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Seven=forTress@BUrnIng

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kissling

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1.旅立ち(:サヤ)

こうして旅に出た私達でしたが、シェローティアの南方を旅していたあるとき、突如光の柱が立ったかと思えば、近くの村を襲う武闘家らしき集団を見かけたのです。

私達は一も二も無く、村の方々を助けるため駆けつけたのですが、恥ずかしながら多勢に無勢。次第に囲まれてしまい、岬のようなところへ追い詰められてしまいました。

この窮地に、水上を走る不思議な乗り物に乗った方が通りかかり、助けてくださったのです。聞けば、私達のことが予言されていた、とおっしゃるのですが。そういえば、このとき乗った乗り物ですけど。なぜか壊れてしまって、悪いことをしてしまったかもしれません。

助かったことに安堵したのも束の間、その方の主がおられる町も同様に襲われていたのです。「天」という集団が何なのかはわかりませんが1度ならず2度までも、このような振る舞いを許すわけには参りません。
私達はまたも駆け出すこととなったのですが、その道中、私達と目的を同じとする隻腕の戦士とお会いしました。大きな獲物を片腕で扱っておられ、その立ち姿には経験のなせる凄みがあるようにも感じられる方でした。少々戦いに不慣れな様子があったのは隻腕ということに関係があるのでしょうか。

…ここで紙が足らなくなってきたので、一旦切ることにします。
本当に、旅に出ると日々書き留めるべきことも増えすぎてしまいます。

しかし今思えば、旅も始まって早々、旅情を楽しむような余裕もありませんでしたが、思えばこれはただの始まりに過ぎなかったのです。


2.手紙(:第一次世界大戦回想録より)

左腕を失ってからの俺は、リーンの農夫として生きていた。
サリオンの手配してくれた義手は非常によくできている。が、やはり本物の腕とは比べ物にならない。
老兵は死なず、ただ去りゆくのみ。
戦士として役に立たなくなった自分が口惜しくはあるが、20年余も戦場に立って生還できた。
そのことを喜ぶべきだろう。
そう考え鍬を振るっていた俺を、再び戦いに引き戻したのはサリオンだった。

正確には当時の状況がそうさせたというべきだが、その後の戦いに俺が参加した理由が彼のためであることには疑問の余地がない。


さて、ここからは当時の記録を記していくことにしよう。

サリオンを訪ねてシェローティアを訪れただけのはずだったが、事態は俺の予測を超えていた。
プレインは「天」の軍勢に押し込まれ、サリオンは村の者と共に砦に籠っているようだ。とりあえずまだ負けたわけではない。
とはいえ、援軍が望めない以上、プレイン陥落は時間の問題だ。
我々が加勢したとしても、兵力差は圧倒的。大勢を覆すことは容易ではあるまい。

この時、俺は途中で合流したサヤとクリステル(本名なのか?)の方を密かに窺ってみた。
2人はどうやって砦に侵入するかを思案していた。
どうやら、見捨てるという発想は最初からないようだ。俺は思わず微笑んだが、幸いにして誰にも気づかれなかった。
若い者、それも女性が(一部に疑問はある)生命を賭けるというなら、力を貸すのが俺のような年寄りの義務だろう。

と偉そうに言ってみても妙案などない。強行突破するのみ。
「天」の者たちの実力が総じて高くないことはわかっている。問題はない。

結果は歴史に残る通りだ。我々は突破に成功し、とりあえずプレイン領主サリオンと合流することが出来た。
誤解を生じないために一筆添えるが、突破を成し遂げたのは俺を除いた3人だ。俺などは皆の足を引っ張っていたに過ぎない。
思えば、この時俺は本気で戦士を引退しようと思ったものだ。



3.決闘(:愛の日記 第26章 6節より)

 ひとまずは城を取り戻した私たちだけど、安堵するわけにはいかなかったの。敵に囲まれた絶体絶命の状況に変わりはないわ。

 その時、天の部隊を率いる男フレイが城に声をかけてきたの。4対4の戦いで決着をつけようと言ってきたわ。少数対少数の戦いはこちらの望むところ。それにしても何と不適な自信。拳であのように弱きものを虐げるような、義の無い行いをしておきながら、自らの勝利を信じて疑わないとは。たとえ神が許そうとも、私は許すわけにはいかないわ。領主であるサリオンさん(ちょっと良い男よ)にお願いして私もその戦いに参加させてもらうことにしたの。

 私の他にはサリオンさん。若いのに領主なだけあって、優しくて、賢くて、魔術の腕も確かで、頼りになって、ハンサムガイで、ちょっと完璧すぎて近寄りにくそうな所が欠点かしら。
 それにウォルフさん。ナイスミドルな隻腕の戦士よ。手を失っているせいかしら、自分のイメージに実際の動きがついていっていないように見えるときがあるわ。でもとても落ち着いているし、ただの戦士ではないわ。
 最後はサヤ。あの娘も武を志すもの。このような無体な振る舞いを許すわけには行かないと思っているようだわ。動きはまだ未熟だけど、その心は武の道を進むにふさわしいものだわ。この姿を見ればあの娘のお父さんも・・・。

 相手は二刀を構えた男が一人、残りは無手。私は一気に敵の頭であるフレイの元に飛び込んだわ。頭をつぶせばケリは付く。「男を狙うときは金玉から」集団戦の鉄則よ。
 フレイはその拳や蹴に炎をまとわせて戦う冥府紅蓮道の使い手だったわ。他にも魔法を封じる不思議な技を使っていたの。一体どこで身に着けたものなのかしら。
 私も冥府ドゥドゥッピ道の使い手として負けるわけには行かないわ。でも「荒馬と女」(荒馬から女性が振り落とされるその動きを真似た蹴り技よ)だけでは、この男を倒すことは出来ないのは明らかだったわ。私はまだ身に着けたわけではないけど、やらなければいけなかった。「王子と踊り子」(ある古い砂漠の国の王子が、恋人であった踊り子と舞ったステップを参考にした蹴り技よ)を繰り出し何とか互角に戦ったのだけど、今一歩及ばずやられてしまったわ。

 それにしてもどうして・・・こんな腕の立つ男がこのような非道なまねをしているのかしら。でも負けは負け、もっと精進しなければいけないわね。

 さてこの後は意識を無くしていたので、はっきりとはわからないのだけど・・・。


4.新たなる戦いへ(:サリオン)

2月4日 晴天

物見の報告では、昨日の決闘の結果を受け“天”の兵団は残らずプレイン周辺から撤退したとのこと。
彼ら「武道家」の思考形態は今一つ理解できないが、約束事に律儀な点には感謝しなければならないだろうか。

先日の戦いで捕縛した捕虜を問い詰めたところ、驚くべき事実が判明した。
彼ら“天”の兵団が現れたのはこの地方だけではなく、なんと全世界規模だというのである。
その目的は、魔法ではなく武道が上位の社会を作ること。
それに何の意義があるのかはともかく、その規模と組織力については驚嘆せざるを得ない。
追加で入ってきた報告もそれを裏付けていた。
オウガの拳に倒された炎導王を始め、各地方では“天”の兵団に対し劣勢、良くても互角の戦いを繰り広げているらしい。
シェローティアの首都フェイスも陥落し、空導王アンブレアスと聖神官サリアは別々の場所に落ち延びたという話である。

これはかつてない異常事態だ。と同時に思う、千載一遇のチャンスでもある、と。
この争乱を収める功績を挙げたとなれば、かつての立場どころか世界を束ねる七王にも迫る地位を手に入れることができるかもしれない。
元よりこの争乱、“天”の兵団の奇襲こそが苦戦の最大の原因だろう。混乱が収まれば徐々に旧勢力が盛り返していくと考えられる。
私がやることはその勝ち馬の背に乗ってうまく立ち回ることだけだ。分の悪い賭けではない。

当面、目指すべきはフェイスの解放。そのためにまずは御しやすい聖神官サリアの軍勢との合流を果たすべきだろう。
遠征の手配を進めさせておくことにする。

ただ、ひとつ気になることがある。
フェイスが陥落した際、内部から何者かの手引きがあった可能性があるという。
あそこにはあいつがいたはずだ。まさかとは思うが……。


2月5日 快晴

街の復興のために募った寄付金の集まりが期待以上に良い。
市民のためにと体を張って戦ったことが功を奏したか。

先日の戦いに協力してくれた探索者たちに報酬を支払う。
このレベルの探索者にしては払い過ぎかとも思うが、今後のための先行投資と考えればそう高くはない。
都合のいいことに、サヤとクリステルに関してはあちらから同行を申し出てくれた。

サヤ=イチジョウという見慣れぬ服装をした少女は、剣術を修めるために旅をしているらしい。
年若いながら戦いでの活躍は目覚しいものがあった。
腰に下げている刀はおそらく相当の業物だろう。それに振り回されないだけの力量を身につければ、充分に戦力として期待できる。
性格は武道を修めているだけあって純粋で実直、襲われる住民を見過ごせずに割って入ったというあたり、度胸と正義感も持ち合わせているようだ。
私のことはすっかり善人と信じきっている様子。もっとも疑いを抱かせるような素振りは何一つしていないので当然だが。
支払った報酬の半分以上を返還してきたときはさすがに驚いた。
昔の自分を見ているようで、あまり彼女のことを騙すのは気分が良くない。

クリステル=モンローと名乗る変人女装の男は、実力は3人の内では随一。
外見については……今は少しでも戦力が欲しい状況だ、この際目をつぶる。
しかし仮にもシェローティア解放軍を名乗る軍勢に奇行の目立つ者がいるのはあまり体裁がよくない。
それとなくサヤかステラあたりに言って遠回しに釘を刺させておくべきか。
武道以外に接点があるとも思えないが、一応サヤの友人であるらしい。
思考形態は理解不能。理解したいとも思わない。ドゥドゥッピ道ってなんだ。

最後の一人のウォルフガングは今回の件には同行しないような様子だった。
無理もない、あの義手は不完全で戦闘に耐えられるものではないことは私が一番よく知っている。
彼自身も先日の戦いでそれを思い知っただろう。
彼が本調子であれば、と思わずにはいられないが、仮定の話をしても仕方があるまい。


2月7日 曇天

復興に関する手配を一通り完了。
どの道二度と戻る予定のない街、最低限の出費で片付ける。

執務の最中にウォルフが尋ねてきた。
復興の進め方に疑問があるらしい。曰く、昔の私ならこのような方法は取らない筈だ、と。
……ただの武人かと思っていたが、意外に聡いところがある。
誤魔化しきるのも難しかったのでぞんざいに応対してしまったのは失敗だっただろうか。
彼の性格上、他人に吹聴して回ることはないだろうが……。もう少し慎重になるべきだったかもしれない。
話の最後に、ウォルフは何故か解放軍に同行することを申し出た。
断るわけにもいかなかったので了承はしたが、いったい何が目的なのか不明。
彼の今後の動向には気を配る必要がある。


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