているのは地球侵略を企む悪の仕業】
瑞穂曰く、これこそが地球を滅びさせようとする壮大な計画の一部で、自分はその計画を阻止して地球を救うためにここにいるんだとか。
確かに、この殺し合いを取り仕切る連中が人間じゃないと考ても、その推理にそんなに大きな穴はないように思える。
だが、それが正解とすんなり受け入れるわけにもいかなかった。
最初にこの場所に飛ばされた謎をはじめ、数多く存在する謎を「人外の者による超技術の賜物」の一言で片付けてしまっていいものだろうか。
それに何でもかんでも超技術が真相だと言われても、正直いまいち納得が出来ない。
何かトリックがあると考えるほうが自然に思える(最も、トリックがあったとしてもそれを解くのは亀山ではなく右京だろうが)
そんなわけで、この辺りから亀山は瑞穂の話を半ば聞き流す事にしていた。
疑問を全て解決してくれる便利な敵の想像図を作り上げるより、右京さんが向かいそうな所を地図上で探した方が有意義だと感じたからだ。

そう、亀山は瑞穂のことを単なる妄想少女だと完全に思い込んでしまっている。
悪意がないであろうことは分かっているので、適当ながらも極力返事はするようにしているが。
しかし、次に得た情報で亀山は瑞穂への認識を改めさせられる事になる。






【その3:バトルロワイアルと、戦闘実験第六十八番プログラム】
それは、何気なく――本当に何気なく呟かれた瑞穂の一言によって知らされた。
「それにしても、何で今回のプログラムは大人まで参加させられているのかしら」
今回のプログラム“は”――つまりそれは、他にも瑞穂の言う『プログラム』が行われていた事を示している。
人知れずこのような虐殺が過去にあったとでも言うのだろうか? それとも、これも彼女の妄言だろうか?
考えていても仕方がないので、彼女に直接聞いてみた。
「そのプログラム……ていうのは、何、つまりその……今回みたいな事件が過去にもあったってこと?」
そして、驚いた。
瑞穂の方が、「信じられない」と言わんばかりに口をあんぐり開けた事に。
「貴方……本当に知らないの? 学校でも習ったでしょ?
 ほら、太字になっているのにその上からさらにマーカーで塗らされた、あの第六十八番プログラムよ」
最近は教科書の内容が変わったとは聞くが、いずれも学習内容は減っているはずだ。
自分が学生の頃に習わなかったものを、今の子供だけが習っているとは思えないが……
「ニュースとか見ないの? ……それにしてもプログラムも知らない人間がこの大東亜共和国にいるとはね」
大東亜共和国。やはり、聞いた事のない単語だ。
だが、今回ばかりは「妄言だろう」と聞き流そうとは思えなかった。
理由はないが――強いて言うなら己のカンが、この話はしっかりと聞いておいた方がいいと告げている。
だから、彼女に聞いた。プログラムについて。無知な子供に教えるよう、丁寧に説明するよう頼んで。

「…………」
そして、絶句。言葉が喉から出てこない。
瑞穂の口から出てきた言葉は、亀山の予想の斜め上をいくものだった。
稲田瑞穂の言うプログラムは、毎年行われる国家主催の恒例行事だという。
そしてそれは中学三年生の1クラスを殺し合わせるものであり、優勝者には生還の他に大した特典は用意されてない。
放送や禁止エリアのシステム、爆弾の仕込まれた首輪を巻きつけられるという辺りは今行われているこの殺し合いと同じようだ。
しかし、プログラムで付けられた首輪は今巻かれているのと外見からして別物とのことだ。
そして殺し合いを仕切っていたのも、ブイツーだかと名乗った子供でなく、坂持という中年男性だったらしい。
坂持ら瑞穂の属する政府の人間は外国と手を結ぶ事を拒む傾向が強いそうなので、単純に大東亜共和国の実験をブイツーの所属する国が引き継いだだけではないと思うというのが瑞穂の意見だ。
だとしたらこの大人数を拉致する能力に加え、大東亜共和国の首輪を解除し新たな首輪をつけるほどの技術力すら入手している事になる。
もっとも、それが分かった所で、少なくとも今の二人にはその情報を発展させ新たな収穫を得ることなど出来ないのだが。




「……とりあえず、動くことにするわ。アフラ・マズダ様にお会いできれば多少の問題くらいすぐに解決しますしね」
互いに“自分の知る常識”を知らない相手と出会い、両者共に言葉を無くして数分後。
瑞穂の方から、行動に移ろうと提案した。
考えても答えは出ないと分かっていた亀山も、「ああ」と同意し荷物を纏める。
行き先は南。
警察署や病院といった有用な施設があるため、亀山が南下を提案したのを瑞穂が承諾する形で決定した。
瑞穂は序盤から人の集まる所に行くなど愚策だと思っているが、誰かに支給されたであろう水晶を手に入れるには積極的に人を探して回るしかない。
隠れるという選択肢を捨てるなら、リターンは大きい方がいい。
いつもなら水晶越しにアフラ・マズダ様が指示して下さる事なのだが、水晶が無いなら無いで瑞穂自身がそう結論付けるだけだ。
本人は気付いていないし、勿論それが神の言葉と信じて疑わないのだが、瑞穂の言うアフラ・マズダは所詮彼女の妄想の産物である。
故にアフラ・マズダの知力が瑞穂を越えることなどなく、結果として『アフラ・マズダに指示を仰ぐプリーシア・ディキアン・ミズホ』でいる時は無意識的に本来の自分より劣った思考しかできなくしていた。
逆に言えば、アフラ・マズダに指示を仰げず自分一人で判断しないといけない時、瑞穂はアフラ・マズダと同程度の思考が単独のまま出来るという事だ。
水晶がなくともオタオタするだけの無能にはならない。冷静に、アフラ・マズダと合流し“いつも通り”になる方法を考えるだけである。
もっとも、その“いつも通り”のノリが致命的な事態を招きかねないのがバトルロワイアルと呼ばれる殺人ゲームなのだが。

(……桐山和雄、か)
プログラムの話の際に聞かされた、瑞穂のクラスメートの名前。
瑞穂の言うには、瑞穂が先程まで参加させられていたプログラムにおいて、瑞穂が見ただけでも3人を殺害したという殺人鬼だ。
更に何度もマシンガンの音が聞こえた事から、下手をしたら彼の手にかかって死んだ者は2桁を超えるのではないかという。
彼女は彼を裁こうと背後から襲いかかり、気が付いたらあの場所にいたらしい。
殺害という手段は褒められたものではないし、目の前でやられたら止めたいと思うが、彼女の気持ちはよく分かった。
級友が手を染めるのを止めてやることができず、きっと彼女も苦しんだのだろう。
そして、葛藤の末に『死という形でケリをつける』と決断したのだろう。
自分が朝倉の凶行を止められず後悔したように、彼女も後悔していたのだ、おそらくは。
(それに、三村信史と千草貴子、織田敏憲……)
そして、この場に更に3人いるという瑞穂のクラスメート達。
いずれも亡骸を拝んだわけではないそうだが、放送でしっかり死者として発表されたらしい。
そうすると、ブイツーとやらは別々の世界を行き来できるうえに死者の蘇生まで出来るという事になってしまう。
そんなことが本当に可能なのだろうか?
それならばむしろ、全て瑞穂の妄言であると断じた方が説得力がある。
ただの模擬刀を光の剣だと思い込んでいる辺り、妄想癖以外何の変哲もない女子中学生と考えた方が妥当にも思える。
しかし、妄言と切って捨てようにも、『プログラム』に纏わる話にはリアリティがあったせいで簡単にはそれも出来ない(創作だとしたら相当な腕前だ、何せ話や世界観の練り込み方がパーフェクト)



だが、プログラムの存在を認めるという事は、同時に“自身の知らない東京”を認めることである。
それはつまり異世界のようなものを認める事と等しく、自分の世界の常識に基づいて否定していたプリーシア・ディキアン・ミズホを否定できなくなることを示す。
異世界に住む本物の戦士として、頼らねばならぬときがくるかもしれないということだ。
なにより彼女が本当にプログラムの経験者なら、彼女の話には大きな価値があることになる。
もっとも、単なる妄言だった場合時間の無駄も甚だしいが。
……結局どちらとして扱うべきか、答えは出ないままだった。

(とにかく、右京さんに会おう。右京さんなら、きっと……)
瑞穂の正体も、首輪の外し方も、きっと相棒がいつものように解決してくれるはず。
ならば自分は、相棒には出来ない事をしておこう。
仲間を集め、鍛え抜いた体で守り抜く。
それが、今の自分に出来、相棒には出来なさそうな唯一のことだ。
(瑞穂ちゃんにはあまり期待しない方がいい、かな?)
仮に瑞穂の話が本当だとしたら、彼女はかなりの戦力になる。
しかし逆に全て妄言だとしたら、わずか14ばかりの少女の命が失われることになるだろう。
念には念を、安全そうな建物を探し出して拠点にし、瑞穂はそこで待たせた方がいいかもしれない。
仮に瑞穂が戦士だとしても、彼女が女子中学生で自分が警官という事に代わりはないのだから。
「……絶対帰らせてやるからな。大丈夫、右京さんと合流出来ればこんな事件くらい」
誓いの意味を込め、瑞穂に言う。同時に、自分にも言い聞かせる。
「随分信用してるのね。その人も戦士かしら」
「さあな。ま、戦士……て感じじゃないかな。ああ、でも信用していいよ。
 ちょっと変わってるけど、難事件をいくつも解決してる凄い人だから」
深呼吸し、亀山は気持ちを前に向ける。
一人でも多く救うために、亀山薫は動き出す。
「……あら、探偵……なんですか?」
ああ、そう言えば言っていなかったなと思い、改めて自分の身分を明かす。
「俺と右京さんは警視庁特命係の警官でさ――といっても、匿名には二人しかいないんだけど」
一歩踏み出し、亀山の体はE-06へと侵入した。
それから、「足元気を付けて」とだけ言い、意識を前から現れるかもしれない襲撃者の探索へと傾けた。
山を抜けるまでは慎重に進む。木々のせいで奇襲が行われやすいだろうと考えてのことだ。
後ろにいる少女を確実に守り抜くためにも、慎重になるに越したことはない。
「そう、なんですか……あ、はい、足元、気をつけます」
だから、気が付かなかった。
前方に気配がない事を確認する作業に気を取られ過ぎて、違和感一つ覚えなかった。
急に堅苦しい敬語になった稲田瑞穂が、不自然に顔を強張らせた事に。








 ☆  ★  ☆  ★  ☆





稲田瑞穂は歩きながら考える。
亀山薫が、警察官だった事についてを。
ハッキリ言って、大東亜共和国に住んでいる人間で警察官に好感を持っている人間など0に等しい。
気まぐれで人1人を牢屋にぶち込めてしまう国家の犬。場合によっては射殺まで許されているのだ。
そんな奴らに好感を持てと言う方が無理な注文というものである。
そこに加え、先日巻き込まれたプログラムの1件。
あれは警官ではなく兵士だったとはいえ、国家の犬には変わりない。
憎悪とまではいかずとも、瑞穂が国家権力を嫌っていても何らおかしなことではないのだ。

だが、将来地球を救うためにも警官に処刑されるわけにはいかない。
プログラムの説明時も人殺しを推奨する明確な悪である兵士達へ攻撃しようなんて考えなかったし、日常生活でも警察に目をつけられるような行動は慎んでいる。
亀山が国家の犬・警察官なのだとしたら、今後は言葉使いに気をつけ、国家機密であるプログラムについてペラペラ喋らぬようにせねばなるまい。
嫌いではあっても、きちんと従っているのだ。
単なる子供・大人の関係や加害者・被害者の関係の時ならともかく、戦士という対等なはずの立場でまで敬語を使う(戦士の先輩という意味では、むしろ敬語を使われるべきだとさえ思っている)のはどうにも好かなかったが仕方あるまい。
命あっての物種なのだ。警察には下手に逆らわない方がいい。
……そういえば正体を隠されていた間にタメ口をきいてしまっていたけど、大丈夫だろうか。
後からそのことをネチネチと言われないよう祈るばかりだ。




出来れば穏便に行きたいが、今後亀山がこちらに危害を加える素振りを見せてきたら、やはり殺してしまうしかないだろう。
警官殺しの罪を背負ってしまい、殺し合いを終えたとしても帰る場所がなくなってしまうが、自分はまだこんなところで死ぬわけにはいかないのだ。
遠い未来において地球を救う戦いをするためにも、それまでは何としてでも生き残らねばならない。
悲しいが、そのためなら多少の犠牲はやむなしだ。
戦士の称号を自ら与えた相手だし、桐山との最終決戦まで共に戦えるならそれに越したことはないのだけど。
(それにしても、プログラムを知らない政府の人間だなんて……)
今までは想像もしていなかったが、居た所でそこまでおかしくはない気はする。
こちらの言葉で自由に解説させることによりプログラムにどんな感情を抱いているのか調査できたりと、無知を装うメリットもないわけではないのだ。
もしくは、政府に潜り込み大東亜共和国を征服にかかった地球の敵のスパイとか……
それなら、この国の一般常識に疎いことにも頷ける。
ただ、本当にただのバカという可能性もある。
正義の心を持っているのに頭脳が足りない故に政府の犬をやっている場合、生かしておいた方がメリットは大きい。
自身が戦士として成長しきる前に喧嘩を売るつもりはないが、大東亜共和国は紛れもない悪だ。
そのいずれ闘うべき悪の組織に、戦士仲間が潜り込んでいるといないのとでは大違い。
無知な亀山を上手く自軍に引き込んで、この殺し合いの後で警察署内でのし上がらせる――
いや、特命と言っていたし、すでにそれなりの地位にいるのかもしれない。
とにかく、立派な戦士となった亀山をスパイとして送り込む事によって、戦士としての使命をより効率的に果たせるようになるのだ。

(……これを使うかどうかの判断は、アフラ・マズダ様に委ねるべきかもしれないわね)
ポケットに入れていた小さな袋が零れ落ちてしまっていないか確かめながら歩を進める。
この袋には、シアン化カリウム――平たく言うと毒物が入っている。
そしてこれは、自分のではなく本来亀山の支給品。
あの時デイパックの中身をチェックしていて驚いたのだが、亀山のデイパックには支給品が4つも入っていた。
全ての支給品を確認しようとポテチとタオルをどけたところ、三味線糸と粉の入った透明の小さな袋――まさに薬の袋のようなやつだ――が見つかったのだ。



自身の支給品が3つであったことと、最後に取り出そうとしたこの袋に『特別付録』とラベルがしてあったこと。
この二つから瑞穂は『支給品は基本的に1人3つ』と考え、そしてそこから一つくらい拝借しても気付かれなのではないかと思い至ったのだ。
既に亀山が中を見ていたらおしまいだったが、パンやペットボトルの位置や向きが自分のそれとまったく同じだったため、
少なくともいくつか中身を動かさねば確認できない位置にあったこの毒物には気付いていないだろうと判断したのだ。
そのため、敢えて毒物以外の支給品を外に出して亀山にも確認させる事で彼の支給品は毒物以外の3つであると印象付けた。
それからカモフラージュのため慌ただしくデイパックに中身を戻している時に、袖口に袋を隠したのだ。
ちなみに、きちんとそれを伝えられたのか定かではないが、慌ただしい行動は『間違えて相手を襲ってしまった羞恥心ゆえ』という設定でやっていた。
そしてしばらく会話をし、自然なタイミングで名簿を亀山へと渡す。
亀山の視線が名簿に移ったのを確認してから、さりげなくポケットに手を入れ袋をポケット内にしまったのだ。
そうして手に入れた毒薬で、『警官』という悪の手先を討つべきか否かを迷っていたが、結局瑞穂はそれを保留することにした。
迷った時にはアフラ・マズダ様に聞くのが一番。
亀山の処遇は合流後アフラ・マズダ様に決めていただくのがベストだろう。
そんなこと(アフラ・マズダ様が正解を一発で当てて下さるようなくっだらないこと)を考える暇があるなら、周囲の警戒をしっかりしなくちゃ。


――城岩中学3年B組女子1番、稲田瑞穂。
彼女は相当イカレているが、決して愚かや無能ではない。
人に遭遇しにくい道を選ぶ判断力や、2日近く無傷のまま過ごせる程度のサバイバル能力はある。
宿敵である桐山和雄を発見しても、隙だらけになるまで(実際には全く隙がなかったわけだが)仕掛けない冷静さがある。
年中発狂状態なこともあり、大半の者の心がへし折れていく中で、最後までマイペースを貫きとおす精神力がある。
これらのスキルがアフラ・マズダというフィルターを通して、プログラムでは遺憾無く発揮された。
城岩中のプログラムにおいて、ラスト5人まで生き延びたのは伊達ではないのだ。
もっとも、彼女が得意としていたのは『戦闘を避けて生き残ること』であり、戦闘に関しては無残としか言いようのない有様なのだが……
瑞穂の知るところではないが、プログラムの時と違い、疲労や多少の怪我くらい大きな問題としない強者がこの島には何人もいる。
拳銃以上に殺傷力のある攻撃を素手で放てる者がいる。
そんな島の中で、あまりアドバンテージにならない『逃げ隠れ』に特化している光の戦士は、いつまで生き延びれるのだろうか。
答えは、アフラ・マズダ様にも分からない。






【一日目深夜/E-06北部】

【亀山薫@相棒(実写)】
[装備]なし
[支給品]三味線糸@バトル・ロワイアル、小型液晶テレビ入りポテチ@DEATH NOTE、タオル@現実、支給品一式
[状態]左腕に打撲
[思考・行動]
1:民間人を保護しながら何とか右京と合流し、この事件の解決を図る

【稲田瑞穂@バトルロワイアル(小説)】
[装備]模擬刀@現実
[支給品]シアン化カリウム@バトル・ロワイアル、本人確認済み支給品×2、支給品一式
[状態]健康。アフラ・マズダ様のお声が聞けないため若干落ち着かない(´・ω・`)
[思考・行動]
1:神秘の水晶を奪還し、アフラ・マズダ様と再び交信する。
2:悪は討つ。亀山は……


【シアン化カリウム+外れ武器三点セット】
『特別付録・シアン化カリウム』というラベルシールの貼られた透明の袋に入った毒薬。
毒薬の存在を隠すための外れ支給品が他に3つも付いてきた。
亀山薫の支給品だが、現在は稲田瑞穂が隠し持っている。

【小型液晶テレビ入りポテチ@DEATH NOTE】
シアン化カリウムのおまけとして付いてきた外れ品のひとつ。
中に入っている小型液晶テレビがきちんと映るのかは不明。

【模擬刀@現実】
床の間に飾るようの切れない刀剣。
先端が尖っているため、首・腹部・心臓などの部位を突き刺せば殺傷も可能。
金属なので打撃武器として使えるが、逆刃刀と比べるとその威力は見劣りする。


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稲田瑞穂



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