Seven=forTress@BUrnIng

NHK 1

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0.出立(Author:クラン)

ロウ村長から村に戻るよう連絡を受けました。

さらわれた教え子を探す旅も、もう5年になります。
子供たちは大きくなるというのに、未だ手がかりは掴めていません。
己の不甲斐なさに恥じ入るばかりです。

さて…今回呼び戻されたのは、頼み事の為だったようです。
何でもキャロラインという女の子を探して、
海導王ロイヴァス様のところまで連れて行って欲しいとのこと。
魔法学院を出奔して行方知れずだそうですが
海導王様に呼ばれるとは一体どんな娘なんでしょうか…。

そうそう。村長に捜索の為にと護符を頂きました。
効果は村長にも分からないそうですが、これがあればその娘と会えるそうです。

1.海導王の下へ(Author:クラン)

お…机で手紙を書いてるあの娘は…!
ふう、やっと見つけましたよ。キャロラインさん。

キャロライン
「な、何!?貴方は誰!?」

っと、これは失礼しました。んー、いきなり海導王云々と話しても駄目でしょうね。
えーと、僕はクランといいます。前の魔法学院の院長ですかね、ロウ村長の頼みで…。

キャロライン
「ロウ院長?そういえば、あの人前の院長をしてらっしゃったわね…」

何とか信用してもらえそうですね…。実は海導王様のところに貴方を……!?
入口の扉が勢いよく!バーン!!フード被った小柄な人影が!つかつかつか!

小柄な人影
「貴方がキャロラインさんですね、私の名前はルティエル。世界の為に貴方を守りに来ました。」

キャロライン
「ちょ、ちょっと。何なのよ貴方たちは!海導王!?世界の為!?いいかげんにして!」

ちょ、ちょっとどこいくんですか。あぁ、もうせっかく説得しかけたのに…。
って、また誰か来ましたよ!

飄々とした青年
「おっと、あんたがキャロラインか。城まで来てもらう。
まぁ、嫌だといっても連れて行くんだがな。へっ。」

キャロライン
「な・ん・なのよ貴方たちはぁぁぁ!!」

攻撃魔法!?…やばい、真剣だ。

しょうがないっ………スイマセン、チョットイイデスカッッ!!…落ち着いて話を整理しましょうよ。



さて。とりあえず、キャロラインさんは城まで行くことに同意してくれました。渋々でしたが。
青年の名前はゲイルさん。僕と同じく、この娘を海導王様の下まで連れてくるよう頼まれたそうです。
ルティエルさんの目的は不明ですが…『大耳の』ゴルさんの関係者とあれば、まぁ大丈夫でしょう。
キャロラインさんはまだ警戒しています…フードがいけないと思うんですよ。
試しに聞いてみたら外してくれました。これで幾分風通しがよくなればいいんですけど。

それでは城に向かいましょうか。…ところで、僕の役目はどこまでなんでしょうかね?



2.王命下る(シュピーゲル=バーンズの手記より)

オレが食客になって2ヶ月が過ぎようとしていた。
何もしなくて飯が食えるってのは楽でいいんだが、どこか物足りない。
ロイヴァスの頼みを引き受けてしまったのは退屈だったからだろうか。

しかし、どうもイヤな予感がする。
このキャロライン…言いにくいな、キャリーはきっと厄介事を引き寄せる女だ。
オレが見つけた時点でトロそうな男と目つきの危ない小娘に絡まれていたのがその証拠だ。
男はクラン、小娘はルティエル(ルティと呼ぶにはなぜか抵抗を覚える)という名前だが、
どちらもただの一般人じゃないし、何か仔細ありげな雰囲気だ。
もちろん本人に訊いたわけじゃない。だがオレの勘は結構当たる。
そんなヤツを2人も引きつけるキャリーってのはきっと苦労の多い人生に違いない。

さて、城に着くとオレたちはすぐに謁見の間に通された。
キャリーだけを呼べばいいのに、何故かオレを含めた3人も同席しなければならないらしい。
今日のメニューはオムライス定食だったんだがな…。
謁見の間は随分凝った造りになっていた。床はガラスでできていて、向こう側の海がよく見えた。
あの床が実は落とし穴で、海導王が気に入らないヤツを密かに魚の餌にしているという噂がある。
ただの都市伝説じゃないのかもしれない。
ロイヴァスが入室し型通りの挨拶が終わると、キャリーは早速なぜ自分を呼んだのか説明を求めた。
正直オレにはよくわからない話だったが、要するに手紙を配達する人間が必要だったらしい。
世界の運命がどうとか言ってた気もするがロイヴァスが適当かましただけだとオレは見る。
とりあえずその配達人にキャリーが選ばれたということだ。
かなり省略したがまあいい。そこまではいい。

良くないのはそのキャリーの護衛にオレとクランとルティエルが指名されたということだ。
オレには適当に指名したとしか思えないのだが、ロイヴァスはいつもどおりのポーカーフェイス。
何を考えているのかさっぱりわからない。得な野郎だ。
この時の2人の反応は対照的だったな。
何故かルティエルはノリノリで瞳が輝いていたが、クランはあからさまに動揺していた。
後者が正常な反応だ。
そしてオレだが…選択の余地はない。詳しく説明されなかったとはいえ、既にロイヴァスの頼みを引き受けている。
半ばハメるようなやり方が腹立たしくはある。だが、ただ飯を食らっているのもそろそろ飽きた。
このままリ・アクアティースに留まっていても、オレは今以上には強くなれないだろう。
ガキの頃以来だが、探索者の真似事をしてみるのも悪くない。

追記:
メンバーの評価と私見を記録しておく。
  • ルティエル
オレを除くと唯一の戦闘経験者。とりあえず頼りにはできるか?
目つきと言動が少し危ない。悪いヤツではないのだろうが、あれではキャリーが嫌がるのも無理はないな。
  • クラン
ただの司祭。旅の経験はあるようだが、探索者としては期待しないほうが無難か。
優柔不断に見えるがキャリーの護衛をあっさり引き受けたあたり、なかなか果断だ。
  • キャロライン
天才で学校での成績は優秀だったそうだ。無論、オレは当てにしない。
随分と挑戦的な目つきをしている。実力が伴っているかお手並み拝見ってとこだな。



3.はじめてのフォートレス(ある酒場に捨てられた手紙:キャロライン)

お元気ですか、おじ様。
久しぶりの手紙になります。
それなのに、今日はおじ様に謝らなくてはいけないことがあるの。
あるいはもう既に知ってしまっていて、心配を掛けてしまったかもしれません
実は私、魔術学院を出ることにしたの。ごめんなさい。
もしかしたら、心配ではなく、おじ様を落胆させてしまったかしら

でも勘違いしないでください。おじ様の気持ちが嫌だったわけじゃないの。
見ず知らずの私に、これまで良くしてくださって。
魔術学院にも通えるようになったこと、感謝しています。
ただ、怖かったの。今まで無償の優しさっていうものを受けたことがなくって

私は、一人でも強く生きていける、そんな人になりたい
それなのに学院の子はみんな、どこかいい加減で。特に神託魔法学科なんて酷い有様。
このまま此処にいたら、私までこの空気に犯されそうで、だから…
おじ様、私は今元気にやっています。
きっと必ず立派な魔術師になって、おじ様にたくさんお礼をしたいと思います。

だから暫くは、手紙で送る様子を見守るだけにしていて。お願いです。

(ここからクシャクシャに潰されていて読み取れない)

それから、ロイヴァス様の言いつけで、かの狭間灯台(授業でも習いました)に向かったの。
おっしゃっていた通り「時空ひずみ」は収まっていて、簡単に中へ入れたんです。
でも、やっぱり実践は違うわ。
課外授業で攻略済みのフォートレスを見学したことはあったのだけれど、何の役にも立たなかった。
正直、バーンズさんがいなかったら帰って来れなかったと思う。
まず何が違うって、道が行き止まりになっているから爆弾で破壊しないと進めないの!
攻性防壁の先には、魔道砲台があるし。これがとてつもない威力!
大分上の階層に来れたと思ってたら、下りしか見つからなかったり、なかなか上手くいかないものなのね。
クリーチャーにも見たことのない凶悪なのがいたし、そうそう極めつけは地雷!
一見何もないところを、みんなするすると進んでいくのだけど、私がついて行ったら爆発しちゃうの。
何度も同じようになるから、「どうやって見分けているのですか」ってバーンズさんに尋ねたら、「経験だ」っていうの。
でも私騙されないわ。何事にも必ずコツってものが有るはずよ。
聞いて教えてくれないなら、しっかり観察して盗み取って見せるから

そういえば、あの子。ルティは大丈夫なのかしら
ルティには、最初に酷いことを言ってしまったし。でも、あれはあんなつもりで言ったわけじゃなくって。でも、傷つけたのは同じよね。
おじ様なら素直に謝れって言うのかしら。
ああ、それも気になるけど、あの子妙に肌が冷たくて。血の気がないって言うか。
フードをかぶっていたりして。何かの病気?
…色々気になるけど、私から聞くのもちょっとね
あっ、すっかり脱線しちゃった。ごめんなさい。

それで、私たちは先を急いで最上階を目指したの
そうしたら、そこには―。

(千切れてしまっており、この先は確認できない)



4.時を超えた向こうに(ルティエルの話をゴルが書き留めたメモより)

お義父さん、聞いてください!
なんと私たちはあの聖神官サライ様とお会いしたんです!

う、嘘じゃないですよ!
4階で襲い掛かってきた歯車みたいな化け物(「時の車輪」というらしいです、クランさんが教えてくれました)を倒したと思ったら
虹色の光に包まれて、私たちはサライ様のお部屋に飛ばされていたんです。
今の時代の記録では、サライ様は十六王紀969年にお亡くなりになっています。
どうも私たちは、その直前の時間に現れたみたいなんです。
いったいどうしてそんなことが起きたのかは……よくわかりません。

サライ様は突然お邪魔した私たちに戸惑われていたご様子でしたが、キャリーさんのお顔を見て何かを納得されたみたいでした。
たぶんロイヴァス様は、こうなることをすべて見越してキャリーさんに頼まれたんでしょうね。
ロイヴァス様の手紙をご覧になってサライ様が仰った返事は単純明快。ゴチャゴチャ悩まずやりたいようにやれ、というものでした。
流石はサライ様です。

お返事を頂いたあと誰かが部屋の戸を叩いたと思ったら、私たちはまた元の狭間の灯台に戻されていました。
ちょっと残念でしたね。できればサライ様に、正義とは何かについてお話を伺いたかったんですけど……。

そうそう、世間ではサライ様のことを悪人扱いしたり、あまつさえ“魔神官”などと呼ぶ人もいますよね。
でも、お会いした本物のサライ様は違いました。悪を挫き正義を為す、私が信じていたそのままの素晴らしいお方です。
世界を滅ぼそうとしたとかいう話だって、きっと誤解か、さもなくば何か事情があったに決まっています。
真の正義は時として理解されないこともあるものですから。

お城に戻ってきてロイヴァス様にサライ様の返事をお伝えすると、ロイヴァス様は何か決心をなされたようでした。
そして私たちに、他の七導王様のところへ赴き、あることをお伝えするように頼まれたんです。
それはなんと……!

――あ、すいません、お茶を頂きますね。少し話し疲れたので、続きは休憩の後ということで。
……大丈夫ですよ、お義父さんに話したいことはまだまだ沢山あるんですから。


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