サイグラ地方
ファーガンドの北西、サイグラ列島に位置する海洋国家サイグラは、もしかすると世界でもっとも“誤解”の多い地域といえるかもしれない。
いわく『男性は全員チョンマゲである』、いわく『女性は全てゲイシャである』、更には『カラテの黒帯はタラスクをチョップで倒せる』等々。住民がスシとテンプラしか食べない、だから髪が黒いというのも誤謬である。
何故こんなにもデマがはびこるかと言うと、それはサイグラが世界でもっとも不思議な世界だからである。
実際のサイグラは規律と道徳を重んじ、物質面だけでなく精神面をも重視する思想によって彩られた静かな世界である。節約、倹約が美徳とされ、華美な装飾は排除されている。例えば絵を描くにも墨一色だけを用いたり、詩を作るのに31文字で済ませたりする。極限まで簡素化した、だがそれでいて力強い芸術。サイグラには独特の文化がある。
サイグラ人の生き方もまた、慎み深く、それでいて重い。この地方で最も大切なものは信義、そして名誉である。サイグラ人は約束を守るため、使命を果たすため、そしてただ名誉のためだけに死ぬことができる。一生のうちに何ができるか、というのが彼らの人生の命題であって、冨や権力というのはその副産物に過ぎないのだ。ただ生きていれば良い、命だけが大事だという考えは彼らには無い。不名誉な生は、名誉ある死に劣る。それがサイグラ人だ。
いわく『男性は全員チョンマゲである』、いわく『女性は全てゲイシャである』、更には『カラテの黒帯はタラスクをチョップで倒せる』等々。住民がスシとテンプラしか食べない、だから髪が黒いというのも誤謬である。
何故こんなにもデマがはびこるかと言うと、それはサイグラが世界でもっとも不思議な世界だからである。
実際のサイグラは規律と道徳を重んじ、物質面だけでなく精神面をも重視する思想によって彩られた静かな世界である。節約、倹約が美徳とされ、華美な装飾は排除されている。例えば絵を描くにも墨一色だけを用いたり、詩を作るのに31文字で済ませたりする。極限まで簡素化した、だがそれでいて力強い芸術。サイグラには独特の文化がある。
サイグラ人の生き方もまた、慎み深く、それでいて重い。この地方で最も大切なものは信義、そして名誉である。サイグラ人は約束を守るため、使命を果たすため、そしてただ名誉のためだけに死ぬことができる。一生のうちに何ができるか、というのが彼らの人生の命題であって、冨や権力というのはその副産物に過ぎないのだ。ただ生きていれば良い、命だけが大事だという考えは彼らには無い。不名誉な生は、名誉ある死に劣る。それがサイグラ人だ。
'''「人は生まれたるその日より 日一日と死に向かって進みはじめる」 ''' ──サイグラの隠者小兵衛
歴史
彼らの祖先はプレーン・ウォーカー(次元を渡る者)である。ファーガンドとは別の次元、別の世界にその源流がある。数世紀前のとある大戦により住む場所を奪われた彼らが、漂白の末に辿り着いたのがこのファーガンドである。彼らは驚くべき勤勉さで凍りついた不毛の地を開拓し、ゲンブのような大都市を作り上げてしまったのだ。いつの日か元の次元に戻ることを彼らは望んでいる。
彼らの祖先はプレーン・ウォーカー(次元を渡る者)である。ファーガンドとは別の次元、別の世界にその源流がある。数世紀前のとある大戦により住む場所を奪われた彼らが、漂白の末に辿り着いたのがこのファーガンドである。彼らは驚くべき勤勉さで凍りついた不毛の地を開拓し、ゲンブのような大都市を作り上げてしまったのだ。いつの日か元の次元に戻ることを彼らは望んでいる。
宗教
サイグラ人の宗教は独特である。彼らは川や森や山、土や水といったものにいわゆる“神”が宿ると信じているが、それは例えばファーガンド大陸の人間が太陽神を崇めるのとは微妙に異なっている。特定の一柱のみを信仰の対象にするのではなく、自然にある“神々”をそれぞれ畏れ敬うのがサイグラにおける信仰である。彼らはその神々を“八百万の神”と呼ぶ。
この信仰により、彼らは魂を転生させることができる。人間もまた自然の一部であり、万物が流転するというのがその考えの中心であるから、魂が生まれ変わっていくのもまた、彼らにとっては当然の考え方なのである。
サイグラ人の宗教は独特である。彼らは川や森や山、土や水といったものにいわゆる“神”が宿ると信じているが、それは例えばファーガンド大陸の人間が太陽神を崇めるのとは微妙に異なっている。特定の一柱のみを信仰の対象にするのではなく、自然にある“神々”をそれぞれ畏れ敬うのがサイグラにおける信仰である。彼らはその神々を“八百万の神”と呼ぶ。
この信仰により、彼らは魂を転生させることができる。人間もまた自然の一部であり、万物が流転するというのがその考えの中心であるから、魂が生まれ変わっていくのもまた、彼らにとっては当然の考え方なのである。
輪廻転生の思想が最も強く影響するのは“蘇生”に関してである。サイグラ人は生まれ変わりを信じているため、例えば'''レイズ・デッド''' 呪文のような蘇生効果を受ける事はまず無い。特に武士ならばそれを“生き恥”と考えて絶対に拒絶するだろう。死は破滅や終わりではない。それは大いなる流れの中の区切りの一つなのだ。そして、よく“生きた”のならば、死に際してなんら恐れることもない。だから彼らは生きているうちに己の為すべき事を為せるよう、努力するのである。それが出来なかったのは自身の不徳であり、だからと言って“やり直し”を要求することが恥なのである。
他の地域のクレリックの代わりがシュゲンジャである。彼らは聖印の代わりに法螺貝を携え、山に篭って修行するうちに霊力を身に付けるのだ。修行を究めたものはヤマブシ(山伏)、エンノギョウジャ(役行者)、タイマシ(退魔師)等の上級クラスになる。これらのクラスについての説明は、いずれ行なわれるであろう。
武士
この地方の戦士階級は“武士”と呼ばれるエリート職である。サイグラは強力な中央集権国家であり、国はいくつかの“藩”という単位で構成されている。藩の構成員が武士である。武士は有事に武器を取って最前線で戦うことはもちろん、平時であっても鍛錬を欠かさず、町の見回りをしたり子供に勉強を教えたりという指導者的役割をも果たす。特権階級ではあるが横暴ではなく、むしろ平民よりも禁欲的で、つつましい生活を送っていることがほとんどである。
ほとんど全てのサムライ・クラスを持つキャラクターは武士であるが、武士の全てがサムライというわけではない。武士の中には他の国から渡って来たファイターもいれば、野武士と呼ばれるバーバリアンもいる。だがクレリックやパラディン、ましてやウィザード、ローグが武士になることは非常に稀である。
武士の中には剣を究め、ケンセイ(剣聖)となるものも居るし、不名誉な行ないをしたり、主人を失ったりした武士はローニン(浪人)となる。
この地方の戦士階級は“武士”と呼ばれるエリート職である。サイグラは強力な中央集権国家であり、国はいくつかの“藩”という単位で構成されている。藩の構成員が武士である。武士は有事に武器を取って最前線で戦うことはもちろん、平時であっても鍛錬を欠かさず、町の見回りをしたり子供に勉強を教えたりという指導者的役割をも果たす。特権階級ではあるが横暴ではなく、むしろ平民よりも禁欲的で、つつましい生活を送っていることがほとんどである。
ほとんど全てのサムライ・クラスを持つキャラクターは武士であるが、武士の全てがサムライというわけではない。武士の中には他の国から渡って来たファイターもいれば、野武士と呼ばれるバーバリアンもいる。だがクレリックやパラディン、ましてやウィザード、ローグが武士になることは非常に稀である。
武士の中には剣を究め、ケンセイ(剣聖)となるものも居るし、不名誉な行ないをしたり、主人を失ったりした武士はローニン(浪人)となる。
<主な町村>
ゲンブ(玄武)
巨大都市:伝統的権力;属性 秩序にして善;10,000gp上限;総資産 20,055,000gp;人口 40,110
権威:徳田信吉、男性の人間、サムライ15
概要:大将軍信吉が玄武城を構えるサイグラの首都。農民、町人を含む人口は大変なもので、ファーガンドでも1、2を争う大きな都市である。ただし住民の生活は質素なもので、将軍家が率先して倹約に努めているほどである。真冬でも信吉が靴下を履かず、足の指があかぎれだらけという逸話は有名である。木と紙で作られた家屋が立ち並ぶため、頻繁に火事が起きる。そのため職人は食い扶持に困ることがない。
有名な場所:玄武城──三重の堀と高い塀に守られた堅牢な城。各地の指導者は年に一度、この城に参拝するしきたりになっている。
特別な利点:この地方では旅人は丁重に扱われる。たとえ宿代が払えなくても家に泊め、食事を与えるのが美徳とされている。そのため、この都市を訪れた一文無しのキャラクターは、たいていどこかに転がり込んで一夜を明かすことができる。
ゲンブ(玄武)
巨大都市:伝統的権力;属性 秩序にして善;10,000gp上限;総資産 20,055,000gp;人口 40,110
権威:徳田信吉、男性の人間、サムライ15
概要:大将軍信吉が玄武城を構えるサイグラの首都。農民、町人を含む人口は大変なもので、ファーガンドでも1、2を争う大きな都市である。ただし住民の生活は質素なもので、将軍家が率先して倹約に努めているほどである。真冬でも信吉が靴下を履かず、足の指があかぎれだらけという逸話は有名である。木と紙で作られた家屋が立ち並ぶため、頻繁に火事が起きる。そのため職人は食い扶持に困ることがない。
有名な場所:玄武城──三重の堀と高い塀に守られた堅牢な城。各地の指導者は年に一度、この城に参拝するしきたりになっている。
特別な利点:この地方では旅人は丁重に扱われる。たとえ宿代が払えなくても家に泊め、食事を与えるのが美徳とされている。そのため、この都市を訪れた一文無しのキャラクターは、たいていどこかに転がり込んで一夜を明かすことができる。
アキンド(秋土)
大きな都市:伝統的権力;属性
秩序にして中立;50,000gp上限;総資産46,010,000gp;人口18,404
権威:内藤晩冬、男性の人間、エキスパート8
概要:“商人内藤”と言えば、将軍家も一目置く大富豪である。しきたりに縛られた武士と違い、自由に商売ができる商人が力を付け、繁栄しているのがこの都市である。サイグラでもっとも豊かで、活気があり、娯楽が発達している場所でもある。冒険の舞台としてはうってつけであろう。
有名な場所:美ヶ原──いわゆる遊郭街。“サイグラ美人”と言われる上玉が揃っている。
特別な利点:特別という訳ではないが、およそあらゆる種類の商品、サービスが自由に手に入るのはサイグラでここだけである。
大きな都市:伝統的権力;属性
秩序にして中立;50,000gp上限;総資産46,010,000gp;人口18,404
権威:内藤晩冬、男性の人間、エキスパート8
概要:“商人内藤”と言えば、将軍家も一目置く大富豪である。しきたりに縛られた武士と違い、自由に商売ができる商人が力を付け、繁栄しているのがこの都市である。サイグラでもっとも豊かで、活気があり、娯楽が発達している場所でもある。冒険の舞台としてはうってつけであろう。
有名な場所:美ヶ原──いわゆる遊郭街。“サイグラ美人”と言われる上玉が揃っている。
特別な利点:特別という訳ではないが、およそあらゆる種類の商品、サービスが自由に手に入るのはサイグラでここだけである。
十三忍者村
村:非正統的権力;属性 秩序にして中立;100gp上限;総資産 2,670gp;人口 534
権威:羅萬、男性の人間、ニンジャ20
概要:地図に示されていない隠れ村。将軍家の隠密(諜報部)がひっそりと生活している。13人からなる精鋭部隊が“十三忍者”としてサイグラ各地で暗躍している。諜報活動や暗殺を生業とするため、その全ては秘匿されている。この村の正確な場所を知る者はなく、探りに行った者は死を免れないであろう。
村:非正統的権力;属性 秩序にして中立;100gp上限;総資産 2,670gp;人口 534
権威:羅萬、男性の人間、ニンジャ20
概要:地図に示されていない隠れ村。将軍家の隠密(諜報部)がひっそりと生活している。13人からなる精鋭部隊が“十三忍者”としてサイグラ各地で暗躍している。諜報活動や暗殺を生業とするため、その全ては秘匿されている。この村の正確な場所を知る者はなく、探りに行った者は死を免れないであろう。
サイグラでの冒険
モチーフが中世日本であるサイグラは、通常のキャンペーンでは使うのが難しいサムライ、シュゲンジャ、ニンジャといった東洋的なクラスのキャラクターの出身地に最適の場所である。キャンペーンに和風テイストを盛り込みたい場合に利用すると良いだろう。なにしろ、武士やサムライに関する資料には事欠かないわけだから、ネタに困った時には助かる筈だ。
サイグラは徳田家が治めているが、まだまだ全土を平定し切ったとは言い難い状況である。北の森からやって来るバグベアの群れ(穴熊族)が略奪を繰り返しているし、南を見れば海を越えて竜牙教団が領土を狙っている。各地の大名の中には将軍の寝首を掻こうと狙っている者すら居るのだ。
また、アキンドは商売のタネ、冒険のタネに事欠かない刺激的な都市である。そこを訪れる冒険者には、人探し、身辺調査、貴人の護衛、仇討ちの手伝い、道場破り代行など、様々な依頼がやってくるだろう。時代小説や時代劇、映画から冒険のネタを引っ張ってくるのも良い。
鬼、妖怪というのも面白い冒険のテーマである。サイグラでのいわゆるモンスターの扱いはファーガンド本土のものに比べて神話的で、畏れや祟りといった面を持つ強力な存在として捉えられている。PCにはおよそ太刀打ちできない力を持つもの(九尾の狐、鵺、天狗等)もいるだろう。単なる“退治モノ”というよりは、妖怪話、ホラー映画、怪奇小説のようなサスペンス仕立てでプレイすると良いだろう。そのためには既存のモンスターを強大化して用いる等の工夫が必要であろう。
モチーフが中世日本であるサイグラは、通常のキャンペーンでは使うのが難しいサムライ、シュゲンジャ、ニンジャといった東洋的なクラスのキャラクターの出身地に最適の場所である。キャンペーンに和風テイストを盛り込みたい場合に利用すると良いだろう。なにしろ、武士やサムライに関する資料には事欠かないわけだから、ネタに困った時には助かる筈だ。
サイグラは徳田家が治めているが、まだまだ全土を平定し切ったとは言い難い状況である。北の森からやって来るバグベアの群れ(穴熊族)が略奪を繰り返しているし、南を見れば海を越えて竜牙教団が領土を狙っている。各地の大名の中には将軍の寝首を掻こうと狙っている者すら居るのだ。
また、アキンドは商売のタネ、冒険のタネに事欠かない刺激的な都市である。そこを訪れる冒険者には、人探し、身辺調査、貴人の護衛、仇討ちの手伝い、道場破り代行など、様々な依頼がやってくるだろう。時代小説や時代劇、映画から冒険のネタを引っ張ってくるのも良い。
鬼、妖怪というのも面白い冒険のテーマである。サイグラでのいわゆるモンスターの扱いはファーガンド本土のものに比べて神話的で、畏れや祟りといった面を持つ強力な存在として捉えられている。PCにはおよそ太刀打ちできない力を持つもの(九尾の狐、鵺、天狗等)もいるだろう。単なる“退治モノ”というよりは、妖怪話、ホラー映画、怪奇小説のようなサスペンス仕立てでプレイすると良いだろう。そのためには既存のモンスターを強大化して用いる等の工夫が必要であろう。
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