Seven=forTress@BUrnIng

NHK 3

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kissling

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1.フロレターリア?(母へ。と書かれた雑記帳:キャロライン)

気がついたとき、私はベッドの上だった
精霊界は?魔王は?

先に目を覚ましていたらしいバーンズさんに色々と問い詰めたかったけど
その場にいた見知らぬ青年は、私達を丁重に扱ってくれたの
それで、とんでもないことを聞いたわ

私達、フロレターリア文明の時代に跳んできたらしいの
十六王紀の初めのころ!もはや、古代史の授業の範疇でしょ?
それで、この世界は今と変わらず「連合」と「同盟」っていう2つの勢力が争っていて
母様も良く知っている、あのヴァレリア様は連合の人なんだって

私達は同盟の人に保護されたらしいわ
この時代は、まだ神結界の綻びは小さくて
世界には今ほど変わった人は居なかったみたい
魔術学院でやたら足が臭くって、いじめられてたA君みたいな人が居ないのよ

あと、この時代では神託魔法がつかえないの
これは、回復魔法を打てないって事だから、かなり焦ったわ
力を何かに偏らせて持つのは良くないって事ね、教訓にしなきゃ

それで今、同盟の人は神結界の穴を広げて、古代神たちの力を利用しようと考えてるみたい
正直そのことを良く思ってない人も居たけど
同盟は連合に押されていて、他に頼む術をもっていないんだって
きっとこの時代の争いが、今の時代の危機につながったんでしょうね

ルティはかなり憤って、止めさせたがってたけど、これは私達でどうにかできる問題じゃないわ
悲しいけどね

ともかく、私達の時代の魔王のこともあるし、早く帰らないといけない
幸い、保護してくれた人はとても親切で、帰るための用意をしてくれるって言ってくれたの

私達は、私達で情報をあつめて回ってたけど
そういえば、バーンズさんがラーガがどうのって言ってたわね、気のせいかしら
同盟は生物兵器の開発が盛んみたいで、変なものがいっぱいだったしね

そんなこんなで三日を過ごしたある時、私達の居る施設が突然連合の攻撃にあって…



2.記憶も時空の彼方へ(シュピーゲル=バーンズの手記より)

  フロレターリア時代から飛ばされた後のことはあまり記憶に残っていない。
  多くのことが立て続けに起き過ぎたからかもしれないし、時間の流れに逆らってオレたちが
移動したことが原因なのか、それはわからない。
  しかし、だからこそ忘れる前に書き残しておく。

  オレたちが次に現れた時代は、十六王紀の終わりだ。どうもサライに縁があるらしく、ヤツの
いるところにしか、その後のオレたちは転移しなかった。
  フロレターリア紀にしか時空転移の装置はなかったのに、オレたちがどうして現代に帰って
これたんだろうか。正直オレには永遠の謎だ。時の獣とかなんとかいうモノの力らしいが、わからん。
知りたいヤツはオレに訊く前に隣のキャリーって女に訊いてくれ。そいつは時の専門家だ。

  さて、時代を転々と飛びながらオレたちが何をしたのか。細かいところは忘れてしまったから、
要点だけを書く。以下、何度か時間転移を繰り返しながらオレたちがやったことは、
  ① 神結界の消去に失敗した際に出現したトラスホクスを封印する方法を、サライに教える。
  ② キャリーの母である時の守護者と遭遇。

  の2点のはず。書き出してみると大したことはしてないな。
  そんなことをしながら、オレたちは現代に帰って来た。

  ああ、そういえばルティエルがサライの八導師の1人だったらしい。オレはサライも元々
知らなかったぐらいだから、八導師が何なのかも具体的にはわからないんだがな。

  こんなところか。今回の追記はなし。
  もし誰かこの手記を見る者があれば、一つお願いがある。オレたちがやったのは本当に
上の2点だけなのか。それを検証して欲しい。以上だ。



3.決戦! トラスフォクス(Author:ルティエル)

フロレターリア時代から飛ばされたとき意識を失いキャリーさんたちとはぐれてしまった私は、
精霊界を彷徨っていたところをサライ様に拾われました。
といっても過去の、以前一目だけお会いしたときよりさらに昔のサライ様です。
私が事情を話すと、サライ様は気の済むまでここに居ていいと言ってくださいました。
なんでも精霊界というのは時間に中立?…だとかで運が良ければはぐれた仲間とも遭遇できる可能性がある、とかそういう話だったような……。
ええと、難しい話だったのであまりよく覚えていません。
たぶんサライ様も言葉では理解できていなかったと思います。

そんなわけで、私はしばらくサライ様のお傍に仕えることになりました。
八導師(このときはティアナさんが抜けた後の七人でした)のみんなともすっかり仲良くなったんですよ。
特にアンブレアスは私の信念に共感してくれて、正義について朝まで語り合ったりしていました。懐かしいです。
でも、前に会ったとき何の反応もなかったのは私に気が付かなかったってことなんですよねー。
いくらその頃の私がとある事情で全身包帯を巻いていたとしても、正義の魂があれば感ずるものがあったはずなのに!
(その事情、ですか? そんな、サライ様が不死化の解呪に失敗したからだなんてことは口が裂けてもっ)
闇の宗教なんかは私のその姿を見て、“死神ルティエル”なんて呼んだりしてました。
酷いと思いませんか? 私は何度も正義の使徒ルティエルだ、って訂正したのに全然聞いてくれないんですよ!

? どうしたんですかお義父さん、難しい顔をして。
……あ、はい。話を続けますね。

キャリーさんたちと合流を果たして現代に戻ってくると、現れたのは丁度今日。過去に飛ばされたときから一週間後です。
お義父さんも知っての通り、今は暴れ出そうとするトラスフォクスを七導王のみんながなんとか押さえこんでいる状態です。
でも、それももうあまりもたないみたいです。
幸い私たちは過去に飛ばれた際、これをどうにかする手段を知ることができました。
その方法は、儀式魔法で身を護りながらトラスフォクスの内部……精神の中に侵入し、そこにいるはずのドクター・ヘルを倒すこと。
そして、その魔法を宿すには強靭な不死の肉体が必要なんだそうです。

――はい。私は、これからトラスフォクスの内部に突入します。世界を救うために。

大丈夫ですよ。私と一緒にゲイルさんやキャリーさんも行くんです。
触媒である私が倒れてしまったら、お2人まで帰れなくなってしまいますから。
それに、まだやらなければいけないことがあります。
さらわれたサリアさんとライザさん、そして闇の宗教からの手紙を残して失踪したクランさんにもう一度会わなければいけません。
私たちが突入している間にお義父さんは3人の行方を捜しておいてください。約束ですよ?

……じゃあ、いってきます、お義父さん。


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