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NHK 2

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kissling

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1.七導王会議(Author:ルティエル)

ええと、どこまで話しましたっけ。

ああ、そうでした。海導王様からの頼み事です。
その内容は、私たちに七導王会議開催のための使者になって欲しいというものでした。

ロイヴァス様を始めとする七導王の方々は、かつては共にサライ様にお仕えし八導師と呼ばれていたそうです。
それが今は天の三角と冥の三角の陣営に別れ、争いを続けています。
ロイヴァス様は魔王トラスフォクスの復活を阻止するため、再びそれをひとつにまとめあげようというんです。
そのための使者となるわけですから、責任は重大です。

それでどうしたのか、ですか?
決まっているじゃないですか! 世界を救うための手助けができるんです、この私がそれを断るなんてありえません。
心強いことに、ゲイルさんとクランさんも同行してくれます。
キャリーさんは少し迷っていたご様子でしたけど、最後には使者となることを決心してくださいました。
さすがは世界をお救いになる勇者様、私が信じていた通りのお方です。

そうして私たちが最初に向かった先は、リーンのシェイラ様のところでした。

道中の船上で、ゲイルさんに少し剣の稽古に付き合ってもらえました。
灯台での戦いでも思いましたが、やっぱりゲイルさんは強いです。
私とそんなに歳も違わないはずですけど、武者修行で世界を回っていたという経歴は伊達ではないようです。
どうしてそんなに強くなろうと思うのかを尋ねたら、誰にも従いたくないからだという返事が返ってきました。
……私にはよくわかりません。正しいと思ったら従う、正しくないと思えば従わない、では駄目なんでしょうか。
え、私ですか? それはもちろん、悪を倒し正義を実現するためです!

その後キャリーさんにお会いしたら、クランさんが持ってらした護符をいつの間にか身に着けておられました。
お二人の間でどのような会話があったのかは私にはわかりませんけど、その護符はきっとキャリーさんの助けになるような、そんな予感がします。
私だって……キャリーさんには嫌われてしまって近づいてはいけないと言われていますけど、
それでもできる限り、この剣でキャリーさんの力になりたいと思っています。
応援していてください、お義父さん。



2.初めての海と初めての恋(Author:ルティエル)

船旅を終え、ハザンにてシェイラ様と謁見しました。
シェイラ様はキャリーさんの顔を見ると、驚くほどすんなりと会議への出席を了承してくださいました。
これも世界を救う勇者様の力なのでしょうか、流石はキャリーさんです。
ただ交換条件として、ライザさんという女の子を海に連れて行ってあげてほしいと頼まれました。

褐色の肌で紫色の髪のライザさんは、シェイラ様が引き取って育てている孤児だという話でした。
とっても明るくていい子で、すぐに仲良くなることができたんですよ。
お城から出たことがほとんどなく、海を見るのも初めてなんだそうです。
仕事として引き受けたからというだけじゃなく一人の友達として、私はライザさんに海を見せてあげたいと思いました。

そうして一緒に海へ向かっている途中、ライザさんがゲイルさんを見るときの視線が何か違っていることに気が付きました。
ぼうっとしているというか、夢見心地というか……。
思い切って尋ねてみたら、なんと! ライザさんはゲイルさんに一目惚れしてしまっていたんです。

そういうことなら友達として協力は惜しみません。
ゲイルさんは乱暴なところはありますけど、決して悪い人じゃないと思いますし。
そう思ってゲイルさんと話をしようと行ってみたら、キャリーさんがゲイルさんと話しているところに出くわしたんです。
どうやらキャリーさんも私と同じ事を考えて、ゲイルさんを説得しに行っていたみたいです。
嬉しかったんですけど、近づいては駄目と言われている私としては少し困りました……。
だけどなんとかゲイルさんと話をつけ、2人っきりでライザさんに海を案内してもらえることになりました。

そしてそろそろ海が見えてくるという頃、それを邪魔する連中が現れました。
あの憎き闇の宗教の一味です!
奴らの狙いはライザさんのようでした。
どんな理由があるのか知りませんがどうせ碌な目的でないに決まっています、そんなことを許すわけにはいきません。
クランさんの素早い判断もあって、私たちは奴らを撃退しライザさんを護りきることができました。

ついに待ちに待った海です。
本当はライザさんと一緒に見たかったけど……ここはゲイルさんに任せるのが一番ですよね。
なので2人の間でどんな会話があったのかは私は知りません。
後で尋ねてみると告白はできなかったそうですけど、ライザさんはどこか嬉しそうでした。
やるべきことがすべて終わったら、きっとまた会えますよ。
だって私がゲイルさんの首に縄を付けてでも引っ張っていきますから。

ライザさんとまた会う約束をして次に向かった先が、お義父さんも知っての通り、ここシェローティアです。
ここで会った空導王アンブレアス様がまたすごい方で……。


3.天下泰平事もなし(シュピーゲル=バーンズの手記より)

七導王とかいう人種には、やはりオレたちのような凡人とは一線を画す何かがあるな。
いや、これは皮肉だが。

シェローティアでアンブレアスに面会したオレたちは、ヤツに一時休戦と七導王会議への出席を
求めた。
アンブレアスは素直に承知してくれた。ヤツの口ぶりでロイヴァスが実は一目置かれている男だ
という新鮮な驚きもあったが、それは些細なことだ。
とはいえアンブレアスもただでロイヴァスの要求に従うのが気に入らなかったらしい。オレたち
に仕事を押し付けてきた。
リーンのときと同じで、女の護衛だ。ライザと同じ人種なのか、髪と肌の色が同じなようだ。
こっちの女はライザと違って無理にオレに近づこうとしない。お陰で随分気が楽だ。
それに護衛といってもアンブレアスが遊びで創った迷宮を一緒に攻略するだけ。時間にして3日
で終わる任務のはずだった。

だが迷宮に着く直前、リーンのときと同じようにオレたちの前に闇の宗教が立ち塞がった。
なぜ闇の宗教とわかったか?
随分と礼儀正しいヤツで、自分から所属を名乗ったのさ。
そういうのはオレは嫌いじゃない。しかし連中のような組織にしては堂々としすぎて不気味だ。
何かの計略かと周囲を警戒したが、どうもそうではないらしい。
とりあえず護衛対象を庇うようにオレたちは陣形を組まねばならない。

 …!
 クラン! 何故前に出る。死にたいのか?

喉まで出かかった言葉を呑み込んだ。
ヤツは相手のリーダーに呼びかけていた。セリス、と。
オレが思わず動きを止めたのは、それがお袋の名前と同じだったからかもしれない。
その「セリス」はクランの呼びかけに応え、2人はオレたちにはわからない会話を始めた。
こうなってはオレたちの出る幕はない。クランの探している教え子の名前がセリスであるとは聞
いていたからな。
相手方の戦士を牽制し、2人が話を続けられるようにするくらいが関の山だ。

クランはセリスが闇の宗教に属する理由を問うが、返ってきた答えはオレたちにはよくわからい。
いや、おそらくクランにも理解できていないだろう。セリスが前提としている知識が、クランには伝わ
っていないのだ。
その後もクランは説得を続けるが、セリスの心を変えることは出来なかった。
彼女は剣を抜き、クランを斬ると言い切った。
それに合わせその背後の戦士たちも戦闘態勢をとる。

このままではまずい。
この流れは本来オレの望むところだ。なぜなら、実戦を経験することだけが、今のオレが強くな
る手段だからな。
だが、今回に限っては戦いを避けたい。
クランはまだ記憶の中のセリスと、現在のセリス…闇の宗教としてのセリスとのギャップを受け
入れられていない。
このまま戦い、セリスを殺すことになればクランの心に傷を残すことになる。

オレが思わずセリスに呼びかけたのは、後で振り返るとこんなことを考えたからなのだろうか。
その時はただ、戦いを避けなくては、とそれしか考えてなかった。
だからまあ、そのときどう呼びかけたかは覚えていないんだが。
しかしオレの説得は功を奏したらしく、セリスは剣を収めた。ヤツも本当は戦いたくなかったの
かもしれない。

その後の流れは割愛する。
アンブレアス心の迷宮をあっさり突破したオレたちは、アルセイルに向かった。
特にアクシデントもなくトウキオリンピックを制し、シェディの説得に成功。
ラーガの条件は闘技大会の優勝もしくは準優勝。何の問題もない。オレがいるんだからな。
勿論優勝。これでオレの名をオウガの耳に届かせるくらいはできただろうか。

ロイヴァスの依頼はこれで完全に達成した。文句のつけようもない。
意気揚々とリ・アクアティースへと向かうオレたちなのであった。

追記:
メンバーの評価と私見を記録しておく。

  • ルティエル
剣の腕はまだまだだ。だが、一戦ごとに確実に戦いに慣れていっている。
付き合ってみると悪いヤツではない。ただ、もう少し控えめに生きられないのか。

  • クラン
プリーストとしては標準的か。しかし戦闘における無機質なまでに冷静な状況判断は凄絶だ。
剛と柔の均衡がとれている。いつも穏やかだが、例の一件以来そのバランスが崩れているような
…。

  • キャロライン
魔法の天才はただの肩書きじゃなかったらしい。やるじゃないか、といずれ言おう。
意外に面倒見のいいヤツかもしれない。それともライザが特別なだけか?



4.私の秘密(ごみ箱に千切り捨てられた手紙:キャロライン)

お元気ですか。おじ様。

私は、正直言って色々な事がありすぎて、まだ自分でも良くわからないの
だから、おじ様には理解しにくい事になるかもしれないけど
返事はいりませんから、聞いてください

私達は前に書いたとおり七導王会議を開くため、使者となった任務は無事に終えたのだけど
リ・アクアティースに戻ってきたら、今度は精霊界で護者を倒せだって
いくらなんでも次から次へと、おかしい話じゃないかしら
ロイバス様なら、他にもっとふさわしい人材を抱えてるはずでしょう?
使者として会った七導王の方々も、私を見たらなんだか様子が変わってたし

それでロイバス様に聞いてみたの
私は何者なのかって
そしたら私の母親は時の守護者だって言うのよ
私は人間ではないんだって

驚きましたか?
私は、まだすっきりしない感じです
それは、私が人間じゃないってのもそうだけど、私は本当はキャリーではなくてセリスっていう名前だったらしいの

詳しいことは、おじ様に言っても混乱させちゃうだけだろうから書けません。
ただ、私のために不幸になった人がいて
私は、そんなこと何も知らないまま、守られてた

笑っちゃいますよね
私は誰の助けも要らないって、おじ様だけでもう十分だって
これまでの恩を返したら、一人で生きていきますだなんて、何度も言ってたのに
何も見えてない子供だったな

ああ、そうだ。冷静になったみたいに、今これを書いてるのだけど
これはルティに色々と励まされたからで

ルティは不器用だけど、まっすぐで
手は冷たかったりするけど、とても暖かい子なんです
ねえ、おじ様
こういうことしてくれる人が、友達って言うんでしょうか
そうそう、あのバーンズさんも気を使ってくれてたみたいなの、意外でしょう?

話が脱線していますね
それで、結局私は再度完全な結界を作るため。不完全な今の結界を壊すために、精霊界で護者を倒しにいくことになったの

ただ。このときクランさんはパーティーにいなかったの
クランさんは、ずっとある子のことを探していてね
その人を助けるために、しなければいけない事があるんだと思う
思えばクランさんはパーティで一番まともって言うか
頼りなさそうに見えることもあったけど、先生をやってただけあって本当に頼れる存在だったかな
クラン一人に任せきってた役割を、これからはみんなで分担しないとね

そして、今回のことが片付いたら
私も私なりに助けてあげたいんだ
それが、けじめだから。

あ、またそれちゃったかな。
それで、私達はなんとか3人で得体の知れなかった護者を破ることに成功して、魔王トラスフォクスを封じるため七導王の方々が結界を張ろうとしたのだけど、そこに闇の宗教が乱入してきたのよ!
人の塊が突っ込んできて、そのうちの一人が魔王に飛び込んでいったかと思うと
魔王は暴れはじめるし、フィルナ様やラーガ様が倒れて作戦は失敗だし、挙句の果てに目の前の空間が歪んだみたいになって―

(バラバラに千切られており、後のピ-スが揃わない)
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