トーチ・パール
『グレイ・トーチの永遠の焔 海に落ちて珠となりしは 其トーチ・パールの輝きなり 貴婦人の胸に揺れて焔を上げ 吾が心沸き立たせるなり』と詩に讃えられるトーチ・パールは、近隣はもちろん遠方の国々からも引き合いのある希少な真珠である。
炎のようなオレンジの輝きを帯びたトーチ・パールは、上質のものは掌で揺り動かすことで炎を纏っているかのような光沢を放つという。
もともとトーチ・ポート南側の岩礁で採れる真珠はオレンジがかった色味をしており、その中でも特に美しい輝きを持つ上質のものだけが”トーチ・パール”として珍重されている。
トーチ・パールは公にトーチ・ポートの宝と認められており、商工会(宝飾品ギルド)が認定書を発行してその品質と価値の保障を行っている。その価格は平均的なもので1つ500gp、大粒の上質ものは1000gpを超える価値があるとされ、それでも常に品薄の状態が続くほど人気が高い(特に通常の宝飾品に飽きた貴族や豪商のご息女方に評判がよいという)。
ちなみに質の低い証書がないもの(トーチ・ポート産パール)はその1/4~1/2の価値しかないため、真珠取り職人たちは細心の注意を払って真珠貝と漁場を守っている。
近年、東港の真珠職人たちの長年の尽力が実り南の岩礁近辺での真珠貝の養殖が可能となったことで、天候任せ・運任せだった供給量がわずかながら安定し始めている。目立った産業の少ない東町は新たな収入源である養殖業に期待し、またコンラート伯の口利きもあって、さまざまな援助を行っている。
トーチ・パールを育む貝はごく普通の真珠貝である。かつてトーチ・ポート近海の真珠貝をよそで養殖してみたもののごく普通の真珠しか形成しなかったこと、ちょっとした水質の変化からトーチ・パールがまったく生産されなくなったことなどから、トーチ・パールはトーチ・ポート近海独特の環境によって形作られるものであろう、と真珠職人のフラウディは結論している。もっとも、多くの人々には(詩にあるように)「グレイ・トーチの輝きが海に落ちて出来た」ものと信じられているようだが。
時折、非常に大粒かつ美しい輝きを放つトーチ・パールが水揚げされることがある。あまりに大きなものには市場では値段がつけられず、またさまざまな危険(盗賊・強盗の襲撃など)がついて回るため、多くは領主であるコンラート伯爵や陪臣らに献上品として贈られる。
こうして献上されたパールは伯爵じきじきに名を与えられ、国家的な記念物(戦勝記念の宝冠)を彩る装飾の一部として利用されたり、外交の際の贈呈品として用いられる。たとえば先日水揚げされた巨大なトーチ・パール(差し渡しが子供の頭ほどもあったという)には伯爵直々に“トーチ・ポートの陽”と命名され、町の広場に建立予定の伯爵立像の装飾として用いられることが決まっている。
炎のようなオレンジの輝きを帯びたトーチ・パールは、上質のものは掌で揺り動かすことで炎を纏っているかのような光沢を放つという。
もともとトーチ・ポート南側の岩礁で採れる真珠はオレンジがかった色味をしており、その中でも特に美しい輝きを持つ上質のものだけが”トーチ・パール”として珍重されている。
トーチ・パールは公にトーチ・ポートの宝と認められており、商工会(宝飾品ギルド)が認定書を発行してその品質と価値の保障を行っている。その価格は平均的なもので1つ500gp、大粒の上質ものは1000gpを超える価値があるとされ、それでも常に品薄の状態が続くほど人気が高い(特に通常の宝飾品に飽きた貴族や豪商のご息女方に評判がよいという)。
ちなみに質の低い証書がないもの(トーチ・ポート産パール)はその1/4~1/2の価値しかないため、真珠取り職人たちは細心の注意を払って真珠貝と漁場を守っている。
近年、東港の真珠職人たちの長年の尽力が実り南の岩礁近辺での真珠貝の養殖が可能となったことで、天候任せ・運任せだった供給量がわずかながら安定し始めている。目立った産業の少ない東町は新たな収入源である養殖業に期待し、またコンラート伯の口利きもあって、さまざまな援助を行っている。
トーチ・パールを育む貝はごく普通の真珠貝である。かつてトーチ・ポート近海の真珠貝をよそで養殖してみたもののごく普通の真珠しか形成しなかったこと、ちょっとした水質の変化からトーチ・パールがまったく生産されなくなったことなどから、トーチ・パールはトーチ・ポート近海独特の環境によって形作られるものであろう、と真珠職人のフラウディは結論している。もっとも、多くの人々には(詩にあるように)「グレイ・トーチの輝きが海に落ちて出来た」ものと信じられているようだが。
時折、非常に大粒かつ美しい輝きを放つトーチ・パールが水揚げされることがある。あまりに大きなものには市場では値段がつけられず、またさまざまな危険(盗賊・強盗の襲撃など)がついて回るため、多くは領主であるコンラート伯爵や陪臣らに献上品として贈られる。
こうして献上されたパールは伯爵じきじきに名を与えられ、国家的な記念物(戦勝記念の宝冠)を彩る装飾の一部として利用されたり、外交の際の贈呈品として用いられる。たとえば先日水揚げされた巨大なトーチ・パール(差し渡しが子供の頭ほどもあったという)には伯爵直々に“トーチ・ポートの陽”と命名され、町の広場に建立予定の伯爵立像の装飾として用いられることが決まっている。
最近、トーチ・パールの評判と価格に目をつけた偽造団の手になる偽者が流通しているという。ほとんどのものは普通の真珠に着色したり、安物のトーチ・パールに幻術で細工した程度のものだが、中には精巧な偽証書つきのものまであり、商工会は賞金つきで犯人を捜している。
(BM)