バカは考えずにただ行動するだけ

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バカは考えずにただ行動するだけ  ◆U1w5FvVRgk



 満天に広がる綺羅星と、月光に照らされた漆黒の海。
 その海辺に座り込み、仮面ライダー龍騎――城戸真司は名簿を確認していた。

「蓮は、いないのか」

 真司が最初に探したのは仮面ライダーナイト――秋山蓮の名前だった。
 自分は彼と戦っている最中だった筈だ。それが気が付いたら殺し合いなんかに参加させられていた。
 それならば蓮もこの場所に居るのではないかと、名簿を取り出し名前を探したのだが、生憎にも蓮の名前は無い。
 その代わりというべきか、知り合いの名前を一つと、あまり見たくない名前を二つ、合わせて三つ見つけた。
 それは北岡秀一浅倉威東條悟の三人だ。

(北岡さんは判らないけど、浅倉と東條は間違いなく殺し合いに乗ってるだろうなぁ)

 殺人犯である浅倉と、英雄になるためなどという理解しがたい理由で仲間まで殺害した東條。
 二人の人柄を思い浮かべ、思わずため息を付く。
 この場に居る唯一の知り合いと呼べる北岡も、外面は良いが利己的なところが多々あり、その策略には何度か騙されたこともある。
 浅倉と東條は言うに及ばず、北岡も客観的に見れば碌な人間ではない。

 それ以上は三人のことを考えても仕方がないと判断し、名簿をデイパックに戻す。
 代わりに黒いカードケースを取り出す。それを見つめながら、改めて自分が此処に来るまで何をしていたのかを思い返していく。

(俺は、蓮と戦ってたんだよな)

 まず思い出すのは、ミラーワールドでの仮面ライダーナイトとの戦い。
 その戦いで優勢となり、止めを刺そうとカードデッキから『FINAL VENT』のカードを引き出したのが、真司が最後に覚えている記憶だった。
 結果的にナイトを倒すチャンスを逃した訳だが、真司はどこかでホッとしている自分に気付く。
 そんな自分に苦笑するが、今はそれ以上に迷っていた。それは殺し合いに乗るかどうかの迷い。

(……何を迷ってるんだよ。決めただろ。迷っていても誰一人救えないなら、きっと戦うほうがいいって。戦いの辛さとか重さとか、
そんなのは自分が背負えばいいんだ。自分の手を汚さないで、誰かを守ろうなんて甘いんだ)

 今一度、決意を心中で述べるが、真司の決意はあくまで他のライダーに対してのもの。それ以外の人々を傷付ける積もりなど毛頭ない。
 だが、真司の脳裏からは一つの可能性がどうしても離れなかった。
 それは『神崎士郎がこの殺し合いに関わっており、殺し合いはライダーバトルの延長である可能性』

『ライダーバトル』――鏡の中の世界『ミラーワールド』において、神崎士郎が作り出したカードデッキを手にした十三人の仮面ライダーが、
 そこに生息する『ミラーモンスター』と契約し、最後の一人になるまで続けられる戦い。
 そして最後の一人となったものは望みを叶えてもらえる。規模は小さいかもしれないが、概要はこの殺し合いと同じものだ。

(最後の一人になるまで戦って、何でも願いが叶うところといい、どう考えてもライダーの戦いと無関係だとは思えないんだよな。
だとしたら、あのV.V.とかいう子供は神崎の仲間? それとも神崎のほうが協力者なのか?)

 これがライダーバトルの延長であるのならば、真司は戦わなければならない。何故なら、真司には目的があるから。


(俺は決めたんだ。優衣ちゃんを救うために、戦うことを。でも、その為にライダー以外の人たちまで犠牲にしないといけないのか?)

 真司は元々望んでライダーとなった訳ではない。偶然にもカードデッキを拾ってしまったことで戦いに巻き込まれてしまったのだ。
 それでも持ち前の正義感故に、当初から人々を襲うミラーモンスターを倒し、ライダーの戦いを止めるために奔走してきた。
 だが、この殺し合いに参加させられる直前に、真司はライダーバトルで最後の一人になるまで戦うことを選んだ。
 全ては一人の少女、神崎優衣を救うために。

 神崎優衣。ライダーバトルを主催した神崎士郎の妹であり、真司にとっては大切な友人である。
 そんな彼女は二十歳の誕生日を迎えると消滅してしまう運命にある。
 彼女の消滅を防ぐために、神崎士郎はカードデッキを開発し、ライダーバトルを始めた。
 倒されたライダーやモンスターの命を集め、それを新しい命として優衣に与えるために。

 真司は戦いを止めたら優衣が消滅してしまうことを知ると迷い始めた。
 そして悩み脱いだ末に決断したのだ。優衣を救うために戦うことを。
 だが、今その決意が揺らぐ。他のライダーを倒すことにさえ散々迷ったのだ。
 普通の人間を傷付けるなど、それこそミラーモンスターと何の変わりもない。

(優衣ちゃんは助けたい。でも、人を傷付けることはできない。俺は、結局どうすればいいんだよ……)

 深いジレンマに悩まされ、真司は頭を抱える。元々単細胞な性格故に、一度悩むとなかなか抜け出せない。
 それでも考える。普段は殆ど使わない頭を使って必死に。

 数分が経ち、考えが纏まったのか、真司は勢いよく立ち上がる。

(考えるからダメなんだ。どれだけ考えても迷ってるぐらいなら、何も考えなければいい)

 真司の結論は思考の停止。考えること自体を止める投げ遣りな選択。
 それでも、一つの決断は下していた。

「取り敢えず、他のライダーを倒そう。その後のことは、それから考えればいい」

 敢えて決断を口にする。そうしないとそれすら出来なくなりそうだから。
 手にしたカードデッキをポケットに入れ、デイパックからは地図を取り出す。

「まずは何処にいるか把握しないとな。っしゃあ! 頑張ってみますか」

 無理矢理に気合を入れ、笑みを作る。それは、普段の彼を知るものが見れば痛々しいと感じる笑みだった。

 城戸真司はその単純な性格から周囲に良くも悪くも『バカ』と評価される。
 そんな彼だからこそ、ただ愚直に優衣を救うためにしか行動できない。
 例え、優衣自身がそんな救いを求めていないとしても。


【一日目深夜/A−2 海辺】
【城戸真司@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎、不明支給品0〜1
[状態]健康、迷い
[思考・行動]
0:何処にいるか把握する。
1:他のライダー(北岡、浅倉、東條)を倒す。
2:1の達成後の行動はそれから考える。

[備考]
参戦時期は47話、ナイトサバイブとの戦闘中です。
※殺し合いはライダーバトルの延長だと考えています。
※殺し合いに神崎士郎が関わっていると考えています。
※V.V.は神崎士郎の仲間、もしくは協力者だと考えています。


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